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3.学園
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「ぎゃー開陽さんのお荷物!」
半ば強引に預かった時から、こんな予感はなんとなくしていたけど。
俺からひったくったスーツケースを、寮室に足を踏み入れるなりアイスはっくり返して中の荷物を盛大にぶち撒いてくれた。
「すいません! すいません!」
チャック締めていたのに、なんでタイミングよく全開になんだよ。
拾い集める俺を傍目にアイスは謝罪した。
「もういいって。それより」
「ああ、やっぱり切れたみたいですね」
寒くなったのが『合図』なんだ。
削銘から付与された保護魔法の効力。
移動までの間、女神に命を狙われないようにするための加護。
といっても持つのはせいぜい二四時間が限界で、再付与はできないのだとか。
荷造り、移動までの一時的な処置。
「あとは、削銘様のお言いつけ通り、私が護衛を仰せつかります。でも、油断しないでください。いつどこで女神が仕掛けてくるか」
俺はアイスを見た。
この学園『唯界』は学園内は山の奥深くにあって、神山の御神体でもある削銘の強力な結界に守られているが、それでも女神の魔の手は届く。
生徒にはこうして、削銘が創造した竜人の騎士が一人随伴する決まりになっていた。
「開陽さん、こうして学園を訪れた今、私からも、正式に守護者に任命された挨拶をさせてください」
「え。ああ、わかった」
踵を揃えたアイスが、胸に手を据え一礼の儀をしようとした。
「久しぶりだね、開陽」
「……その声って。まさか久志兄ちゃん!?」
別の生徒が護衛を連れ挨拶にきたのも予想外だったのに。
俺より先に施設を出た年上の幼馴染みが扉をノックしていてもっと驚いた。
久志とは親友だが兄弟同然に育った。
「感動の再会、とは言いにくい状況だね。お互い命を狙われる間柄になってしまったが、これから頑張ろう」
「そうか、ていうことは兄ちゃんも」
独り立ちを施設のみんなで祝った時は、怪しい様子を毛ほども見せていなかった。
「へえ。開陽の護衛にはアイスさんが付いたんだ」
「知っているの?」
「騎士の采配について僕はそこまで詳しくないよ。相性で決まるみたいだしね。紹介するよ、僕の護衛騎士の」
「ユノと申します。御編入、心より御喜び申し上げます」
敬礼。
アイスより少し背が低くて、短い髪を肩の辺りに綺麗に揃えた女性騎士だった。
「これからさぞ大変でしょう。主神もなにを考えておいでか、よりにもよって『愚姉様』を護衛の任になど」
「…………え、と。ユノちゃん」
「はい、なんでしょう『愚姉様』?」
なんだなんだ?
「こら、自重しなさい。開陽、今日は授業は休みだから、学園内を案内しよう」
「あっああ。ありがとう」
〇〇〇
ひとしきり学内を見て回った。
自然に囲まれた校舎に心まで開放的になってしまう。
油断した戒め。というわけでもなさそうだ。
寮舎から一番遠い中庭から順番に、最後に最も近い食堂に閉じ込められていた。
「駄目です、開きません。女神による干渉が原因かと」
「やられたものだ」
引き戸に手をかけたユノの報告に久志は肩を竦めた。
「そして……」
ゴブリンの群れが出現。
封鎖された出入り口に行く手を阻まれ、俺達は完全に包囲されていた。
「異世界の魔物を送り込むのも女神の常とう手段なんだ」
「つくづく陰湿な女だな……!」
ゴブリンの一匹が棍棒を振り回し俺に迫ってきた。
アイスがそれを、抜刀で気を発し切り捨てた。
「すごい、今のって、まさか魔法!?」
「ええ、まあ」
「……食堂が魔物の血で汚れてしまったではないですか……」
照れるアイスを尻目に一匹が武器を振り下ろした。
直前で回避した俺を越え攻撃は後ろにいた仲間に誤って命中。
知能の低さからか、攻撃が読みやすい。コボルトとの遭遇で魔物に対して耐性でもできてもみたいで。思いのほか動じてなかった。
「開陽! ゴブリンは連携が苦手だ、動きを見れば確実に避けられる!」
「わかった!」
そんなやり取りをしつつ、アイスも並行してゴブリンを斬り倒していった。
すると指揮官と思われる兜をかぶった一匹がまるで苛立つように、親友を狙うよう、身振り手振りで群れに合図していた。
「兄ちゃん!?」
「ご心配なく。もう済みますので」
俺が叫び久志が気付くよりも前に。
甲冑に仕込んでいた毒針らしき得物で、ユノがすべてのゴブリンを殲滅した。
「結界の消滅を確認――。もう出られますよ」
「私が開けてくる、ユノちゃんは休んでいて……!」
アイスはユノに代わって扉を開けに行き。
「「あだっ!?」」
出逢いがしらに救出にきた騎士とぶつかった。
「ごっごめんなさい! だいじょうぶ!?」
兜を被っていたのは向こうなのに……。
「いえ! 上姉様こそお怪我は」
アイスと頭をぶつけ合い、目を回し千鳥足になって騎士は我に返るなり。
照れるような素振りをしてみせた。
あの声、聞き覚えがある。
ダンジョンから救った一団の中で聞いた騎士の声だ。
あの騎士もアイスを『上姉様』と呼んだ。
削銘の部下の騎士は、全員が姉妹か。
「被害報告を」
救出に来た騎士を自分のせいで負傷させた。
心配するアイスを退かし、ユノは被害の報告。
「食堂の清掃は、汚した姉様にやらせた方がよろしいかと」
「貴様は立場を弁えろ!」
びっくりした!?
ユノも、なんのことかわからず動揺していた。
「ドジな女騎士が気を張っていなかったせいで、加護が弱まっていたから干渉を許したのでは?」
「お姉様はドジだが、気が緩んだ程度で、護衛対象を危険に曝したりしない。ドジだが!」「ドジ、ドジって……そんなに連呼しなくても……」
ああ。やはり周囲も薄々勘付いていたんだ。
それはさておいて。『加護』。
騎士は女神の干渉に耐性のある加護があるって、削銘が言っていたな。
十分ではないが、騎士の側にいたら干渉を受ける頻度が減るから離れないよう釘を刺された。
「これを見ても、貴様はまだ気付かないか!?」
「え? ……こ、これはッ」
狼狽するユノの甲冑。
毒針を仕込める仕組みになっているらしいその裏地を騎士が返すと、なにやら、見たところ紋章のような傷が入っていた。
「魔物を召喚する触媒になる呪詛だ。末妹のお前は私達の中で加護が最も弱いから、そこを女神に突かれのだろう」
じゃあ。
俺達を襲ったゴブリンが、タイミングぴったり今日、この場で湧いたのって。
「着替えたところで、この呪詛には無意味だ。解呪の間、久志殿には別の護衛をつけるよう削銘様に進言しなければならない」
俺は、削銘の名が出た途端に青ざめていくユノに、なんて声をかけたらいいかわからなかった。
アイスも、たぶん俺とおなじ感情だったろう。
「では騒動の責任を取って、食堂の後片付けは自分が」
「いっいえ! 久志様のお手を煩わせるわけには……! 責でしたら私が」
「僕は生徒会長、みんなの規範になると誓ったし。ユノ、君の身を預かるのは、果たしてだれだい?」
「それに、けじめの取り方は、ほかにあるんじゃないかな」
「ッ! ……この度は、私のミスで、誠に申し訳……ございませんでした」
俺と、アイス向かってユノが頭を下げた。
それは心底、悔しそうな顔を俺達に伏せながら。
「僕からも謝るよ。こんな再会は望んでいなかった。休日を無駄にしたばかりか、危険に晒してしまって。心から謝罪する」
久志はユノに継いで再度謝った。
俺も、せっかく再会した親友に、頭を下げさせるような真似、見たくなかった。
なにより我慢ならないのは。
すべての元凶が、俺達の目の前にいないということだ!
俺は拳を握る。強く、強く。
殴るため込めた手の爪、それは結局。
自分を傷付けただけだった。
半ば強引に預かった時から、こんな予感はなんとなくしていたけど。
俺からひったくったスーツケースを、寮室に足を踏み入れるなりアイスはっくり返して中の荷物を盛大にぶち撒いてくれた。
「すいません! すいません!」
チャック締めていたのに、なんでタイミングよく全開になんだよ。
拾い集める俺を傍目にアイスは謝罪した。
「もういいって。それより」
「ああ、やっぱり切れたみたいですね」
寒くなったのが『合図』なんだ。
削銘から付与された保護魔法の効力。
移動までの間、女神に命を狙われないようにするための加護。
といっても持つのはせいぜい二四時間が限界で、再付与はできないのだとか。
荷造り、移動までの一時的な処置。
「あとは、削銘様のお言いつけ通り、私が護衛を仰せつかります。でも、油断しないでください。いつどこで女神が仕掛けてくるか」
俺はアイスを見た。
この学園『唯界』は学園内は山の奥深くにあって、神山の御神体でもある削銘の強力な結界に守られているが、それでも女神の魔の手は届く。
生徒にはこうして、削銘が創造した竜人の騎士が一人随伴する決まりになっていた。
「開陽さん、こうして学園を訪れた今、私からも、正式に守護者に任命された挨拶をさせてください」
「え。ああ、わかった」
踵を揃えたアイスが、胸に手を据え一礼の儀をしようとした。
「久しぶりだね、開陽」
「……その声って。まさか久志兄ちゃん!?」
別の生徒が護衛を連れ挨拶にきたのも予想外だったのに。
俺より先に施設を出た年上の幼馴染みが扉をノックしていてもっと驚いた。
久志とは親友だが兄弟同然に育った。
「感動の再会、とは言いにくい状況だね。お互い命を狙われる間柄になってしまったが、これから頑張ろう」
「そうか、ていうことは兄ちゃんも」
独り立ちを施設のみんなで祝った時は、怪しい様子を毛ほども見せていなかった。
「へえ。開陽の護衛にはアイスさんが付いたんだ」
「知っているの?」
「騎士の采配について僕はそこまで詳しくないよ。相性で決まるみたいだしね。紹介するよ、僕の護衛騎士の」
「ユノと申します。御編入、心より御喜び申し上げます」
敬礼。
アイスより少し背が低くて、短い髪を肩の辺りに綺麗に揃えた女性騎士だった。
「これからさぞ大変でしょう。主神もなにを考えておいでか、よりにもよって『愚姉様』を護衛の任になど」
「…………え、と。ユノちゃん」
「はい、なんでしょう『愚姉様』?」
なんだなんだ?
「こら、自重しなさい。開陽、今日は授業は休みだから、学園内を案内しよう」
「あっああ。ありがとう」
〇〇〇
ひとしきり学内を見て回った。
自然に囲まれた校舎に心まで開放的になってしまう。
油断した戒め。というわけでもなさそうだ。
寮舎から一番遠い中庭から順番に、最後に最も近い食堂に閉じ込められていた。
「駄目です、開きません。女神による干渉が原因かと」
「やられたものだ」
引き戸に手をかけたユノの報告に久志は肩を竦めた。
「そして……」
ゴブリンの群れが出現。
封鎖された出入り口に行く手を阻まれ、俺達は完全に包囲されていた。
「異世界の魔物を送り込むのも女神の常とう手段なんだ」
「つくづく陰湿な女だな……!」
ゴブリンの一匹が棍棒を振り回し俺に迫ってきた。
アイスがそれを、抜刀で気を発し切り捨てた。
「すごい、今のって、まさか魔法!?」
「ええ、まあ」
「……食堂が魔物の血で汚れてしまったではないですか……」
照れるアイスを尻目に一匹が武器を振り下ろした。
直前で回避した俺を越え攻撃は後ろにいた仲間に誤って命中。
知能の低さからか、攻撃が読みやすい。コボルトとの遭遇で魔物に対して耐性でもできてもみたいで。思いのほか動じてなかった。
「開陽! ゴブリンは連携が苦手だ、動きを見れば確実に避けられる!」
「わかった!」
そんなやり取りをしつつ、アイスも並行してゴブリンを斬り倒していった。
すると指揮官と思われる兜をかぶった一匹がまるで苛立つように、親友を狙うよう、身振り手振りで群れに合図していた。
「兄ちゃん!?」
「ご心配なく。もう済みますので」
俺が叫び久志が気付くよりも前に。
甲冑に仕込んでいた毒針らしき得物で、ユノがすべてのゴブリンを殲滅した。
「結界の消滅を確認――。もう出られますよ」
「私が開けてくる、ユノちゃんは休んでいて……!」
アイスはユノに代わって扉を開けに行き。
「「あだっ!?」」
出逢いがしらに救出にきた騎士とぶつかった。
「ごっごめんなさい! だいじょうぶ!?」
兜を被っていたのは向こうなのに……。
「いえ! 上姉様こそお怪我は」
アイスと頭をぶつけ合い、目を回し千鳥足になって騎士は我に返るなり。
照れるような素振りをしてみせた。
あの声、聞き覚えがある。
ダンジョンから救った一団の中で聞いた騎士の声だ。
あの騎士もアイスを『上姉様』と呼んだ。
削銘の部下の騎士は、全員が姉妹か。
「被害報告を」
救出に来た騎士を自分のせいで負傷させた。
心配するアイスを退かし、ユノは被害の報告。
「食堂の清掃は、汚した姉様にやらせた方がよろしいかと」
「貴様は立場を弁えろ!」
びっくりした!?
ユノも、なんのことかわからず動揺していた。
「ドジな女騎士が気を張っていなかったせいで、加護が弱まっていたから干渉を許したのでは?」
「お姉様はドジだが、気が緩んだ程度で、護衛対象を危険に曝したりしない。ドジだが!」「ドジ、ドジって……そんなに連呼しなくても……」
ああ。やはり周囲も薄々勘付いていたんだ。
それはさておいて。『加護』。
騎士は女神の干渉に耐性のある加護があるって、削銘が言っていたな。
十分ではないが、騎士の側にいたら干渉を受ける頻度が減るから離れないよう釘を刺された。
「これを見ても、貴様はまだ気付かないか!?」
「え? ……こ、これはッ」
狼狽するユノの甲冑。
毒針を仕込める仕組みになっているらしいその裏地を騎士が返すと、なにやら、見たところ紋章のような傷が入っていた。
「魔物を召喚する触媒になる呪詛だ。末妹のお前は私達の中で加護が最も弱いから、そこを女神に突かれのだろう」
じゃあ。
俺達を襲ったゴブリンが、タイミングぴったり今日、この場で湧いたのって。
「着替えたところで、この呪詛には無意味だ。解呪の間、久志殿には別の護衛をつけるよう削銘様に進言しなければならない」
俺は、削銘の名が出た途端に青ざめていくユノに、なんて声をかけたらいいかわからなかった。
アイスも、たぶん俺とおなじ感情だったろう。
「では騒動の責任を取って、食堂の後片付けは自分が」
「いっいえ! 久志様のお手を煩わせるわけには……! 責でしたら私が」
「僕は生徒会長、みんなの規範になると誓ったし。ユノ、君の身を預かるのは、果たしてだれだい?」
「それに、けじめの取り方は、ほかにあるんじゃないかな」
「ッ! ……この度は、私のミスで、誠に申し訳……ございませんでした」
俺と、アイス向かってユノが頭を下げた。
それは心底、悔しそうな顔を俺達に伏せながら。
「僕からも謝るよ。こんな再会は望んでいなかった。休日を無駄にしたばかりか、危険に晒してしまって。心から謝罪する」
久志はユノに継いで再度謝った。
俺も、せっかく再会した親友に、頭を下げさせるような真似、見たくなかった。
なにより我慢ならないのは。
すべての元凶が、俺達の目の前にいないということだ!
俺は拳を握る。強く、強く。
殴るため込めた手の爪、それは結局。
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