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第一話「黒いダイヤ」
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朝のホームルームを終えると、アルスは一限目の予習をするガクの元へと歩み寄る。
アルス「クロマグロが2億で落札やってさ」
今朝のニュースで知った、市場の初競り事情。
そのことについて話そうと、彼に声を掛けた。
ガク「ああ、知ってるよ。過去2番目の価値だってね。」
しかし、それについてはガクも既に知っていたようで。
眼鏡をクイッと押し上げると、普段通りの調子で返事をした。
近藤「マジかよ!?どんな高級魚だよ!」
そんな話を、近くで友人達と談笑していた近藤が耳にする。
想像つかない額に驚く近藤に、アルスは「黒いダイヤと呼ばれるくらいやでな、流石は寿司の王様や。」と笑った。
近藤「確かに俺も回転寿司行ったら、マグロは欠かせねーぜ!」
エル「私も!お寿司のいつメンだよね~!」
話を聞き付けてやって来たのか、エルも近藤の意見に共感していた。
サトシ「回転寿司のマグロはマグロじゃねぇだろ」
近藤と談笑していた友人のうちの一人であるサトシ。
彼がそう呟くと、近藤は「どういう意味だ!」と声を上げた。
アルス「あ~、確かに代用でアカマンボウが使われてるとかなんとか、そんな都市伝説なら聞いたことあるわな。」
ガク「実際はデマ情報だろうけどね」
そんな話をしていると、サトシは手を振りながら口を開いた。
サトシ「そうじゃなくて普通にまずく...」
エル「ところで2億円もあったらなにができるんだろうね!」
発言内容がまずいと悟ったのか。
エルが間に飛び込んできて、慌てた様子でサトシの話を遮った。
アルス「この教室がギリ買えないくらいじゃね」
教室を見渡しながら、彼はそう口にした。
まあそれは、あくまでも例え話だが。
ガク「そうだね、1坪が120万だと仮定しても無理だと思うよ。」
おおよその値を算出させると、ガクもアルスの意見に乗る。
それを聞いた近藤は「買ったところでだろ!」と、実現したときの無意味性を訴えていた。
アルス「まあ俺だったらそれで安いマグロ買うわ、1kg1万くらいの。」
サトシ「いやたけぇだろ、2億と比べたら安いだろうけど。」
そう話すサトシに、ガクは眼鏡を押し上げながら「いや、市場相場だと妥当ではあるよ。」と冷静に言った。
するとサトシは「そうなん?そんなたけぇもんなのか。」と、意外そうにしていた。
近藤「よし決めた!これから回転寿司行ったら、ストックが無くなるまでマグロを食ってやるぞ!」
拳を突き上げて、そう宣言する近藤。
高値のマグロは、食えるうちに食え。
そんな座右の銘に近いなにかを、彼は掲げるのであった。
サトシ「お前の財力じゃ無理だろ、漁行って出直してこい。」
近藤「うるせー!」
アルス「クロマグロが2億で落札やってさ」
今朝のニュースで知った、市場の初競り事情。
そのことについて話そうと、彼に声を掛けた。
ガク「ああ、知ってるよ。過去2番目の価値だってね。」
しかし、それについてはガクも既に知っていたようで。
眼鏡をクイッと押し上げると、普段通りの調子で返事をした。
近藤「マジかよ!?どんな高級魚だよ!」
そんな話を、近くで友人達と談笑していた近藤が耳にする。
想像つかない額に驚く近藤に、アルスは「黒いダイヤと呼ばれるくらいやでな、流石は寿司の王様や。」と笑った。
近藤「確かに俺も回転寿司行ったら、マグロは欠かせねーぜ!」
エル「私も!お寿司のいつメンだよね~!」
話を聞き付けてやって来たのか、エルも近藤の意見に共感していた。
サトシ「回転寿司のマグロはマグロじゃねぇだろ」
近藤と談笑していた友人のうちの一人であるサトシ。
彼がそう呟くと、近藤は「どういう意味だ!」と声を上げた。
アルス「あ~、確かに代用でアカマンボウが使われてるとかなんとか、そんな都市伝説なら聞いたことあるわな。」
ガク「実際はデマ情報だろうけどね」
そんな話をしていると、サトシは手を振りながら口を開いた。
サトシ「そうじゃなくて普通にまずく...」
エル「ところで2億円もあったらなにができるんだろうね!」
発言内容がまずいと悟ったのか。
エルが間に飛び込んできて、慌てた様子でサトシの話を遮った。
アルス「この教室がギリ買えないくらいじゃね」
教室を見渡しながら、彼はそう口にした。
まあそれは、あくまでも例え話だが。
ガク「そうだね、1坪が120万だと仮定しても無理だと思うよ。」
おおよその値を算出させると、ガクもアルスの意見に乗る。
それを聞いた近藤は「買ったところでだろ!」と、実現したときの無意味性を訴えていた。
アルス「まあ俺だったらそれで安いマグロ買うわ、1kg1万くらいの。」
サトシ「いやたけぇだろ、2億と比べたら安いだろうけど。」
そう話すサトシに、ガクは眼鏡を押し上げながら「いや、市場相場だと妥当ではあるよ。」と冷静に言った。
するとサトシは「そうなん?そんなたけぇもんなのか。」と、意外そうにしていた。
近藤「よし決めた!これから回転寿司行ったら、ストックが無くなるまでマグロを食ってやるぞ!」
拳を突き上げて、そう宣言する近藤。
高値のマグロは、食えるうちに食え。
そんな座右の銘に近いなにかを、彼は掲げるのであった。
サトシ「お前の財力じゃ無理だろ、漁行って出直してこい。」
近藤「うるせー!」
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