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35.この世界にいる理由
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子ども連れで賑わう昼下がりの喫茶店。
俺達のテーブルに店員が注文を聞きにきた。
ペンを持つ若い男性店員の手。クリップボードに注文を取れないくらい震えてしまっていた。
全員自家製ホットコーヒーを注文。
「こ、こちら……豆から挽くので注文から提供までお時間をいただき、ますが」
確認を取られた女性陣が、店員を睨み付けて承諾した。
『私達はその間に用事を済ませますから』
「か、かしこまりました! じっくり時間をかけ最高の一杯をお作りしますー!」
涙目になった店員は腕を振って厨房の奥に逃げた。
同姓の俺でも惚れてしまう見事なフォルムで。見た感じ学生ぽかったし、陸上部にでも所属し普段から鍛えているのかもしれない。
日曜日にバイトまで、ご苦労なことだ。悪いことをしたかもしれない。
そして逃げる一瞬俺を見て、ぜったい勘違いさせた。
日曜だというのに喫茶店の雰囲気はどこか物寂しかった。
そうじゃない。俺達より前にきていた家族連れも、新しく入店した客といっしょになって周囲から離れた席に移動した。
殺伐とした空気が、どんどん濃くなっていった。
「あなたの歳でコーヒーが飲めるの?」
メテオラがユノに訊いた。
「あなたこそ、機械って聞きましたが。飲んで壊れたりないんですか……!?」
「私はジャンクじゃない。余計な気遣いは無用」
ちなみに、今のメテオラは完全に修復が済んで全身のパーツが揃っていた。
年長者の外見をした機械に言い負かされたと思って悔しいのか、ユノは梅干の種を噛んだように呻いた。
その横でキヨが俺に詰め寄った。
「久志様は、あちらで、すでに三人もの妻を娶ったんですか」
「そうみたい。だれが正妻になるかで揉めているらしい」
こっちの世界ではできない会話。
以降は話を切ったキヨ。他人の惚れた腫れたに彼女にとっては興味がない事を訊いてくるとは思ったが、その目は怪しい光を帯びはじめ、俺は固唾を呑んだ。
「……アイスさん。注文したお互いの飲み物を一口飲んだらシェアしましょう」
「おなじコーヒーだし遠慮する。それより戻ったら剣の稽古を手伝って。魔族特化の新しい技の『試運転』がしたい」
伏魔殿と化したテーブル。
「すいません!」
走り回った男の子がメテオラの席とぶつかった。
子どもを慌てて遠ざけた親より先に、俺は謝った。落ち着かない原因を作ったのは俺だ。
店にも迷惑だし、元凶として俺はなんとかこの緊張状態を解そうと、メテオラに質問した。
「頼みたいことってなんだ?」
「お前の親友が異世界を救った。これは、お前を転生させるという女神の命令を遂行する必要は私にはなくなったことを意味する」
「ならいち早く元来た世界に帰ればいい」
アイス、ユノも深く頷いてキヨに賛同の意を示した。
三人の意思が一つにまとまった事で緊張が一気に解けていったが。
メテオラの発言に新たな緊張が生まれる。
「私には救う世界も、戻るような世界もない」
「……あの、どうぞ」
メテオラから一番近い位置を取っていたユノが、同情するように、自分の水を渡した。
アイスはそんな妹の頭を撫でた。
「それが?」
「開陽さんに関係はないが、一応、ゆくゆくあるようになるかもしれないので質問します」
俺の安全を第一に考えることに容赦のなかったキヨとアイスの問いに、メテオラは今後のことを俯き加減に答えた。
「この世界に流れ着いているかもしれない生き残りを探す、それを私はここにいる理由にしたい。私が自由に行動する便宜は、ここにいる者達なら取り図れないだろうか」
「俺達にって。一体だれにだよ」
「この世界の神に」
言葉から嘘の類を感じない俺はメテオラの話を考えてみた。
メテオラは、自分を治した孤児院の院長が崩壊した異世界の生き残りだったように、同胞がこの世界で生きている未来に期待を抱いていた。
「可能な限り、頼んでみる」
「開陽さんにお供します」
「わ、わたしも……!」
「いいのか、でも。敵対している神の使者に協力するとは、論理的に思えないが」
いや。
「案外、もう学長室で待っているかもよ」
「身内にはとことん甘いところは、開陽さんも削銘様も、似た者どうしですものね」
ユノは茹でた卵のような頬になり、こちらに来て日の浅いメテオラは俺とアイスの会話に付いたばかりの首を捻った。
勇者の資質を持った子どもの保護なんて新しい役目を与えようとも、院長に修復させたのには削銘なりの狙いがあっての事と、メテオラに提案されて俺は確信した。
「殺そうとした相手に甘い」
拗ねるキヨに俺は真っ先に笑った。
「お前が一番救われただろ!」
皆に釣られ、メテオラも笑みを浮かべていた。
「だが疑問は残る」
「疑問? 俺達にか」
「いや。女神はなぜ役目のなくなった自分をこの世界にいつまでも留まらせるのか」
それは確かにだった。
「削銘様の力で手が出せないだけでは」
アイスの見解。
そういや、最後に夢でアンナチュラルに会ったのはいつだったか。
「私はそうかもだが、渡した笛くらいは転移できるはず」
ポケットをまさぐりながら、メテオラは不審な声を俺達に向かって発した。
「どうした?」
「笛がない」
メテオラがまさぐったポケットにあるはずの笛がなくなっていた。
「笛って、異世界に転生させるトラックを呼び出すってあのふざけた魔法道具……」
久志の件の後、俺はあれをメテオラに返した。
削銘やアイスに頼んで壊すよう頼もうとも一度は頭を過ったが、そうなると女神は道具の管理がなってないメテオラを裁きかねない。
メテオラが俺を転生させる理由もなくなったため、返却について反論はどこからも上がらなかった。
「女神が持ち去ったか」
「でも、それじゃあ、お姉さま」
「結界の外で魔法を使ったとしても、干渉すれば護衛の騎士が気付きます……!」
テーブルの足許を覗き込んでも見つけられなかったメテオラは、店の外へ駆け出した。
「あれをだれかが拾い、吹いたら」
俺はメテオラを追いかけた。
「みんなは引き続き店内を探してほしい!」
「護衛の前に出てはいけません!!」
「メテオラといるから大丈夫!」
笛の音がした。
「テーブルに近付いた時、笛を拾ったか」
通行人の中で笛を咥えていたのは、店にいたあの男の子だった。
子どもの目の前にトラックが召喚される。
母親の悲鳴。
トラックは魔力で合成されているのか、通行人の中では透けて、男の子に迫った。
間に合わないと俺は悟った。
その俺を差し置いて機動力を上げたメテオラが子どもをあっさり救出。その後ろをトラックが執拗に追跡した。
世界を救う勇者であるメテオラの高度な処理頭脳がトラックからの追跡ルートを演算。しかし魔力で無尽蔵に稼働するトラックは振り切れなかった。
どうすればいい。どうすれば。
状況を傍観するしかなかった俺の震えた足が、その場でなにかを蹴飛ばした。
幸か不幸か思うより、拾ったその『手段』を前に持ってきた俺は、考えるだけでも最悪な判断を実行した。
咄嗟の判断で、俺は男の子が落とした笛に息を吹き込んだ。
トラックが方向転換。俺はフラッシュの眩さに目を焼かれた。
そして、目の前が真っ暗に。
「死んだか」
『あぶない!!』
声がして俺はふり返り、自分がまだ現世にいることに気が付いた。
路肩に避難した親子がなおも叫んだ、俺達に。
違う。死んだんじゃない。
目の前が真っ暗になった正体は、黒衣のはためくメテオラの後ろ姿だった。
俺達のテーブルに店員が注文を聞きにきた。
ペンを持つ若い男性店員の手。クリップボードに注文を取れないくらい震えてしまっていた。
全員自家製ホットコーヒーを注文。
「こ、こちら……豆から挽くので注文から提供までお時間をいただき、ますが」
確認を取られた女性陣が、店員を睨み付けて承諾した。
『私達はその間に用事を済ませますから』
「か、かしこまりました! じっくり時間をかけ最高の一杯をお作りしますー!」
涙目になった店員は腕を振って厨房の奥に逃げた。
同姓の俺でも惚れてしまう見事なフォルムで。見た感じ学生ぽかったし、陸上部にでも所属し普段から鍛えているのかもしれない。
日曜日にバイトまで、ご苦労なことだ。悪いことをしたかもしれない。
そして逃げる一瞬俺を見て、ぜったい勘違いさせた。
日曜だというのに喫茶店の雰囲気はどこか物寂しかった。
そうじゃない。俺達より前にきていた家族連れも、新しく入店した客といっしょになって周囲から離れた席に移動した。
殺伐とした空気が、どんどん濃くなっていった。
「あなたの歳でコーヒーが飲めるの?」
メテオラがユノに訊いた。
「あなたこそ、機械って聞きましたが。飲んで壊れたりないんですか……!?」
「私はジャンクじゃない。余計な気遣いは無用」
ちなみに、今のメテオラは完全に修復が済んで全身のパーツが揃っていた。
年長者の外見をした機械に言い負かされたと思って悔しいのか、ユノは梅干の種を噛んだように呻いた。
その横でキヨが俺に詰め寄った。
「久志様は、あちらで、すでに三人もの妻を娶ったんですか」
「そうみたい。だれが正妻になるかで揉めているらしい」
こっちの世界ではできない会話。
以降は話を切ったキヨ。他人の惚れた腫れたに彼女にとっては興味がない事を訊いてくるとは思ったが、その目は怪しい光を帯びはじめ、俺は固唾を呑んだ。
「……アイスさん。注文したお互いの飲み物を一口飲んだらシェアしましょう」
「おなじコーヒーだし遠慮する。それより戻ったら剣の稽古を手伝って。魔族特化の新しい技の『試運転』がしたい」
伏魔殿と化したテーブル。
「すいません!」
走り回った男の子がメテオラの席とぶつかった。
子どもを慌てて遠ざけた親より先に、俺は謝った。落ち着かない原因を作ったのは俺だ。
店にも迷惑だし、元凶として俺はなんとかこの緊張状態を解そうと、メテオラに質問した。
「頼みたいことってなんだ?」
「お前の親友が異世界を救った。これは、お前を転生させるという女神の命令を遂行する必要は私にはなくなったことを意味する」
「ならいち早く元来た世界に帰ればいい」
アイス、ユノも深く頷いてキヨに賛同の意を示した。
三人の意思が一つにまとまった事で緊張が一気に解けていったが。
メテオラの発言に新たな緊張が生まれる。
「私には救う世界も、戻るような世界もない」
「……あの、どうぞ」
メテオラから一番近い位置を取っていたユノが、同情するように、自分の水を渡した。
アイスはそんな妹の頭を撫でた。
「それが?」
「開陽さんに関係はないが、一応、ゆくゆくあるようになるかもしれないので質問します」
俺の安全を第一に考えることに容赦のなかったキヨとアイスの問いに、メテオラは今後のことを俯き加減に答えた。
「この世界に流れ着いているかもしれない生き残りを探す、それを私はここにいる理由にしたい。私が自由に行動する便宜は、ここにいる者達なら取り図れないだろうか」
「俺達にって。一体だれにだよ」
「この世界の神に」
言葉から嘘の類を感じない俺はメテオラの話を考えてみた。
メテオラは、自分を治した孤児院の院長が崩壊した異世界の生き残りだったように、同胞がこの世界で生きている未来に期待を抱いていた。
「可能な限り、頼んでみる」
「開陽さんにお供します」
「わ、わたしも……!」
「いいのか、でも。敵対している神の使者に協力するとは、論理的に思えないが」
いや。
「案外、もう学長室で待っているかもよ」
「身内にはとことん甘いところは、開陽さんも削銘様も、似た者どうしですものね」
ユノは茹でた卵のような頬になり、こちらに来て日の浅いメテオラは俺とアイスの会話に付いたばかりの首を捻った。
勇者の資質を持った子どもの保護なんて新しい役目を与えようとも、院長に修復させたのには削銘なりの狙いがあっての事と、メテオラに提案されて俺は確信した。
「殺そうとした相手に甘い」
拗ねるキヨに俺は真っ先に笑った。
「お前が一番救われただろ!」
皆に釣られ、メテオラも笑みを浮かべていた。
「だが疑問は残る」
「疑問? 俺達にか」
「いや。女神はなぜ役目のなくなった自分をこの世界にいつまでも留まらせるのか」
それは確かにだった。
「削銘様の力で手が出せないだけでは」
アイスの見解。
そういや、最後に夢でアンナチュラルに会ったのはいつだったか。
「私はそうかもだが、渡した笛くらいは転移できるはず」
ポケットをまさぐりながら、メテオラは不審な声を俺達に向かって発した。
「どうした?」
「笛がない」
メテオラがまさぐったポケットにあるはずの笛がなくなっていた。
「笛って、異世界に転生させるトラックを呼び出すってあのふざけた魔法道具……」
久志の件の後、俺はあれをメテオラに返した。
削銘やアイスに頼んで壊すよう頼もうとも一度は頭を過ったが、そうなると女神は道具の管理がなってないメテオラを裁きかねない。
メテオラが俺を転生させる理由もなくなったため、返却について反論はどこからも上がらなかった。
「女神が持ち去ったか」
「でも、それじゃあ、お姉さま」
「結界の外で魔法を使ったとしても、干渉すれば護衛の騎士が気付きます……!」
テーブルの足許を覗き込んでも見つけられなかったメテオラは、店の外へ駆け出した。
「あれをだれかが拾い、吹いたら」
俺はメテオラを追いかけた。
「みんなは引き続き店内を探してほしい!」
「護衛の前に出てはいけません!!」
「メテオラといるから大丈夫!」
笛の音がした。
「テーブルに近付いた時、笛を拾ったか」
通行人の中で笛を咥えていたのは、店にいたあの男の子だった。
子どもの目の前にトラックが召喚される。
母親の悲鳴。
トラックは魔力で合成されているのか、通行人の中では透けて、男の子に迫った。
間に合わないと俺は悟った。
その俺を差し置いて機動力を上げたメテオラが子どもをあっさり救出。その後ろをトラックが執拗に追跡した。
世界を救う勇者であるメテオラの高度な処理頭脳がトラックからの追跡ルートを演算。しかし魔力で無尽蔵に稼働するトラックは振り切れなかった。
どうすればいい。どうすれば。
状況を傍観するしかなかった俺の震えた足が、その場でなにかを蹴飛ばした。
幸か不幸か思うより、拾ったその『手段』を前に持ってきた俺は、考えるだけでも最悪な判断を実行した。
咄嗟の判断で、俺は男の子が落とした笛に息を吹き込んだ。
トラックが方向転換。俺はフラッシュの眩さに目を焼かれた。
そして、目の前が真っ暗に。
「死んだか」
『あぶない!!』
声がして俺はふり返り、自分がまだ現世にいることに気が付いた。
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