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謹賀新年の回・新年の挨拶・年賀状、友情の証。(全3話)
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【謹賀新年の回】~アルスの日常~
午前7時頃、目を覚ましたアルスはベッドから体を起こす。
部屋を出て1階へと降り、リビングの扉を開けると、キッチンで料理をする母親と閏の姿が見えた。
アルス「おはよう、そして明けましておめでとう。」
母親は卵焼きを作りながら「おはよう!明けましておめでと~!」と、高いテンションで挨拶をする。
閏「おはようお兄!明けたね~おめでと!」
トーストでも作るのか、食パンにマーガリンを塗っている。
閏「早いねお兄、初詣行ってきたんでしょ?まだ寝てなくて大丈夫なの?」
そう、深夜は友達のエルと共に、初詣のため神社へと足を運んでいた。
行事ごとは年が明けてから30分程で終わったが、そのあとは温泉へ行ってきたので、家に着いたのは大体2時頃だった。
アルス「ええよ全然。年明け初日は長く楽しみたいから、むしろこれくらいに起きたかったとこや。」
冷蔵庫に入った牛乳を取り出し、近くにあったグラスに注ぐ。
ぐいっと一杯、軽く飲み干した。
リビングルームへと向かい、テレビを付ける。
画面には、早速正月特集を放送する番組が映し出されていた。
さてさて...今年はどんな1年になることやら。
楽しみや期待と共に、テレビを眺め始めた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【新年の挨拶】~電脳戦士の理~
パルムースは一人、とある会社の一室で休んでいた。
コーヒーを口にし、本を読む。
そんな時、扉をノックする音が聞こえた。
手にしていたマグカップをコースターに置き、「どうぞ」と一声かける。
すると、扉の奥から「失礼します」という、聞き馴染みのある声がした。
扉を開けて顔を覗かせたのは、使用人のミヤコだった。
パルムースは「どうしたの」と声を掛けると、彼女は部屋へと足を踏み入れた。
ミヤコ「パルムース様!明けましておめでとうございます!」
扉を閉めると一礼し、私の元までやってきた。
パルムース「ああ、わざわざ挨拶をしに来たのかい。」
空いているもう一つの椅子を指差し、着席を促す。
ミヤコは腰を下ろすと、姿勢を正して机の上を軽く整理した。
ミヤコ「パルムース様。去年は色々とご迷惑をおかけしましたが、こんな私を見放さずそばに置いてくださいました。」
ここで「なにを改まっているの」とでも言おうと考えたが今は黙って聞いておくことにした。
ミヤコ「こんな私ですが、今年もよろしくお願い致します!」
そう話し終えると、ミヤコは再度頭を下げた。
パルムース「別に、誰であろうと見放すつもりはないんだけどね。」
肘掛けに肘をかけて頬杖をつく。
パルムース「あなたが逃げ出さない限り、今はずっと一緒にいることができる。」
カーテンから差し込む光を眺めていた私は、体の向きをこちらに戻す。
机に両肘をつき手を組むと、飲みかけのコーヒーに視線を下ろした。
パルムース「正直、度々うんざりすることもあるよ。でも、あなたに希望があるなら私はそれを裏切らない。」
瞳を閉じると、室内の空調をより感じられる。息を吐き、リラックスした状態でミヤコに語りかけ続けた。
パルムース「私の動きに着いてこられるのはあなただけなんだから。これからもよろしく頼むよ。」
私が話を終えても、ミヤコはなにも言わなかった。
不思議に思って目を開くと、肩を震わせて涙を浮かべるミヤコの姿があった。
ミヤコ「パルムース様ぁぁあ!!」
彼女は勢いよく椅子から立ち上がると、私に抱き着いて泣き始める。
ミヤコ「いきなりそんなふうに言い出すのですから、ズルいですぅぅ!!」
普段から冷たく応答していたから、こういうことを言われて驚いたのだろう。
パルムース「...ミヤコ、苦しい。」
そう呟くと、ハッとしたようにミヤコは離れる。
ミヤコ「し、失礼しました!!嬉しくて、つい...。」
まだ照れているのか、もじもじと体を動かしている。
パルムース「...ふふ、本当にあなたは。」
服の埃を払い、私はミヤコと目を合わせた。
パルムース「改めて、今年も頼むよミヤコ。」
私の言葉をきっかけに、再びミヤコは笑顔を見せる。
私の手を握って「...はい、よろしくお願いします!」と心強く言った。
ミヤコ「...それよりパルムース、今微笑みました?」
私は悟られないように「...気のせいだよ」とだけ返して本を開いた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【年賀状、友情の証。】~Life's~
クレは机に向かい、写真の整理をしていた。
去年、信じられないほど気の合う友達ができた。
学校で会うだけで自然と笑顔になり、一緒にご飯を食べたり遊んだりして、毎日が楽しかった。
黄色の髪の少女と、藍色の髪の少女。
この2人と出会えたことで、私は充実した毎日を送ることができた。
年が明けてもこの関係は変わることなく、また楽しい1年を共に過ごせることを願う。
今朝届いた年賀状と共に、この思い出の写真達は大切に保管しておくことにした。
午前7時頃、目を覚ましたアルスはベッドから体を起こす。
部屋を出て1階へと降り、リビングの扉を開けると、キッチンで料理をする母親と閏の姿が見えた。
アルス「おはよう、そして明けましておめでとう。」
母親は卵焼きを作りながら「おはよう!明けましておめでと~!」と、高いテンションで挨拶をする。
閏「おはようお兄!明けたね~おめでと!」
トーストでも作るのか、食パンにマーガリンを塗っている。
閏「早いねお兄、初詣行ってきたんでしょ?まだ寝てなくて大丈夫なの?」
そう、深夜は友達のエルと共に、初詣のため神社へと足を運んでいた。
行事ごとは年が明けてから30分程で終わったが、そのあとは温泉へ行ってきたので、家に着いたのは大体2時頃だった。
アルス「ええよ全然。年明け初日は長く楽しみたいから、むしろこれくらいに起きたかったとこや。」
冷蔵庫に入った牛乳を取り出し、近くにあったグラスに注ぐ。
ぐいっと一杯、軽く飲み干した。
リビングルームへと向かい、テレビを付ける。
画面には、早速正月特集を放送する番組が映し出されていた。
さてさて...今年はどんな1年になることやら。
楽しみや期待と共に、テレビを眺め始めた。
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【新年の挨拶】~電脳戦士の理~
パルムースは一人、とある会社の一室で休んでいた。
コーヒーを口にし、本を読む。
そんな時、扉をノックする音が聞こえた。
手にしていたマグカップをコースターに置き、「どうぞ」と一声かける。
すると、扉の奥から「失礼します」という、聞き馴染みのある声がした。
扉を開けて顔を覗かせたのは、使用人のミヤコだった。
パルムースは「どうしたの」と声を掛けると、彼女は部屋へと足を踏み入れた。
ミヤコ「パルムース様!明けましておめでとうございます!」
扉を閉めると一礼し、私の元までやってきた。
パルムース「ああ、わざわざ挨拶をしに来たのかい。」
空いているもう一つの椅子を指差し、着席を促す。
ミヤコは腰を下ろすと、姿勢を正して机の上を軽く整理した。
ミヤコ「パルムース様。去年は色々とご迷惑をおかけしましたが、こんな私を見放さずそばに置いてくださいました。」
ここで「なにを改まっているの」とでも言おうと考えたが今は黙って聞いておくことにした。
ミヤコ「こんな私ですが、今年もよろしくお願い致します!」
そう話し終えると、ミヤコは再度頭を下げた。
パルムース「別に、誰であろうと見放すつもりはないんだけどね。」
肘掛けに肘をかけて頬杖をつく。
パルムース「あなたが逃げ出さない限り、今はずっと一緒にいることができる。」
カーテンから差し込む光を眺めていた私は、体の向きをこちらに戻す。
机に両肘をつき手を組むと、飲みかけのコーヒーに視線を下ろした。
パルムース「正直、度々うんざりすることもあるよ。でも、あなたに希望があるなら私はそれを裏切らない。」
瞳を閉じると、室内の空調をより感じられる。息を吐き、リラックスした状態でミヤコに語りかけ続けた。
パルムース「私の動きに着いてこられるのはあなただけなんだから。これからもよろしく頼むよ。」
私が話を終えても、ミヤコはなにも言わなかった。
不思議に思って目を開くと、肩を震わせて涙を浮かべるミヤコの姿があった。
ミヤコ「パルムース様ぁぁあ!!」
彼女は勢いよく椅子から立ち上がると、私に抱き着いて泣き始める。
ミヤコ「いきなりそんなふうに言い出すのですから、ズルいですぅぅ!!」
普段から冷たく応答していたから、こういうことを言われて驚いたのだろう。
パルムース「...ミヤコ、苦しい。」
そう呟くと、ハッとしたようにミヤコは離れる。
ミヤコ「し、失礼しました!!嬉しくて、つい...。」
まだ照れているのか、もじもじと体を動かしている。
パルムース「...ふふ、本当にあなたは。」
服の埃を払い、私はミヤコと目を合わせた。
パルムース「改めて、今年も頼むよミヤコ。」
私の言葉をきっかけに、再びミヤコは笑顔を見せる。
私の手を握って「...はい、よろしくお願いします!」と心強く言った。
ミヤコ「...それよりパルムース、今微笑みました?」
私は悟られないように「...気のせいだよ」とだけ返して本を開いた。
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【年賀状、友情の証。】~Life's~
クレは机に向かい、写真の整理をしていた。
去年、信じられないほど気の合う友達ができた。
学校で会うだけで自然と笑顔になり、一緒にご飯を食べたり遊んだりして、毎日が楽しかった。
黄色の髪の少女と、藍色の髪の少女。
この2人と出会えたことで、私は充実した毎日を送ることができた。
年が明けてもこの関係は変わることなく、また楽しい1年を共に過ごせることを願う。
今朝届いた年賀状と共に、この思い出の写真達は大切に保管しておくことにした。
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