幸福を運ぶ女

急に婚約者！？

あまりの出来事に答えることもできなかった。

そもそもなんでこうなったんだ？

頭がついてけない。

あの後、とりあえず急展開すぎて頭が周らないってことで、お願いして帰宅してもらった。

なかなかごねられたが、家に来られてもガンガンこられてもこっちが困る。


「今日1日なんなんだ」

すごい衝撃の強い1日だった。



翌日、出勤と同時に企画部と会議がある。

切り替えないと。まじでやばい。

「昨日、営業部と飲み会だったんだって？」

企画の人に言われ

「なんかそんな流れになりました。」

「今度企画部も混ぜてよ」

いや、もういいです。お腹いっぱいです。

会議の準備をしてたので、参加者が集まったらすぐ行える。

「失礼します」

「ちょっ」

なんで信哉が？

「ああ、見学ね。本社と色々違うからね。」

まぁ確かに本社とは違うけど、昨日の今日で？

…やりずらい。

「では、はじめます」

こうして２時間の会議がはじまった。

なんとか終わり、片づけてると

「東野さん、仕事しっかりしてるね。惚れるわ！今度ご飯でも」

「すいません、それは無理です」

と、振り向くと信哉がいる。

「俺の恋人兼婚約者なんで」

思いっきり頭をドンキで殴られた衝撃を受けた。

その発言はすぐに広まり


「吉本さん婚約者だったんですか？」

翌日には設計部の若い子に聞かれる始末。

早いよ情報。




１週間もたつと、全員とは言わなくっても噂好きの人はほとんど知ってるようになってしまった。

会社を出ると

「舞子」

「ちょっと、どうしてくれるのよ」

「なにが？」

「変なこと言うから、もう今週大変だったんだから」

「変なことって婚約者？恋人？まぁどっちも正解だし」

「あ、あのね」

「色々整理できた？」

「まだできないよ」

「とりあえず、見合いの話が進んでるなら止めないとやばい。週末舞子の実家だ」

「えええ！？」

手を握られ

「行こう！」

と言い出した

「ど、どこに？」

「俺ん家、舞子の家はまたで」

信哉も会社の近くに引っ越してたようで、築新しいマンションに引っ越していた。

「舞子、もう逃がさないから諦めて」

優しい笑顔で言われて、結局はついて行ってしまった。