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異世界一日目「扉を抜けた先は異世界でした」
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田中まさとしはいじめられていた。
とくに何かしたと言うわけではなく、優しく気が弱いから目を付けられたのだ。
「おい犬、ダッシュであんパンと牛乳買ってこい」
どこの昭和ヤンキーかと思うような言葉を不良たちはまさとしに向かい命令する。
「無理ですよ」
お金のないまさとしは当然それを拒否する。不良たちはまさとしがお金を持っていないのを知っていて命令するのだ。
「じゃあ放課後リンチだな逃げるなよ」
そう言うと不良たちは下卑た笑みを浮かべる。まさとしは放課後になる前に空き教室に逃げ込み授業を一限サボるのが習慣になっている。
いつも逃げ込む空き教室に向かうと見知らぬ少女が椅子に座り読書をしていた。
黒髪のとても美しい少女だ。
たぶん彼女はなにか理由があってここで読書するように教師に言われているのだろうとまさとしは思った。
仕方がないので他の隠れる場所を探しにいこうとするまさとしを少女は呼び止める。
「今の自分を壊したくないか?」
その言葉にまさとしはハッとする。弱い自分、なにも出来ない自分。
壊せるものなら壊したい。
不良たちに逆らえる自分になりたいとまさとしは思った。
「壊せるもなら壊したいです」
その言葉を発した瞬間まさとしと少女の間に扉が現れた。
「おめでとう扉は開かれた。私の名前は小鳥遊 桜花、三年生だ。この扉をくぐれば今の君は壊され強くなれる。さあ行こうか」
まさとしは少女に言われるがままドアをくぐった。
ドアの先は青空が広がり。バラック小屋を思わせる建物が立ち並んでいた。
行きなり外に出たこともそうだがその異様な光景にまさとしは戸惑う。
明らかに日本ではないからだ。
「小鳥遊先輩、ここはどこですか?」
「この世界は剣と魔法が支配する魔物が跋扈する世界。生き延びたければ戦え」
まるで中二病のような台詞をはく小鳥遊にまさとしは驚くが鼻につくような悪臭がこれは現実なのだと理解させた。
「戦えって……僕は不良たちにも脅されて、なにもできなくて、戦う力なんかないです」
まさとしの悲痛な叫びを無視して小鳥遊は彼をジッと見つめる。
その目はすべてを見透かすように、心の奥底まで見られているような気がまさとしはした。
「職業Web小説家、スキルはアルファポリスリンク」
突然意味不明な言葉を喋りだす小鳥遊に彼は困惑する。
だが、彼女はまさとしの困惑をよそに、その言葉の説明をする。
職業Web小説家はキーボードとモニターを空中に出すことができ文字を一日に最大2000文字を書くことができる。(この説明は実は間違っていたことに後に気がつく)
そしてレベルはなくHPはアルファポリスのお気に入りの数、魔力は1000/小説ランキングなのだと言う。
つまり、小説ランキング1位でMPが1000になるのだ。
それとスキル、アルファポリスリンクは毎日1時間、アルファポリスに繋ぐことができる能力なのだと彼女は言う。
「ハズレか」と小鳥遊は言う。
彼女の言葉にまさとしはショックを受ける。自分を壊したいと思って扉をくぐったのにハズレと言われれば誰でも傷つくだろう。
そして彼女は一枚の金貨を親指で弾くとまさとしに向かい寄越した。
「餞別だ」
そう言うと小鳥遊 桜花はまるで煙のように消え去った。
「先輩! 先輩どこですか!」
まさとしは叫んだ。こんなところに置いてけぼりにされて、恐怖しかなかった。
だがいくら避けんでも小鳥遊は現れなかった。
『ハズレか』
その時まさとしは悟った、自分が見捨てられたことに。
現在のステータス
名前:マサトシ
職業:web小説家
HP0
MP0
とくに何かしたと言うわけではなく、優しく気が弱いから目を付けられたのだ。
「おい犬、ダッシュであんパンと牛乳買ってこい」
どこの昭和ヤンキーかと思うような言葉を不良たちはまさとしに向かい命令する。
「無理ですよ」
お金のないまさとしは当然それを拒否する。不良たちはまさとしがお金を持っていないのを知っていて命令するのだ。
「じゃあ放課後リンチだな逃げるなよ」
そう言うと不良たちは下卑た笑みを浮かべる。まさとしは放課後になる前に空き教室に逃げ込み授業を一限サボるのが習慣になっている。
いつも逃げ込む空き教室に向かうと見知らぬ少女が椅子に座り読書をしていた。
黒髪のとても美しい少女だ。
たぶん彼女はなにか理由があってここで読書するように教師に言われているのだろうとまさとしは思った。
仕方がないので他の隠れる場所を探しにいこうとするまさとしを少女は呼び止める。
「今の自分を壊したくないか?」
その言葉にまさとしはハッとする。弱い自分、なにも出来ない自分。
壊せるものなら壊したい。
不良たちに逆らえる自分になりたいとまさとしは思った。
「壊せるもなら壊したいです」
その言葉を発した瞬間まさとしと少女の間に扉が現れた。
「おめでとう扉は開かれた。私の名前は小鳥遊 桜花、三年生だ。この扉をくぐれば今の君は壊され強くなれる。さあ行こうか」
まさとしは少女に言われるがままドアをくぐった。
ドアの先は青空が広がり。バラック小屋を思わせる建物が立ち並んでいた。
行きなり外に出たこともそうだがその異様な光景にまさとしは戸惑う。
明らかに日本ではないからだ。
「小鳥遊先輩、ここはどこですか?」
「この世界は剣と魔法が支配する魔物が跋扈する世界。生き延びたければ戦え」
まるで中二病のような台詞をはく小鳥遊にまさとしは驚くが鼻につくような悪臭がこれは現実なのだと理解させた。
「戦えって……僕は不良たちにも脅されて、なにもできなくて、戦う力なんかないです」
まさとしの悲痛な叫びを無視して小鳥遊は彼をジッと見つめる。
その目はすべてを見透かすように、心の奥底まで見られているような気がまさとしはした。
「職業Web小説家、スキルはアルファポリスリンク」
突然意味不明な言葉を喋りだす小鳥遊に彼は困惑する。
だが、彼女はまさとしの困惑をよそに、その言葉の説明をする。
職業Web小説家はキーボードとモニターを空中に出すことができ文字を一日に最大2000文字を書くことができる。(この説明は実は間違っていたことに後に気がつく)
そしてレベルはなくHPはアルファポリスのお気に入りの数、魔力は1000/小説ランキングなのだと言う。
つまり、小説ランキング1位でMPが1000になるのだ。
それとスキル、アルファポリスリンクは毎日1時間、アルファポリスに繋ぐことができる能力なのだと彼女は言う。
「ハズレか」と小鳥遊は言う。
彼女の言葉にまさとしはショックを受ける。自分を壊したいと思って扉をくぐったのにハズレと言われれば誰でも傷つくだろう。
そして彼女は一枚の金貨を親指で弾くとまさとしに向かい寄越した。
「餞別だ」
そう言うと小鳥遊 桜花はまるで煙のように消え去った。
「先輩! 先輩どこですか!」
まさとしは叫んだ。こんなところに置いてけぼりにされて、恐怖しかなかった。
だがいくら避けんでも小鳥遊は現れなかった。
『ハズレか』
その時まさとしは悟った、自分が見捨てられたことに。
現在のステータス
名前:マサトシ
職業:web小説家
HP0
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