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第三章 第十一話
113 彼の秘密
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それから聖月と蒼は神山に別の部屋にてこっぴどく怒られた。結局神山から告げられたのは蒼は、厳重注意、反省文、聖月は蒼の処分に加えて減給という事だった。神山にはウジ虫を見る目で、「蒼が煽る言葉に乗ったお前が良くない」と言われてしまった。そう言われている聖月を蒼はニヤついた顔で見てきたので、本当に嫌だった。
神山の言葉にムッとしたが確かにそうだ。あんなの、ただ、無視をすればよかった。いつのもの蒼の戯言だと、スルーをすればよかったのに―――あの時の聖月は出来なかった。
だって、≪羽山様≫の事だったから。
あの人は、聖月にとって、尊敬している人で、まるでこのディメントという砂漠に突然現れたオアシスのような人だったから。そんな人を全否定するような、蒼の言葉に頭が真っ白になってしまい、いつの間にか彼の首を絞めるような形になってしまった。
蒼には謝りたいと思ったが、謝った所でどうなるのだろうと思ってやめてしまった。謝ったら、蒼が自惚れでもなく100パーセントで『身体で償え』なんて恋愛漫画もびっくりな事を言いそうだ。
―――聖月はそれから、ただ生活をしていても蒼の言葉がグルグルと回ってしまっていた。
蒼の顔は嘘を吐いているように見えない。蒼はふざけたことをよく言うが、こういった場面で嘘を吐くヤツではないと長年付き合っているがそれだけは分かっているのだ。
男娼館を出禁になっている。それは、蒼の言う通り、極端に言えば男娼を半殺しにしないとならないだろう。
あの人がそんな乱暴な事をするとは到底聖月には思えない。聖月は未だに、出禁イコール羽山宗祐の計算式が成り立っていなかった。
「はあ…」
ため息を吐くと、注意力も散漫になるらしい。手が滑り、ポロッと手に持っていたペンを床に落としてしまった。予想外に飛んだそれは、教室の階段を駆け下り、随分と遠くに降りてしまった。授業が始まるので、面倒だが重い腰を上げようとしたら、いつの間にか目の前にペンを「はい」と差し出された。
驚いて顔を上げると、友人である衛が目の前に立っていた。金髪の髪がキラキラとたなびかせ、ニカッと笑う彼にドキッとする。
「衛っ、あ、ありがとう…」
「めっちゃやんちゃなペンだったね~。ねえ、隣座っていー?」
「うん」
衛は楽しそうに笑って空いていた聖月の隣に座った。こうして1限目から、大学で衛と一緒に講義を見ることは珍しい。いつもだったら衛はまだ寝ていて、布団から起きていないだろうから。筆箱をあさっていた衛は顔を青くし、小さく叫ぶ。
「やべ、赤ペン忘れた! ミツ、シェアしていい?」
「いいよ」
頷くと衛は人懐っこい笑みを浮かべて「ありがと」と言った。こうして衛を見るのは久しぶりで、どうしてかほっとした。だからだろうか。聖月はいつの間にか口を開いていた。
「ねえ…衛はさ、尊敬していた人の違う一面を知っちゃったらどうする?」
衛は、キョトンとした顔で聖月をじぃっと見る。
「えー?」
聖月は言ってしまってから、しまった!と思った。思わず手で口を塞いだ。
疲れているのか、そればっかり考えているからか、つい関係のない衛に聞いてしまった。変な風に捉えていられないかと、心臓が嫌に鳴り響く。聖月に変な汗が流れてきた頃、衛は少し考える姿勢を取って、ゆっくりと口を開いた。
「それもその人の一面なんだなー。って思う」
「え?! 優しい人がホントは昔犯罪者だったって言っても?」
たとえが大袈裟すぎたが、聖月にとってはそれと同様の事だった。聖月の言葉に、衛はむしろ首を傾げる。
「…昔は昔じゃん? 俺だってミツは大人しそうな子だなーって思ってたけどホントは怒りっぽいって知ったってレベルの話じゃない?」
―――どういうレベルのお話?!
衛がさらりと言った事に、聖月は衝撃を受けていた。『その人の一面』だと受けいれられる衛は、聖月から見れば懐が広いとしか言いようがない。聖月は未だに宗祐が出禁になっていたという事が信じたくない気持ちでいっぱいだと言うのに。衛は話が解決したと思っているようで、携帯を弄り始めた。
唖然としている聖月の耳に、衛のあっけからんとした声が響き渡る。
「結局さー、ミツがその人をどれだけ許せるかって話じゃないのかな? それって」
「…っ」
聖月は思わず息をのむ。
「許せなかったら、それまでってことでいいじゃん?」
深く考えなくてもさぁ、と衛は言い切った。何か言おうと口を開けた聖月だったが、結局教室に1限目の先生が入ってきてその話は終了してしまった。
―――結局さー、ミツがその人をどれだけ許せるかって話じゃないのかな?
―――許せなかったら、それまでってことでいいじゃん。
衛の話は突拍子もないように見えて、とても理にかなっていた。確かに、それだけの話だ。そもそも、この出禁の話が本当かも分からないし―――。聖月は衛の言葉で一旦の区切りが見えた気がした。そのお陰か、今日は普段より集中して講義を受けられた気がする。
―――出禁がなんだっていうんだ。ディメントにいるんだ、秘密は1つ、2つぐらいあったっておかしくないじゃんか。
そう思うことで少しだけ、心が軽くなった気がした。
自分でもどうしてこんなにこの事を引きずってしまっているのだろうかと、不思議だった。蒼の言う通り、『騙された』と一瞬思ってしまったのかもしれない。あの時、蒼を掴みかかったのだって、無意識のうちにやってしまったのだ。無意識下で「そんなはずはない」と激昂してしまったのだ。
宗祐は、客の中で、唯一性交渉をしない人間で(この間少し触られたけど)、紳士的で、カッコよくて、博識高い人で。男として尊敬できる人で。容姿も性格も立場も何もかも完璧な人で。だから、出禁になったという言葉は、聖月にはスキャンダルすぎたのだ。
「サディスト…」
寮に帰って自室に戻ってからベットに横になりながらいつの間にか聖月は呟いていた。目を閉じれば、彼のオールバックで綺麗な顔が浮かんでくる。その顔は笑みを浮かべ、決してサディストには見えない。
宗祐の表の顔―――紳士的で、優しい完璧な大人の男性。裏の顔―――本当は蒼の言う通り、相当のサディストで出禁になるぐらいの人。
自分は『許せる』のだろうか。本当にそうだとして。それがその人の一面だと受け入れることが本当に…。
あの人が『ディメント』に染まった人間だとしても。
「……うぅ」
聖月は呻くように呟いて、近くにあった携帯である単語をネットで検索する。すると求めていたものが、直ぐに出てきて、そっと目を閉じる。ゆっくりと息をして、落ち着け、落ち着けと心の中で唱え目を開く。その場所をメモし、カバンの中に入れた。
「知って…どうすんだ…」
好奇心で身を滅ぼしたことを思い出し、聖月はベットの中で縮こまる。
ディメントをただの児童養護施設だと思っていた頃。子供の声が気になって上の階段に足を踏み入れたことが頭の中でフラッシュバックする。あの後、されたことは今だって思い出したくもない。
―――世の中には、知らなくなっていい事だってあるだろう。
あのままディメントだと知らずにここで過ごすことも、聖月には出来たはずだ。なのに、そうならなかったのは自分の好奇心で、深く事情に入りこみ、危険を冒したからだ。無駄な正義感や好奇心で無茶な行動をするのはもう嫌だ。その代償は何十倍になって返ってくるということを聖月はよく知っている。
聖月は先程書いたメモをカバンから取り出し、ゴミ箱へ捨てた。その瞬間、ほっと息を吐けた。そしてベットに寝転がり、白い天井を見上げる。今だって、微かに天井から叫び声が聞こえる。助ける求める男の人の声。
――――イヤだ、もう…っ、やめてくれっ。
悲痛な、見殺さないでくれと助けを求める声。
―――もうあれから、聖月は階を上がろうとするのをやめた。上に上がったら、きっと自分は死んでしまうような気がしたから。聖月は両耳を震える手で塞ぎ、自らの罪から逃れようとする。
「イヤだ…ッ」
思わずうずくまり、低く叫ぶ。バチン、バチンッ。叩く音が鈍く聞こえている気がして、顔を歪める。上で起こっている惨状から目を背けると、胸が張り裂けて泣き出しそうになる。
その声を塞ぐことは昔の自分を殺すような行為で。
セイくん―――。
ふいに宗祐の優しい低い声が聞こえる。これは、罪から逃れるための逃避だろうか。
自分が宗祐の過去を知って、どうなるのだろう。ふいにそう考えた。それを受け入れる、受けいれられない、そんな事を思う権利、こんな俺にはない。―――聖月は自分にそう言い聞かせ、そっと目を閉じた。携帯には明日のシフトを知らせるメールが入っている事を知らせるライトが点滅し続けていた。
神山の言葉にムッとしたが確かにそうだ。あんなの、ただ、無視をすればよかった。いつのもの蒼の戯言だと、スルーをすればよかったのに―――あの時の聖月は出来なかった。
だって、≪羽山様≫の事だったから。
あの人は、聖月にとって、尊敬している人で、まるでこのディメントという砂漠に突然現れたオアシスのような人だったから。そんな人を全否定するような、蒼の言葉に頭が真っ白になってしまい、いつの間にか彼の首を絞めるような形になってしまった。
蒼には謝りたいと思ったが、謝った所でどうなるのだろうと思ってやめてしまった。謝ったら、蒼が自惚れでもなく100パーセントで『身体で償え』なんて恋愛漫画もびっくりな事を言いそうだ。
―――聖月はそれから、ただ生活をしていても蒼の言葉がグルグルと回ってしまっていた。
蒼の顔は嘘を吐いているように見えない。蒼はふざけたことをよく言うが、こういった場面で嘘を吐くヤツではないと長年付き合っているがそれだけは分かっているのだ。
男娼館を出禁になっている。それは、蒼の言う通り、極端に言えば男娼を半殺しにしないとならないだろう。
あの人がそんな乱暴な事をするとは到底聖月には思えない。聖月は未だに、出禁イコール羽山宗祐の計算式が成り立っていなかった。
「はあ…」
ため息を吐くと、注意力も散漫になるらしい。手が滑り、ポロッと手に持っていたペンを床に落としてしまった。予想外に飛んだそれは、教室の階段を駆け下り、随分と遠くに降りてしまった。授業が始まるので、面倒だが重い腰を上げようとしたら、いつの間にか目の前にペンを「はい」と差し出された。
驚いて顔を上げると、友人である衛が目の前に立っていた。金髪の髪がキラキラとたなびかせ、ニカッと笑う彼にドキッとする。
「衛っ、あ、ありがとう…」
「めっちゃやんちゃなペンだったね~。ねえ、隣座っていー?」
「うん」
衛は楽しそうに笑って空いていた聖月の隣に座った。こうして1限目から、大学で衛と一緒に講義を見ることは珍しい。いつもだったら衛はまだ寝ていて、布団から起きていないだろうから。筆箱をあさっていた衛は顔を青くし、小さく叫ぶ。
「やべ、赤ペン忘れた! ミツ、シェアしていい?」
「いいよ」
頷くと衛は人懐っこい笑みを浮かべて「ありがと」と言った。こうして衛を見るのは久しぶりで、どうしてかほっとした。だからだろうか。聖月はいつの間にか口を開いていた。
「ねえ…衛はさ、尊敬していた人の違う一面を知っちゃったらどうする?」
衛は、キョトンとした顔で聖月をじぃっと見る。
「えー?」
聖月は言ってしまってから、しまった!と思った。思わず手で口を塞いだ。
疲れているのか、そればっかり考えているからか、つい関係のない衛に聞いてしまった。変な風に捉えていられないかと、心臓が嫌に鳴り響く。聖月に変な汗が流れてきた頃、衛は少し考える姿勢を取って、ゆっくりと口を開いた。
「それもその人の一面なんだなー。って思う」
「え?! 優しい人がホントは昔犯罪者だったって言っても?」
たとえが大袈裟すぎたが、聖月にとってはそれと同様の事だった。聖月の言葉に、衛はむしろ首を傾げる。
「…昔は昔じゃん? 俺だってミツは大人しそうな子だなーって思ってたけどホントは怒りっぽいって知ったってレベルの話じゃない?」
―――どういうレベルのお話?!
衛がさらりと言った事に、聖月は衝撃を受けていた。『その人の一面』だと受けいれられる衛は、聖月から見れば懐が広いとしか言いようがない。聖月は未だに宗祐が出禁になっていたという事が信じたくない気持ちでいっぱいだと言うのに。衛は話が解決したと思っているようで、携帯を弄り始めた。
唖然としている聖月の耳に、衛のあっけからんとした声が響き渡る。
「結局さー、ミツがその人をどれだけ許せるかって話じゃないのかな? それって」
「…っ」
聖月は思わず息をのむ。
「許せなかったら、それまでってことでいいじゃん?」
深く考えなくてもさぁ、と衛は言い切った。何か言おうと口を開けた聖月だったが、結局教室に1限目の先生が入ってきてその話は終了してしまった。
―――結局さー、ミツがその人をどれだけ許せるかって話じゃないのかな?
―――許せなかったら、それまでってことでいいじゃん。
衛の話は突拍子もないように見えて、とても理にかなっていた。確かに、それだけの話だ。そもそも、この出禁の話が本当かも分からないし―――。聖月は衛の言葉で一旦の区切りが見えた気がした。そのお陰か、今日は普段より集中して講義を受けられた気がする。
―――出禁がなんだっていうんだ。ディメントにいるんだ、秘密は1つ、2つぐらいあったっておかしくないじゃんか。
そう思うことで少しだけ、心が軽くなった気がした。
自分でもどうしてこんなにこの事を引きずってしまっているのだろうかと、不思議だった。蒼の言う通り、『騙された』と一瞬思ってしまったのかもしれない。あの時、蒼を掴みかかったのだって、無意識のうちにやってしまったのだ。無意識下で「そんなはずはない」と激昂してしまったのだ。
宗祐は、客の中で、唯一性交渉をしない人間で(この間少し触られたけど)、紳士的で、カッコよくて、博識高い人で。男として尊敬できる人で。容姿も性格も立場も何もかも完璧な人で。だから、出禁になったという言葉は、聖月にはスキャンダルすぎたのだ。
「サディスト…」
寮に帰って自室に戻ってからベットに横になりながらいつの間にか聖月は呟いていた。目を閉じれば、彼のオールバックで綺麗な顔が浮かんでくる。その顔は笑みを浮かべ、決してサディストには見えない。
宗祐の表の顔―――紳士的で、優しい完璧な大人の男性。裏の顔―――本当は蒼の言う通り、相当のサディストで出禁になるぐらいの人。
自分は『許せる』のだろうか。本当にそうだとして。それがその人の一面だと受け入れることが本当に…。
あの人が『ディメント』に染まった人間だとしても。
「……うぅ」
聖月は呻くように呟いて、近くにあった携帯である単語をネットで検索する。すると求めていたものが、直ぐに出てきて、そっと目を閉じる。ゆっくりと息をして、落ち着け、落ち着けと心の中で唱え目を開く。その場所をメモし、カバンの中に入れた。
「知って…どうすんだ…」
好奇心で身を滅ぼしたことを思い出し、聖月はベットの中で縮こまる。
ディメントをただの児童養護施設だと思っていた頃。子供の声が気になって上の階段に足を踏み入れたことが頭の中でフラッシュバックする。あの後、されたことは今だって思い出したくもない。
―――世の中には、知らなくなっていい事だってあるだろう。
あのままディメントだと知らずにここで過ごすことも、聖月には出来たはずだ。なのに、そうならなかったのは自分の好奇心で、深く事情に入りこみ、危険を冒したからだ。無駄な正義感や好奇心で無茶な行動をするのはもう嫌だ。その代償は何十倍になって返ってくるということを聖月はよく知っている。
聖月は先程書いたメモをカバンから取り出し、ゴミ箱へ捨てた。その瞬間、ほっと息を吐けた。そしてベットに寝転がり、白い天井を見上げる。今だって、微かに天井から叫び声が聞こえる。助ける求める男の人の声。
――――イヤだ、もう…っ、やめてくれっ。
悲痛な、見殺さないでくれと助けを求める声。
―――もうあれから、聖月は階を上がろうとするのをやめた。上に上がったら、きっと自分は死んでしまうような気がしたから。聖月は両耳を震える手で塞ぎ、自らの罪から逃れようとする。
「イヤだ…ッ」
思わずうずくまり、低く叫ぶ。バチン、バチンッ。叩く音が鈍く聞こえている気がして、顔を歪める。上で起こっている惨状から目を背けると、胸が張り裂けて泣き出しそうになる。
その声を塞ぐことは昔の自分を殺すような行為で。
セイくん―――。
ふいに宗祐の優しい低い声が聞こえる。これは、罪から逃れるための逃避だろうか。
自分が宗祐の過去を知って、どうなるのだろう。ふいにそう考えた。それを受け入れる、受けいれられない、そんな事を思う権利、こんな俺にはない。―――聖月は自分にそう言い聞かせ、そっと目を閉じた。携帯には明日のシフトを知らせるメールが入っている事を知らせるライトが点滅し続けていた。
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