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仕事でドタバタすぎて、振替休日もとって連休にした。
その間、家の片付けを始めてた。
棚とかもほしいから家具とかも見たかったし、食器とかもなーもう少し可愛いのほしいな。
事前にネットとかでみてチェックをしていた。
ん?知らない番号!?
スマホから知らない番号が鳴った。
会社の人かな?
何かわからないことでもあったのかな?誰からだろう?
くらいにしか思わなかった。
「はい、金谷です」
ん?声が聞こえない。
「もしもし、金谷ですけど」
あれ?間違い電話?
と、そう思ったとき
「…俺」
えっ!?
「えっとぉー…」
会社の人で俺って…
と、会社の誰かだとずっと思ってたが
「…他に男の子がいるの?」
!?
な、尚弥!?
「な、な、どうしたの!?」
と、ビックリしすぎて、どうしたの!?と聞いてしまった。
「なんかないと、電話しちゃダメなの?」
「あ、いや、その…」
「あのときは時間が足りなかった。朝まで一緒にいれなかった。」
あのとき…
忘れようと何度もしたあのこと…
「あ、あのね、尚弥、今なら私もなかったとに出来るから」
「はぁ!?何言ってるんだよ!そんなに俺とのことが嫌か?」
嫌も何も…
「そういうことを言ってるんじゃなくって、尚弥と私じゃあまりにも…」
「あまりにもなに?」
なにって…
「尚弥、あのね、私とは確かに血は繋がってないよ!でも私達は、姉弟みたいな感じで」
「そういうときだけ調子よくない?籍外すような話して俺たちは姉弟って」
「いや、まぁ、そうだけど…、でも」
「本当に嫌だ?」
「えっ!?」
「本気で俺とのこと、考えられない?」
「…そんなの、考えたことないよ」
「じゃ、考えろよ!俺のことそう見ろよ!」
「尚弥…」
尚弥がどうして私のことこんな風に思ってるのか本当に解らない。
「また連絡する。」
そう言って電話は切れた。
尚弥は本気で私のこと…
もしだからって、こんな禁断みたいなのどうやってこの先進めるわけ?
親にも言えないし、誰にも言えないし、未来のない私達にどうやって進めっていうの?
恋愛とか好きとか…そういう気持ちより、尚弥とこうなる不安が大きすぎる。
私はショートメールで
私達に未来はないから、未来のある人と恋愛してほしい
と、書いて私達の関係は終わるよう送った。
「えっ!?」
それから間もなくして
「な、なにこれ?」
NAOYA片思い中!!
と、思いっきりネットニュースのトップに出てる。
記事をみると、バラエティー番組でゲスト出演したとき、周りからモテるよねーと言われ、自分はモテてないと否定。彼女とか居るんでしょ?と突っ込まれ、居ないと否定。皆そう言うんだよなーと言ったとき、「でも片思いの人はいますよ」と、キッパリ言った。周りは唖然として「そんなこと言っていいの?」という質問に「この歳で好きな人もいないって方があまりいないんじゃないですか?そりゃいるかもしれませんけど。でも好きになることも普通じゃないですか」と、サラッというNAOYA。好感度があっただけに今後は賛否両論。
と、ヅラヅラと書かれてる。
これって、なに?これってまさか私のこと?…なの?
それとも、宣伝効果を狙ってる?なんてことも思ってしまった。
それからは、NAOYAの意中の人はこの女優だの、モデル、タレントなどと色々話題になってる。
そんな最中に
「えっ!?うそ?」
ちょ、ちょっと…
会社から帰ってくると、マンションの前にあきらかに分かる。
急いで腕を引っ張って部屋に入れた。
「こんな、話題の時になんで…」
「大丈夫、しっかり巻いて九州にきた。」
いやいや、そういう問題じゃ…
ギュッと抱きしめられた。
「ねぇ、尚弥、あのね」
「聞きたくない!いつも否定ばかり!」
「そういうわけじゃないけど」
立って抱きしめられると、こんなに差が…
私の頭は尚弥の肩よりも低い。
そのまま、壁ドンされて
「抱きたい」
!?
「抱きたいんだ」
この間、ドラマで尚弥のキスシーンをみた。
何とも言えない気持ちだった。
なんとなく、あの時を思い出した。
「この間、尚弥のキスシーンみた」
「!?」
「愛しそうに大事そうに…やっぱりカッコいいね」
「…何がいいたい?」
「何がって…、なんか思い出した」
「…誰を思ってやってるか分かる?」
「え?」
「人気のある女優とキスしようが、誰とキスしようが俺がキスしたいのは…」
ちょ、ちょっと…、そんな見つめないでよ!
結局、尚弥に逆らうことができず、そのままズルズルと身体を預け、最後まで…
目を開けると、隣に尚弥が眠っていた。
尚弥、本気で私のこと好きなの?本気なの?
貴方に恋愛感情があるかはまだ解らない。でも貴方を拒否できないでいる。
自分でも解らない感情に今は戸惑うのと、この先の不安とがいっぱいになってしまってる。
貴方は私達の将来をどうみてるの?
朝起きると、昼には仕事だからといって行ってしまった。
詳しくは聞いてないけど、多分九州か近郊で仕事だったんだろう。
どっかでなにか罪悪感みたいなものがやっぱりあって…
「はぁー、やっぱり凄いよな」
その後の尚弥の活躍は上向き。
好きな人がいる発言も下手に隠されるよりはいいという意見もあって逆にそれが人気になってしまった。
ただ、それが誰なのか?ってことだけど…、色々みんな予測は立ててる。
それが自分だとは…
あれ?そういえば私、尚弥に好きとか言われてないんだった。
だから期待してもしかしてとかあったり…
いや、でも流れ的には私…だと思うんだけど、でも決定的なこと言われてないんだった。
その前に私の気持ちはどうなんだ?ってのもあるけど。
結局、尚弥の積極的なアピールに歯向かうこともできないでそのまま流されてる。
それから間もなくして、尚弥の好きな人が有名女優さんだってことがわかったとかで盛り上がっていた。
「NAOYAとはよく飲みにいくし、仲はいいですよ!チャットや電話もしますし…、今度2人で会おうなんてことも言われましたけど、私のスケジュールがあわなかったんですよ。」
「じゃ、お互い時間出来たら2人であうんですか?」
「そうですねー、そういうこともあるかもしれませんね」
と、テレビの画面から満面の笑みで答える。
勝ち誇ったようなそんな笑み。
もし、仮に今は尚弥がこっちに傾いてくれてたとしてもこんな美人に言われたら…
その後もこの女優さんは尚弥と仲いいことをアピールしまくっていた。
尚弥はその後全く連絡もこないし、来ることもなかった。
やっぱりあの噂は本当なのかなー
まぁそのほうがいいのかもしれない。美男美女、誰からみても羨ましいカップルになるわけだし。
転勤にきて1年がたとうとしていた。
仕事中心過ぎてあっという間にに過ぎてしまった。
会社の売上は少しずつ上がり、落ち着いてきた。
始めは本社からきたってことでよそ者みたいな感じに見られてたが今は何とか会社の人たちとも交流が出来るようになっていた。
「今日、夕飯どうです?」
「あっ、行きます!!」
最近こうやってご飯を食べる人も増えた。
「金谷さんって、小さいのにパワフルだよねー」
「俺も思ったよ、ずっと全力投球だよな」
「ええ?そお?」
男女交えてこうやって、話すことも多くなった。
前はもう一人って感じだったけど、今は少し気が楽になってる。
「えっ!?」
「まぁ、そんなに大袈裟なことじゃないけどね」
母が仕事中に倒れて入院してたと連絡があった。
「大丈夫なの?」
「ええ、でも大事をとって今は少し仕事を休んでるのよ」
「…そうなんだ。なんで…」
なんで連絡くれなかったの?と聞こうことしたけど、母のことだから心配かけまいと思ったんだろう。
それに私の方からもあまり連絡しない。
実際、父からお母さん少し身体壊したから声聞かせてやってと、チャットがきたので電話した経緯だし
「…尚弥は?」
「あ…尚弥は、しばらく海外ロケでねー」
「…そうなんだ。次の週末、帰るよ」
代休とれって言われてたし、このタイミングでまとめてとって家に帰ろうとその時思った。
それがまさか…あんなことになるとはこのときは思いもしなかった。
母と会うのは1年4ヶ月ぶり
全体的に小さくなった感じがする。
「元気だった?」
私をみると、そう一言。
「麻祐子の好きなシフォンケーキ買ってきたのよ!食べるでしょ?」
と、動こうとするので
「あ、いいー!!自分でやるから座ってて」
リビングに母を座らせて母と私の分と紅茶を用意して戻ってきた。
「働きすぎじゃないの?」
「そうねー、いつまでも若いときのスケジュールじゃダメってことなのかしら?歳を感じるわ!」
と、苦笑いをする母だが、元々人に見られる職業もあってか、いつもオシャレだし、10歳は最低でも若くみえる。
少し疲れもあってか、顔色はよくないけど、いつもならお肌もツヤツヤ。
「久々に麻祐子と会えるから、色々ご馳走作ろうしたんだけどねー」
「そんなことしなくっていいら、ゆっくり休んで!」
冷蔵庫をあけて材料をみて出来るもので夕飯を作り始めた。
夕飯の支度をしてると
「麻祐子、元気にしてたか?」
父が帰ってきた。
「お前とちょっとやりたくってな、買ってきた」
と、ワインをみせた。
「母さんは今日は我慢だな。俺は麻祐子と飲むわ」
父も母もほんと、美男美女だなー
何度みても思う。年取ってもそれは変わらない。
「麻祐子と一緒にこうやって飲むの夢だったんだよな」
夕飯を食べながら言う父。
「俺たち親子は色々あったし、麻祐子の気持ちも聞いたけど、俺にとっては麻祐子は大事な娘なんだ。それは母さんも同じ。麻祐子が幸せにいてくれることが俺たちの願いだからな」
「麻祐子の気持ちも複雑だとは思うど、1つだけ言いたいのな私達の子供だってことよ!」
「…うん」
「こうやって、麻祐子とこんな話をするなんてな。」
「お父さんなんか、麻祐子が嫁に行ったらって、そんなことばっか言ってるのよ!」
「えっ!?」
「耐えられないってね」
「おい!今言われんでもいいだろ!」
こうやって、両親と話せるなんて思いもしなかった。
私は本当に愛されてたんだなって実感する。
3人で話して、途中母は先に寝て、遅くまで父と話した。
こんなこと一度もなかったので、新鮮だったし父の話も色々聞けてよかったなと思った。
その間、家の片付けを始めてた。
棚とかもほしいから家具とかも見たかったし、食器とかもなーもう少し可愛いのほしいな。
事前にネットとかでみてチェックをしていた。
ん?知らない番号!?
スマホから知らない番号が鳴った。
会社の人かな?
何かわからないことでもあったのかな?誰からだろう?
くらいにしか思わなかった。
「はい、金谷です」
ん?声が聞こえない。
「もしもし、金谷ですけど」
あれ?間違い電話?
と、そう思ったとき
「…俺」
えっ!?
「えっとぉー…」
会社の人で俺って…
と、会社の誰かだとずっと思ってたが
「…他に男の子がいるの?」
!?
な、尚弥!?
「な、な、どうしたの!?」
と、ビックリしすぎて、どうしたの!?と聞いてしまった。
「なんかないと、電話しちゃダメなの?」
「あ、いや、その…」
「あのときは時間が足りなかった。朝まで一緒にいれなかった。」
あのとき…
忘れようと何度もしたあのこと…
「あ、あのね、尚弥、今なら私もなかったとに出来るから」
「はぁ!?何言ってるんだよ!そんなに俺とのことが嫌か?」
嫌も何も…
「そういうことを言ってるんじゃなくって、尚弥と私じゃあまりにも…」
「あまりにもなに?」
なにって…
「尚弥、あのね、私とは確かに血は繋がってないよ!でも私達は、姉弟みたいな感じで」
「そういうときだけ調子よくない?籍外すような話して俺たちは姉弟って」
「いや、まぁ、そうだけど…、でも」
「本当に嫌だ?」
「えっ!?」
「本気で俺とのこと、考えられない?」
「…そんなの、考えたことないよ」
「じゃ、考えろよ!俺のことそう見ろよ!」
「尚弥…」
尚弥がどうして私のことこんな風に思ってるのか本当に解らない。
「また連絡する。」
そう言って電話は切れた。
尚弥は本気で私のこと…
もしだからって、こんな禁断みたいなのどうやってこの先進めるわけ?
親にも言えないし、誰にも言えないし、未来のない私達にどうやって進めっていうの?
恋愛とか好きとか…そういう気持ちより、尚弥とこうなる不安が大きすぎる。
私はショートメールで
私達に未来はないから、未来のある人と恋愛してほしい
と、書いて私達の関係は終わるよう送った。
「えっ!?」
それから間もなくして
「な、なにこれ?」
NAOYA片思い中!!
と、思いっきりネットニュースのトップに出てる。
記事をみると、バラエティー番組でゲスト出演したとき、周りからモテるよねーと言われ、自分はモテてないと否定。彼女とか居るんでしょ?と突っ込まれ、居ないと否定。皆そう言うんだよなーと言ったとき、「でも片思いの人はいますよ」と、キッパリ言った。周りは唖然として「そんなこと言っていいの?」という質問に「この歳で好きな人もいないって方があまりいないんじゃないですか?そりゃいるかもしれませんけど。でも好きになることも普通じゃないですか」と、サラッというNAOYA。好感度があっただけに今後は賛否両論。
と、ヅラヅラと書かれてる。
これって、なに?これってまさか私のこと?…なの?
それとも、宣伝効果を狙ってる?なんてことも思ってしまった。
それからは、NAOYAの意中の人はこの女優だの、モデル、タレントなどと色々話題になってる。
そんな最中に
「えっ!?うそ?」
ちょ、ちょっと…
会社から帰ってくると、マンションの前にあきらかに分かる。
急いで腕を引っ張って部屋に入れた。
「こんな、話題の時になんで…」
「大丈夫、しっかり巻いて九州にきた。」
いやいや、そういう問題じゃ…
ギュッと抱きしめられた。
「ねぇ、尚弥、あのね」
「聞きたくない!いつも否定ばかり!」
「そういうわけじゃないけど」
立って抱きしめられると、こんなに差が…
私の頭は尚弥の肩よりも低い。
そのまま、壁ドンされて
「抱きたい」
!?
「抱きたいんだ」
この間、ドラマで尚弥のキスシーンをみた。
何とも言えない気持ちだった。
なんとなく、あの時を思い出した。
「この間、尚弥のキスシーンみた」
「!?」
「愛しそうに大事そうに…やっぱりカッコいいね」
「…何がいいたい?」
「何がって…、なんか思い出した」
「…誰を思ってやってるか分かる?」
「え?」
「人気のある女優とキスしようが、誰とキスしようが俺がキスしたいのは…」
ちょ、ちょっと…、そんな見つめないでよ!
結局、尚弥に逆らうことができず、そのままズルズルと身体を預け、最後まで…
目を開けると、隣に尚弥が眠っていた。
尚弥、本気で私のこと好きなの?本気なの?
貴方に恋愛感情があるかはまだ解らない。でも貴方を拒否できないでいる。
自分でも解らない感情に今は戸惑うのと、この先の不安とがいっぱいになってしまってる。
貴方は私達の将来をどうみてるの?
朝起きると、昼には仕事だからといって行ってしまった。
詳しくは聞いてないけど、多分九州か近郊で仕事だったんだろう。
どっかでなにか罪悪感みたいなものがやっぱりあって…
「はぁー、やっぱり凄いよな」
その後の尚弥の活躍は上向き。
好きな人がいる発言も下手に隠されるよりはいいという意見もあって逆にそれが人気になってしまった。
ただ、それが誰なのか?ってことだけど…、色々みんな予測は立ててる。
それが自分だとは…
あれ?そういえば私、尚弥に好きとか言われてないんだった。
だから期待してもしかしてとかあったり…
いや、でも流れ的には私…だと思うんだけど、でも決定的なこと言われてないんだった。
その前に私の気持ちはどうなんだ?ってのもあるけど。
結局、尚弥の積極的なアピールに歯向かうこともできないでそのまま流されてる。
それから間もなくして、尚弥の好きな人が有名女優さんだってことがわかったとかで盛り上がっていた。
「NAOYAとはよく飲みにいくし、仲はいいですよ!チャットや電話もしますし…、今度2人で会おうなんてことも言われましたけど、私のスケジュールがあわなかったんですよ。」
「じゃ、お互い時間出来たら2人であうんですか?」
「そうですねー、そういうこともあるかもしれませんね」
と、テレビの画面から満面の笑みで答える。
勝ち誇ったようなそんな笑み。
もし、仮に今は尚弥がこっちに傾いてくれてたとしてもこんな美人に言われたら…
その後もこの女優さんは尚弥と仲いいことをアピールしまくっていた。
尚弥はその後全く連絡もこないし、来ることもなかった。
やっぱりあの噂は本当なのかなー
まぁそのほうがいいのかもしれない。美男美女、誰からみても羨ましいカップルになるわけだし。
転勤にきて1年がたとうとしていた。
仕事中心過ぎてあっという間にに過ぎてしまった。
会社の売上は少しずつ上がり、落ち着いてきた。
始めは本社からきたってことでよそ者みたいな感じに見られてたが今は何とか会社の人たちとも交流が出来るようになっていた。
「今日、夕飯どうです?」
「あっ、行きます!!」
最近こうやってご飯を食べる人も増えた。
「金谷さんって、小さいのにパワフルだよねー」
「俺も思ったよ、ずっと全力投球だよな」
「ええ?そお?」
男女交えてこうやって、話すことも多くなった。
前はもう一人って感じだったけど、今は少し気が楽になってる。
「えっ!?」
「まぁ、そんなに大袈裟なことじゃないけどね」
母が仕事中に倒れて入院してたと連絡があった。
「大丈夫なの?」
「ええ、でも大事をとって今は少し仕事を休んでるのよ」
「…そうなんだ。なんで…」
なんで連絡くれなかったの?と聞こうことしたけど、母のことだから心配かけまいと思ったんだろう。
それに私の方からもあまり連絡しない。
実際、父からお母さん少し身体壊したから声聞かせてやってと、チャットがきたので電話した経緯だし
「…尚弥は?」
「あ…尚弥は、しばらく海外ロケでねー」
「…そうなんだ。次の週末、帰るよ」
代休とれって言われてたし、このタイミングでまとめてとって家に帰ろうとその時思った。
それがまさか…あんなことになるとはこのときは思いもしなかった。
母と会うのは1年4ヶ月ぶり
全体的に小さくなった感じがする。
「元気だった?」
私をみると、そう一言。
「麻祐子の好きなシフォンケーキ買ってきたのよ!食べるでしょ?」
と、動こうとするので
「あ、いいー!!自分でやるから座ってて」
リビングに母を座らせて母と私の分と紅茶を用意して戻ってきた。
「働きすぎじゃないの?」
「そうねー、いつまでも若いときのスケジュールじゃダメってことなのかしら?歳を感じるわ!」
と、苦笑いをする母だが、元々人に見られる職業もあってか、いつもオシャレだし、10歳は最低でも若くみえる。
少し疲れもあってか、顔色はよくないけど、いつもならお肌もツヤツヤ。
「久々に麻祐子と会えるから、色々ご馳走作ろうしたんだけどねー」
「そんなことしなくっていいら、ゆっくり休んで!」
冷蔵庫をあけて材料をみて出来るもので夕飯を作り始めた。
夕飯の支度をしてると
「麻祐子、元気にしてたか?」
父が帰ってきた。
「お前とちょっとやりたくってな、買ってきた」
と、ワインをみせた。
「母さんは今日は我慢だな。俺は麻祐子と飲むわ」
父も母もほんと、美男美女だなー
何度みても思う。年取ってもそれは変わらない。
「麻祐子と一緒にこうやって飲むの夢だったんだよな」
夕飯を食べながら言う父。
「俺たち親子は色々あったし、麻祐子の気持ちも聞いたけど、俺にとっては麻祐子は大事な娘なんだ。それは母さんも同じ。麻祐子が幸せにいてくれることが俺たちの願いだからな」
「麻祐子の気持ちも複雑だとは思うど、1つだけ言いたいのな私達の子供だってことよ!」
「…うん」
「こうやって、麻祐子とこんな話をするなんてな。」
「お父さんなんか、麻祐子が嫁に行ったらって、そんなことばっか言ってるのよ!」
「えっ!?」
「耐えられないってね」
「おい!今言われんでもいいだろ!」
こうやって、両親と話せるなんて思いもしなかった。
私は本当に愛されてたんだなって実感する。
3人で話して、途中母は先に寝て、遅くまで父と話した。
こんなこと一度もなかったので、新鮮だったし父の話も色々聞けてよかったなと思った。
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