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蒼編
4 ヒーロー気分
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ホストクラブ。
そう聞いて浮かんだのは、蒼の顔だった。隣にはシモンの顔も浮かんだ。
まさかその言葉が出てくるとは思わなかった俺は、驚きの声を上げる。黒川は話を続けた。
「それで、妹は変わってしまったんです。人が変わったようになってしまって。メイクも着る服も前とは全然違うし…。
前から精神的に不安定だったけれど、さらにそれに拍車がかかってしまって…。
若者言葉というんですかね?
何だか何を言っているか分からない言葉遣いになって…心配で仕方がないのです…」
「それは心配ですね…」
「過保護かなって思うんですけど…」
「過保護なんかじゃないですよ! それは心配で仕方がないのもしょうがないです。俺も兄が居るんで、もしそうなったら不安になります」
「君塚さんにもお兄さんが居るんですね…」
「ええ…、まぁ…」
最近兄には会っていないが、元気にしているだろうかと俺は急に不安になった。
もし黒川の妹のようにキャバクラに通うようになったらどうしようと思った。そんなことはないとは思いたいが、万が一の場合もある。
「それで、瑠璃は…ホスト狂いになってしまって」
「ホスト狂い…」
聞いたことがない言葉に、喉をごくりと鳴らす。言葉だけのイメージだが、決していいイメージを持たない。
「そういう状態の事をホス狂っていうらしいんですけど…。
まぁ、言ってしまえば…ホストクラブに通い詰めて、大金を払っている状態になったんです」
「ええ?!」
大学生である瑠璃がそんなことになってしまったとは驚きだ。
これでは黒川が心配になるのも仕方がない。大きな声を上げて驚く俺に、黒川は「早く気付いてあげられれば良かったのですけど…」と辛そうに言った。
「でも、そんな大金どこから出てくるんですか?」
「それが、初めはアルバイトで賄っていたらしいんですけど…。最近はブランド物を貢ぐようになって、俺の財布からお金を盗むようになったんです」
「ええ?! そんなの窃盗じゃないですかっ」
恋は盲目と言うが、そこまでやってしまうのかと俺は末恐ろしくなる。
真面目そうな彼女がそんな犯罪行為に走ってしまうとは信じたくない気持ちになった。
「だからホストに貢いでるって分かったんですけどね…」
兄として不甲斐ないなぁ、と笑う黒川に胸が締め付けられる。
こんな優しい人が辛く悲しんでいる。それが辛くて俺はつい言ってしまっていた。
「じゃあ、そのホストクラブから妹さんを連れ戻しましょうよ」
「え…えぇ? どうやって」
黒川は俺の提案に明らかに困惑している。
連れ出したい気持ちはあったのだろうが、行動を起こすほどの余裕はなかったのかもしれない。
そんな黒川に対して俺は、蒼から教えて貰った情報を伝えた。
「ホストクラブには男性も入れる店もあるんです。事前に店に連絡して瑠璃さんを連れ出しましょうっ。俺も手伝います」
「え、ええ?!そ、そうなんだね…。 い、いいのかなぁ…」
俺の言葉に黒川は驚きすぎて、敬語では無くなっている。それがさらに彼を幼くさせていた。
そんな黒川に俺は畳みかける。
「良ければ黒川さんに俺が同行しますよ」
「え…そこまでして貰っていいんですか…? 今日会ったばかりなのに、君塚さんは優しいな…」
――いや、絶対に黒川さんの方が優しいだろ。
そんな事をつい考えてしまう。俺は黒川に目線を合わせて言い切った。
「妹さんを共に救いましょうっ」
まるでRPGゲームのような言葉だった。こんなことを自分が言うなんて信じられない気持ちだった。
黒川は感激したのか笑顔で答える。
「はいっ」
その言葉で2人は瑠璃をホストクラブから救う会が結成することが決定した。
聖月はふと気になったことを聞いていた。
――まさか、そんなことはあるわけないけど…。
「そのホストクラブの名前って何ですか?」
黒川は少し考えてからそのホストクラブの名前を言った。
「確か…親指姫…だったかな?」
それは蒼が働いているホストクラブの名前であり、聖月も行ったことがある場所で、聖月は予想が当たり「嘘だろ…
」と呟いてしまった。
そう聞いて浮かんだのは、蒼の顔だった。隣にはシモンの顔も浮かんだ。
まさかその言葉が出てくるとは思わなかった俺は、驚きの声を上げる。黒川は話を続けた。
「それで、妹は変わってしまったんです。人が変わったようになってしまって。メイクも着る服も前とは全然違うし…。
前から精神的に不安定だったけれど、さらにそれに拍車がかかってしまって…。
若者言葉というんですかね?
何だか何を言っているか分からない言葉遣いになって…心配で仕方がないのです…」
「それは心配ですね…」
「過保護かなって思うんですけど…」
「過保護なんかじゃないですよ! それは心配で仕方がないのもしょうがないです。俺も兄が居るんで、もしそうなったら不安になります」
「君塚さんにもお兄さんが居るんですね…」
「ええ…、まぁ…」
最近兄には会っていないが、元気にしているだろうかと俺は急に不安になった。
もし黒川の妹のようにキャバクラに通うようになったらどうしようと思った。そんなことはないとは思いたいが、万が一の場合もある。
「それで、瑠璃は…ホスト狂いになってしまって」
「ホスト狂い…」
聞いたことがない言葉に、喉をごくりと鳴らす。言葉だけのイメージだが、決していいイメージを持たない。
「そういう状態の事をホス狂っていうらしいんですけど…。
まぁ、言ってしまえば…ホストクラブに通い詰めて、大金を払っている状態になったんです」
「ええ?!」
大学生である瑠璃がそんなことになってしまったとは驚きだ。
これでは黒川が心配になるのも仕方がない。大きな声を上げて驚く俺に、黒川は「早く気付いてあげられれば良かったのですけど…」と辛そうに言った。
「でも、そんな大金どこから出てくるんですか?」
「それが、初めはアルバイトで賄っていたらしいんですけど…。最近はブランド物を貢ぐようになって、俺の財布からお金を盗むようになったんです」
「ええ?! そんなの窃盗じゃないですかっ」
恋は盲目と言うが、そこまでやってしまうのかと俺は末恐ろしくなる。
真面目そうな彼女がそんな犯罪行為に走ってしまうとは信じたくない気持ちになった。
「だからホストに貢いでるって分かったんですけどね…」
兄として不甲斐ないなぁ、と笑う黒川に胸が締め付けられる。
こんな優しい人が辛く悲しんでいる。それが辛くて俺はつい言ってしまっていた。
「じゃあ、そのホストクラブから妹さんを連れ戻しましょうよ」
「え…えぇ? どうやって」
黒川は俺の提案に明らかに困惑している。
連れ出したい気持ちはあったのだろうが、行動を起こすほどの余裕はなかったのかもしれない。
そんな黒川に対して俺は、蒼から教えて貰った情報を伝えた。
「ホストクラブには男性も入れる店もあるんです。事前に店に連絡して瑠璃さんを連れ出しましょうっ。俺も手伝います」
「え、ええ?!そ、そうなんだね…。 い、いいのかなぁ…」
俺の言葉に黒川は驚きすぎて、敬語では無くなっている。それがさらに彼を幼くさせていた。
そんな黒川に俺は畳みかける。
「良ければ黒川さんに俺が同行しますよ」
「え…そこまでして貰っていいんですか…? 今日会ったばかりなのに、君塚さんは優しいな…」
――いや、絶対に黒川さんの方が優しいだろ。
そんな事をつい考えてしまう。俺は黒川に目線を合わせて言い切った。
「妹さんを共に救いましょうっ」
まるでRPGゲームのような言葉だった。こんなことを自分が言うなんて信じられない気持ちだった。
黒川は感激したのか笑顔で答える。
「はいっ」
その言葉で2人は瑠璃をホストクラブから救う会が結成することが決定した。
聖月はふと気になったことを聞いていた。
――まさか、そんなことはあるわけないけど…。
「そのホストクラブの名前って何ですか?」
黒川は少し考えてからそのホストクラブの名前を言った。
「確か…親指姫…だったかな?」
それは蒼が働いているホストクラブの名前であり、聖月も行ったことがある場所で、聖月は予想が当たり「嘘だろ…
」と呟いてしまった。
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