【R18】暴走系ヒロインは偽装婚約した騎士団長を振り回しながら聖女ではなく勇者を目指す

第二章・聖女レベル、ぜろ

29.重ねるのは心

　私のボタンを全部外したフランは、ブラを首の辺りまで引き上げ両胸を露にすると執拗に親指で乳輪を擦る。

　シャツを脱がされる前に軽く触れられたせいで中途半端に固くなっていた私の乳首は、早くまた触れて欲しいと期待しているのかふるふると震えていて。


「んっ、……ふ、ぅんぅ」
「まだちゃんと触れてないのにぷっくりしてきたな」
「ば、ばかっ、言わな……でよ」

　そのもどかしい刺激に堪えられず、けれどさっきフランにキスした時みたいに自分から誘導することも出来なくて。


“はやく、はやく触れて欲しい”

　まるで懇願するようにフランを見上げてしまい、そしてそんな私に気付いたフランはくすりと笑った。

「こんな時だけ素直だな」
「うっ、うるさ……ひゃぁあ！」

　きゅ、と突然両乳首をフランが摘まみ思わず声をあげる。
　ぴくんと体が跳ねたのを見て気分を良くしたのか、そのまま顔を近付けたフランの舌がペロリと乳首を舐めた。

　右の胸はフランの手のひらが包むように揉み、その親指と人差し指で乳首をクリクリと捏ねる。
　左の乳首は何度か舌で弾かれたあと、ちゅうっと強く吸われ、私の体は思わず仰け反った。

「あっ、やぁ……！」
「ここがいいのか？」

　聞きながらカリッと甘噛みされるとその快感が背筋を走る。
　ゾクゾクと体が震える度に、下腹部が熱を孕み私は太股を擦り合わせた。


「すっかり固く尖ったな」
「や、言わな……っ、はぁん！」

　暫く左の乳首ばかりを舐めて吸っていたフランが、今度は徐に右の乳首にしゃぶりつく。
　指とは違うその刺激は私をすぐに昂らせ、またさっきまで舐められていたせいでしっとりと濡れていた左の乳首がフランの指先で強く擦られた。

“っ！？”

　少しかさつきピリッとした刺激を与えていた彼の指が、フランの唾液を潤滑剤にしたためか強く押し込まれるだけでも堪らない。

「あ、ぁあっ！はんっ」

　くりゅっと乳首を強く擦り捏ねられ、きゅっと摘まみ、ピンっと弾かれるとその刺激が胸を巡り思考がじわりと熱を持って何も考えられなくなった。

「リッカ、気持ちいいのか？」
「あ、ん……っ、きもち、い……もっと」
「そうか」

　ふっと笑ったフランの吐息が乳首を掠め、その僅かな刺激にさえ感じてしまう。

　
“なによ、保健体育レベルの知識だったくせに……！”

　彼の全てに蹂躙されているようで、そしてそれが全然嫌じゃないことが何よりも悔しくて。

　尚も乳首に吸い付こうとするフランの顔をガシッと握った私は、ぐきっと音がしそうなくらい力づくで顔を上げさせ口付けをした。


「んっ、リッカ！おまっ、俺の首に何の恨みが……、ッ！？」
「黙ってなさいよ」

　私ばかりが触れられ気持ちよく蕩けさせられているのが恥ずかしく、そして悔しくて。
　右手でフランの後頭部をしっかり押さえて唇を重ねた私は、左手をそっと彼の筋肉をなぞるように胸からお臍へと指を這わせた。

　どこに向かっているのか気付いたらしいフランは途端に慌て抵抗しようとするが、一瞬早くたどり着いた私の手のひらがフランの下半身をそっと握る。


“フランもしっかり興奮してるじゃん”

　服の上からでもわかるほど固く昂っていて私は少し気分を良くした。


「……私も、舐めてあげよっか？」
「は？」

　決しておかしなことを言ったつもりはなかったのだが、私の言葉を聞いたフランが驚愕した表情をしていてギョッとした。


「ちょ、なんでそんなに驚くのよ。前に近いことしたじゃない」
「触るのと舐めるのは全然違うだろ！？」
「手で触るか舌で触るかの違いでしょ！」

　こんな時だというのにやはりぎゃいぎゃいと言い合った私たちは、互いを睨み付け……そしてぷっと吹き出した。

　そのまま上体を起こした私は、今度はフランを押し倒すようにして覆い被さる。


「私も、フランに気持ちよくなって欲しい。その、シたことないから上手く出来るかはわかんないけど」

　話ながらフランのモノを取り出した私が、再び止められる前にとすぐにぱくんと口に含む。

　一瞬躊躇った様子を見せたフランだったが諦めたのか、そっと私の腰の辺りに手のひらを置いた。


　咥えてみたはいいが、ここからどうしようかと悩んだ私は、チロリと舌で竿を舐める。

“手でした時はこの裏っ側がよさそうだったよね？”

　舌を這わせるように一度包み、咥えたままゆっくり顔を動かすと小さくフランが声を漏らしてドキリとした。

「ひもちいーの？」
「咥えながら話すなっ！」

　叱るような口調になるフランだが、その頬は上気し目元も赤く染まっている。
　どうみても快感を堪えたその姿がなんだかとても可愛く見えて。


　先端を舌先でつつき、ぐにぐにと舐めながら竿の根本を手のひらで激しく擦りながら上下させた。

「ふ……っ、く、そんないきなり激しく……っ！」

　苦しそうにするフランが堪らない。
　どんどん楽しくなってきた私が今度は根本まで口に含み、唇でカリの部分を刺激しようとして――


「ひゃんっ」

　腰に触れていたフランの手が、私のスラックスと下着の中にスルリと入れられお尻を直に撫でた。

　一瞬直に触れたフランの手が直ぐに抜かれ、私のお腹を撫でる。
　そのまま片手で器用にベルトを外したフランは、ずるりと下着ごと一気に太股まで脱がし、私のお尻を撫でながら敏感な部分まで手のひらを這わせた。


「ちょっ、フラ……」
「なんだ？舐めるのはもうおしまいか？」
「っ！」

　どこか挑発するような視線を向けられた私は、負けず嫌いな心を刺激されすぐにぱくりとフランのを口に入れる。

「結構濡れてんだな」

“そんな感想口に出さないでよ……っ”

　すでにトロリと愛液を垂れさせていた私の蜜壺を、フランの指がくちゅりと撫で上げびくりと腰を震わせた。

“フランだって濡れさせてるくせに！”

　先端に溜まった少し苦くしょっぱい汁を舌で舐めとり、強く吸う。
　途端にピクッと反応したフランは、お返しとばかりに私の愛液を指にしっかりと絡め、蜜壺に指を挿入した。


「ひゃ……！」

　最初は浅い部分を、徐々に奥まで入れられ、その異物感に体を震わせる。

「一本なのに狭いな」
「あ、ひゃ、ぁんっ」

　くちゅくちゅとナカをかき混ぜるようにしながら内壁を擦られると、その度に私のナカから愛液が溢れた。

「ちゃんと、慣らすから」
「ふ、あぁあ……っ」

　探るようにナカを触れらる。私の反応を確認しながら時には強く、時には深く挿れる彼の指がいつの間にか二本に増え、異物感が圧迫感へと変わった。

“や、これ……っ、力が入らない……っ”

　フランのモノを握ったまま、でもこれ以上舐めることなんて出来ずにくたりとしなだれかかると、ナカをかき混ぜていた指を抜いたフランが体勢を入れ替え私を再び押し倒した。


「痛かったら、言ってくれ」
「ん……」

　いよいよか、と思った。

“今からフランの、挿れるんだ”


　熱く硬いフランの先端が私の蜜壺の表面を掠めるように擦られ、まるで窺うように入り口にくちゅりと止まる。

　擦り合わせた時とは違う角度でフランのモノがあてがわれ、そしてぐぷりと少しずつ挿れられた。


「……ぁ、ひっ」
「痛いか？」
「や、あ、くるし……っ」

　十分に濡れていたからか、フランが私に合わせてゆっくりと進めてくれているからかはわからないが、思ったよりも痛みは少なかった。
　けれど、痛みの代わりに圧迫感がものすごく、苦しくて堪らない。


“指と全然ちがう”

「おっき、いぃっ」
「くっ、何でお前は煽るようなことを言うんだ……！」

　理性と戦っているのか、かなり険しい表情になったフランだが、私の体のためか無理やり奥までは挿入せず、時間をかけて腰を進める。

　じくじくとした痛みと圧迫感が私を襲うが、それ以上にフランと体を繋げているということがなんだか嬉しかった。


「フラン、すき……」
「ッ」
「頑固だし堅物だし貴族なのに口も悪いけど、責任を背負う背中も強くあろうと努力してるところも、好きだって思った」

　言いながら驚く。
　私、いつの間にフランのことこんなに好きだったんだろう。

　けれど口に出した言葉全てが本心で、すとんと私の中に落ちるようで。

　
“この世界はゲームじゃなかった。コンテニューもリセットもできず、絶対の勝利なんてないから”

　伝えられるうちに、後悔のないように伝えなくちゃいけないから。


「だから、煽るなって言ってるだろ……！」

　嬉しさよりも何故か怒りが勝っているらしいフランが可笑しくて、私は両足をフランの腰に絡める。

「なっ」
「へーきだから、きて」

　そのまま足に力を入れると、チッと舌打ちしたフランが貪るような口付けを落とし、一気に奥までぱちゅんと突いた。


「……ッッ！」

　半分以上挿っていたとはいえ、一気に奥まで貫かれた私は思わず息を呑む。
　そんな私をどこか不安そうに見つめるフランはやっぱり可愛くて。


「フランも、言って、好きって……」
「あぁ、好きだよ、だからお前の苦しみも葛藤も俺に分けてくれ」
「んっ、私も、フラン、好き……っ」

　ゆっくりと腰を引き、ナカを確かめるように擦りながら奥を突く。
　その時間をかけた抽挿が徐々にスピードを上げると、もう話してる余裕なんかなくなってしまって。


「あ、っん、あぁっ！」
「くっ、んな締めんな……っ」
「やぁ、ぁあんっ、はんっ」

　ぐちゅぐちゅとナカをフランのでかき混ぜられ、痛みの先の快感に身を委ねる。
　白く飛びそうになる視界を彼のアッシュベージュの髪が揺れ、奥を突かれる度にパチパチと星が散った。


「やぁ、ふらん、ちゅ、ちゅーして」

　フランから与えられる刺激で視界が滲む。
　目尻に溜まった涙をちゅうっと吸いとったフランの唇が私のと重なり、一際奥を抉るように貫いたフランがそのままビュクリと劣情を放ったのだった。