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塩対応彼氏
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もう、疲れた。
私の中で少しずつ気持ちが破裂し始めてる。
坂木美保、24歳。広告代理店に勤務。入社して4年目。私は同期である山下元樹に1年前告白して付き合うことができた。歳は2つ上。
課は違うのでずっと会うことはないが、たまに会議などで会うこともある。
元樹さんは、いわゆる塩対応。でももう塩対応以上じゃないかとも思っている。というのは、告白してから誘うのは私から、喋るのは私から、横にならんで歩いたこともない。話しかけても「うん」て返されるくらい。何を話しても興味なさそう。そして彼のマンションに行ってすることはするが、その最中も好きだよなどの一言もない。黙々と…という感じ。部屋にいてもほぼ話すことはない。
そして、何より私達の付き合いは会社には知られたくないらしい。以前聞いたとき、その答えは「地味」それだけだった。
私が地味なんでばれたくないっていう解釈。すごい悲しかった。
そのため元樹さんは社内ではかなりモテる。告白しても断ってるようだけど、彼女いるとかそういう断り方でなく今は恋愛に興味ないとか、そういう風にみれないからとかそういう回答ぽい。
付き合って貰ってるからなー、1年たってもそれは同じ?なのかな?なら、無理に付き合わなくってもいいのに…
最近はそんなことを考え、そして自分ってなんなんだろ?って思うようになっていた。
「元樹さん、あのね、旅行行きたいなーって思うんだけど」
「ああ」
日帰り旅行はあるけど泊まりの旅行はなかった。1泊でもいいから行きたいなーと思うんだけど
「どこか行きたいところとかある?」
「別に」
「…」
いつもこんな感じ。
「温泉とかどお?それともリゾート系でもいいよねー」
「そうだな」
はぁー、もうほんと…、嫌になるな。
私はそれ以上話さなかった。
「坂木」
「はい」
「飯でも奢るよ」
えっ!?
取引先の打ち合わせに行った帰り、時間が20時過ぎてて、先輩の吉森征也にそう言われた。
「最近の坂木、ため息多いしな」
「あ、すいません」
「ちょっと飲もうぜ」
そう言って居酒屋行った。
「なんか悩みでもあるの?まぁ、仕事は頑張ってくれてるけど、あまりにも最近は元気なさそうだから」
「すいません」
「少し吐けば楽になるかもよ」
社内でばれないようにとずっとしてたので誰にも言ってなかった。でも、相手の名前言わなければ問題ないよね?
「プライベートのことですが…」
そう言って話し始めた
「なるほどねー、恋人の塩対応ってやつか」
「…はい」
「彼から連絡はないの?」
「ないですね」
「坂木はどうしたいの?」
「…私から告白したし、いつかは好きになって貰えたらと思ったけど」
そう言うと、うるっと涙が出てきた。
「あ、いやだ、すいません」
一度出た涙は止まることを知らなかった。
それをみて、肩をポンポンとたたかれる。先輩は何も言わず泣き止むまでじっと待っててくれた。
「落ち着いた?」
「はい、すいません」
「いや、坂木はもう限界なんだよ!もうこの先のこと解ってるんじゃない?」
限界…、そうだ。もう解ってる。どうするべきか
「お話聞いてくれてありがとうございました」
「いや、少しでも軽くなったんならいいよ!」
店を出て、駅で別の電車になるので別れる時に挨拶をした。
「お疲れ様でした」
そう言って電車に乗るホームに向かおうとしたとき
「坂木」
「はい」
「気持ちが弱いときこんなこと言ったらフェアじゃないけど、俺ならそんな思いさせないから」
「…えっ?」
「俺なら坂木と楽しくやりたい」
そう言って私の顔をみる。
それって…
「まぁ、まだその先は言うつもりないけどな。」
「…先輩」
「おつかれ!」
そう言って先に先輩は行ってしまった。
ずるい!先輩!!
あんな言い方されたら…
先輩の言ったことが頭に離れなかった。
それから、私から連絡をすることはくなった。私から連絡をしないってことは、もう会うことはない。1週間たっても2週間たってもこっちから連絡はしない。この1年でそれだけの間連絡をしないことはなかった。
連絡したい、元樹さんと話したい!と思いつつもどこか肩の荷が降りた気持ちにもなっていた。
連絡しないで3週間目になったとき
『話があるんだけど』
と、チャットをし週末の休みに元樹さんのマンションに行った。
「元樹さん、もう終わりにしたいんだけど」
「…え?」
「この1年、私に付き合ってくれてありがとう!それじゃあ」
これ以上長くいても辛くなるので、本題のみ言ってすぐにマンションに出ることにした。
「…おい」
そう聞こえた気がしたけど、私は急いで玄関に向かい部屋を出た。
…終わっちゃた。
少しずつビックリしてたようだけど、私が言うと思わなかったんだろうな。
でも、もうお互い自由にならないと
まだ好きな気持ちがあったけど、それ以上に限界だった。
本当に好きだったんだよ!
涙をぐっと堪えながら駅に向かっていた。
「あら?」
「…あ、変…でしたか?」
翌週出勤したとき、私をみて驚いてる。
「随分とイメチェンしたねー」
黒いロングの髪をバッサリ切り、薄いフレームの眼鏡をやめてコンタクトにした。そして、全体的にブラウン系でまとめてた化粧をピンク系に変えた。
「いや、可愛いよー」
女子社員の先輩に言われ
「あ、可愛いなんてそんな…、でも変えてよかった?のかな?」
「いいですよー、坂木さん!!」
後輩の社員もいいだした。
私のイメチェンは思ってる以上ビックリするものだったらしく
「なんだ?恋でもしてるのか?」
とか、色んな人から一言言われるようになっていた。
「よう!随分と変わったな」
「あ…、はい。」
「…吹っ切れた感じ?」
「…はい」
吉森先輩に声を掛けられて
「…そうか」
全てを悟ったようだ。
「んー」
少し声をだし背伸びをした。
周りは人も少ない。時間は19時になるところだったんで、退社してる人も多かった。よし、そろそろ帰るか
「坂木、飯でもいかね?」
吉森先輩に声かけられる。
「あ、でも明日の打ち合わせの資料もう少しかかるんで」
「あと、どれくらい?」
「1時間もかからないと思いますが」
「じゃ、少しこっちによこせ」
「え?」
「手伝うよ!お前今日新入社員の面倒もみてたしな、自分の仕事なかなかやれなかったんだろ?」
「あ、でも…」
「いいから!分けて作業できるところは?」
「あ、えーと」
そういうと、先輩は資料をとり、自席に戻り作業をはじめた。
「ありがとうごさいます!」
1時間かかると思ったのに、30分で終わることができた。
「それで?」
「はい?」
「飯いかないか?」
「あ…」
そうだった。
「…是非」
この流れで断るのは申し訳なく、一緒に行くことにした。
「確認だけど、坂木はもうフリー?」
「…はい」
「じゃあ、責めてもいいってこと?」
「責めてもって…」
恥ずかしい
「俺ってもしかして、逃がさないようにしてる?」
不適な笑みをみせてそう言われる。
「ちょっと…、ずるいです」
そう言うと笑われた。
「まぁ、すぐ考えられないかもしれないけど、少しは考えてくれると嬉しいかな」
先輩のことは嫌いじゃない。もしかしたら愛される恋愛が出きるかも?という期待もある。
「まだ、考えられないけど、でもたまにこうやって飲みに行けたら嬉しいです」
今はそう答えるのが精一杯だった。
「それだけで十分だよ」
優しい目で言われ、ドキッとする。
吉森先輩はガッツリした体型で、爽やかスポーツ系な感じの人。恋人がいてもおかしくないんだけどなー、それを聞いたら
「まぁ、なんだ、昔は居たけど、ここ一年以上はダチとサッカーチーム作って燃えてた」
「え?サッカー?」
「学生時代のメンツや、SNSで募集したりして集めて、週末はサッカーしてりしてる」
「へぇー」
「出来た当初は寄せ集めだったからな。なかなか連携いかず苦戦しまくつまてた。でも半年くらい前からうまく団結も出きるようになって試合とかしてるよ」
「先輩はどこ守ってるんですか?」
「GKだよ!」
「うわっ!責任重大」
「かなりヘタレだけとな」
笑いながら答える。
それから週に1回かくらいのペースで飲みに行くようになった。
それが1ヶ月たつかくらいのとき
「…おい」
会社を出て声をかけたのは、元樹さんだった。
「え?」
こんなところで?会社の近くで話すのはずっとタブーだった
「えっと、どうしたの?」
まだ自分の中でドキドキとモヤモヤがする。平常心を保つのがやっとだった。
「…連絡…なんでしない?」
「えっ?」
「連絡なんでしないんだ?」
「え!?だってもう…それよりここ会社の前だから」
「…」
「もう…、終ったことだから!それじゃ…」
急になに?
「待て」
腕を捕まれる。
えっ!?
こんなこと1度もされたことないけど
「あの、とりあえずここは目立つから」
私は周りを気にして言った。
会社から離れて話すか…、なんだろう?今更
「少し、離れて下さい」
私はそう言った。一緒に歩いたらマズイ!
ちょっと前なら隣に歩けるができたら死ぬほど嬉しかったのに
「…」
私は先頭に歩いて会社から離れた公園に移動した。
「それで、えっと…」
「…」
しばらく、何も言わなかったけど
「連絡がない、から…」
と、言い出した。
さっきと同じ台詞
「あの、私は終りたいと言ったはずだけど…、えっと別れるという意味なのは解ってる?」
「…」
何か他に問題でもあるの?気持ちがないのは元樹さんだし
「…」
別れたってことの確認?
「…俺は別れたことを承諾してない」
「…は?」
なんで!?
「だって元樹さん…、私に興味なかったじゃない!」
「…え?」
「一緒にも歩きたくない、連絡も私からのみ、2人でいても全く話さない、1度だって…、好きと…」
「…」
「贅沢なのかな?我が儘なのかな?そう思ってた。でも、でも…、少しでも振り向いて欲しかった」
やばい、また涙が…
「…ち、違う!」
「え?」
「…そんなこと思ってない」
「元樹さん?」
「…嫌いじゃない」
「え?」
「嫌いじゃないから」
「…」
でも、好きではないってこと?
「ごめん、でも元樹さんと一緒だと恋人に思えなくって」
「…それは…、でも今なら大丈夫」
えっ!?それはどういう!?
「ごめん、意味がわからない」
「可愛くなったから」
!?
ちょっと待って!それって…
「あの、それって私の見た目がよくなかったからってこと?」
「…俺、モデル事務所にもいたことあるから、容姿とか気になって、今なら普通だし」
普通…
きっと、彼は悪気はない!けど…
「じゃなんで、さんな私と付き合おうと思ったの?」
「…仕事も一生懸命だし、気配りもきくし、優しいし、性格は申し分ない。」
でも、見た目がってこと!?
「…」
「ビックリしたなー」
「!?」
振り向くと吉森先輩がいた。
「坂木が見えたんで声かけようとしたら、駅とは別に歩いてるし、少し変だな?とは思ったんだが少ししたら山下も歩いてたしで、なんだ?と思ったからまさか、そういうことだったんだ」
「先輩!」
「で、山下は見た目が気に入らないから坂木にそうしたとでも?」
「…」
「先輩、あの、これは私達の問題で」
「確かに2人の問題だが、話しきいてるとイラついてきた。山下、どうなんだよ!?」
「…俺には、それなりに容姿がいい女とじゃないと無理なんだ」
「そ…」
落胆。そして、自分があまりにも…
「でも、それ以外は申し分ない!今日の容姿なら…」
「おい!いい加減にしろ!!どれだけお前坂木傷つけるんだよ!」
「…」
今ならいい…じゃ、今までは?今までの私は?
「坂木、行こう!もういいだろ!」
先輩がきて私の腕を掴もうとすると、元樹さんがそれを阻止して
「まだ、俺達は別れてない」
と言う。
「おい、山下!お前そこまで言って別れないってどういうことだよ!」
「…」
でも、でも、元樹さんはきっとそういう風にしか出来ない人なんだ。
だから、私は…
「私は…」
「お疲れ様です!」
久々に定時終わり!さて
「いくか!」
「はい!」
その後元樹さんとは、正式にお別れをした。私は彼が悪いとは思えなかった。きっとそういう生き方しか出来ないんだろう。
モデルの事務所に所属してたんだから、日々容姿を気にして生きてたのかもしれない。
だから彼女にもそうであってほしかった…んじゃないかな。
でもだからといって、それを承諾して付き合いを続行するまでの心の広い人間じゃない。元樹さんには元樹さんが納得する人と今度は付き合ってほしいと思う。
「次の週末、サッカーの試合あるんだけど、応援に来てくれたらやる気出すんだけどなー」
遠回しにすぎて笑ってしまった。
「解りました。行きますよ!」
「マジで?やったー」
まだ吉森さんとは付き合ってるとかじゃないけど、少しずつ時間が増えて行ってる。
容姿など関係なく私を好きと言ってくれる。それがすごく嬉しい
「えっと、お弁当とかいります?」
「マジ!?作ってきてくれるの?」
「吉森さんさえよければ」
「ぜひぜひー!」
そうやって素直に喜ぶ吉森さんに笑みがこぼれる。
私達が恋人になるのはそんなに遠くないかもしれない。
私の中で少しずつ気持ちが破裂し始めてる。
坂木美保、24歳。広告代理店に勤務。入社して4年目。私は同期である山下元樹に1年前告白して付き合うことができた。歳は2つ上。
課は違うのでずっと会うことはないが、たまに会議などで会うこともある。
元樹さんは、いわゆる塩対応。でももう塩対応以上じゃないかとも思っている。というのは、告白してから誘うのは私から、喋るのは私から、横にならんで歩いたこともない。話しかけても「うん」て返されるくらい。何を話しても興味なさそう。そして彼のマンションに行ってすることはするが、その最中も好きだよなどの一言もない。黙々と…という感じ。部屋にいてもほぼ話すことはない。
そして、何より私達の付き合いは会社には知られたくないらしい。以前聞いたとき、その答えは「地味」それだけだった。
私が地味なんでばれたくないっていう解釈。すごい悲しかった。
そのため元樹さんは社内ではかなりモテる。告白しても断ってるようだけど、彼女いるとかそういう断り方でなく今は恋愛に興味ないとか、そういう風にみれないからとかそういう回答ぽい。
付き合って貰ってるからなー、1年たってもそれは同じ?なのかな?なら、無理に付き合わなくってもいいのに…
最近はそんなことを考え、そして自分ってなんなんだろ?って思うようになっていた。
「元樹さん、あのね、旅行行きたいなーって思うんだけど」
「ああ」
日帰り旅行はあるけど泊まりの旅行はなかった。1泊でもいいから行きたいなーと思うんだけど
「どこか行きたいところとかある?」
「別に」
「…」
いつもこんな感じ。
「温泉とかどお?それともリゾート系でもいいよねー」
「そうだな」
はぁー、もうほんと…、嫌になるな。
私はそれ以上話さなかった。
「坂木」
「はい」
「飯でも奢るよ」
えっ!?
取引先の打ち合わせに行った帰り、時間が20時過ぎてて、先輩の吉森征也にそう言われた。
「最近の坂木、ため息多いしな」
「あ、すいません」
「ちょっと飲もうぜ」
そう言って居酒屋行った。
「なんか悩みでもあるの?まぁ、仕事は頑張ってくれてるけど、あまりにも最近は元気なさそうだから」
「すいません」
「少し吐けば楽になるかもよ」
社内でばれないようにとずっとしてたので誰にも言ってなかった。でも、相手の名前言わなければ問題ないよね?
「プライベートのことですが…」
そう言って話し始めた
「なるほどねー、恋人の塩対応ってやつか」
「…はい」
「彼から連絡はないの?」
「ないですね」
「坂木はどうしたいの?」
「…私から告白したし、いつかは好きになって貰えたらと思ったけど」
そう言うと、うるっと涙が出てきた。
「あ、いやだ、すいません」
一度出た涙は止まることを知らなかった。
それをみて、肩をポンポンとたたかれる。先輩は何も言わず泣き止むまでじっと待っててくれた。
「落ち着いた?」
「はい、すいません」
「いや、坂木はもう限界なんだよ!もうこの先のこと解ってるんじゃない?」
限界…、そうだ。もう解ってる。どうするべきか
「お話聞いてくれてありがとうございました」
「いや、少しでも軽くなったんならいいよ!」
店を出て、駅で別の電車になるので別れる時に挨拶をした。
「お疲れ様でした」
そう言って電車に乗るホームに向かおうとしたとき
「坂木」
「はい」
「気持ちが弱いときこんなこと言ったらフェアじゃないけど、俺ならそんな思いさせないから」
「…えっ?」
「俺なら坂木と楽しくやりたい」
そう言って私の顔をみる。
それって…
「まぁ、まだその先は言うつもりないけどな。」
「…先輩」
「おつかれ!」
そう言って先に先輩は行ってしまった。
ずるい!先輩!!
あんな言い方されたら…
先輩の言ったことが頭に離れなかった。
それから、私から連絡をすることはくなった。私から連絡をしないってことは、もう会うことはない。1週間たっても2週間たってもこっちから連絡はしない。この1年でそれだけの間連絡をしないことはなかった。
連絡したい、元樹さんと話したい!と思いつつもどこか肩の荷が降りた気持ちにもなっていた。
連絡しないで3週間目になったとき
『話があるんだけど』
と、チャットをし週末の休みに元樹さんのマンションに行った。
「元樹さん、もう終わりにしたいんだけど」
「…え?」
「この1年、私に付き合ってくれてありがとう!それじゃあ」
これ以上長くいても辛くなるので、本題のみ言ってすぐにマンションに出ることにした。
「…おい」
そう聞こえた気がしたけど、私は急いで玄関に向かい部屋を出た。
…終わっちゃた。
少しずつビックリしてたようだけど、私が言うと思わなかったんだろうな。
でも、もうお互い自由にならないと
まだ好きな気持ちがあったけど、それ以上に限界だった。
本当に好きだったんだよ!
涙をぐっと堪えながら駅に向かっていた。
「あら?」
「…あ、変…でしたか?」
翌週出勤したとき、私をみて驚いてる。
「随分とイメチェンしたねー」
黒いロングの髪をバッサリ切り、薄いフレームの眼鏡をやめてコンタクトにした。そして、全体的にブラウン系でまとめてた化粧をピンク系に変えた。
「いや、可愛いよー」
女子社員の先輩に言われ
「あ、可愛いなんてそんな…、でも変えてよかった?のかな?」
「いいですよー、坂木さん!!」
後輩の社員もいいだした。
私のイメチェンは思ってる以上ビックリするものだったらしく
「なんだ?恋でもしてるのか?」
とか、色んな人から一言言われるようになっていた。
「よう!随分と変わったな」
「あ…、はい。」
「…吹っ切れた感じ?」
「…はい」
吉森先輩に声を掛けられて
「…そうか」
全てを悟ったようだ。
「んー」
少し声をだし背伸びをした。
周りは人も少ない。時間は19時になるところだったんで、退社してる人も多かった。よし、そろそろ帰るか
「坂木、飯でもいかね?」
吉森先輩に声かけられる。
「あ、でも明日の打ち合わせの資料もう少しかかるんで」
「あと、どれくらい?」
「1時間もかからないと思いますが」
「じゃ、少しこっちによこせ」
「え?」
「手伝うよ!お前今日新入社員の面倒もみてたしな、自分の仕事なかなかやれなかったんだろ?」
「あ、でも…」
「いいから!分けて作業できるところは?」
「あ、えーと」
そういうと、先輩は資料をとり、自席に戻り作業をはじめた。
「ありがとうごさいます!」
1時間かかると思ったのに、30分で終わることができた。
「それで?」
「はい?」
「飯いかないか?」
「あ…」
そうだった。
「…是非」
この流れで断るのは申し訳なく、一緒に行くことにした。
「確認だけど、坂木はもうフリー?」
「…はい」
「じゃあ、責めてもいいってこと?」
「責めてもって…」
恥ずかしい
「俺ってもしかして、逃がさないようにしてる?」
不適な笑みをみせてそう言われる。
「ちょっと…、ずるいです」
そう言うと笑われた。
「まぁ、すぐ考えられないかもしれないけど、少しは考えてくれると嬉しいかな」
先輩のことは嫌いじゃない。もしかしたら愛される恋愛が出きるかも?という期待もある。
「まだ、考えられないけど、でもたまにこうやって飲みに行けたら嬉しいです」
今はそう答えるのが精一杯だった。
「それだけで十分だよ」
優しい目で言われ、ドキッとする。
吉森先輩はガッツリした体型で、爽やかスポーツ系な感じの人。恋人がいてもおかしくないんだけどなー、それを聞いたら
「まぁ、なんだ、昔は居たけど、ここ一年以上はダチとサッカーチーム作って燃えてた」
「え?サッカー?」
「学生時代のメンツや、SNSで募集したりして集めて、週末はサッカーしてりしてる」
「へぇー」
「出来た当初は寄せ集めだったからな。なかなか連携いかず苦戦しまくつまてた。でも半年くらい前からうまく団結も出きるようになって試合とかしてるよ」
「先輩はどこ守ってるんですか?」
「GKだよ!」
「うわっ!責任重大」
「かなりヘタレだけとな」
笑いながら答える。
それから週に1回かくらいのペースで飲みに行くようになった。
それが1ヶ月たつかくらいのとき
「…おい」
会社を出て声をかけたのは、元樹さんだった。
「え?」
こんなところで?会社の近くで話すのはずっとタブーだった
「えっと、どうしたの?」
まだ自分の中でドキドキとモヤモヤがする。平常心を保つのがやっとだった。
「…連絡…なんでしない?」
「えっ?」
「連絡なんでしないんだ?」
「え!?だってもう…それよりここ会社の前だから」
「…」
「もう…、終ったことだから!それじゃ…」
急になに?
「待て」
腕を捕まれる。
えっ!?
こんなこと1度もされたことないけど
「あの、とりあえずここは目立つから」
私は周りを気にして言った。
会社から離れて話すか…、なんだろう?今更
「少し、離れて下さい」
私はそう言った。一緒に歩いたらマズイ!
ちょっと前なら隣に歩けるができたら死ぬほど嬉しかったのに
「…」
私は先頭に歩いて会社から離れた公園に移動した。
「それで、えっと…」
「…」
しばらく、何も言わなかったけど
「連絡がない、から…」
と、言い出した。
さっきと同じ台詞
「あの、私は終りたいと言ったはずだけど…、えっと別れるという意味なのは解ってる?」
「…」
何か他に問題でもあるの?気持ちがないのは元樹さんだし
「…」
別れたってことの確認?
「…俺は別れたことを承諾してない」
「…は?」
なんで!?
「だって元樹さん…、私に興味なかったじゃない!」
「…え?」
「一緒にも歩きたくない、連絡も私からのみ、2人でいても全く話さない、1度だって…、好きと…」
「…」
「贅沢なのかな?我が儘なのかな?そう思ってた。でも、でも…、少しでも振り向いて欲しかった」
やばい、また涙が…
「…ち、違う!」
「え?」
「…そんなこと思ってない」
「元樹さん?」
「…嫌いじゃない」
「え?」
「嫌いじゃないから」
「…」
でも、好きではないってこと?
「ごめん、でも元樹さんと一緒だと恋人に思えなくって」
「…それは…、でも今なら大丈夫」
えっ!?それはどういう!?
「ごめん、意味がわからない」
「可愛くなったから」
!?
ちょっと待って!それって…
「あの、それって私の見た目がよくなかったからってこと?」
「…俺、モデル事務所にもいたことあるから、容姿とか気になって、今なら普通だし」
普通…
きっと、彼は悪気はない!けど…
「じゃなんで、さんな私と付き合おうと思ったの?」
「…仕事も一生懸命だし、気配りもきくし、優しいし、性格は申し分ない。」
でも、見た目がってこと!?
「…」
「ビックリしたなー」
「!?」
振り向くと吉森先輩がいた。
「坂木が見えたんで声かけようとしたら、駅とは別に歩いてるし、少し変だな?とは思ったんだが少ししたら山下も歩いてたしで、なんだ?と思ったからまさか、そういうことだったんだ」
「先輩!」
「で、山下は見た目が気に入らないから坂木にそうしたとでも?」
「…」
「先輩、あの、これは私達の問題で」
「確かに2人の問題だが、話しきいてるとイラついてきた。山下、どうなんだよ!?」
「…俺には、それなりに容姿がいい女とじゃないと無理なんだ」
「そ…」
落胆。そして、自分があまりにも…
「でも、それ以外は申し分ない!今日の容姿なら…」
「おい!いい加減にしろ!!どれだけお前坂木傷つけるんだよ!」
「…」
今ならいい…じゃ、今までは?今までの私は?
「坂木、行こう!もういいだろ!」
先輩がきて私の腕を掴もうとすると、元樹さんがそれを阻止して
「まだ、俺達は別れてない」
と言う。
「おい、山下!お前そこまで言って別れないってどういうことだよ!」
「…」
でも、でも、元樹さんはきっとそういう風にしか出来ない人なんだ。
だから、私は…
「私は…」
「お疲れ様です!」
久々に定時終わり!さて
「いくか!」
「はい!」
その後元樹さんとは、正式にお別れをした。私は彼が悪いとは思えなかった。きっとそういう生き方しか出来ないんだろう。
モデルの事務所に所属してたんだから、日々容姿を気にして生きてたのかもしれない。
だから彼女にもそうであってほしかった…んじゃないかな。
でもだからといって、それを承諾して付き合いを続行するまでの心の広い人間じゃない。元樹さんには元樹さんが納得する人と今度は付き合ってほしいと思う。
「次の週末、サッカーの試合あるんだけど、応援に来てくれたらやる気出すんだけどなー」
遠回しにすぎて笑ってしまった。
「解りました。行きますよ!」
「マジで?やったー」
まだ吉森さんとは付き合ってるとかじゃないけど、少しずつ時間が増えて行ってる。
容姿など関係なく私を好きと言ってくれる。それがすごく嬉しい
「えっと、お弁当とかいります?」
「マジ!?作ってきてくれるの?」
「吉森さんさえよければ」
「ぜひぜひー!」
そうやって素直に喜ぶ吉森さんに笑みがこぼれる。
私達が恋人になるのはそんなに遠くないかもしれない。
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容姿だけが気に入らなかった?
それなら最初に見た目を華やかにして欲しいなりもう少しおしゃれとか気にして見た目を変えて欲しいとか言っておくべきだったょね(;´꒪д꒪`)
要望を言って、それでも容姿が気に入らないままだったら塩対応になっちゃおうと仕方ないと思ってあげられるかもだけど、何も言わずに気に入らないアピールだけしても、そりゃ振られて当然(; ̄д ̄)
そもそも彼女は自分から告白して付き合って『もらってる』って言う感覚だから何とか一年も続いたのであって、普通なら3日もすれば「なんか思ってたのと違うから」とか何とか言って即振られてたと思うょ(๑꒪ㅿ꒪๑)←そしてその塩対応を社内でバラされるw
コミュニケーション、大事(* ˘ㅿ˘ )*ᴗ_ᴗ)* ˘ㅿ˘ )*ᴗ_ᴗ)⁾⁾
容姿はいつか衰えるモンなのにね(๑꒪ㅿ꒪๑)
元カレくんは将来おひとりさまなままかもしれないね(;´꒪ω꒪`)ゴシューショーサマ