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本編
1.どうしてもと、言うならば
木浦朱里、二十六歳。
東京都港区にあるネットワークサービスをメインに手広く扱っている大企業のひとつ、シーサイドエルホールディングスのエレクトロニクス事業部企画広報課として働いていた私は、同僚でもあり関連部署でもあったエレクトロニクス営業開発課勤務の畑野亮介と順調な交際をしていた……はずだった。
彼との出会いは少し前。
自身の少し目立つ見た目のせいでやたらと飲まされた飲み会だった。
セーブはしていたつもりだったが、頼んでいたお酒よりも強い酒とすり替えられたのだ。
犯人はおそらく私にベタベタと触ってきていたとある同僚男性。
遊んでいそうだから、自分も。きっとそんな軽い下心だったのだろう。
もちろんその事には一口飲んですぐに気付いた。
だがそんな男に負けたくないと持ち前の負けん気を発揮し必死に飲んだ結果は見るも無惨で、気付けば三つ年上の亮介の家にいたのである。
目覚めた時は見知らぬ天井に焦り、慌てて着衣の乱れを確認し――しっかりと着用したままだったことに安堵した反面、この状況に首を傾げたことを覚えている。
私が目覚めたことに気付いたらしい亮介はすぐに私が寝かされていた寝室に顔を出し、ミネラルウォーターを手渡してくれた。
そして自衛が甘いと説教をされたのである。
自分で言うのもアレだが、こんな据え膳状態だった女を自宅へ連れ帰った彼は結局私に指一本触れず、他の男から庇い、叱り、そしてベッドを譲ってくれたというその事実にただただ驚いた。
なんて誠実な人なのだろうと思った私は、それをキッカケにし彼と二人でよく呑みに行くようになったし、そんな二人が付き合い出すまでに時間はかからなかった。
全てが順調だった。
デートはいつも私の好きなところを探し連れていってくれたし、夜の営みも常に優しく彼がリードしてくれた。
付き合って十ヶ月でプロポーズもされた。
一年に満たない期間ではあったが、彼ももうすぐ三十だし決して早いとは思わなかった。
この人となら穏やかにこれからも共に過ごせるのだと疑わなかった私は、完全に浮かれていた。
恋に恋をして現実がちゃんと見えてなかったのかもしれない。
そうでなければ親に紹介した帰りの今、疲れたからと立ち寄ったカフェで「騙しやがったな」なんて言われるはずがないのだから。
「だ、騙したって、私が? 亮介を?」
「そうだよ、なーにが社長令嬢だ。どんな豪邸なのかと思ったら普通の一戸建てだし、聞けば従業員十人のただの町工場じゃねぇか」
今まで付き合っていた穏やかで優しい大人な彼のイメージがガラガラと崩れ、もうすぐ初夏だというのに寒気すらする。
“町工場……なのは間違いないけど”
「というか、そもそも私は自分から社長令嬢とか言ってないんだけど?」
「どーせ自分をよく見せたくて裏で噂とか流してたんだろ」
「なっ!」
その言い草に一気に頭へ血がのぼる。
確かにそんな噂があったことは知っていたが、規模は小さいものの父が町工場の経営をしており従業員も雇っている。
社長令嬢なんて大袈裟だとは理解していたが、だからと言っていちいち規模を説明して回るなんて面倒なことをするのはあまりにも非効率的だ。
騙しているつもりはなく、そもそも嘘とも言い切れない。
だが、その結果がまさかこれだとは想定外だった。
“そもそも実家の場所が群馬……北関東工業地域にあるって言われた時点でピンときてもおかしくないのに”
勝手に思い込んだのは自分なのに、言うに事欠いて私の前でこんなことを言うなんて。
しかもピークの時間帯は過ぎているとはいえカフェには他の客だっている。
そんな中、こんな場所でこんなことを言い出す相手と結婚しようという気は流石に失せるというものだ。
「あのさ、結婚のことなんだけど」
一度でもこの人と、なんて夢見た自分を呪いながら口を開いた私だったが、そんな私の言葉を遮るように憤っている亮介も口を開く。
「俺はお前が社長令嬢だっていうから結婚してやろうと思ったんだ。まさかまだ結婚して貰えると思っているのか?」
ハァッとわざとらしいくらい大きなため息を吐きながら言われたその内容に唖然とした私は最早開いた口が塞がらない。
“というかこの男、どれだけ上から目線なのよ”
「大体、普段はしっかりした女を気取ってるくせに、付き合うってなるとデートも何もかも俺任せの受け身ばっかでつまんないんだよな」
呆れ口調で重ねられる言葉に呆れたいのはこちらだ。
もしこれが私の家なら水くらいぶっかけていたのだが、ここは他の客もいるカフェだからと必死に自身を抑え込む。
亮介はというと、私が何も反論しない事をショックを受けているからだと思ったらしく、見下すようなニヤニヤ笑いを顔に浮かべた。
「それに何が一番つまんないって、セックスだよな。女はただ寝転がってれば気持ちよくして貰えるとでも思ってんの? まぁ仕方ないよな、お前俺が初めてだったもんな?」
「ッ」
「せめてもうちょっと経験積んだら? ま、そんなことが出来るならこの年まで処女じゃないか。せめて可愛く甘えておねだりできれば誰かは抱いてくれるんじゃね? 俺はごめんだけど。じゃ、俺たちはこれで終わりってことで。騙した詫びとしてここの代金くらいは払えよな」
言うだけ言って満足したのか、フンッと鼻で笑った亮介は頼んでいたアイスコーヒーを一気に飲み干しそのまま席を立つ。
もちろん伝票は置いたままだ。
“せめて自分の分くらい払っていきなさいよ……!”
怒りを通り越して呆れていたはずが一周回って再び怒りで目の前が真っ赤に染まる。
「なによ、なによなによ! だったら誰かと経験積んでやるわよっ」
決して口に出したつもりはなかったのだが、怒りに支配されていたせいかどうやら盛大にそう口走っていたらしく、突然後ろの席から吹き出された。
「え」
「あー、ごめん。笑うつもりはなかったんだけど」
笑うつもりはない、なんて口にしながらクスクスと堪えられない笑いを漏らしつつ、後ろの席の男性が振り返るように顔をこちらへと向ける。
清潔感のある黒髪は短めの前髪をワックスで真ん中に分け、端正な顔立ちが笑うと少し幼く私よりひとつかふたつ下に見えた。
「いやぁ、お姉さんちょっと見る目無さすぎない?」
「うっ」
痛いところを突かれ、がっつり聞かれていたことも確定した羞恥で一気に顔が熱くなる。
恋人――だった男とのあんな話、しかも夜の生活までも暴露されたことを改めて思い出した私は思わず彼の視線から逃げたくて思い切り俯いた。
「聞くつもりはなかったんだけど聞こえちゃって。で、聞いちゃったからには少しお節介」
「……?」
「『誰かと』は止めといた方がいいよ、また変な男を捕まえそう。だから……」
さっきまで笑っていた彼が一気に真剣な表情になったので思わずドキリと胸が跳ねて息を呑む。
「だから、どうしてもってならプロを買った方がいい」
「……」
「無理して経験を積む必要はないと思うけど、無差別な誰かと、ならお金で男を買おう」
「…………、は?」
「お金で買った相手なら後腐れもないしね。相手に何か言う権利を与えるな、諭吉で殴るんだ」
「………………はぁ……」
“緊張して損した”
というか、ドキリとした私の鼓動を返せ。
続けられた余りにも酷いアドバイスに、おちょくられているのだと感じた私は益々苛立つ。
結婚を考えた男はあんなだったし、そしてアドバイスと称して知らない男にはからかわれている。
そう考えると無性に腹が立ち、彼に当たるのは間違っていると思いながらついキッと睨んだ。
悔しくて、この行き場のない苛立ちを吐き出すように口を開く。
今思い返せば何故あんなことを言ったのか。
きっと色々重なり、もうやけくそになっていたとしか思えないのだが――その時、私の口から出たのは余りにも突飛な言葉だった。
「だったら、貴方を買うわ」
「へ?」
ぽかんとした様子の彼の前にお財布から二万出す。
「だから、貴方を買います。とりあえず今はこれしかないけど、でも従業員は十人しかいなくても本当に社長令嬢だから。一応」
「いや、あの俺は」
「提案したのは貴方のくせに、まさか断らないわよね?」
眉をひそめギロリと圧をかけつつそう言うと、うぅん、と戸惑ったような顔をしていた彼が突然笑い声をあげた。
その様子にギョッとする。
「うはっ、あははっ、嘘、マジでか。そう来る? そのやけくそな開き直りちょっと好きかも」
「は、はぁ?」
「いいよ」
ニッと口角を上げ、どこか悪戯っ子のように笑った彼は、開いていたノートパソコンと荷物をサッと片付け亮介がさっきまで座っていた席へと座り直した。
「買われてあげる」
「な、なにが……」
「買うって言ったのお姉さんだからね、クーリングオフは効かないよ」
そしてサッと私の方へ握手を求めるように手を差し出す。
「不二光希。今日からよろしく」
このあり得ない状況に、何から何まで混乱した私は不二光希と名乗るイケメンの顔と差し出されたままの手のひらをただただ交互に視線をさ迷わせたのだった。
東京都港区にあるネットワークサービスをメインに手広く扱っている大企業のひとつ、シーサイドエルホールディングスのエレクトロニクス事業部企画広報課として働いていた私は、同僚でもあり関連部署でもあったエレクトロニクス営業開発課勤務の畑野亮介と順調な交際をしていた……はずだった。
彼との出会いは少し前。
自身の少し目立つ見た目のせいでやたらと飲まされた飲み会だった。
セーブはしていたつもりだったが、頼んでいたお酒よりも強い酒とすり替えられたのだ。
犯人はおそらく私にベタベタと触ってきていたとある同僚男性。
遊んでいそうだから、自分も。きっとそんな軽い下心だったのだろう。
もちろんその事には一口飲んですぐに気付いた。
だがそんな男に負けたくないと持ち前の負けん気を発揮し必死に飲んだ結果は見るも無惨で、気付けば三つ年上の亮介の家にいたのである。
目覚めた時は見知らぬ天井に焦り、慌てて着衣の乱れを確認し――しっかりと着用したままだったことに安堵した反面、この状況に首を傾げたことを覚えている。
私が目覚めたことに気付いたらしい亮介はすぐに私が寝かされていた寝室に顔を出し、ミネラルウォーターを手渡してくれた。
そして自衛が甘いと説教をされたのである。
自分で言うのもアレだが、こんな据え膳状態だった女を自宅へ連れ帰った彼は結局私に指一本触れず、他の男から庇い、叱り、そしてベッドを譲ってくれたというその事実にただただ驚いた。
なんて誠実な人なのだろうと思った私は、それをキッカケにし彼と二人でよく呑みに行くようになったし、そんな二人が付き合い出すまでに時間はかからなかった。
全てが順調だった。
デートはいつも私の好きなところを探し連れていってくれたし、夜の営みも常に優しく彼がリードしてくれた。
付き合って十ヶ月でプロポーズもされた。
一年に満たない期間ではあったが、彼ももうすぐ三十だし決して早いとは思わなかった。
この人となら穏やかにこれからも共に過ごせるのだと疑わなかった私は、完全に浮かれていた。
恋に恋をして現実がちゃんと見えてなかったのかもしれない。
そうでなければ親に紹介した帰りの今、疲れたからと立ち寄ったカフェで「騙しやがったな」なんて言われるはずがないのだから。
「だ、騙したって、私が? 亮介を?」
「そうだよ、なーにが社長令嬢だ。どんな豪邸なのかと思ったら普通の一戸建てだし、聞けば従業員十人のただの町工場じゃねぇか」
今まで付き合っていた穏やかで優しい大人な彼のイメージがガラガラと崩れ、もうすぐ初夏だというのに寒気すらする。
“町工場……なのは間違いないけど”
「というか、そもそも私は自分から社長令嬢とか言ってないんだけど?」
「どーせ自分をよく見せたくて裏で噂とか流してたんだろ」
「なっ!」
その言い草に一気に頭へ血がのぼる。
確かにそんな噂があったことは知っていたが、規模は小さいものの父が町工場の経営をしており従業員も雇っている。
社長令嬢なんて大袈裟だとは理解していたが、だからと言っていちいち規模を説明して回るなんて面倒なことをするのはあまりにも非効率的だ。
騙しているつもりはなく、そもそも嘘とも言い切れない。
だが、その結果がまさかこれだとは想定外だった。
“そもそも実家の場所が群馬……北関東工業地域にあるって言われた時点でピンときてもおかしくないのに”
勝手に思い込んだのは自分なのに、言うに事欠いて私の前でこんなことを言うなんて。
しかもピークの時間帯は過ぎているとはいえカフェには他の客だっている。
そんな中、こんな場所でこんなことを言い出す相手と結婚しようという気は流石に失せるというものだ。
「あのさ、結婚のことなんだけど」
一度でもこの人と、なんて夢見た自分を呪いながら口を開いた私だったが、そんな私の言葉を遮るように憤っている亮介も口を開く。
「俺はお前が社長令嬢だっていうから結婚してやろうと思ったんだ。まさかまだ結婚して貰えると思っているのか?」
ハァッとわざとらしいくらい大きなため息を吐きながら言われたその内容に唖然とした私は最早開いた口が塞がらない。
“というかこの男、どれだけ上から目線なのよ”
「大体、普段はしっかりした女を気取ってるくせに、付き合うってなるとデートも何もかも俺任せの受け身ばっかでつまんないんだよな」
呆れ口調で重ねられる言葉に呆れたいのはこちらだ。
もしこれが私の家なら水くらいぶっかけていたのだが、ここは他の客もいるカフェだからと必死に自身を抑え込む。
亮介はというと、私が何も反論しない事をショックを受けているからだと思ったらしく、見下すようなニヤニヤ笑いを顔に浮かべた。
「それに何が一番つまんないって、セックスだよな。女はただ寝転がってれば気持ちよくして貰えるとでも思ってんの? まぁ仕方ないよな、お前俺が初めてだったもんな?」
「ッ」
「せめてもうちょっと経験積んだら? ま、そんなことが出来るならこの年まで処女じゃないか。せめて可愛く甘えておねだりできれば誰かは抱いてくれるんじゃね? 俺はごめんだけど。じゃ、俺たちはこれで終わりってことで。騙した詫びとしてここの代金くらいは払えよな」
言うだけ言って満足したのか、フンッと鼻で笑った亮介は頼んでいたアイスコーヒーを一気に飲み干しそのまま席を立つ。
もちろん伝票は置いたままだ。
“せめて自分の分くらい払っていきなさいよ……!”
怒りを通り越して呆れていたはずが一周回って再び怒りで目の前が真っ赤に染まる。
「なによ、なによなによ! だったら誰かと経験積んでやるわよっ」
決して口に出したつもりはなかったのだが、怒りに支配されていたせいかどうやら盛大にそう口走っていたらしく、突然後ろの席から吹き出された。
「え」
「あー、ごめん。笑うつもりはなかったんだけど」
笑うつもりはない、なんて口にしながらクスクスと堪えられない笑いを漏らしつつ、後ろの席の男性が振り返るように顔をこちらへと向ける。
清潔感のある黒髪は短めの前髪をワックスで真ん中に分け、端正な顔立ちが笑うと少し幼く私よりひとつかふたつ下に見えた。
「いやぁ、お姉さんちょっと見る目無さすぎない?」
「うっ」
痛いところを突かれ、がっつり聞かれていたことも確定した羞恥で一気に顔が熱くなる。
恋人――だった男とのあんな話、しかも夜の生活までも暴露されたことを改めて思い出した私は思わず彼の視線から逃げたくて思い切り俯いた。
「聞くつもりはなかったんだけど聞こえちゃって。で、聞いちゃったからには少しお節介」
「……?」
「『誰かと』は止めといた方がいいよ、また変な男を捕まえそう。だから……」
さっきまで笑っていた彼が一気に真剣な表情になったので思わずドキリと胸が跳ねて息を呑む。
「だから、どうしてもってならプロを買った方がいい」
「……」
「無理して経験を積む必要はないと思うけど、無差別な誰かと、ならお金で男を買おう」
「…………、は?」
「お金で買った相手なら後腐れもないしね。相手に何か言う権利を与えるな、諭吉で殴るんだ」
「………………はぁ……」
“緊張して損した”
というか、ドキリとした私の鼓動を返せ。
続けられた余りにも酷いアドバイスに、おちょくられているのだと感じた私は益々苛立つ。
結婚を考えた男はあんなだったし、そしてアドバイスと称して知らない男にはからかわれている。
そう考えると無性に腹が立ち、彼に当たるのは間違っていると思いながらついキッと睨んだ。
悔しくて、この行き場のない苛立ちを吐き出すように口を開く。
今思い返せば何故あんなことを言ったのか。
きっと色々重なり、もうやけくそになっていたとしか思えないのだが――その時、私の口から出たのは余りにも突飛な言葉だった。
「だったら、貴方を買うわ」
「へ?」
ぽかんとした様子の彼の前にお財布から二万出す。
「だから、貴方を買います。とりあえず今はこれしかないけど、でも従業員は十人しかいなくても本当に社長令嬢だから。一応」
「いや、あの俺は」
「提案したのは貴方のくせに、まさか断らないわよね?」
眉をひそめギロリと圧をかけつつそう言うと、うぅん、と戸惑ったような顔をしていた彼が突然笑い声をあげた。
その様子にギョッとする。
「うはっ、あははっ、嘘、マジでか。そう来る? そのやけくそな開き直りちょっと好きかも」
「は、はぁ?」
「いいよ」
ニッと口角を上げ、どこか悪戯っ子のように笑った彼は、開いていたノートパソコンと荷物をサッと片付け亮介がさっきまで座っていた席へと座り直した。
「買われてあげる」
「な、なにが……」
「買うって言ったのお姉さんだからね、クーリングオフは効かないよ」
そしてサッと私の方へ握手を求めるように手を差し出す。
「不二光希。今日からよろしく」
このあり得ない状況に、何から何まで混乱した私は不二光希と名乗るイケメンの顔と差し出されたままの手のひらをただただ交互に視線をさ迷わせたのだった。
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