21 / 35
転勤
しおりを挟む
それから数日後の夜
あっ
スマホの音が鳴ったので見てるみると、
「翔悟さん…」
あの時会ったとき、電話番号の交換をした。
当時のスマホは事故で破損したとその時教えてくれた。
「こんばんわ」
「こわばんわ!今大丈夫です?」
前は毎日のように電話してた時もあったんだよな。
話すのが楽しくって仕方なかった。
「はい」
「今度の週末会ってくれませんか?」
「…はい。大丈夫です。」
お義母さんに会わないように言われたのを思い出したが、了承してしまった。いいのかな?私から会いたいとは言ってないしって、言い訳になるか。
そしてその週末。駅で待ち合わせをして、お店に入った。
「あっ…」
このお店、初デートと言って連れてきてくれた高いお店だ。
「あっ、どうしました?」
「あっ、いえ」
そっかぁー、私の記憶もないんだからここに来たことも覚えてないんだね。
個室に案内されて席に着く。
「すいませんが、メニューみてもどういう料理か解らなくって…、お任せしていいですか?好き嫌いはないです」
と言うと、メニューも見てないのに言う私をみて
「あー、そういうことでしたか。ここに来たことがあったんですね」
「…はい」
「解りました」
そう言って翔悟さんが注文をしてくれた。
ビールがきて乾杯をしたとき、料理が運ばれ
「篠山さんに、聞いてもらいたいことがあります。」
と、真顔になって急に言われたので、ドキッとして
「実はアメリカに2年転勤が決まりました」
「…転勤…ですか」
「はい。」
「篠山さん、付いてきてくれませんか?」
「え?」
でも、この間のとき遠回りでも断ったことになってたはず
「貴方に来てほしい」
言葉が止まる。
「篠山さんこの間話してたのは、理解出来ます。反対されて付き合うんでなく、賛成されたいと、しかもうちの親ですから。以前母から小切手渡されたといいうのも後から聞きました」
「…」
「それじゃ、躊躇もすると思う。でも俺は篠山さんがいい」
「…翔悟さん…」
ハッと気づき
「すいません」
と、謝った。無意識に翔悟さんと言ってしまった。
「あっ、いえ。そか、そうだよな。恋人だったんだし、苗字で呼んだりしてないもんな。」
「あっ、いえ、つい…、すいません」
「俺は志奈乃って呼んでたんですか?」
「…はい」
「そっかぁー」
思い出せないのが悔しそうな顔をしている。
「でも、気をつけます。すいません」
「出来れば、そのままで呼んでください。」
「えっ!?」
「俺、あれから色々考えました」
「突然恋人が記憶をなくし、そして親に手切れ金も渡されて、縁談もしてる。辛くって苦しくって…、そして半年以上会ってないのに急に現れて記憶は戻ってないが付き合ってほしいと言われて、困惑さまくりだよなって」
「…」
「でも…、志奈乃を離したくないと思った」
!?
急に名前で呼ばれたからドキッとして、しかも…
「だから、俺が志奈乃を惚れさせる。」
「あ、あの…」
「もし、また記憶がなくなっても、また好きになる。俺わかったことがあるんです」
「わかったこと?」
「多分事故のとき、大事すぎてずっと心で思ってて、そしたら大事すぎたあまりに頭のどっかに蓋しちゃったんじゃないかって」
「え?」
「きっとそれだけ大事な人だったんだと。」
そう思ってくれるなんて…
「俺、志奈乃と会う前は親父のこともあったし、それなりの会社で努めてたのもあったしで、いいよる女性もかなりいて、適当に付き合ってた。でも志奈乃とはそうでないから」
特別だっていう言い方だけで、やっぱり嬉しかった。
以前はバーによって別れたはずだけど、翌日早くに仕事があるのでこのお店を出て解散した。
送るって何度も言われたけど、それされたら離れなくなっちゃうし。
転勤は約3ヶ月後らしい。
あっ
スマホの音が鳴ったので見てるみると、
「翔悟さん…」
あの時会ったとき、電話番号の交換をした。
当時のスマホは事故で破損したとその時教えてくれた。
「こんばんわ」
「こわばんわ!今大丈夫です?」
前は毎日のように電話してた時もあったんだよな。
話すのが楽しくって仕方なかった。
「はい」
「今度の週末会ってくれませんか?」
「…はい。大丈夫です。」
お義母さんに会わないように言われたのを思い出したが、了承してしまった。いいのかな?私から会いたいとは言ってないしって、言い訳になるか。
そしてその週末。駅で待ち合わせをして、お店に入った。
「あっ…」
このお店、初デートと言って連れてきてくれた高いお店だ。
「あっ、どうしました?」
「あっ、いえ」
そっかぁー、私の記憶もないんだからここに来たことも覚えてないんだね。
個室に案内されて席に着く。
「すいませんが、メニューみてもどういう料理か解らなくって…、お任せしていいですか?好き嫌いはないです」
と言うと、メニューも見てないのに言う私をみて
「あー、そういうことでしたか。ここに来たことがあったんですね」
「…はい」
「解りました」
そう言って翔悟さんが注文をしてくれた。
ビールがきて乾杯をしたとき、料理が運ばれ
「篠山さんに、聞いてもらいたいことがあります。」
と、真顔になって急に言われたので、ドキッとして
「実はアメリカに2年転勤が決まりました」
「…転勤…ですか」
「はい。」
「篠山さん、付いてきてくれませんか?」
「え?」
でも、この間のとき遠回りでも断ったことになってたはず
「貴方に来てほしい」
言葉が止まる。
「篠山さんこの間話してたのは、理解出来ます。反対されて付き合うんでなく、賛成されたいと、しかもうちの親ですから。以前母から小切手渡されたといいうのも後から聞きました」
「…」
「それじゃ、躊躇もすると思う。でも俺は篠山さんがいい」
「…翔悟さん…」
ハッと気づき
「すいません」
と、謝った。無意識に翔悟さんと言ってしまった。
「あっ、いえ。そか、そうだよな。恋人だったんだし、苗字で呼んだりしてないもんな。」
「あっ、いえ、つい…、すいません」
「俺は志奈乃って呼んでたんですか?」
「…はい」
「そっかぁー」
思い出せないのが悔しそうな顔をしている。
「でも、気をつけます。すいません」
「出来れば、そのままで呼んでください。」
「えっ!?」
「俺、あれから色々考えました」
「突然恋人が記憶をなくし、そして親に手切れ金も渡されて、縁談もしてる。辛くって苦しくって…、そして半年以上会ってないのに急に現れて記憶は戻ってないが付き合ってほしいと言われて、困惑さまくりだよなって」
「…」
「でも…、志奈乃を離したくないと思った」
!?
急に名前で呼ばれたからドキッとして、しかも…
「だから、俺が志奈乃を惚れさせる。」
「あ、あの…」
「もし、また記憶がなくなっても、また好きになる。俺わかったことがあるんです」
「わかったこと?」
「多分事故のとき、大事すぎてずっと心で思ってて、そしたら大事すぎたあまりに頭のどっかに蓋しちゃったんじゃないかって」
「え?」
「きっとそれだけ大事な人だったんだと。」
そう思ってくれるなんて…
「俺、志奈乃と会う前は親父のこともあったし、それなりの会社で努めてたのもあったしで、いいよる女性もかなりいて、適当に付き合ってた。でも志奈乃とはそうでないから」
特別だっていう言い方だけで、やっぱり嬉しかった。
以前はバーによって別れたはずだけど、翌日早くに仕事があるのでこのお店を出て解散した。
送るって何度も言われたけど、それされたら離れなくなっちゃうし。
転勤は約3ヶ月後らしい。
14
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
(完結保証)大好きなお兄様の親友は、大嫌いな幼馴染なので罠に嵌めようとしたら逆にハマった話
のま
恋愛
大好きなお兄様が好きになった令嬢の意中の相手は、お兄様の親友である幼馴染だった。
お兄様の恋を成就させる為と、お兄様の前からにっくき親友を排除する為にある罠に嵌めようと頑張るのだが、、、
声(ボイス)で、君を溺れさせてもいいですか
月下花音
恋愛
不眠症の女子大生・リナの唯一の救いは、正体不明のASMR配信者「Nocturne(ノクターン)」の甘い声。
現実の隣の席には、無口で根暗な「陰キャ男子」律がいるだけ。
……だと思っていたのに。
ある日、律が落としたペンを拾った時、彼が漏らした「……あ」という吐息が、昨夜の配信の吐息と完全に一致して!?
「……バレてないと思った? リナ」
現実では塩対応、イヤホン越しでは砂糖対応。
二つの顔を持つ彼に、耳の奥から溺れさせられる、極上の聴覚ラブコメディ!
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える
たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー
その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。
そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!
離した手の温もり
橘 凛子
恋愛
3年前、未来を誓った君を置いて、私は夢を追いかけた。キャリアを優先した私に、君と会う資格なんてないのかもしれない。それでも、あの日の選択をずっと後悔している。そして今、私はあの場所へ帰ってきた。もう一度、君に会いたい。ただ、ごめんなさいと伝えたい。それだけでいい。それ以上の願いは、もう抱けないから。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる