148 / 168
蒼編
5 ライブラのオーナー
しおりを挟む
それから1週間後。
俺は事前に親指姫に連絡をして男たちで向かう事を知らせていた。指名するホストは、本当は嫌だったが蒼にした。
俺が蒼の知り合いの客だと分かると、すぐにOKが出た。どうやら蒼の立場はナンバー3であるからか高いらしい。
「初めまして! オレはライブラのオーナーの、宝条大河(ほうじょう たいが)って言います~! セイくんに会えて嬉しいよ~!
これオレの名刺ね。電話番号、ここに書いてあるからうちに興味あったらいつでも電話して? ね?」
「はぁ…有難うございます…ディメントのセイ…本名は君塚聖月っていいます…」
目の前に居るのは、宝条大河と名乗った男性だった。髭を生やしたハンサムな40代程に見える人だ。
――この人がライブラのオーナーかぁ…。
オーナーというので、小向のような人だと思ったが、随分と宝条は小向とタイプが違う。かなり元気な人だ。あととてもノリが軽そうな人に見える。
握手を求められ、手を差し出すと、笑顔でぶんぶんと振り回される。
――こんなにセイに好意的な人久しぶりに見た…!
「すみません…行くことがオーナーにバレました…」
申し訳なさそうに黒川が言う。
「何だよクッキー! オレが来るのが嫌だったのか?! オレはとても頼もしいだろう?!」
「いつも掃除用具を倒して店の床を水浸しにする人が頼れるとでも思っているんですか…?」
「ドジっ子属性持ちってポイント高いだろ?」
「そんなポイントはありませんっ」
「ふふっ」
熟練の漫才のような掛け合いに俺は面白くなり、声を出して笑ってしまう。
黒川がクッキーと呼ばれているのも可愛いと思ってしまった。あだ名なのだろうけれど、面白い。
「君塚くん笑ってる~」
楽しそうに言われて恥ずかしくなる。
俺が俯いていると黒川が言った。
「とにかく行きますよ。今日は瑠璃も居るはずです」
「そうだなぁ、っていうかこんな若者3人組でホストクラブに行くとは人生何があるか分からないねぇ」
「もしかして、自分が若者だと思って数入れてます?」
「当たり前だろぉ? 41歳は立派な若者だよ~」
「ね? ちょっとノリがキツイ人でしょう?」
「は…はあ…」
――そんな真剣に同意を求められても困る。
黒川の言葉を曖昧に受け止めつつ、俺は親指姫を見詰める。
今の3人の空気感は、これから黒川の妹を連れ出す前とは思えない雰囲気だ。
黒川によると今日が、瑠璃が来ると思われる日らしい。来ていないならそれでいいだろう。だが、何となく嫌な予感がした。
――何もないといいのだけれど…。
「じゃあ、行きますか」
「なんか君塚くんの後ろで付いていくってスパイ映画感ない? コードネーム決めとく?」
「今ふざけてる場合ですかっ」
「じゃあ、俺がKで黒川さんがKで宝条さんがHでKKHとかどうですか」
「それってオレだけ除け者感すごくない?」
「君塚さんまでのらないでくださいよっ、急に何なんですか?!」
「ご、ごめんなさい…。つい…」
黒川に怒られてしまった。
今から乗り込む緊張感からかつい宝条の言葉に乗せられた。かくして俺たちKKH(仮)はホストクラブに乗り込むことになった。
店内に入ると男3人という異様な来客に、周りからジロジロと見られていることが分かり緊張してしまう。
俺は店員に「ソウお願いします」と告げ、電話してきた相手だと分かったのか席に通された。
席に座ると3人は一斉に辺りを見渡す。瑠璃の顔は知っている。
だが、客を見ても瑠璃の姿は見えない。
――今日は居ないのかな…?
そう考えた時だった。黒川が立ち上がり、ずんずんとある席に向かっていく。そこに居たのは蒼とある女性だった。
「瑠璃っ」
俺は事前に親指姫に連絡をして男たちで向かう事を知らせていた。指名するホストは、本当は嫌だったが蒼にした。
俺が蒼の知り合いの客だと分かると、すぐにOKが出た。どうやら蒼の立場はナンバー3であるからか高いらしい。
「初めまして! オレはライブラのオーナーの、宝条大河(ほうじょう たいが)って言います~! セイくんに会えて嬉しいよ~!
これオレの名刺ね。電話番号、ここに書いてあるからうちに興味あったらいつでも電話して? ね?」
「はぁ…有難うございます…ディメントのセイ…本名は君塚聖月っていいます…」
目の前に居るのは、宝条大河と名乗った男性だった。髭を生やしたハンサムな40代程に見える人だ。
――この人がライブラのオーナーかぁ…。
オーナーというので、小向のような人だと思ったが、随分と宝条は小向とタイプが違う。かなり元気な人だ。あととてもノリが軽そうな人に見える。
握手を求められ、手を差し出すと、笑顔でぶんぶんと振り回される。
――こんなにセイに好意的な人久しぶりに見た…!
「すみません…行くことがオーナーにバレました…」
申し訳なさそうに黒川が言う。
「何だよクッキー! オレが来るのが嫌だったのか?! オレはとても頼もしいだろう?!」
「いつも掃除用具を倒して店の床を水浸しにする人が頼れるとでも思っているんですか…?」
「ドジっ子属性持ちってポイント高いだろ?」
「そんなポイントはありませんっ」
「ふふっ」
熟練の漫才のような掛け合いに俺は面白くなり、声を出して笑ってしまう。
黒川がクッキーと呼ばれているのも可愛いと思ってしまった。あだ名なのだろうけれど、面白い。
「君塚くん笑ってる~」
楽しそうに言われて恥ずかしくなる。
俺が俯いていると黒川が言った。
「とにかく行きますよ。今日は瑠璃も居るはずです」
「そうだなぁ、っていうかこんな若者3人組でホストクラブに行くとは人生何があるか分からないねぇ」
「もしかして、自分が若者だと思って数入れてます?」
「当たり前だろぉ? 41歳は立派な若者だよ~」
「ね? ちょっとノリがキツイ人でしょう?」
「は…はあ…」
――そんな真剣に同意を求められても困る。
黒川の言葉を曖昧に受け止めつつ、俺は親指姫を見詰める。
今の3人の空気感は、これから黒川の妹を連れ出す前とは思えない雰囲気だ。
黒川によると今日が、瑠璃が来ると思われる日らしい。来ていないならそれでいいだろう。だが、何となく嫌な予感がした。
――何もないといいのだけれど…。
「じゃあ、行きますか」
「なんか君塚くんの後ろで付いていくってスパイ映画感ない? コードネーム決めとく?」
「今ふざけてる場合ですかっ」
「じゃあ、俺がKで黒川さんがKで宝条さんがHでKKHとかどうですか」
「それってオレだけ除け者感すごくない?」
「君塚さんまでのらないでくださいよっ、急に何なんですか?!」
「ご、ごめんなさい…。つい…」
黒川に怒られてしまった。
今から乗り込む緊張感からかつい宝条の言葉に乗せられた。かくして俺たちKKH(仮)はホストクラブに乗り込むことになった。
店内に入ると男3人という異様な来客に、周りからジロジロと見られていることが分かり緊張してしまう。
俺は店員に「ソウお願いします」と告げ、電話してきた相手だと分かったのか席に通された。
席に座ると3人は一斉に辺りを見渡す。瑠璃の顔は知っている。
だが、客を見ても瑠璃の姿は見えない。
――今日は居ないのかな…?
そう考えた時だった。黒川が立ち上がり、ずんずんとある席に向かっていく。そこに居たのは蒼とある女性だった。
「瑠璃っ」
10
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる