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1E-蒸留と羊油
1E-06 遠心の改良
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父が再び城郭都市へ出かけていった。自分が何かを始めるたびに出張となるのは申し訳ない気もする。母は寂しいだろうが、父はその扱いが上手い。サナーレウンゲンを持たせ、自分から提供させることで母はすっかりご機嫌だ。あちこちに塗布しては肌の状態をうっとりと眺めている。今のところ不具合もなく、治癒効果もあってか肌は順調。検証は母が勝手に進めてくれるだろう。むしろ、軟膏が切れた時の母を想像する方が恐ろしい。そんな母に「頑張ってね」と送り出され、店へ向かった。
店に入ると、パラケル爺さんが出迎えてくれる。相変わらず客はいない。
「それでは小僧。装置を改良していくぞ。まずは開発の方向性からだ。どうすれば良いと思う?」
「今はボトルを等分に分けて振っているので処理量が少ないです。連続で処理できるようにしたいですね。加速や減速の時間が無駄になっていますから」
「そうだな。装置を止めずに連続で処理する必要がある。液体を送りながら固体を保持する形が必要だ。三角錐状の中空を持つ容器を回転させれば良い。たとえばこれだ」
爺さんがアイテムボックスから取り出したのは、以前作ったという連続遠心装置だった。固形物を得るためのものらしく、液体の回収は考慮されていない。また、温度管理も施されていない。
「制御と回転装置は使えそうです。自分が考えた風魔法による回転より効率が良さそうです。ただ、液体が必要な今回の案件では、回転体の構造を改める必要がありますね」
「その回転体の金属は魔銀だ。高価だが魔力での変形が容易い。錬金には必須の素材だ。紙で設計し、魔銀で整形するといい。試作品に使う分は好きに使え。残量は心配するな」
爺さんはいつも課題を与え、考えさせる時間をくれる。方向性だけを示し、答えは自分で導かせる。学院での研究経験があるからこそできる導き方だろう。感謝しかない。
設計図とにらめっこしながら考える。固形物を取り出しやすく、液体を回収しやすい構造。回転しながら溢れた液体を回収する仕組み。固体が溜まって液体に混入し始めたら、そこで装置を止める方針とした。
蓋を外して固形物を回収し、液を入れる方法と取り出す方法を考える。二重筒構造を採用。内筒で液を送り、外筒で回収する。蓋の接続部には魔銀球の軸受けを新たに作成。爺さんの装置の軸受けも球軸受けに改良した。均等な玉を作れるのは魔力制御の恩恵だ。潤滑にはランナを塗布して封入する。
蓋と回転部分を密着させ、ねじ式で固定。液漏れを防ぐ。蓋と一体化したロートで液を導き、固体は壁に張り付き、液は中心に残る。蓋上部には二重筒を設け、内筒は三角錐に届く長さに調整。外筒はロート状にして液を回収する。
遠心を開始すると固形は外側に押し出され、液体は中心に保持される。流れ込む速度を調整すれば、澄んだ液だけが上部の管に押し出されるはずだ。
軸のブレを修正し、空状態でテスト。水でテスト。濁った川の水でテスト。温度は火の魔法陣で容器全体を温め、40~50度を維持。そのうえ、魔石の消費も少なく済んだ。
新しい装置は、確かに次の段階へ進むための手応えを感じさせた。
店に入ると、パラケル爺さんが出迎えてくれる。相変わらず客はいない。
「それでは小僧。装置を改良していくぞ。まずは開発の方向性からだ。どうすれば良いと思う?」
「今はボトルを等分に分けて振っているので処理量が少ないです。連続で処理できるようにしたいですね。加速や減速の時間が無駄になっていますから」
「そうだな。装置を止めずに連続で処理する必要がある。液体を送りながら固体を保持する形が必要だ。三角錐状の中空を持つ容器を回転させれば良い。たとえばこれだ」
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「制御と回転装置は使えそうです。自分が考えた風魔法による回転より効率が良さそうです。ただ、液体が必要な今回の案件では、回転体の構造を改める必要がありますね」
「その回転体の金属は魔銀だ。高価だが魔力での変形が容易い。錬金には必須の素材だ。紙で設計し、魔銀で整形するといい。試作品に使う分は好きに使え。残量は心配するな」
爺さんはいつも課題を与え、考えさせる時間をくれる。方向性だけを示し、答えは自分で導かせる。学院での研究経験があるからこそできる導き方だろう。感謝しかない。
設計図とにらめっこしながら考える。固形物を取り出しやすく、液体を回収しやすい構造。回転しながら溢れた液体を回収する仕組み。固体が溜まって液体に混入し始めたら、そこで装置を止める方針とした。
蓋を外して固形物を回収し、液を入れる方法と取り出す方法を考える。二重筒構造を採用。内筒で液を送り、外筒で回収する。蓋の接続部には魔銀球の軸受けを新たに作成。爺さんの装置の軸受けも球軸受けに改良した。均等な玉を作れるのは魔力制御の恩恵だ。潤滑にはランナを塗布して封入する。
蓋と回転部分を密着させ、ねじ式で固定。液漏れを防ぐ。蓋と一体化したロートで液を導き、固体は壁に張り付き、液は中心に残る。蓋上部には二重筒を設け、内筒は三角錐に届く長さに調整。外筒はロート状にして液を回収する。
遠心を開始すると固形は外側に押し出され、液体は中心に保持される。流れ込む速度を調整すれば、澄んだ液だけが上部の管に押し出されるはずだ。
軸のブレを修正し、空状態でテスト。水でテスト。濁った川の水でテスト。温度は火の魔法陣で容器全体を温め、40~50度を維持。そのうえ、魔石の消費も少なく済んだ。
新しい装置は、確かに次の段階へ進むための手応えを感じさせた。
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