88 / 142
桜・お花見の回・百合鷗(全3話)
しおりを挟む
【桜】
ある春の夜。
川が流れる土手の上には、枝垂れ桜が並んでいた。
その道の途中で立ち止まると、その桜を見上げた。
ピンク色の短髪が夜風に靡き、長いピアスはまるで振り子のように揺れる。
あと数日もすれば、僕は高校生。
高校には一体、どんな日常が待っているのだろうか。
そんな、桜のような淡い期待を胸に抱き、僕は再び歩き出した。
___4月1日、新シリーズ始動。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【お花見の回】~アルスの日常~
アルスは高校の友人達と花見会場へ来ていた。
辺りには沢山の木々が桜を咲かせ、会場は多くの人で賑わっていた。
アルス「毎年の如く、大盛況やなぁ。」
そう呟く俺の隣で、エルは「ね~!はぐれないように気を付けなきゃ!」と同調する。
クレ「結構埋まっちゃってるね~、場所取れるかな?」
エルと一緒に、大きなランチボックスを運んでいたクレ。
会場を見渡しながらそう口にした。
アルス「大丈夫や、場所はあいつらに任せてあるで安心せぇ。」
そう言うと丁度、先方にサトシと近藤がいるのが見えた。
大きな桜の木の下で、なにやら作業をしているようだった。
近藤はこちらに気が付くと立ち上がり、大きく両手を振ってアピールをし始めた。
アルス「あいつら、ええとこ取ったな。」
他人のレジャーシートの間を通り、彼らの待つ元へと辿り着いた。
俺は運んできた食べ物系を置くと「おはよう、最高の花見スポットやな。」と言って桜の木を見上げた。
サトシ「俺らが来た頃には、既に今の半分くらいはおってな。空いてる中じゃここが一番広くて見やすそうだったからよ。」
割と早い時間から混んでいたそうで。
そんな中ここを選べたのは、運が良かったと思う。
リリー「よかったよねぇ~、ラッキーだよぉ。」
笑顔を見せながらリリーは、サトシの腕に抱きつこうと身を寄せる。
それを察知したサトシは、リリーの頬を片手で押し返した。
サトシ「くっつくな、飯並べるぞ。」
そう言って、アルスが運んで来たランチボックスを手に取る。
小さい方はリリーに押し付け、サトシは大きい方を漁り始めた。
アルス「俺ちゃっちいのやるで、リリーはサトシと一緒にやりや。」
手を差し出しながらそう提案すると、リリーは「いいのぉ~?ありがとぉ!」と嬉しそうな表情を向けてきた。
サトシ「てめぇ余計なこと...」
リリー「サトシ君と一緒ぉ~!どれから並べるぅ~?」
アルスを睨むサトシに、リリーは背後から近付く。
そして肩から腕を通して体を密着させた。
リリーに後ろから抱きつかれたサトシはため息をつくと、そのまま後ろに倒れていった。
サトシ「お前を並び直してやろうか?」
そう言うと、下敷きになったリリーは「ごめんなさい!ごめんなさい!!」と謝った。
いつもの口調と違ったからか、アルスは一瞬だけ違和感を覚えた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【百合鷗】~電脳戦士の理~
茉愛「ちょっとダジャレ思い付いちゃった」
リビングで双子の妹の百合香と、テレビを観ていた茉愛。
ふとダジャレを思い付き、百合香に披露しようとした。
百合香「なぁに?面白いの?」
そう尋ねる百合香に、茉愛は微笑みを浮かべた。
微笑み...というよりもニヤけ顔に近いけど。
茉愛は深呼吸をすると、一拍子置いてこう口にした。
茉愛「...百合香揉めない」
その言葉を聞いた百合香は一瞬固まった後に、体を小刻みに震えさせた。
そして...。
百合香「そんな小さくないし!!そこそこあるもん!!」
と声を上げて、近くにあったクッションで私を叩き始めた。
茉愛「別になにがとか言ってないし!」
同じくクッションを手にし、彼女の攻撃を防ぎつつその場から逃げ出した。
ある春の夜。
川が流れる土手の上には、枝垂れ桜が並んでいた。
その道の途中で立ち止まると、その桜を見上げた。
ピンク色の短髪が夜風に靡き、長いピアスはまるで振り子のように揺れる。
あと数日もすれば、僕は高校生。
高校には一体、どんな日常が待っているのだろうか。
そんな、桜のような淡い期待を胸に抱き、僕は再び歩き出した。
___4月1日、新シリーズ始動。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【お花見の回】~アルスの日常~
アルスは高校の友人達と花見会場へ来ていた。
辺りには沢山の木々が桜を咲かせ、会場は多くの人で賑わっていた。
アルス「毎年の如く、大盛況やなぁ。」
そう呟く俺の隣で、エルは「ね~!はぐれないように気を付けなきゃ!」と同調する。
クレ「結構埋まっちゃってるね~、場所取れるかな?」
エルと一緒に、大きなランチボックスを運んでいたクレ。
会場を見渡しながらそう口にした。
アルス「大丈夫や、場所はあいつらに任せてあるで安心せぇ。」
そう言うと丁度、先方にサトシと近藤がいるのが見えた。
大きな桜の木の下で、なにやら作業をしているようだった。
近藤はこちらに気が付くと立ち上がり、大きく両手を振ってアピールをし始めた。
アルス「あいつら、ええとこ取ったな。」
他人のレジャーシートの間を通り、彼らの待つ元へと辿り着いた。
俺は運んできた食べ物系を置くと「おはよう、最高の花見スポットやな。」と言って桜の木を見上げた。
サトシ「俺らが来た頃には、既に今の半分くらいはおってな。空いてる中じゃここが一番広くて見やすそうだったからよ。」
割と早い時間から混んでいたそうで。
そんな中ここを選べたのは、運が良かったと思う。
リリー「よかったよねぇ~、ラッキーだよぉ。」
笑顔を見せながらリリーは、サトシの腕に抱きつこうと身を寄せる。
それを察知したサトシは、リリーの頬を片手で押し返した。
サトシ「くっつくな、飯並べるぞ。」
そう言って、アルスが運んで来たランチボックスを手に取る。
小さい方はリリーに押し付け、サトシは大きい方を漁り始めた。
アルス「俺ちゃっちいのやるで、リリーはサトシと一緒にやりや。」
手を差し出しながらそう提案すると、リリーは「いいのぉ~?ありがとぉ!」と嬉しそうな表情を向けてきた。
サトシ「てめぇ余計なこと...」
リリー「サトシ君と一緒ぉ~!どれから並べるぅ~?」
アルスを睨むサトシに、リリーは背後から近付く。
そして肩から腕を通して体を密着させた。
リリーに後ろから抱きつかれたサトシはため息をつくと、そのまま後ろに倒れていった。
サトシ「お前を並び直してやろうか?」
そう言うと、下敷きになったリリーは「ごめんなさい!ごめんなさい!!」と謝った。
いつもの口調と違ったからか、アルスは一瞬だけ違和感を覚えた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【百合鷗】~電脳戦士の理~
茉愛「ちょっとダジャレ思い付いちゃった」
リビングで双子の妹の百合香と、テレビを観ていた茉愛。
ふとダジャレを思い付き、百合香に披露しようとした。
百合香「なぁに?面白いの?」
そう尋ねる百合香に、茉愛は微笑みを浮かべた。
微笑み...というよりもニヤけ顔に近いけど。
茉愛は深呼吸をすると、一拍子置いてこう口にした。
茉愛「...百合香揉めない」
その言葉を聞いた百合香は一瞬固まった後に、体を小刻みに震えさせた。
そして...。
百合香「そんな小さくないし!!そこそこあるもん!!」
と声を上げて、近くにあったクッションで私を叩き始めた。
茉愛「別になにがとか言ってないし!」
同じくクッションを手にし、彼女の攻撃を防ぎつつその場から逃げ出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる