現在の政略結婚

詩織

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苦しい気持ち

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最近類さんは、休みの週末は家に居てくれるし、出掛けるときは1言言ってくれるようになった。

確かにそういうのは嬉しいけど、以前のように、どこ行ってるか知らないってことも全然なくはないが、減った気がする。

恋人といつ会ってるんだろ?

前はお泊りだってあったのに、今はほぼない。

仕事で出張もあったかもだけど、私にもしかして気を使ってるとか?

もし気持ちを抑えてるなら、類さん苦しくないかな?

考え込んだり、苦しそうな顔を日々見ることが増え、1ヶ月くらい考えたけど、やっぱり気になって言うことにした。

「る、類さん」

おやすみなさいと言って、自室に行こうとしたが、類さんはソファで雑誌を読んでたので、そのタイミングで話すことにした。

「あ、あの…」

「どうしたの?」

優しい顔で私を見てくれる。

最近はドキドキして嬉しい反面、本当は恋人の前でしたいのかも?とか思うようにもなってしまって、チクチク痛みもする。

「お願いがあるんです」

「ん?」

「自分の気持ちを我慢しないで欲しくって…」

「えっ?なに?」

「類さんは、優しいから私にあわせてくれる。それは凄い嬉しいんです。でも…、類さんには恋人がいるから…、類さん苦しいだろうなって」

「梨衣子ちゃん?」

「本当は恋人と結ばれたかったと思うんです。でもこんな形で私とこんなことになって、それでも類さんは私に優しくって…、私1人じゃ何も出来なくって、でもお願いがあって」

類さんはビックリして私をみてる

「恋人といるの見たくない。せめて私の前では見えない所で会ってください。おやすみなさい!」

そう言って自室に入った。

「梨衣子ちゃん!」

追いかけて、ドアを叩いて開けようとしてる類さんがいて、鍵をかけて私はベッドに包まり、音をたてず泣いていた。

好きだから、好きな人が好きな人と会うのを応援したい!でもそれはやっぱり辛くって…

類さんが最近考え込んだり、少し辛そうな顔をみたからこそ、楽になってほしかった。

私が公認なら問題ないよね?

公認なら恋人と幸せな時間過ごせるよね?


翌日は、少し早めに出ることになってたので、ご飯だけ作って先に出た。

よくよく考えたなら、言うだけ言って、類さんの返事があったらそれ聞くの怖いとか、言ってそれなんなんだよ!って思ってしまった。

少し休憩したくって、屋上に行った時

本木さんがいて

「よう!」

と、挨拶された

私は、苦笑いをして

「なんかあった?」

と、聞かれたので昨日のことを言った。

「そうか…」

本木さんは缶コーヒーを飲んで1言言った。

「それで類さんが少しでも楽になるなら…」

「お前も辛いな」

「ハハハ」

「私だけみてよ!って言えばいいのに」

「言えないよ!」

言えるわけがない。


そしてこの結婚生活は、この先の出来事で終わることになる。



本木さんと少し休憩をして、戻ろうとしたとき

母から電話がきた。

こんな時間に?珍しいなと思って出たら

「お父さんが!!!」

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