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気持ちをはっきりさせたい
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「舞子、帰ろう」
最近はもう職場でも平気で言うようになった。
周りも
「最愛の旦那様がきましたよ~」
なんて言われる始末。
オープンすぎも困るけど、まぁでもそれを否定しない私も私だよな。
信哉のそういうのを否定しないこと事態、嫌いではないんだと思う。
けど、やっぱりどこか捨てられると思ってしまってる。
「舞子、はい!」
この1言は、手を繋ごうって合図になってしまった。
私も拒否をすることなく手を繋ぐ。
「信哉」
「ん?」
「ごめんね」
「え?」
「ずっと曖昧で、ごめん」
信哉は笑顔で
「舞子は今まで人を信じようとして辛い思いしたんだよな。俺が理解してあげないでどうするんだよ」
「信哉」
「俺だってはじめは利用してたんだ。信用されないのは当たり前だ。気長には待つけど俺は舞子から離れるつもりないよ」
「うん」
近くにいてほしいと思う。でも何処か不安で...。
あと少しで就業時間。今日は定時で帰れそうだなって思ったとき。
「東野さん!東野さん!」
叫びながらフロアに入ってきた人が
「どうしたんです?」
営業部の人が叫んできた。
「吉本さん、車にはねられた。子供が飛び出したの助けようとして」
えっ!?
「信哉!」
病室に行くと管を通され、酸素マスクをした信哉がいる。
「信哉!信哉!」
「東野さん、落ち着いてください」
「嫌だ!信哉!」
私はその場で座り込み動くことができない。
「東野さん、しっかりしてください。吉本さんすぐに目を覚ましますよ」
信哉は今生死をさまよってる。今はかなり危険な状態だと言われた。
会社の人も帰り、私は信哉から離れたくない。
遅い時間に
「東野舞子さん?」
と後ろから女性の声がした。
振り向くと、少しだけ年上の女性で
「吉本信哉の母です」
と言った。お母さん?少し違和感があった。
「信哉君...」
お母さんは信哉に向かって歩き出し
「なんでこんな...」
涙を堪えて唇をかみしめてた。
「あ、あのー」
「信哉君からは貴方のことは聞いてたから」
「お、母さんですか?」
「ええ、と言っても後妻だから信哉君とは10歳しか変わらないけど」
あっ、そういうことか。
しばらくは2人で信哉の近くにいた。
「信哉君ね、東野さんのこと本当に好きなのね」
「え?」
「何があったかは知らなけど、最愛の人にまだ信用されてない。1度裏切った修復は溝が大きいと言ってたから」
「あっ」
信哉はいつも私の気持を優先にしてくれた。
こんな中途半端な付き合いなのにずっと一緒で、そこまで負い目感じなくってもいいのに。私は...
「信哉一緒にいたい!いないと困る!私も好きだから、愛してるからずっといて」
怖くって言えなかった。
でもこうやって信哉が失うかもって思ったら信哉の大事さに気づいた。
今までごめん信哉。
最近はもう職場でも平気で言うようになった。
周りも
「最愛の旦那様がきましたよ~」
なんて言われる始末。
オープンすぎも困るけど、まぁでもそれを否定しない私も私だよな。
信哉のそういうのを否定しないこと事態、嫌いではないんだと思う。
けど、やっぱりどこか捨てられると思ってしまってる。
「舞子、はい!」
この1言は、手を繋ごうって合図になってしまった。
私も拒否をすることなく手を繋ぐ。
「信哉」
「ん?」
「ごめんね」
「え?」
「ずっと曖昧で、ごめん」
信哉は笑顔で
「舞子は今まで人を信じようとして辛い思いしたんだよな。俺が理解してあげないでどうするんだよ」
「信哉」
「俺だってはじめは利用してたんだ。信用されないのは当たり前だ。気長には待つけど俺は舞子から離れるつもりないよ」
「うん」
近くにいてほしいと思う。でも何処か不安で...。
あと少しで就業時間。今日は定時で帰れそうだなって思ったとき。
「東野さん!東野さん!」
叫びながらフロアに入ってきた人が
「どうしたんです?」
営業部の人が叫んできた。
「吉本さん、車にはねられた。子供が飛び出したの助けようとして」
えっ!?
「信哉!」
病室に行くと管を通され、酸素マスクをした信哉がいる。
「信哉!信哉!」
「東野さん、落ち着いてください」
「嫌だ!信哉!」
私はその場で座り込み動くことができない。
「東野さん、しっかりしてください。吉本さんすぐに目を覚ましますよ」
信哉は今生死をさまよってる。今はかなり危険な状態だと言われた。
会社の人も帰り、私は信哉から離れたくない。
遅い時間に
「東野舞子さん?」
と後ろから女性の声がした。
振り向くと、少しだけ年上の女性で
「吉本信哉の母です」
と言った。お母さん?少し違和感があった。
「信哉君...」
お母さんは信哉に向かって歩き出し
「なんでこんな...」
涙を堪えて唇をかみしめてた。
「あ、あのー」
「信哉君からは貴方のことは聞いてたから」
「お、母さんですか?」
「ええ、と言っても後妻だから信哉君とは10歳しか変わらないけど」
あっ、そういうことか。
しばらくは2人で信哉の近くにいた。
「信哉君ね、東野さんのこと本当に好きなのね」
「え?」
「何があったかは知らなけど、最愛の人にまだ信用されてない。1度裏切った修復は溝が大きいと言ってたから」
「あっ」
信哉はいつも私の気持を優先にしてくれた。
こんな中途半端な付き合いなのにずっと一緒で、そこまで負い目感じなくってもいいのに。私は...
「信哉一緒にいたい!いないと困る!私も好きだから、愛してるからずっといて」
怖くって言えなかった。
でもこうやって信哉が失うかもって思ったら信哉の大事さに気づいた。
今までごめん信哉。
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