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昼休みにお惣菜の回・ある雨部活の日(全2話)
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【昼休みにお惣菜の回】~アルスの日常~
昼休み、アルスとサトシは学校を抜け出し、スーパーの駐輪場で昼食をとっていた。
お惣菜コーナーで選んだものを、それぞれが食べている。
アルス「ようそんな食えるな」
唐揚げ弁当を食べていたアルスが、手にしている箸でサトシの惣菜を指し示す。
サトシは惣菜コーナーで選んだ、メンチカツと手巻き、いなり寿司を食べていた。
メンチカツは4枚入っており、一口では済まされない大きさである。
手巻きといなり寿司も、合わせて10貫と少なくはない。
サトシ「寿司は食うけどよ、こっちは部活用にとっとくわ。」
そう言って、メンチカツを2枚だけ寿司のパックに取り分ける。
アルス「いい案やな、それでも多いけど。」
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【ある雨部活の日】~ナタモチ~
隼士は放課後、体育館下の広場でストレッチをしていた。
雨が降ってきた関係でグラウンドが使えず、屋根下で室内練習のメニューを行うことになったからである。
隼士「あれ、サトシは?」
体を前に倒し、ふくらはぎを延ばすストレッチをしていた隼士。
辺りを見渡すが、彼の姿は見当たらなかった。
カゲ「そういやさっき、教室でリリーと話してたな。」
教室を出る際に見たことを思い出し、隣で肩甲骨を延ばしていたカゲが言った。
隼士「まったくおめでたいやつめ...。」
なんて話をしていると、ちょうどサトシとリリーが本棟から歩いてくるのが見えた。
噂してたら本当に来て、ちょっとビビった。
一応部活用の服装に着替えてはいるものの、サトシは開口するなり「悪い、今日は帰るわ。」と告げた。
サトシ「こいつを家まで送らんといかん、迎えも来れんらしいでな。」
両手で傘の柄を握っていたリリーは「みんなごめんねぇ」と謝る。
隼士「そ、それは仕方ないな~!」
それを聞いた隼士は、頭を掻きながらそう返した。
サトシ「ったく忘れやがって」
細めた目を向けられたリリーは「えへへぇ~」と舌を出していた。
彼女が手にしていたのは、サトシの傘らしい。
サトシ「今日は顧問も来んし、見るやつがおらんで自主練にするわ。一応指示はするが、やるやらないの判断はそれぞれに委ねる。」
サトシがそう言うと隼士、「そうか、分かったぜ!」と親指を立てた。
カゲ「じゃあ俺は少し残ってくか、1年のことは任せとけ!」
サトシは「すまんな、頼むわ。」と言って、今日の部活のことを2人に託した。
サトシ「それとよ」
部活の準備に入ろうとする2人を呼び止め、手に提げていたビニール袋からあるものを取り出した。
それは今日の部活用に取っておいた、昼ご飯のメンチカツだった。
サトシ「俺にはもう必要ない、お前らで食ってくれ。」
耳打ちするようにそう呟くと、隼士とカゲは「マジで!?」と同時に歓喜した。
昼休み、アルスとサトシは学校を抜け出し、スーパーの駐輪場で昼食をとっていた。
お惣菜コーナーで選んだものを、それぞれが食べている。
アルス「ようそんな食えるな」
唐揚げ弁当を食べていたアルスが、手にしている箸でサトシの惣菜を指し示す。
サトシは惣菜コーナーで選んだ、メンチカツと手巻き、いなり寿司を食べていた。
メンチカツは4枚入っており、一口では済まされない大きさである。
手巻きといなり寿司も、合わせて10貫と少なくはない。
サトシ「寿司は食うけどよ、こっちは部活用にとっとくわ。」
そう言って、メンチカツを2枚だけ寿司のパックに取り分ける。
アルス「いい案やな、それでも多いけど。」
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【ある雨部活の日】~ナタモチ~
隼士は放課後、体育館下の広場でストレッチをしていた。
雨が降ってきた関係でグラウンドが使えず、屋根下で室内練習のメニューを行うことになったからである。
隼士「あれ、サトシは?」
体を前に倒し、ふくらはぎを延ばすストレッチをしていた隼士。
辺りを見渡すが、彼の姿は見当たらなかった。
カゲ「そういやさっき、教室でリリーと話してたな。」
教室を出る際に見たことを思い出し、隣で肩甲骨を延ばしていたカゲが言った。
隼士「まったくおめでたいやつめ...。」
なんて話をしていると、ちょうどサトシとリリーが本棟から歩いてくるのが見えた。
噂してたら本当に来て、ちょっとビビった。
一応部活用の服装に着替えてはいるものの、サトシは開口するなり「悪い、今日は帰るわ。」と告げた。
サトシ「こいつを家まで送らんといかん、迎えも来れんらしいでな。」
両手で傘の柄を握っていたリリーは「みんなごめんねぇ」と謝る。
隼士「そ、それは仕方ないな~!」
それを聞いた隼士は、頭を掻きながらそう返した。
サトシ「ったく忘れやがって」
細めた目を向けられたリリーは「えへへぇ~」と舌を出していた。
彼女が手にしていたのは、サトシの傘らしい。
サトシ「今日は顧問も来んし、見るやつがおらんで自主練にするわ。一応指示はするが、やるやらないの判断はそれぞれに委ねる。」
サトシがそう言うと隼士、「そうか、分かったぜ!」と親指を立てた。
カゲ「じゃあ俺は少し残ってくか、1年のことは任せとけ!」
サトシは「すまんな、頼むわ。」と言って、今日の部活のことを2人に託した。
サトシ「それとよ」
部活の準備に入ろうとする2人を呼び止め、手に提げていたビニール袋からあるものを取り出した。
それは今日の部活用に取っておいた、昼ご飯のメンチカツだった。
サトシ「俺にはもう必要ない、お前らで食ってくれ。」
耳打ちするようにそう呟くと、隼士とカゲは「マジで!?」と同時に歓喜した。
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