アルスの日常

星月

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2025年7月13日

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2025年7月13日

学校の最寄り駅のホームに降り立ったクレ。
朝の陽射しがキラキラと照らし、夏らしい清々しい空気が駅前を満たしていた。

ホームに響くざわめきの中、どこからか自分の名前を呼ぶ声を聞きつけた。
視線を向けると、改札口の前に立つアルスとエルの姿があった。

エル 「クレちゃ~ん!誕生日おめでと~!」

彼女は大きく手を振りながら、笑顔で祝福の言葉を投げかける。
クレは改札を通り抜けながら、弾けるような笑顔で応えた。

クレ「ありがと~エルちゃん!来てくれたんだ~!」

 彼女は小走りで二人の元へ駆け寄り、胸いっぱいの喜びを隠さない。

クレ「お出迎えに来てくれて嬉しい!」
アルス「エルがどうしても朝一で会いたいって言うからな」

そう言って彼は、チラリとエルに視線を送り、軽く合図をする。
するとエルは目を輝かせ、持っていた小さなバスケットに被せた布をそっとめくった。

エル「一昨日、クレちゃんにサンドイッチ奢ってもらったから、私からもなにか贈りたいなって思って!」

バスケットの中には、色とりどりのクッキーが丁寧に包装されて並んでいる。
ハート形や星形、淡いピンクやミントグリーンのアイシングが施された可愛らしい見た目に、クレの声が弾んだ。

クレ「え~可愛い!これエルちゃんが作ったの!?」
エル「そう!あとは、アルス君と颯太ちゃんも手伝ってくれたよ!」

そう言ってエルは、近くのベンチに座る颯太の方を振り返った。 
彼女は朝日を浴びながら、大きなあくびをして眠たそうに目をこすっている。

マイペースで少し気怠げな雰囲気の持ち主である颯太。
体力測定で足の速さがほぼ互角だったことがきっかけで、何度か言葉を交わすようになった。

クレ「そうなんだ!アルス君も颯太ちゃんも、ありがと~!」
目をキラキラさせて、颯太とアルスにも感謝を伝えるクレ。
そうしてエルにぎゅっと抱きつくと、エルも「どういたしまして~!」と笑顔で抱き返してきた。

二人の楽しげな様子を、ベンチの颯太が眠そうな目で眺めながら呟く。

颯太「…仲良かったんだね、あの二人。」
アルス「馴れ初めは一昨日やけどな」

アルスは颯太の隣に腰を下ろし、耳元で小さく教える。
颯太は特に驚いた様子もなく「ふ~ん、そうなんだ。」とだけ返し、ゆっくり立ち上がった。

そして、アルスをチラリと見て、気怠げに言った。

颯太「...眠いからおんぶして」 
アルス「子供かよ」

笑いながら軽くツッコむが、颯太のマイペースさにどこか楽しげな表情を浮かべていた。
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