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第三章 第十一話
111 二人と一人
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「そう言えば…、ディメントの蝶って寮で暮らしているって聞いたけど…二人も寮住まいなんだ?」
「そうなんですよ~。同じ階に住んでるんで、ちょくちょくコイツの部屋に遊びに行ってます。なあ、セイ?」
「……、う、うん」
―――何が、遊びに行ってる、だ。無理やり来てるくせに!
聖月は宗祐の質問に答えた蒼の言葉にムッとしつつも、頷くしかない。蒼が近くで有無を言わせぬ表情で言われると反論も出来ないし、お客様の前で言い合いという醜態を晒すわけにはいかない。蒼の言葉はまるで自分と聖月が仲良しと言いたげな言葉だった。
ぐっと肩に置かれた手が強まり、さらに密着が強くなる。蒼の匂いが強くなり、手に汗が噴き出た。
「仲良しでいいね」
クスクスと楽しそうに笑う宗祐の笑みは綺麗で、聖月は思わず見惚れる。
「羽山様も、俺以上にセイと仲良しじゃないですか」
「…ああ、そうだね」
二人の注目が集まり、聖月は意味が分からず身体を硬直させる。妙な雰囲気がトイレの中に流れた。
「…? な、なんですか」
「ぶはっ、マジか。おもしろっ」
蒼が噴き出して爆笑し、肩を震わせる振動が身体を密着している聖月にまで伝わる。何で今笑っているんだろう、と疑問に思っていると宗祐の笑い声が耳朶に響いた。その様子を見て聖月は不安に似た心臓の音を感じていた。
「…本当にセイくんは可愛いね」
宗祐に可愛いと言われて、聖月はカッと顔が赤くなる。ドキドキしてしょうがないのは、どうしてだろう。
「可愛いていうか、鈍感すぎますよね。みっちり俺がちゃぁんと鍛えた方がいいなあ…」
含みのある言葉で耳元に囁かれて聖月はゾクッとした。嫌な予感がして蒼を見ると、手が聖月の口に伸びている。咄嗟に聖月は口悪く叫びながら蒼の身体を引きはがした。
「いいよ、そんなのっ、いらないってっ」
「うおっ、いってーなー」
ドンッ、と身体を突き飛ばすと蒼がわざとらしく言っている。聖月はハッとして、目の前にいる宗祐を見た。宗祐は二人の様子に瞠目し、少し驚いた表情で見ていた。だがすぐに彼は、紳士的な微笑みを浮かべてくれた。
「…ソウくんはセイくんの知らない部分を引き出してくれるね、本当に仲がいい証拠だ」
目を細め、二人を見つめる宗祐。蒼は怒りに震える聖月を横目に、笑って見せた。
「そうですかね~? てかコイツホント手が出やすいんで、気を付けてくださいね」
「馬鹿ッ、何言ってんだ、ソウッ」
手が早くなるのはお前のせいだろ、と続けようとしてやめた。グッと抑えていると、愉し気に宗祐が口を動かす。
「―――跳ね馬を乗りこなすのは得意だよ」
宗祐が見せた大人の笑み。聖月はそんな言葉を見つめながら言われ、妙にドキドキと心臓が高鳴っていた。
「へえ、それはそれは…」
良い趣味を、と言った蒼。ニヤニヤと品定めをするような眼をしながら宗祐を見ていて思わず隣の男の脛を足で軽く蹴る。蒼に「何すんだよ」と睨まれたが、聖月も「そんな下卑た顔でお客様を見んなよ」と目線で訴えた。
「おっと、もうこんな時間か。少し用があるので、ここで失礼するよ。じゃあ、また指名した時にでも」
宗祐は時計を見ると、聖月と蒼に対しスマートに口角を上げて手を上げた。
「あ、はいっ。お、お待ちしてます」
と、噛みながら聖月が深くお辞儀をする。
「これからもディメントをごひいきに」
蒼は完璧な言葉と仕草でお辞儀をし、宗祐を聖月と共に見送った。
宗祐が居なくなったところで、聖月は至近距離で蒼を睨みつける。蒼はそんな聖月を楽しそうに見ていた。
「セイちゃんさあ、どうしてそんなに怒ってんの?」
「そりゃ、怒るだろっ。羽山様に、あんな態度取って…それになんで、そんな急にくっついたりしてきたんだよ。羽山様に変に突っかかるし…」
聖月の罵声に蒼はのらりくらりとかわした。
「いや~? セイちゃんの、ドヘタなその接客よりマシでしょ。だってさあ…お前がそんなに、羽山様にゾッコンだと思ってなくてさ~。あの人に可愛がられてるセイちゃんはどんな感じなのかなって思ったなぁ…」
「―――っぞ、ぞっ、ち、違う。そういうんじゃない」
蒼の言葉に聖月は大きく首を振る。聖月の言葉に、蒼は口を尖らせふうんと呟いた。
「じゃあ、どんな感情であのイケメン羽山様に抱かれてんの?」
「……そ、れ…は」
抱かれていない、と言えばどんな反応をされるのだろう。聖月が顔を真っ赤にして口をもごもごとさせると、蒼が頭をポンポンと撫でた。彼らしくない優しい行為とは裏腹に、吐き出された言葉たちは現実に戻されるものだった。
「馬鹿なセイちゃんに教えてやると、あの人ああいう紳士な態度でお前に接しているのかもしれないけど、ディメントに来てんだから相当のサディストだろうよ。1、2回優しく抱かれたからって変な夢見てんじゃねえよ」
冷たい言葉に、背筋が凍る。悪魔のような蒼の表情に、聖月は言葉を失う他ない。
「――――ッ」
そんな事分かっている。だけど、そんな事――――信じたくない。聖月の顔が面白かったのだろう。心底楽しそうに蒼は笑った。
「あれ? マジで夢壊しちゃった感じ? ごめんごめん」
「……………俺も、用事思い出した…じゃあね…」
聖月は謝る気もない蒼の言葉なんて聞きたくなかった。適当な事を言って、聖月は後ろを振り向き蒼の引き留める声なんて聞かずトイレから抜け出した。変な夢見てんじゃねえよ―――。グルグルとその言葉が回って離れなかった。
「へえ……マジか」
蒼はふらふらと出ていった聖月をぼんやりと見つめながら蒼は呟いた。その声には動揺したものと、愉し気な声音が交わっている。
「あんなに羽山様の前で表情が変わるなんてなあ…」
鏡に映る蒼の表情は、先程の聖月と同じように怒りの表情をしていた。気に喰わねぇ、と吐き捨て蒼の履いているお気に入りであるブランドの革靴がそのままトイレのごみ箱を蹴り上げたのはそれからすぐの事だった。
聖月は蒼に「用事がある」と言ったが、それは嘘なので特に用もなくふらふらとパーティーで盛り上がる会場を徘徊していた。相変わらず蒼の不躾な言葉が脳内でグルグルと回っていた。宗祐をどんな感情で見ているかは聖月の中では明らかだ。男としての人間としての尊敬―――。それだけのはずだ。
なのに、聖月の心はざわついていた。
「あれは……」
聖月は見知った顔を見つけ、思考をやめる。小奇麗な顔、こげ茶の髪。―――コウだ。彼のスラリとした体格は、スーツ姿によく似合っていた。ナンバー下位であるコウもこの交流会に参加しているのは知っていたが、忙しそうにしていたので話しかけられなかったのだ。一人でオレンジジュースを飲んでいるのを発見し、聖月は肩を叩く。
「コウ」
「あ、セイさん」
振り向いた彼の人々の喧騒に紛れ、疲れた顔をしているコウにほっとしている自分が居た。ほっとするのはおかしいかもしれないが、やっと普通の感覚の人に会った、という気持ちだった。
「今は大丈夫なの? 忙しそうだったから…」
「ああ、もう大丈夫っすよ。雑用係終わったんで、ッうお」
コウが叫び、すぐさま聖月の背中に隠れる。驚いていると、目の前にナンバー2であるクミヤ―――九条美也(くじょう みや)がいた。突然のスターの登場に、周りにいた男女がざわめいた。スーツ姿のナンバー上位の姿は圧巻だった。高身長なのもあるが、そこにいるだけで圧倒的なオーラを放ち、存在感がある。
完璧な存在に登場に、聖月も驚き、コウも固まる。
「………」
じっと見られ、何かしたのかと思い目を彷徨わせる。彼は無口な事で有名だった。だが目線で、コウを呼んでいる事が分かる。聖月はそのことに気づき、後ろにいるコウを小声で言いながら腕を引っ張る。
『いいの?! いかなくてっ?』
『あの、ちょっと今はムリです…っすいません』
『ええ?!』
コウの弱気な言葉に聖月は思わず小声ながらも叫んでしまう。美也は、ジロリと睨むように聖月を見ている。誤解です、と叫べたらどんなによかっただろう。聖月は思わぬ板挟みになり、「なんでこうなったんだよっ」と自分の運命を呪った。
「そうなんですよ~。同じ階に住んでるんで、ちょくちょくコイツの部屋に遊びに行ってます。なあ、セイ?」
「……、う、うん」
―――何が、遊びに行ってる、だ。無理やり来てるくせに!
聖月は宗祐の質問に答えた蒼の言葉にムッとしつつも、頷くしかない。蒼が近くで有無を言わせぬ表情で言われると反論も出来ないし、お客様の前で言い合いという醜態を晒すわけにはいかない。蒼の言葉はまるで自分と聖月が仲良しと言いたげな言葉だった。
ぐっと肩に置かれた手が強まり、さらに密着が強くなる。蒼の匂いが強くなり、手に汗が噴き出た。
「仲良しでいいね」
クスクスと楽しそうに笑う宗祐の笑みは綺麗で、聖月は思わず見惚れる。
「羽山様も、俺以上にセイと仲良しじゃないですか」
「…ああ、そうだね」
二人の注目が集まり、聖月は意味が分からず身体を硬直させる。妙な雰囲気がトイレの中に流れた。
「…? な、なんですか」
「ぶはっ、マジか。おもしろっ」
蒼が噴き出して爆笑し、肩を震わせる振動が身体を密着している聖月にまで伝わる。何で今笑っているんだろう、と疑問に思っていると宗祐の笑い声が耳朶に響いた。その様子を見て聖月は不安に似た心臓の音を感じていた。
「…本当にセイくんは可愛いね」
宗祐に可愛いと言われて、聖月はカッと顔が赤くなる。ドキドキしてしょうがないのは、どうしてだろう。
「可愛いていうか、鈍感すぎますよね。みっちり俺がちゃぁんと鍛えた方がいいなあ…」
含みのある言葉で耳元に囁かれて聖月はゾクッとした。嫌な予感がして蒼を見ると、手が聖月の口に伸びている。咄嗟に聖月は口悪く叫びながら蒼の身体を引きはがした。
「いいよ、そんなのっ、いらないってっ」
「うおっ、いってーなー」
ドンッ、と身体を突き飛ばすと蒼がわざとらしく言っている。聖月はハッとして、目の前にいる宗祐を見た。宗祐は二人の様子に瞠目し、少し驚いた表情で見ていた。だがすぐに彼は、紳士的な微笑みを浮かべてくれた。
「…ソウくんはセイくんの知らない部分を引き出してくれるね、本当に仲がいい証拠だ」
目を細め、二人を見つめる宗祐。蒼は怒りに震える聖月を横目に、笑って見せた。
「そうですかね~? てかコイツホント手が出やすいんで、気を付けてくださいね」
「馬鹿ッ、何言ってんだ、ソウッ」
手が早くなるのはお前のせいだろ、と続けようとしてやめた。グッと抑えていると、愉し気に宗祐が口を動かす。
「―――跳ね馬を乗りこなすのは得意だよ」
宗祐が見せた大人の笑み。聖月はそんな言葉を見つめながら言われ、妙にドキドキと心臓が高鳴っていた。
「へえ、それはそれは…」
良い趣味を、と言った蒼。ニヤニヤと品定めをするような眼をしながら宗祐を見ていて思わず隣の男の脛を足で軽く蹴る。蒼に「何すんだよ」と睨まれたが、聖月も「そんな下卑た顔でお客様を見んなよ」と目線で訴えた。
「おっと、もうこんな時間か。少し用があるので、ここで失礼するよ。じゃあ、また指名した時にでも」
宗祐は時計を見ると、聖月と蒼に対しスマートに口角を上げて手を上げた。
「あ、はいっ。お、お待ちしてます」
と、噛みながら聖月が深くお辞儀をする。
「これからもディメントをごひいきに」
蒼は完璧な言葉と仕草でお辞儀をし、宗祐を聖月と共に見送った。
宗祐が居なくなったところで、聖月は至近距離で蒼を睨みつける。蒼はそんな聖月を楽しそうに見ていた。
「セイちゃんさあ、どうしてそんなに怒ってんの?」
「そりゃ、怒るだろっ。羽山様に、あんな態度取って…それになんで、そんな急にくっついたりしてきたんだよ。羽山様に変に突っかかるし…」
聖月の罵声に蒼はのらりくらりとかわした。
「いや~? セイちゃんの、ドヘタなその接客よりマシでしょ。だってさあ…お前がそんなに、羽山様にゾッコンだと思ってなくてさ~。あの人に可愛がられてるセイちゃんはどんな感じなのかなって思ったなぁ…」
「―――っぞ、ぞっ、ち、違う。そういうんじゃない」
蒼の言葉に聖月は大きく首を振る。聖月の言葉に、蒼は口を尖らせふうんと呟いた。
「じゃあ、どんな感情であのイケメン羽山様に抱かれてんの?」
「……そ、れ…は」
抱かれていない、と言えばどんな反応をされるのだろう。聖月が顔を真っ赤にして口をもごもごとさせると、蒼が頭をポンポンと撫でた。彼らしくない優しい行為とは裏腹に、吐き出された言葉たちは現実に戻されるものだった。
「馬鹿なセイちゃんに教えてやると、あの人ああいう紳士な態度でお前に接しているのかもしれないけど、ディメントに来てんだから相当のサディストだろうよ。1、2回優しく抱かれたからって変な夢見てんじゃねえよ」
冷たい言葉に、背筋が凍る。悪魔のような蒼の表情に、聖月は言葉を失う他ない。
「――――ッ」
そんな事分かっている。だけど、そんな事――――信じたくない。聖月の顔が面白かったのだろう。心底楽しそうに蒼は笑った。
「あれ? マジで夢壊しちゃった感じ? ごめんごめん」
「……………俺も、用事思い出した…じゃあね…」
聖月は謝る気もない蒼の言葉なんて聞きたくなかった。適当な事を言って、聖月は後ろを振り向き蒼の引き留める声なんて聞かずトイレから抜け出した。変な夢見てんじゃねえよ―――。グルグルとその言葉が回って離れなかった。
「へえ……マジか」
蒼はふらふらと出ていった聖月をぼんやりと見つめながら蒼は呟いた。その声には動揺したものと、愉し気な声音が交わっている。
「あんなに羽山様の前で表情が変わるなんてなあ…」
鏡に映る蒼の表情は、先程の聖月と同じように怒りの表情をしていた。気に喰わねぇ、と吐き捨て蒼の履いているお気に入りであるブランドの革靴がそのままトイレのごみ箱を蹴り上げたのはそれからすぐの事だった。
聖月は蒼に「用事がある」と言ったが、それは嘘なので特に用もなくふらふらとパーティーで盛り上がる会場を徘徊していた。相変わらず蒼の不躾な言葉が脳内でグルグルと回っていた。宗祐をどんな感情で見ているかは聖月の中では明らかだ。男としての人間としての尊敬―――。それだけのはずだ。
なのに、聖月の心はざわついていた。
「あれは……」
聖月は見知った顔を見つけ、思考をやめる。小奇麗な顔、こげ茶の髪。―――コウだ。彼のスラリとした体格は、スーツ姿によく似合っていた。ナンバー下位であるコウもこの交流会に参加しているのは知っていたが、忙しそうにしていたので話しかけられなかったのだ。一人でオレンジジュースを飲んでいるのを発見し、聖月は肩を叩く。
「コウ」
「あ、セイさん」
振り向いた彼の人々の喧騒に紛れ、疲れた顔をしているコウにほっとしている自分が居た。ほっとするのはおかしいかもしれないが、やっと普通の感覚の人に会った、という気持ちだった。
「今は大丈夫なの? 忙しそうだったから…」
「ああ、もう大丈夫っすよ。雑用係終わったんで、ッうお」
コウが叫び、すぐさま聖月の背中に隠れる。驚いていると、目の前にナンバー2であるクミヤ―――九条美也(くじょう みや)がいた。突然のスターの登場に、周りにいた男女がざわめいた。スーツ姿のナンバー上位の姿は圧巻だった。高身長なのもあるが、そこにいるだけで圧倒的なオーラを放ち、存在感がある。
完璧な存在に登場に、聖月も驚き、コウも固まる。
「………」
じっと見られ、何かしたのかと思い目を彷徨わせる。彼は無口な事で有名だった。だが目線で、コウを呼んでいる事が分かる。聖月はそのことに気づき、後ろにいるコウを小声で言いながら腕を引っ張る。
『いいの?! いかなくてっ?』
『あの、ちょっと今はムリです…っすいません』
『ええ?!』
コウの弱気な言葉に聖月は思わず小声ながらも叫んでしまう。美也は、ジロリと睨むように聖月を見ている。誤解です、と叫べたらどんなによかっただろう。聖月は思わぬ板挟みになり、「なんでこうなったんだよっ」と自分の運命を呪った。
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