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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第138話 新モンスターの登録とダンジョン災害の報酬
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カウンターへ向かったあと、俺は香川にモグを連れて来た経緯を説明した。もちろん“畑で採れた作物を食べさせてテイムした”という、いつものお約束の筋書きだ。モコたちも同じ理由で登録しているから整合性は取れている。
本当は、みんな自分の意志で仲間になってくれているんだけど――その事実を知っているのは秋月や小澤マスターなど、ごく少数だ。
「事情は分かりました。では後ほど登録担当の立川の下へ行ってくださいね」
香川が手早くメモを取りながら頷く。どうやら書類上の不備はなさそうだ。
「それにしても、本当にモンスターと縁がありますね。専門職の【モンスター使い】でも、短期間でこれほどテイムした人は滅多にいませんよ」
香川は感心半分、不思議半分といった顔で、俺に寄り添うモンスターたちを見渡す。モグは胸を張り、ゴブは小さく手を振り、ラムとマールは尻尾をぱたぱた。モコは得意げに胸を張っている。
「ハルさんはモンスターに好かれやすいんです」
「え?」
秋月がさらりと言うと、モンスターたちが一斉に声を上げて賛同した。
「ワンワン♪」
「ピキィ♪」
「マァ♪」
「ゴブゥ♪」
「モグゥ♪」
モンスターたちは相変わらず愛らしい。ただ愛川の表情に戸惑いの色が見えた。何か気になることがあったんだろうか。
「――懐かれているのは結構ですが、管理はしっかりお願いしますよ」
「もちろん。みんな手のかからない子たちですが、俺もそばで見守ります」
「ええ。正直言えば、無茶をしがちなあなたの方が心配なんですけどね」
「あはは……」
香川の眼鏡の奥の視線が痛い。思わず苦笑いでごまかすしかない。
「もっとも、今回は他の皆さんにも同じことが言えますけど」
「耳が痛いです……」と愛川。
「むぅ。筋肉の赴くままに行動したまでだ」と中山。
「いいじゃねぇか、無事だったんだから」と熊谷。
香川が小さくため息をつき、話題を切り替える。
「――では、報酬についてお伝えします。本来のランクとは違う為その分は減額となりますが、ご確認ください」
渡された書類には、三十万円の数字が。思わず声が漏れる。
「え? 本当にこんなに?」
「危険度を考えれば妥当です。それでも正式報酬よりは少ないですよ」
「マジか。正式だといくらだよ……」
「うむ。プロテイン何杯分になるか気になるな」
「わ、私もこんなにもらっていいのかな……」
中山の“プロテイン換算”に軽くツッコミを入れつつ、全員書類にサインし、冒険者証を提出した。これで後ほど一括入金されるらしい。手持ちが心細くなり始めていた俺には、まさに恵みの報酬だ。
「入金まで少しお時間をいただきます。その間にマスターの部屋へ行きましょう」
香川に促され、一同は小澤マスターの執務室へ向かうことに。ダンジョン災害の正式報告も兼ねているらしく、熊谷たちも同行が許された。秋月も今回は紅葉のこともあって関わりがあるから同席が許された。
さて、報酬もモグの登録いついてもひとまず目処がついた。次はマスターのところか。
俺はモグの背を軽く叩き、歩き出した。モグは「モグゥ♪」と弾んだ声を上げ、モコたちも行進のように列を作ってついてくる。思わず頬が緩む。
――こうして俺たちは、にぎやかな仲間を引き連れ、次の手続きを済ませるためにギルドの奥へと向かった。
本当は、みんな自分の意志で仲間になってくれているんだけど――その事実を知っているのは秋月や小澤マスターなど、ごく少数だ。
「事情は分かりました。では後ほど登録担当の立川の下へ行ってくださいね」
香川が手早くメモを取りながら頷く。どうやら書類上の不備はなさそうだ。
「それにしても、本当にモンスターと縁がありますね。専門職の【モンスター使い】でも、短期間でこれほどテイムした人は滅多にいませんよ」
香川は感心半分、不思議半分といった顔で、俺に寄り添うモンスターたちを見渡す。モグは胸を張り、ゴブは小さく手を振り、ラムとマールは尻尾をぱたぱた。モコは得意げに胸を張っている。
「ハルさんはモンスターに好かれやすいんです」
「え?」
秋月がさらりと言うと、モンスターたちが一斉に声を上げて賛同した。
「ワンワン♪」
「ピキィ♪」
「マァ♪」
「ゴブゥ♪」
「モグゥ♪」
モンスターたちは相変わらず愛らしい。ただ愛川の表情に戸惑いの色が見えた。何か気になることがあったんだろうか。
「――懐かれているのは結構ですが、管理はしっかりお願いしますよ」
「もちろん。みんな手のかからない子たちですが、俺もそばで見守ります」
「ええ。正直言えば、無茶をしがちなあなたの方が心配なんですけどね」
「あはは……」
香川の眼鏡の奥の視線が痛い。思わず苦笑いでごまかすしかない。
「もっとも、今回は他の皆さんにも同じことが言えますけど」
「耳が痛いです……」と愛川。
「むぅ。筋肉の赴くままに行動したまでだ」と中山。
「いいじゃねぇか、無事だったんだから」と熊谷。
香川が小さくため息をつき、話題を切り替える。
「――では、報酬についてお伝えします。本来のランクとは違う為その分は減額となりますが、ご確認ください」
渡された書類には、三十万円の数字が。思わず声が漏れる。
「え? 本当にこんなに?」
「危険度を考えれば妥当です。それでも正式報酬よりは少ないですよ」
「マジか。正式だといくらだよ……」
「うむ。プロテイン何杯分になるか気になるな」
「わ、私もこんなにもらっていいのかな……」
中山の“プロテイン換算”に軽くツッコミを入れつつ、全員書類にサインし、冒険者証を提出した。これで後ほど一括入金されるらしい。手持ちが心細くなり始めていた俺には、まさに恵みの報酬だ。
「入金まで少しお時間をいただきます。その間にマスターの部屋へ行きましょう」
香川に促され、一同は小澤マスターの執務室へ向かうことに。ダンジョン災害の正式報告も兼ねているらしく、熊谷たちも同行が許された。秋月も今回は紅葉のこともあって関わりがあるから同席が許された。
さて、報酬もモグの登録いついてもひとまず目処がついた。次はマスターのところか。
俺はモグの背を軽く叩き、歩き出した。モグは「モグゥ♪」と弾んだ声を上げ、モコたちも行進のように列を作ってついてくる。思わず頬が緩む。
――こうして俺たちは、にぎやかな仲間を引き連れ、次の手続きを済ませるためにギルドの奥へと向かった。
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