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九州に転勤して2ヶ月が過ぎた頃。
仕事はまだ全然起動にのってない。
仕事がってより、会社全体の起動がのってない。
話では聞いてたけど、ここまでとは…
広告代理店としては、広告の仕事をもらってなんぼなのに、それがほとんどない。
これじゃ会社がもう…
上層部も事態を重く受けとめて毎日方向性を考えてる。
もっと、違う考えでないと無理なんじゃないだろうか?
固い昔ながらの営業周りだけでなく、もう少しSMSなどを活用しないと。
そんな意見も硬い上の人たちは聞こもせず、営業周りだけしろと徹してる。
間違ってはいないが、今はネット社会。もっと時代に合わせてしないと…と、さすがに思ってしまった。
まずはその硬い考えを変えるべく、親会社、本社勤務だった私は本社にこのことを伝えた。
元々業績が全く上がらないことで気になったことは報告してほしいという話もあった。
このことで本社でも検討をし、仕事についてのコンサルタントがすぐに派遣としてきて同時に本社からも数人出向できた。
「金谷!元気でやってるか!?」
出向できた1人に先輩の町田さんがいた。
新人のときは教育係として面倒みてもらった3期上の体育会系のがっちりした先輩。
「町田さん、ご無沙汰してます!まさか町田さんが来るとは…」
「まぁ、俺も色々やってみたくってな!それに金谷がこっちにいるって聞いたし、ちょっと気になってた。お前頑張りすぎるところあるからな」
昔から頑張りすぎると、注意されてた。
休めって、身体壊したら意味ないだろ!って
本当によく助けられたな。
半月ほどはこっちにいると言ってるので、仕事終わったとは飲みに行ったりしていた。
「それにしても、よく九州いくって直談判したなー、驚いたよ」
「色々試してみたくって…、まだそう思うのは早いかもですけど、やってまたかったんです」
と言うと、町田さんは笑顔になって
「いいんじゃね?お前ならやれるよ」
ポンと頭を叩かれて言ってくれた。
なんか少しホッとして涙が出そうになった。
「お、おい!どうたした!?」
居酒屋で2人で飲んでる席でまさか、涙が出るとは…
「あっ、すいません。なんかホッとしちゃって…」
「…」
「あっ、でも大丈夫です。すいませんでした」
「…お前…」
「?」
「こうやって、少しでも話聞いてくれる人いないのか?」
「えっ!?」
「友達、先輩、後輩、上司、家族…、誰でもいい。誰かいないのか?」
「…」
いない。
そういう人は今までいなかった。
「誰もいないなら、俺に愚痴でもいいからチャットでも電話でもしろ!」
「町田さん…」
「前の時は恋人だったか居た気がしたが、今はいないのか…、お前には頼れる誰かが居たほうがいい」
「…」
「もう少し、肩の力抜いてやれ!」
「…はい」
近くまで送ってもらって、町田さんはウィクリーマンションに帰って行った。
マンションに入ろうとしたとき
えっ!?なに!!!?
変質者?痴漢?なに?
マンションの近くに男性?がいる。
帽子を被って眼鏡?マスク?
どう見てもこれから犯罪します!って感じでしょう!?
マンションに入れないよ、これじゃ…
どうせなは、町田さんにここまで来てもらえばよかった…
とりあえず、どうしたら…
と、少し離れたところでウロウロしてると
!?
こっちみた!?
うそ!?気づかれた?
ど、どうしよう
とりあえず、駅に向かおう!
急いでマンションとは反対方向に向かう。
こ、こわ!!
なんなの?あの人!!
なんか、後から足跡聞こえない?
まさか、着いてきてる?
な、なんでぇーーー!!!
ダッシュで走り出したとき
ガシッと腕を掴まれた。
「ひぃー!!」
怖くって見れない。
「い、いやぁ」
と、言ったとかに口を塞がれた。
ジタバタして逃げようとしたら
「俺だよ」
と、言われた。
俺って誰よ!!そんなの知らない!
「ん~~~」
必死でもがいたら
「おい!!わからないのかよ!」
と、また言われる。
わかるわけない!ってか、知らない!!
片手で口を抑えながら、腕のかなに閉じ込められて、片手でメガネとマスクを外した。
「な…!!」
な、尚弥!?
ビックリして呆然とするしかなかった。
今マンションにいる。尚弥と。
しかもまだ整理しきれてない、2DKの賃貸のマンションに。
仕事が忙しくってまだ片付けもできず、ダンボールも多いけど。
まさか、ずっと外ってわけにもいかないし…
「あっ、えっと何か飲む?珈琲インスタントだけど…、ちょっと待ってて」
なんで尚弥が?とずっと考えていた。
何も話さないんだけど…
「あ、おまたせ」
と、珈琲を置く。
ど、どうしよう?何か話したほうがいいのかな?
「え、えっと、仕事でこっちに?」
「…」
何か話してよー!!
「さ、最近すごいねー、テレビも映画も、すごい活躍だねー」
「…」
すでに帽子までとってるので、どこからみてもNAOYAだってわかる。
嫌われてるんじゃなかった?
なにか気に入らないことでもあった?
もしかして…、養子縁組の取消のこと!?
「あ、あの…、もし、籍のことならお願いします。私を外してもらって…」
「何言ってるの!?」
と、急に怒ったように言い出した。
「えっ、えっとあの…」
「…母さんから聞いたけど、それどういうこと?」
「どういう…て」
尚弥が家族って私を認めないじゃ…
やっぱり、かっこいいなー
って、そんなこと思ってる場合じゃない!
「私のこと…認められないでしょ?家族として」
「そんなの、当然だよ!」
…そうだよね
てか、態々それを言いに?
「私としては養子縁組を取り消すしか考えられなくって、他私を家族として除外する方法あるのかな?」
「だから、何でそうなるの!?」
メッチャ怒ってる?
「じゃ、どうしてほしいの?どうしたいの?」
尚弥が考えてることが解らない!
「…そんなの、決まってる」
!?
と言って私を抱きしめた。
「な、なに!?」
「家族なんか認められるかよ!姉なんか思えるかよ!!」
「な、尚弥!?」
「俺がどれだけ、ずっと…」
どういうこと?
「俺、もう我慢しないから」
「我慢?」
「…俺のものだ」
!?
「ちょっ、ちょっと、尚弥…」
「これからは、俺だけ見てよ」
「な、何言ってるの?どうしたの?」
「解らない?」
「なにが?」
「ずっと俺のものにしたかった。俺だけのものにしたかった。それなのに、いつも近くにいない」
「!?」
「でも、私達姉弟…」
「俺はずっと知ってた。姉弟じゃないこと。だから…姉として見たことはない!」
!!
ちょっと待って!!
なに?どういこと?
これって、尚弥が私を?
「あ、ありえない…」
だってそんな…
「私達まともに話したのって小学生のときだったと思うけど」
「だったら何?」
ギュと腕が強くなる。
「あ、あのね、きっと勘違いしてるんだよ!だって私となんかありえないよ!」
「だったら、今ここで抱くけど」
「!?」
「な、尚弥?」
「本気だけど」
「これから女優さんやモデルさんとか沢山の人と出逢うんだよ!これからいっぱい出逢いがあるのに、何も私なんかと…」
「俺が誰とどうなろうが勝手じゃない?別に俳優になったからって女優とそうならないとダメなわけ?」
「いや、そういうわけじゃ…」
「もう、嫌なんだよ!!他のやつに触られるの」
「な、尚弥?」
!!?
キ、キス!?
状況についていけてない私は、キスすら拒むことが出来ないでいた。
ま、待って!!ちょ、ちょっと待って!!
口が開いてそれが入ろうとしたとき
「ん~~~、まっ、まっ…て」
後ずさりして、口を離した。
「な、尚弥は、ちょ、ちょっと」
強引に頭を抑えられて、キスが再開され口を開けるように、顎を抑えられる。
「ん~~!!」
私が必死で拒否してるをお構えなしに、どんどんとキスは深くなる。
「な…、だ…」
キスがどんどん深くなるにつれて、情熱的なキスに酔いしれ始めて、ダメってわかってるのに抵抗しても無駄な気持ちと、酔いしれたい気持が重なってどんどんと抵抗がなくなってしまった。
その間深くなるキス。身体が熱くなってくる。
私、尚弥と…
深いキスをしながら押し倒され
「ん~~~」
さすがにそれ以上は、と再び拒み始めるとキスをやめて
「欲しい」
なっ…
じっと私の眼をみて
「麻祐子が欲しい」
!!?
「ずっと、欲しかった」
真っ直ぐな眼を逸らすことが出来なかった。
私は…そのまま眼を瞑ってしまった。
気がつくと、尚弥はいなかった。
「…夢?」
じゃ…ないよね?
身体が覚えてる。真っ直ぐで情熱的な尚弥の顔。
そして、体をみるとアチコチにあざがある。
私、尚弥とやってしまったんだ…
そして、両親への罪悪感が…
どうしよう、こんなこと誰にも相談できないよ!!
あまりにも想像もしなかった出来事に未だに整理が出来ないでした。
「NAOYAって、かっこいいよねー」
「うん、一気にブレイクしたよねー」
「好感度すごいもんねー、今」
昼休み、近くでこんな会話が聞こえた。
昨日のあれは夢だったと思いたい。
私のこと…そんな風に思ってるなんてやっぱり信じられない。
150ちょっとのぽっちゃり系の顔も並以下。オシャレってのもイマイチ。化粧とかもしてるけどとりあえずって程度。
こんな私の何処に尚弥は…
からかってる?芝居の練習?と、色々理由を考えてしまう。
とりあえず、なかったことにしよう。
夢だったと思うことにしよう。
事故だったんだ。きっと…
と、言い聞かせてた。
それからしばらく、尚弥とは何もなかった。
その間仕事のほうは全体的に見直され、町田さんがいる間に方針が少し出来て、コンサルタントの方と上層部との日々のやりとりで、ちょっとだけ売上の実績がみえた。
「町田さん、また来てください!」
「何言ってるんだよ!ピンチだから来たんだから、来ないようにさせてくれ!」
それもそうだ。
「本社で待ってるよ」
「はい!」
いつ本社に戻るかわからない。というか戻れない可能性もある。
空港行きの電車に乗るホームまで町田さんたちを見送った。
仕事はまだ全然起動にのってない。
仕事がってより、会社全体の起動がのってない。
話では聞いてたけど、ここまでとは…
広告代理店としては、広告の仕事をもらってなんぼなのに、それがほとんどない。
これじゃ会社がもう…
上層部も事態を重く受けとめて毎日方向性を考えてる。
もっと、違う考えでないと無理なんじゃないだろうか?
固い昔ながらの営業周りだけでなく、もう少しSMSなどを活用しないと。
そんな意見も硬い上の人たちは聞こもせず、営業周りだけしろと徹してる。
間違ってはいないが、今はネット社会。もっと時代に合わせてしないと…と、さすがに思ってしまった。
まずはその硬い考えを変えるべく、親会社、本社勤務だった私は本社にこのことを伝えた。
元々業績が全く上がらないことで気になったことは報告してほしいという話もあった。
このことで本社でも検討をし、仕事についてのコンサルタントがすぐに派遣としてきて同時に本社からも数人出向できた。
「金谷!元気でやってるか!?」
出向できた1人に先輩の町田さんがいた。
新人のときは教育係として面倒みてもらった3期上の体育会系のがっちりした先輩。
「町田さん、ご無沙汰してます!まさか町田さんが来るとは…」
「まぁ、俺も色々やってみたくってな!それに金谷がこっちにいるって聞いたし、ちょっと気になってた。お前頑張りすぎるところあるからな」
昔から頑張りすぎると、注意されてた。
休めって、身体壊したら意味ないだろ!って
本当によく助けられたな。
半月ほどはこっちにいると言ってるので、仕事終わったとは飲みに行ったりしていた。
「それにしても、よく九州いくって直談判したなー、驚いたよ」
「色々試してみたくって…、まだそう思うのは早いかもですけど、やってまたかったんです」
と言うと、町田さんは笑顔になって
「いいんじゃね?お前ならやれるよ」
ポンと頭を叩かれて言ってくれた。
なんか少しホッとして涙が出そうになった。
「お、おい!どうたした!?」
居酒屋で2人で飲んでる席でまさか、涙が出るとは…
「あっ、すいません。なんかホッとしちゃって…」
「…」
「あっ、でも大丈夫です。すいませんでした」
「…お前…」
「?」
「こうやって、少しでも話聞いてくれる人いないのか?」
「えっ!?」
「友達、先輩、後輩、上司、家族…、誰でもいい。誰かいないのか?」
「…」
いない。
そういう人は今までいなかった。
「誰もいないなら、俺に愚痴でもいいからチャットでも電話でもしろ!」
「町田さん…」
「前の時は恋人だったか居た気がしたが、今はいないのか…、お前には頼れる誰かが居たほうがいい」
「…」
「もう少し、肩の力抜いてやれ!」
「…はい」
近くまで送ってもらって、町田さんはウィクリーマンションに帰って行った。
マンションに入ろうとしたとき
えっ!?なに!!!?
変質者?痴漢?なに?
マンションの近くに男性?がいる。
帽子を被って眼鏡?マスク?
どう見てもこれから犯罪します!って感じでしょう!?
マンションに入れないよ、これじゃ…
どうせなは、町田さんにここまで来てもらえばよかった…
とりあえず、どうしたら…
と、少し離れたところでウロウロしてると
!?
こっちみた!?
うそ!?気づかれた?
ど、どうしよう
とりあえず、駅に向かおう!
急いでマンションとは反対方向に向かう。
こ、こわ!!
なんなの?あの人!!
なんか、後から足跡聞こえない?
まさか、着いてきてる?
な、なんでぇーーー!!!
ダッシュで走り出したとき
ガシッと腕を掴まれた。
「ひぃー!!」
怖くって見れない。
「い、いやぁ」
と、言ったとかに口を塞がれた。
ジタバタして逃げようとしたら
「俺だよ」
と、言われた。
俺って誰よ!!そんなの知らない!
「ん~~~」
必死でもがいたら
「おい!!わからないのかよ!」
と、また言われる。
わかるわけない!ってか、知らない!!
片手で口を抑えながら、腕のかなに閉じ込められて、片手でメガネとマスクを外した。
「な…!!」
な、尚弥!?
ビックリして呆然とするしかなかった。
今マンションにいる。尚弥と。
しかもまだ整理しきれてない、2DKの賃貸のマンションに。
仕事が忙しくってまだ片付けもできず、ダンボールも多いけど。
まさか、ずっと外ってわけにもいかないし…
「あっ、えっと何か飲む?珈琲インスタントだけど…、ちょっと待ってて」
なんで尚弥が?とずっと考えていた。
何も話さないんだけど…
「あ、おまたせ」
と、珈琲を置く。
ど、どうしよう?何か話したほうがいいのかな?
「え、えっと、仕事でこっちに?」
「…」
何か話してよー!!
「さ、最近すごいねー、テレビも映画も、すごい活躍だねー」
「…」
すでに帽子までとってるので、どこからみてもNAOYAだってわかる。
嫌われてるんじゃなかった?
なにか気に入らないことでもあった?
もしかして…、養子縁組の取消のこと!?
「あ、あの…、もし、籍のことならお願いします。私を外してもらって…」
「何言ってるの!?」
と、急に怒ったように言い出した。
「えっ、えっとあの…」
「…母さんから聞いたけど、それどういうこと?」
「どういう…て」
尚弥が家族って私を認めないじゃ…
やっぱり、かっこいいなー
って、そんなこと思ってる場合じゃない!
「私のこと…認められないでしょ?家族として」
「そんなの、当然だよ!」
…そうだよね
てか、態々それを言いに?
「私としては養子縁組を取り消すしか考えられなくって、他私を家族として除外する方法あるのかな?」
「だから、何でそうなるの!?」
メッチャ怒ってる?
「じゃ、どうしてほしいの?どうしたいの?」
尚弥が考えてることが解らない!
「…そんなの、決まってる」
!?
と言って私を抱きしめた。
「な、なに!?」
「家族なんか認められるかよ!姉なんか思えるかよ!!」
「な、尚弥!?」
「俺がどれだけ、ずっと…」
どういうこと?
「俺、もう我慢しないから」
「我慢?」
「…俺のものだ」
!?
「ちょっ、ちょっと、尚弥…」
「これからは、俺だけ見てよ」
「な、何言ってるの?どうしたの?」
「解らない?」
「なにが?」
「ずっと俺のものにしたかった。俺だけのものにしたかった。それなのに、いつも近くにいない」
「!?」
「でも、私達姉弟…」
「俺はずっと知ってた。姉弟じゃないこと。だから…姉として見たことはない!」
!!
ちょっと待って!!
なに?どういこと?
これって、尚弥が私を?
「あ、ありえない…」
だってそんな…
「私達まともに話したのって小学生のときだったと思うけど」
「だったら何?」
ギュと腕が強くなる。
「あ、あのね、きっと勘違いしてるんだよ!だって私となんかありえないよ!」
「だったら、今ここで抱くけど」
「!?」
「な、尚弥?」
「本気だけど」
「これから女優さんやモデルさんとか沢山の人と出逢うんだよ!これからいっぱい出逢いがあるのに、何も私なんかと…」
「俺が誰とどうなろうが勝手じゃない?別に俳優になったからって女優とそうならないとダメなわけ?」
「いや、そういうわけじゃ…」
「もう、嫌なんだよ!!他のやつに触られるの」
「な、尚弥?」
!!?
キ、キス!?
状況についていけてない私は、キスすら拒むことが出来ないでいた。
ま、待って!!ちょ、ちょっと待って!!
口が開いてそれが入ろうとしたとき
「ん~~~、まっ、まっ…て」
後ずさりして、口を離した。
「な、尚弥は、ちょ、ちょっと」
強引に頭を抑えられて、キスが再開され口を開けるように、顎を抑えられる。
「ん~~!!」
私が必死で拒否してるをお構えなしに、どんどんとキスは深くなる。
「な…、だ…」
キスがどんどん深くなるにつれて、情熱的なキスに酔いしれ始めて、ダメってわかってるのに抵抗しても無駄な気持ちと、酔いしれたい気持が重なってどんどんと抵抗がなくなってしまった。
その間深くなるキス。身体が熱くなってくる。
私、尚弥と…
深いキスをしながら押し倒され
「ん~~~」
さすがにそれ以上は、と再び拒み始めるとキスをやめて
「欲しい」
なっ…
じっと私の眼をみて
「麻祐子が欲しい」
!!?
「ずっと、欲しかった」
真っ直ぐな眼を逸らすことが出来なかった。
私は…そのまま眼を瞑ってしまった。
気がつくと、尚弥はいなかった。
「…夢?」
じゃ…ないよね?
身体が覚えてる。真っ直ぐで情熱的な尚弥の顔。
そして、体をみるとアチコチにあざがある。
私、尚弥とやってしまったんだ…
そして、両親への罪悪感が…
どうしよう、こんなこと誰にも相談できないよ!!
あまりにも想像もしなかった出来事に未だに整理が出来ないでした。
「NAOYAって、かっこいいよねー」
「うん、一気にブレイクしたよねー」
「好感度すごいもんねー、今」
昼休み、近くでこんな会話が聞こえた。
昨日のあれは夢だったと思いたい。
私のこと…そんな風に思ってるなんてやっぱり信じられない。
150ちょっとのぽっちゃり系の顔も並以下。オシャレってのもイマイチ。化粧とかもしてるけどとりあえずって程度。
こんな私の何処に尚弥は…
からかってる?芝居の練習?と、色々理由を考えてしまう。
とりあえず、なかったことにしよう。
夢だったと思うことにしよう。
事故だったんだ。きっと…
と、言い聞かせてた。
それからしばらく、尚弥とは何もなかった。
その間仕事のほうは全体的に見直され、町田さんがいる間に方針が少し出来て、コンサルタントの方と上層部との日々のやりとりで、ちょっとだけ売上の実績がみえた。
「町田さん、また来てください!」
「何言ってるんだよ!ピンチだから来たんだから、来ないようにさせてくれ!」
それもそうだ。
「本社で待ってるよ」
「はい!」
いつ本社に戻るかわからない。というか戻れない可能性もある。
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