大好きな背中

詩織

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本当の春樹さん

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今日は残業で23時とかに帰りが遅くなると朝出るとき言ったけど、思ってたよりスムーズに進み、まさかの定時で帰れるようなった。

連絡しようかなと思っとんだけど、驚かせたかったので、何も言わず帰宅しよっと!と、思ったのがそれがまさか、こんなことになるとは…

夕飯は準備をしてくれるというのでケーキをを買って、自宅に向かう。

玄関をあけ、リビングには灯りがついていた。

リビングのドアを開けてただいまーと言おうとして、ドアを開けたら


えっ?何!?

私が今目の前に見てるの何!?

声も出なかった。

私は、それをただじっと見ていた。


それは、春樹さんと姉の万理さんが抱き合ってキスをしてした。

そして、そのキスは私にはしたことない食いつくような情熱的な、欲情丸出しのキスだった。

私が居るのに気づかず、お互いが求め合うキスに私はただ、呆然と見つめるしかなかった。

しばらくして、お互いの唇が離れ先に気づいたのは、姉の万理さんで

「と、透子さん!!」

ビックリして、声をあげてある。

それに気がついて春樹さんも

「透子!!?」

2人は愕然として私を見た。



何をどう聞けばいいのか解らない。

私は無言になってしまった。

「と、透子、あの」

「私が悪いの!透子さんごめんなさい」

「いや、俺が、俺が、悪い」

いつも温和で優しい春樹さんが今まで見たことない必死で、焦ってるのをみて、お姉さんのことが好きなんだなと…

「俺、捨てられてた子なんだ」

「え?」

「俺、公園に捨てられてたらしい。そこに万理が俺を見つけてくれて、勿論施設にも預ける予定だったらしい。でも万理が俺の面倒みると言い張って、両親は反対したけど、万理はまだ3歳なのに3時間もかけて歩いて俺の施設に会いに来ようとしてたようで、それで万理の頑固さに負けて俺はこの家の養子になったんだ」

春樹さんが養子だったとは…

「初めは知らなかっとんだけど、高校生のときに教えてくれてね、今後戸籍を見ることがあるかもって。それでずっと前から万理に恋心があって、姉を好きになることに信じられない自分がいたんだが、それを聞いてショックと同時に安堵した」

2人はずっと、好きだっのか…

「万理はダメだと言ったが、やっぱり俺は万理が必要でずっと隠れて付き合ってたんだが、親にバレて」

「そ、それで、もしかして私とのお見合いに?」

「それもあったが、万理からももう終わったほうがいいと言われて、俺もそう思った。だから見合いをした」

ショックと同時に、私自身も複雑な気持ちでいた。

それは、春樹さんが忘れるために私と結婚したのが、私も同じだったんだと思った。

だから、多分冷静でいられたのかもしれない。

「今後こんなことないようにするから」

春樹さんもお姉さんも同じことを言って謝罪してる。

二人の謝ってるのをみて、何も言葉にすることができなかった。

その日、私は寝室でなく和室で1人で寝た。

なんだろ?夢から覚めた気分と言ったらいいのかな。

ずっと、甘々で大事にされてたのが、結局は夢がでしたみたいな?

春樹さんの話を聞いて、私も結局は同じことをしている。

悠人と会えず、次に進みたいと結婚しても、いつもどこかで悠人と比べ、悠人を考えていた。

その現実を突きつけられた気がして、二人に何も言えなかった。


翌日、何事もなかったように朝食を作り

「あっ、おはよー」

春樹さんが寝室から出てきたのをみて挨拶した。

「あ…ああ、おはよう」

「昨日言うの忘れたんだけど、ちょっと今日早く出るの。ご飯作ってあるから」

「ああ、ありがとう」

「昨日の夕飯の材料あったから、今日は定時に帰れるから、ご飯は作っとくね」

「う、うん、わかった」

「じゃ、行ってきます!」

春樹さんは歯切れが悪かったが、私は元気よく言って家を後にした。

これかれどうしようかと、考えることも出来なかった。

腹が立たないと言えば嘘になるが、今は触れたくなかった。



仕事が終わって自宅戻り、夕飯の支度をしてるときに、春樹さんはが帰ってきた。

「あっ、おかえり」

「ただいま」

「もう少しで出来るから待ってて」

「あ、うん」

夕飯の支度ができて一緒に食べる

春樹さんは無言だけど、私は自分から色々話した

「今日ね、昼休みにね…」

いつもなら、昼休みのことなんて女子トークだし話すことないけど、何か話したくって、話しだした。

春樹さんは、「へぇー」とか「うん」とか「そうなんだ」とか、相槌をうってくれて話は聞いてくれたけど、やっぱり上の空な感じで。

ご飯を食べ終わると二人で、ソファにまったりしてるけど、春樹さんは

「資格の勉強したい」

と言って、書斎の部屋に入って行った。

書斎の部屋と言っても、子供ができたら、この部屋使いたいねくらいな話をしてて、机とか、普段使わないものとかを置いていた。

春樹さんは、やっぱり顔合わせたくないんだろうな。

わかってはいたけど、今はまでの流れが一気に変わってしまって、ついていけないでいた。

お風呂入りたいときにお互いに入り、寝るときは和室で寝るようになった。

唯一ご飯のときに顔を合わせる程度で、この生活が2週間たったとき

「透子、いいたいことがあるなら言ってほしい」

この生活に息苦しさを感じた春樹さんが言い出した

この2週間、わたしは色々考えたが、1つの決断に至ってた。


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