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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第88話 鬼輝夜から聞く話
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「ところで風間を撃った相手は魔導銃を使ったらしいね。どこで手に入れたとかいっていたのかい?」
「いや、特には言ってなかったかな。ただどうやら昔から危ない奴だったらしくて、前に公園であった大黒の名前も出してたんだよな」
「大黒の?」
鬼姫の眉がピクリと反応した。以前聞いた話だと大黒は昔鬼姫と戦って敗北したんだったな。その影響で鬼姫には強く出れなかったようだし。
「そういえば総長の弟が大黒について話してたんでしたね」
「あぁ。最近になって金を一括で返してきたってね。弟からすれば貸した金が戻ってくればそれでいいんだろうけどねぇ」
そう言いつつ、鬼姫が真顔になった。
「えっと、それってどれぐらい借りてたんですか?」
「詳しくはないけどね、利息も膨れて数百万ぐらいになっていたらしいよ」
「それって、元はいくらだったんですか?」
正直聞いていいか迷ったが好奇心のほうが勝ってしまった。
「それは聞かないほうがいいと思うけどねぇ。ま、弟は高利貸しだとは言っておくよ」
「あ、やっぱりそんな感じなんですね」
なんとなくそんな気はしていたんだけどね。
「それってやっぱり合法ではないんですよねぇ」
秋月の顔が引き攣っていた。そこは秋月の思ったとおりだとは思う。ただ、鬼姫の弟は話してみたらそんな悪人には思えなかったんだよな。何か理由があるんだろうか。
「一応言っておくけど、確かに総長の弟は高金利で金貸してるけど、人は選んでいるからね」
俺の表情から何か察したのか、十五夜が補足してくれた。
「……帝が容赦なく追い込むのはどうしようもないクズだけ。相手を見ている」
「この間も~お金に困って借りに来た母親に~仕事を紹介していたみたいだもんね~」
竹取が静かに口にし、蓬莱も感心したように帝の事を語った。それを聞いてホッとした。いや高利貸しなのは確かなんだろうけどね。
「やめなやめな。何を言ったって弟が真っ当な仕事じゃないのは確かさ。ま、今は大目に見てるけど、ろくでもない真似をしたらしっかりシメるからね」
あ~、うん。それは間違いないだろうな。ただこの口ぶりを見るにそんなことは起きないって確信しているようでもある。
「彼は大丈夫だと思うよ。モコたちも懐いていたからな。皆の見る目は確かだ」
「ワンワン♪」
「ピキィ~♪」
「マァ~♪」
俺の言葉に合わせて三匹が嬉しそうに鳴いた。それを聞いて皆が優しい目をしていた。
「そういえば冒険者としてはいつから活動再開を?」
「あぁ。実は早速仕事を頼まれてしまってね。明日娘をバスに乗せた後、ダンジョンに向かうつもりだよ」
「そうか。明日は遠足ですよね」
鬼姫の話を聞いて秋月が言った。そういえば前に秋月の実家にお邪魔した時に妹の紅葉から聞いたな。そうか明日だったか。確か陽輝山に行くんだったか。
「明日は晴れみたいだからね。絶好の遠足日和だろうさ」
「それにしてもそのまま冒険者の活動か~どこかのダンジョンに?」
「バイクで片道二時間ぐらい飛ばしたところにあるダンジョンさ」
それはまた結構な距離だな。おまけにダンジョンでの探索もあるだろうからそれなりに時間が掛かると思うし。
「冒険者の復帰は娘も喜んでくれたからね。親としてみっともない姿は見せられないし、しっかり仕事してくるよ」
「土産話を期待しているんだね。夜露死苦!」
鬼姫の話の後、十五夜が気合のこもった声を発した。久しぶりの探索とあって皆も気合に満ちていそうだよ。
その後は、鬼輝夜の皆と雑談をした後、鬼輝夜は帰っていった。
「これで良しと。それじゃあもう時間みたいだから私も帰るね」
「うん。ありがとう。本当に助かったよ」
「これぐらい、助けが必要ならいつでも言ってね。ただ――冒険者になっても怪我には気をつけてね。無茶は駄目だよ」
心配そうに眉を寄せて、秋月が言った。そうか、本当に心配してくれていたんだな。
「そうだな。ま、俺はほら、皆で暮らして配信するのがメインだから。きっとそんな危険なことはないよ」
「それならいいけどね。それじゃあ、また明日ね、は、ハルさん」
そう言って秋月が早足で病室を離れた。えっと、今最後の呼び方、はは、ハル、か。ちょっと照れるな――
「いや、特には言ってなかったかな。ただどうやら昔から危ない奴だったらしくて、前に公園であった大黒の名前も出してたんだよな」
「大黒の?」
鬼姫の眉がピクリと反応した。以前聞いた話だと大黒は昔鬼姫と戦って敗北したんだったな。その影響で鬼姫には強く出れなかったようだし。
「そういえば総長の弟が大黒について話してたんでしたね」
「あぁ。最近になって金を一括で返してきたってね。弟からすれば貸した金が戻ってくればそれでいいんだろうけどねぇ」
そう言いつつ、鬼姫が真顔になった。
「えっと、それってどれぐらい借りてたんですか?」
「詳しくはないけどね、利息も膨れて数百万ぐらいになっていたらしいよ」
「それって、元はいくらだったんですか?」
正直聞いていいか迷ったが好奇心のほうが勝ってしまった。
「それは聞かないほうがいいと思うけどねぇ。ま、弟は高利貸しだとは言っておくよ」
「あ、やっぱりそんな感じなんですね」
なんとなくそんな気はしていたんだけどね。
「それってやっぱり合法ではないんですよねぇ」
秋月の顔が引き攣っていた。そこは秋月の思ったとおりだとは思う。ただ、鬼姫の弟は話してみたらそんな悪人には思えなかったんだよな。何か理由があるんだろうか。
「一応言っておくけど、確かに総長の弟は高金利で金貸してるけど、人は選んでいるからね」
俺の表情から何か察したのか、十五夜が補足してくれた。
「……帝が容赦なく追い込むのはどうしようもないクズだけ。相手を見ている」
「この間も~お金に困って借りに来た母親に~仕事を紹介していたみたいだもんね~」
竹取が静かに口にし、蓬莱も感心したように帝の事を語った。それを聞いてホッとした。いや高利貸しなのは確かなんだろうけどね。
「やめなやめな。何を言ったって弟が真っ当な仕事じゃないのは確かさ。ま、今は大目に見てるけど、ろくでもない真似をしたらしっかりシメるからね」
あ~、うん。それは間違いないだろうな。ただこの口ぶりを見るにそんなことは起きないって確信しているようでもある。
「彼は大丈夫だと思うよ。モコたちも懐いていたからな。皆の見る目は確かだ」
「ワンワン♪」
「ピキィ~♪」
「マァ~♪」
俺の言葉に合わせて三匹が嬉しそうに鳴いた。それを聞いて皆が優しい目をしていた。
「そういえば冒険者としてはいつから活動再開を?」
「あぁ。実は早速仕事を頼まれてしまってね。明日娘をバスに乗せた後、ダンジョンに向かうつもりだよ」
「そうか。明日は遠足ですよね」
鬼姫の話を聞いて秋月が言った。そういえば前に秋月の実家にお邪魔した時に妹の紅葉から聞いたな。そうか明日だったか。確か陽輝山に行くんだったか。
「明日は晴れみたいだからね。絶好の遠足日和だろうさ」
「それにしてもそのまま冒険者の活動か~どこかのダンジョンに?」
「バイクで片道二時間ぐらい飛ばしたところにあるダンジョンさ」
それはまた結構な距離だな。おまけにダンジョンでの探索もあるだろうからそれなりに時間が掛かると思うし。
「冒険者の復帰は娘も喜んでくれたからね。親としてみっともない姿は見せられないし、しっかり仕事してくるよ」
「土産話を期待しているんだね。夜露死苦!」
鬼姫の話の後、十五夜が気合のこもった声を発した。久しぶりの探索とあって皆も気合に満ちていそうだよ。
その後は、鬼輝夜の皆と雑談をした後、鬼輝夜は帰っていった。
「これで良しと。それじゃあもう時間みたいだから私も帰るね」
「うん。ありがとう。本当に助かったよ」
「これぐらい、助けが必要ならいつでも言ってね。ただ――冒険者になっても怪我には気をつけてね。無茶は駄目だよ」
心配そうに眉を寄せて、秋月が言った。そうか、本当に心配してくれていたんだな。
「そうだな。ま、俺はほら、皆で暮らして配信するのがメインだから。きっとそんな危険なことはないよ」
「それならいいけどね。それじゃあ、また明日ね、は、ハルさん」
そう言って秋月が早足で病室を離れた。えっと、今最後の呼び方、はは、ハル、か。ちょっと照れるな――
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