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第二章 冒険者登録編
第24話 放置ダンジョンで配信?
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それにしてもまさかここの様子を配信しようなんてな。まぁ確かにダンジョンでの様子を撮影してライブで配信する冒険者は多い。
そう考えると、うん?
「どうかな? 私は絶対に上手くいくと思うんだけど!」
「それは簡単ではないと思うけど、それ以前に大事なことが一つあるのを忘れてた」
そう忘れてた。彼女との会話で俺は重要なことを思い出した。
「えっと、大事なことってなんですか?」
「あ、あぁ。実は俺、まだ冒険者ギルドに登録してなかったんだ」
そうなのだ。ジョブストーンを装備した場合、装備者は冒険者ギルドに届け出をし登録する必要がある。
これはジョブを持った人間を管理するという意味合いも強い。異世界物では恒例の冒険者ギルドだが、ダンジョンが生まれた世界では公共の団体となる。
故にジョブストーンの装備者がギルドに登録する事は義務であり法律でも定められている。もし無許可でジョブストーンを装備したまま活動した場合はその度合いによっては罰せられることがあるという。
とは言え手に入れて一週間以内程度なら一応猶予はあったはずであり、その間に悪事につながるような真似をしてなければ問題ないはずだ。
「え? 登録が必要なんですか?」
山守が目を丸くして驚いている。まぁ無理はないかな。彼女はジョブストーンについてもよく知らなかったわけだから。
「あぁ。登録しないと活動できないようになってるんだ」
「えっと、つまりそれまでは配信は?」
「当然出来ないだろうな」
「そんな! だったら早く登録しにいきましょうよ!」
「ワウワウ」
「ピユキィ~」
早く早くと促す山守につられてかモコとラムもせっついて来た。まぁどうせそこまでやることもないし、今日の内に登録しておいたほうが利口だよな。
ただそうなると一つ懸念点があるんだよな。
「モコとラムの事どう言おうかな……」
そう、それがあった。モコとラムは見た目には幼くとても可愛らしいモンスターだが、それでもダンジョンで見つけたモンスターであることに代わりはない。
もし俺が手に入れたジョブストーンがテイマー系ならテイムしたということでごまかせたかもだが農民だからなぁ。畑仕事がメインの生産職がモンスターを連れて行ったらやっぱり怪しいだろうか。
いっそ留守番してもらって言わないって手もあるが、それはそれで後々面倒なことになりそうだし。
「どうしたんですか? 難しい顔して?」
「いや、モコとラムの事なんだけど」
俺は今考えていた問題点を彼女にも伝えた。
「なんだそんなことですか。素直に言えば大丈夫じゃないですか? 仲良しだって」
あっけらかんと言い放つ山守。なんというか凄くあっさりとした態度でそう言う彼女に俺は少し面食らってしまう。
「いや、でも、モコやラムをモンスターだと知って危険視される可能性がないとも言えないしな」
「ワン!?」
「ピキィ!?」
俺の話を聞いてモコとラムが足にしがみついてきた。僕たち悪いモンスターじゃないよ~と言ってる気がしないでもない。そんな姿もとても愛おしく思えてしまう。
「こんなに可愛いのにそんな酷いことを言うんですか?」
「いや、俺も登録するのが初めてだから何とも言えないが、こんな時こそネットの出番か」
俺はネット上に何かいい情報が無いか調べてみた。
「冒険者、ペット、ギルド、と」
とにかく思いつくワードで調べてみると意外なことがわかった。どうやらモンスターを手懐ける方法はテイムだけとは限らないらしい。
ジョブによっては食べ物で手懐けることもあるようだ。これは使えるかも知れない。
「いいか? モコとラムは俺が育てた作物を食べて仲間になったんだ。ギルドでもそういう風に振る舞ってくれると嬉しい」
「ワン!」
「ピキッ!」
モコとラムがキリッとした感じで返事した。どうやらいい付けはしっかり守ってくれそうだ。
「それで上手くいくんですか?」
「今はそれを信じるしかないかな」
もっともこれで駄目だったら俺がなんとしてでも説得して見せる。これでも長年営業としてやってきたわけだからな。その経験を活かすときだろう。
と、いうわけで俺たちは冒険者として登録を済ませる為にギルドに向かうことになったわけだが。
「それなら私の車で行きましょう」
「え? 車持ってるんだ」
「持ってますよ! この山にも車で来たんですからね」
そう言って彼女がドヤ顔を見せた。まぁ車で動けるのはありがたい。よくよく考えてみたらモコとラムを連れたままバスや電車で行くのも目立つからな。
というわけで俺たちは一旦ダンジョンを出て山守の車に乗せて貰うことにした。
「これが私の車です」
そう言って山守が見せてくれたのは一台のオフロード車だった。見るに結構年季が入ってそうでもある。
「中々渋いな。これは中古で購入を?」
「これは生前にお爺ちゃんから譲ってもらったんです。免許も返納して乗らないからって」
山守が少し寂しげに語った。何となくだけど譲ってもらってからまだそんなに経ってないのではと思える。
「それなら大切に乗らないとな」
「はい! ではどうぞ乗ってください」
「わかった。ほらモコとラムも」
俺はラムを肩に乗せモコを抱えたまま助手席に乗り込んだ。彼女も運転席につく。
「今どきマニュアル車とは珍しいな」
「そうですね。でも大丈夫です! マニュアルで取ってますので!」
彼女が自信をのぞかせた。運転が得意なのかも知れない。
「カーナビもついているんだな」
「はい。それは後から私が付けたんですけどね」
ナビを見ながら俺が言うと彼女が答えた。確かにカーナビはまだ新しそうだ。
「ところで冒険者ギルドはどこにあるんですか?」
「ちょっと見てみるかな」
どうやらエリア毎で別れてるようだけど区分は役所と変わらないらしい。そのあたりは公共団体らしくもある。
「このビルか――このナビに入力しても?」
「はい。お願いします」
許可がおりたのでカーナビに冒険者ギルドのあるビルの住所を入力した。問題なく音声案内が始まる。
『目的地まで約四十分です』
「よしルートが出たぞ」
「では出発しますね」
「ワン!」
「ピキィ゛!」
そしてギアを入れ山守の運転する車が動き出した。年代物ではあるが乗り心地はいい感じだった。
山守の運転姿も中々様になってるな。さてと、後は冒険者ギルドで登録するだけだな――
そう考えると、うん?
「どうかな? 私は絶対に上手くいくと思うんだけど!」
「それは簡単ではないと思うけど、それ以前に大事なことが一つあるのを忘れてた」
そう忘れてた。彼女との会話で俺は重要なことを思い出した。
「えっと、大事なことってなんですか?」
「あ、あぁ。実は俺、まだ冒険者ギルドに登録してなかったんだ」
そうなのだ。ジョブストーンを装備した場合、装備者は冒険者ギルドに届け出をし登録する必要がある。
これはジョブを持った人間を管理するという意味合いも強い。異世界物では恒例の冒険者ギルドだが、ダンジョンが生まれた世界では公共の団体となる。
故にジョブストーンの装備者がギルドに登録する事は義務であり法律でも定められている。もし無許可でジョブストーンを装備したまま活動した場合はその度合いによっては罰せられることがあるという。
とは言え手に入れて一週間以内程度なら一応猶予はあったはずであり、その間に悪事につながるような真似をしてなければ問題ないはずだ。
「え? 登録が必要なんですか?」
山守が目を丸くして驚いている。まぁ無理はないかな。彼女はジョブストーンについてもよく知らなかったわけだから。
「あぁ。登録しないと活動できないようになってるんだ」
「えっと、つまりそれまでは配信は?」
「当然出来ないだろうな」
「そんな! だったら早く登録しにいきましょうよ!」
「ワウワウ」
「ピユキィ~」
早く早くと促す山守につられてかモコとラムもせっついて来た。まぁどうせそこまでやることもないし、今日の内に登録しておいたほうが利口だよな。
ただそうなると一つ懸念点があるんだよな。
「モコとラムの事どう言おうかな……」
そう、それがあった。モコとラムは見た目には幼くとても可愛らしいモンスターだが、それでもダンジョンで見つけたモンスターであることに代わりはない。
もし俺が手に入れたジョブストーンがテイマー系ならテイムしたということでごまかせたかもだが農民だからなぁ。畑仕事がメインの生産職がモンスターを連れて行ったらやっぱり怪しいだろうか。
いっそ留守番してもらって言わないって手もあるが、それはそれで後々面倒なことになりそうだし。
「どうしたんですか? 難しい顔して?」
「いや、モコとラムの事なんだけど」
俺は今考えていた問題点を彼女にも伝えた。
「なんだそんなことですか。素直に言えば大丈夫じゃないですか? 仲良しだって」
あっけらかんと言い放つ山守。なんというか凄くあっさりとした態度でそう言う彼女に俺は少し面食らってしまう。
「いや、でも、モコやラムをモンスターだと知って危険視される可能性がないとも言えないしな」
「ワン!?」
「ピキィ!?」
俺の話を聞いてモコとラムが足にしがみついてきた。僕たち悪いモンスターじゃないよ~と言ってる気がしないでもない。そんな姿もとても愛おしく思えてしまう。
「こんなに可愛いのにそんな酷いことを言うんですか?」
「いや、俺も登録するのが初めてだから何とも言えないが、こんな時こそネットの出番か」
俺はネット上に何かいい情報が無いか調べてみた。
「冒険者、ペット、ギルド、と」
とにかく思いつくワードで調べてみると意外なことがわかった。どうやらモンスターを手懐ける方法はテイムだけとは限らないらしい。
ジョブによっては食べ物で手懐けることもあるようだ。これは使えるかも知れない。
「いいか? モコとラムは俺が育てた作物を食べて仲間になったんだ。ギルドでもそういう風に振る舞ってくれると嬉しい」
「ワン!」
「ピキッ!」
モコとラムがキリッとした感じで返事した。どうやらいい付けはしっかり守ってくれそうだ。
「それで上手くいくんですか?」
「今はそれを信じるしかないかな」
もっともこれで駄目だったら俺がなんとしてでも説得して見せる。これでも長年営業としてやってきたわけだからな。その経験を活かすときだろう。
と、いうわけで俺たちは冒険者として登録を済ませる為にギルドに向かうことになったわけだが。
「それなら私の車で行きましょう」
「え? 車持ってるんだ」
「持ってますよ! この山にも車で来たんですからね」
そう言って彼女がドヤ顔を見せた。まぁ車で動けるのはありがたい。よくよく考えてみたらモコとラムを連れたままバスや電車で行くのも目立つからな。
というわけで俺たちは一旦ダンジョンを出て山守の車に乗せて貰うことにした。
「これが私の車です」
そう言って山守が見せてくれたのは一台のオフロード車だった。見るに結構年季が入ってそうでもある。
「中々渋いな。これは中古で購入を?」
「これは生前にお爺ちゃんから譲ってもらったんです。免許も返納して乗らないからって」
山守が少し寂しげに語った。何となくだけど譲ってもらってからまだそんなに経ってないのではと思える。
「それなら大切に乗らないとな」
「はい! ではどうぞ乗ってください」
「わかった。ほらモコとラムも」
俺はラムを肩に乗せモコを抱えたまま助手席に乗り込んだ。彼女も運転席につく。
「今どきマニュアル車とは珍しいな」
「そうですね。でも大丈夫です! マニュアルで取ってますので!」
彼女が自信をのぞかせた。運転が得意なのかも知れない。
「カーナビもついているんだな」
「はい。それは後から私が付けたんですけどね」
ナビを見ながら俺が言うと彼女が答えた。確かにカーナビはまだ新しそうだ。
「ところで冒険者ギルドはどこにあるんですか?」
「ちょっと見てみるかな」
どうやらエリア毎で別れてるようだけど区分は役所と変わらないらしい。そのあたりは公共団体らしくもある。
「このビルか――このナビに入力しても?」
「はい。お願いします」
許可がおりたのでカーナビに冒険者ギルドのあるビルの住所を入力した。問題なく音声案内が始まる。
『目的地まで約四十分です』
「よしルートが出たぞ」
「では出発しますね」
「ワン!」
「ピキィ゛!」
そしてギアを入れ山守の運転する車が動き出した。年代物ではあるが乗り心地はいい感じだった。
山守の運転姿も中々様になってるな。さてと、後は冒険者ギルドで登録するだけだな――
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