6 / 61
だったら私が貰います!婚約破棄からはじめる溺愛婚(希望)
最終話.リベンジの夜(本当)
しおりを挟む
「⋯と!言うわけで初夜リベンジですわよ!!」
「え、えぇえ!?」
公爵家に着くと同時に私がバルフをベッドに押し倒すと、驚いたのかオリーブ色の瞳が真ん丸に見開かれていて。
“約束をバルフも覚えていてくれたのが嬉しくて、思わず押し倒したはいいけれど⋯”
可愛い、と言われたが好きとは言われてない事に気付いた私は組み敷く体勢のまま次の行動に悩まされていた。
体だけでも、とずっと想っていた相手から選ばれたのだ、それだけでも奇跡に近いとわかっているのにー⋯
“結婚した義務感からだったらどうしよう”
『もちろん結婚することになったら幸せにする努力はするつもりだったけど』というキャサリン嬢に向けたその言葉は絶妙に私へも刺さっていて。
「シエラ?」
戸惑う私を不思議に思ったのか、バルフがそっと私の頬を撫でてくれた。
「私はバルフが好き。⋯だから、義務感とか⋯その、本当に嫌なら抵抗して。最初に言ったように、いつか絶対振り向かせるつもりではいるから」
“だから、もしまだ私を好きじゃないなら”
育み始めたという自信と、それでも無理やり結婚したという事実。
揺れる瞳を見られたくなくて両目をきゅっと瞑った私に聞こえたのは、「しない」というバルフの声だった。
「そ、うよね、やっぱりまだ早ー⋯」
「抵抗なんて、しない」
「え?」
突然ぐるりと変わった体勢に驚き目を開くと、いつも穏やかだったバルフの瞳に、その表情に劣情が揺らめいている事に気付く。
「⋯ぁ⋯」
そっと胸に這わされた彼の手のひらにビクリと肩が跳ねた。
「シエラこそ、本当にいい?」
「えぇ、もちろん⋯名実共に、私を貴方の妻にしてください」
そう伝えると、バルフの喉がこくりと上下し、私も釣られて唾を呑む。
ゆっくりと、そして初めての口付けを重ねた。
「⋯好きだよ、シエラ」
口付けの合間に囁かれるその言葉が熱く胸を震わせて、私の視界を歪ませる。
「私も、私も好きなの、バルフが好き⋯」
溢れさせるようにそう告げると、私の頬を伝う涙をそっと舐め取ったバルフの唇が首に、鎖骨にとゆっくり降りてきて。
「⋯っ、ぁ⋯!」
コルセットを緩めた事でふるりとおっぱいがまろび出る。
その感触を楽しむようにもにゅもにゅと揉まれたと思ったら、そのまま爪先で先端を引っ掻くように刺激されて。
「ひゃ⋯っ!」
「ん、可愛い⋯」
囁くように言われ、そのまま熱い舌が吸い付いてきた。
強くなぞるように舌で弾かれ、私の乳首が芯を持つ。
そのまま指先と舌で同時に胸を刺激され続けた私は、あっという間に下腹部がじゅんっと熱を孕んだ。
無意識にもじもじと太股を擦り合わせてしまうその様子に気付いたのか、胸を揉んでいた片手がそっと太股の内側を撫でるように動かされる。
「ーーぁ⋯っ」
緩めたドレスをバサリと脱がせたバルフは、自身もサッと上着を脱ぎ捨てて。
「バル⋯⋯んっ」
言葉を遮るようにキスをされ、彼の舌が私の唇をなぞるように動いた。
「ん、んん⋯っ」
促されるまま薄く唇を開くと、すかさず口内へバルフの舌が差し込まれる。
そのまま私の舌を絡め取るように動かし、強く吸われた。
激しい口付けがくちゅくちゅと音を響かし、私の羞恥を誘う。
「ん⋯、ぁ、ん⋯ッ」
キスしながら右手では乳首を扱かれ、左手は徐々に太股から上がり――
――くちゅ、と重ねた唇からではない水音が聞こえた。
“!!”
「⋯良かった、ちゃんと濡れてるね」
「よ、よ、良くないッ!こんな、は、はしたない⋯っ」
「え?なんで?」
触れられる事を望んでいたのだから当然だったとはいえ、ここまであっさり溢れさせる愛液は余りにも恥ずかしくて。
しかしそんな私の心がわからないのか、きょとんとしたバルフは小さく小首を傾げてしまう。
「~~~ッ、だ、だからその、欲求不満だってバレちゃうじゃない⋯」
「バレ⋯っ!?」
渋々告げた本音に、明らかに動揺したバルフ。
私が込み上げる羞恥から目を逸らすように赤い顔を背けると。
「逸らさないで」
「へ?ー⋯ぁっ」
少し甘く掠れた声が耳をぞわりと刺激し、耳たぶを甘噛みされる。
耳の裏側から首筋に降りた彼の唇が、ぢゅっと強く私の首を吸った。
「あ、や⋯っ、見え⋯っ」
「うーん、見せつけたい気もするし俺だけのものにしたい気もする⋯」
「ッ!?」
それは、優しい彼が見せる初めての独占欲。
「⋯印なんかなくても、私の全てはバルフのものよ?」
「俺も、シエラのだ」
誓うように掠めるような口付けをすると、その口付けに合わせて彼の指がゆっくり私のナカへ挿れられて――
「あ、ぁあ⋯っ」
「凄い、シエラのナカめちゃくちゃ熱くうねってる⋯」
「や、言わな、でぇ⋯っ」
ちゅくちゅくと部屋に響く音が煽るように聞こえ、深く内側の壁を擦るように抽挿される。
初めて感じるその異物感は、好きな人から与えられているという事実だけでゾクゾクと私の体から快感を誘った。
ナカを擦る指が増え、より奥までをかき混ぜる。
その度に私の口からは嬌声が零れ落ちー⋯
ちゅぽんと一気に指が引き抜かれたと思ったら、指よりも熱いバルフのソレがあてがわれた。
「⋯良かった、勃ってる⋯」
「な⋯っ!?」
思わず本音を呟くと、驚いたのか拗ねたのか彼の瞳が少し細められて。
「⋯余裕そうだから、遠慮はしない」
「ぇ、ぁあっ」
“遠慮しないなんて言ったくせに”
ぐちゅ、とあてがわれた熱棒は私の体を最大限気遣いゆっくりと挿いってきた。
「痛く、ない?」
「ん、わか⋯、わからな⋯っ」
はっはっと浅い呼吸をしながら返事をする。
初めて男性を受け入れる私のソコは、当然痛みを伴っているのは間違いない、が。
「バルフ、バルフ⋯っ、キスして⋯っ」
「ん、可愛い、けどあんま可愛いことばっか言わないで⋯」
交わされる甘いやり取りに胸が震え、またしっかり解されていた為か痛みの中にも僅かながら快感もあって。
「ーーーッッ!!」
かなりの時間をかけコツ、と最奥まで彼のモノが到達する頃には、痛みよりも快感が占める割合が多くなっていた。
「ー⋯そろそろ、動いてもいい?」
暫くじっと動かず、私が落ち着くのを待ってくれていたバルフにそう聞かれ、私が迷わず頷くと様子を窺いながら彼がゆっくり腰を動かしはじめて。
「ーーぁ、あっ、はぁん」
溢れる嬌声を止められず、必死に彼の体にしがみつく。
そんな私の様子すら愛おしいと言うように熱を孕んだ彼の瞳が、私から痛みも理性も全て奪って。
「や、やぁ⋯っ、気持ちい、きもち⋯の!」
「ん、ほんと?いたく、ない?」
「わかんな、わかんないぃ⋯っ、でももっと、もっと欲し⋯くてっ、ひゃぁあん!」
私の言葉を聞いていたバルフが、最後まで聞かずに思い切り腰を打ち付ける。
ぱちゅんと奥まで貫かれ、また引き抜かれたと思ったら私の蜜がくぷりと溢れるようにまた奥まで突かれた。
「あ、はぁん、ぁ、あぁ⋯ッ」
ズンズンと奥を何度も刺激され、絡み付くような水音を部屋に響かせて。
肌がぶつかる音に合わせて私の瞳の奥もパチパチと星が散る。
獣のように求め合い貪り合った私達は、互いの愛に飢えていて。
「ー⋯ん、そろそろ⋯っ」
「ぁん、きて、バルフ⋯っ」
子宮口を抉じ開けるように深く貫かれ、じわりと熱が広がり彼の精が放たれたのを全身で感じる。
ガクガクと腰が震えるのは、彼から与えられた快感で絶頂を促されたからで――
「⋯愛してる、シエラ」
「私も⋯」
重ねるだけのキスをし、心地好い倦怠感に身を任せそのまま目を閉じた。
「ん⋯」
ふと目を覚ます。
カーテンから入る光の加減から、まだ明け方近くだと知った。
“服、しっかり着てる⋯”
一瞬全て夢だったのでは?と不安になるが、確かに残る下腹部の異物感に安堵する。
ほっと息を吐くと、彼を起こしてしまったようで。
「ん⋯、シエラ?」
「あ、ごめんなさいバルフ。まだ寝てていい時間よ」
「んー⋯、体は、だいじょぶ?」
まだ寝惚けているのかいつもより舌足らずな物言いが可愛く、そっと頭を撫でる。
相変わらず見た目に反して柔らかな髪が気持ち良く、その指通りを楽しんでいると――
「ひ、ひゃぁあっ!?」
ぐっと腰に腕を回されたと思ったら、そのまま引き摺り込まれるように気付けば彼の腕の中にすっぽり抱き寄せられていて。
「⋯余裕そうなら遠慮しないって言ったはずだけど?」
「え⋯、ば、バルフ⋯?」
ニッと笑った彼の顔がどこか劣情を孕んでいる事に気付き私はゴクリと唾を呑み込んだ。
初夜の時とは完全に形勢逆転しているが、それが何よりも嬉しくて。
「か、かかってきなさい⋯!」
「んー、なんか違う気がするけどまぁいいか」
意を決して両腕を広げると、そのまま強く抱き締められる。
最初は掠めるように、次に唇で唇を軽く挟むように。
少しずつ深くなるその口付けに、その甘さに。
全てを委ね、私はそっと目を閉じた――
「え、えぇえ!?」
公爵家に着くと同時に私がバルフをベッドに押し倒すと、驚いたのかオリーブ色の瞳が真ん丸に見開かれていて。
“約束をバルフも覚えていてくれたのが嬉しくて、思わず押し倒したはいいけれど⋯”
可愛い、と言われたが好きとは言われてない事に気付いた私は組み敷く体勢のまま次の行動に悩まされていた。
体だけでも、とずっと想っていた相手から選ばれたのだ、それだけでも奇跡に近いとわかっているのにー⋯
“結婚した義務感からだったらどうしよう”
『もちろん結婚することになったら幸せにする努力はするつもりだったけど』というキャサリン嬢に向けたその言葉は絶妙に私へも刺さっていて。
「シエラ?」
戸惑う私を不思議に思ったのか、バルフがそっと私の頬を撫でてくれた。
「私はバルフが好き。⋯だから、義務感とか⋯その、本当に嫌なら抵抗して。最初に言ったように、いつか絶対振り向かせるつもりではいるから」
“だから、もしまだ私を好きじゃないなら”
育み始めたという自信と、それでも無理やり結婚したという事実。
揺れる瞳を見られたくなくて両目をきゅっと瞑った私に聞こえたのは、「しない」というバルフの声だった。
「そ、うよね、やっぱりまだ早ー⋯」
「抵抗なんて、しない」
「え?」
突然ぐるりと変わった体勢に驚き目を開くと、いつも穏やかだったバルフの瞳に、その表情に劣情が揺らめいている事に気付く。
「⋯ぁ⋯」
そっと胸に這わされた彼の手のひらにビクリと肩が跳ねた。
「シエラこそ、本当にいい?」
「えぇ、もちろん⋯名実共に、私を貴方の妻にしてください」
そう伝えると、バルフの喉がこくりと上下し、私も釣られて唾を呑む。
ゆっくりと、そして初めての口付けを重ねた。
「⋯好きだよ、シエラ」
口付けの合間に囁かれるその言葉が熱く胸を震わせて、私の視界を歪ませる。
「私も、私も好きなの、バルフが好き⋯」
溢れさせるようにそう告げると、私の頬を伝う涙をそっと舐め取ったバルフの唇が首に、鎖骨にとゆっくり降りてきて。
「⋯っ、ぁ⋯!」
コルセットを緩めた事でふるりとおっぱいがまろび出る。
その感触を楽しむようにもにゅもにゅと揉まれたと思ったら、そのまま爪先で先端を引っ掻くように刺激されて。
「ひゃ⋯っ!」
「ん、可愛い⋯」
囁くように言われ、そのまま熱い舌が吸い付いてきた。
強くなぞるように舌で弾かれ、私の乳首が芯を持つ。
そのまま指先と舌で同時に胸を刺激され続けた私は、あっという間に下腹部がじゅんっと熱を孕んだ。
無意識にもじもじと太股を擦り合わせてしまうその様子に気付いたのか、胸を揉んでいた片手がそっと太股の内側を撫でるように動かされる。
「ーーぁ⋯っ」
緩めたドレスをバサリと脱がせたバルフは、自身もサッと上着を脱ぎ捨てて。
「バル⋯⋯んっ」
言葉を遮るようにキスをされ、彼の舌が私の唇をなぞるように動いた。
「ん、んん⋯っ」
促されるまま薄く唇を開くと、すかさず口内へバルフの舌が差し込まれる。
そのまま私の舌を絡め取るように動かし、強く吸われた。
激しい口付けがくちゅくちゅと音を響かし、私の羞恥を誘う。
「ん⋯、ぁ、ん⋯ッ」
キスしながら右手では乳首を扱かれ、左手は徐々に太股から上がり――
――くちゅ、と重ねた唇からではない水音が聞こえた。
“!!”
「⋯良かった、ちゃんと濡れてるね」
「よ、よ、良くないッ!こんな、は、はしたない⋯っ」
「え?なんで?」
触れられる事を望んでいたのだから当然だったとはいえ、ここまであっさり溢れさせる愛液は余りにも恥ずかしくて。
しかしそんな私の心がわからないのか、きょとんとしたバルフは小さく小首を傾げてしまう。
「~~~ッ、だ、だからその、欲求不満だってバレちゃうじゃない⋯」
「バレ⋯っ!?」
渋々告げた本音に、明らかに動揺したバルフ。
私が込み上げる羞恥から目を逸らすように赤い顔を背けると。
「逸らさないで」
「へ?ー⋯ぁっ」
少し甘く掠れた声が耳をぞわりと刺激し、耳たぶを甘噛みされる。
耳の裏側から首筋に降りた彼の唇が、ぢゅっと強く私の首を吸った。
「あ、や⋯っ、見え⋯っ」
「うーん、見せつけたい気もするし俺だけのものにしたい気もする⋯」
「ッ!?」
それは、優しい彼が見せる初めての独占欲。
「⋯印なんかなくても、私の全てはバルフのものよ?」
「俺も、シエラのだ」
誓うように掠めるような口付けをすると、その口付けに合わせて彼の指がゆっくり私のナカへ挿れられて――
「あ、ぁあ⋯っ」
「凄い、シエラのナカめちゃくちゃ熱くうねってる⋯」
「や、言わな、でぇ⋯っ」
ちゅくちゅくと部屋に響く音が煽るように聞こえ、深く内側の壁を擦るように抽挿される。
初めて感じるその異物感は、好きな人から与えられているという事実だけでゾクゾクと私の体から快感を誘った。
ナカを擦る指が増え、より奥までをかき混ぜる。
その度に私の口からは嬌声が零れ落ちー⋯
ちゅぽんと一気に指が引き抜かれたと思ったら、指よりも熱いバルフのソレがあてがわれた。
「⋯良かった、勃ってる⋯」
「な⋯っ!?」
思わず本音を呟くと、驚いたのか拗ねたのか彼の瞳が少し細められて。
「⋯余裕そうだから、遠慮はしない」
「ぇ、ぁあっ」
“遠慮しないなんて言ったくせに”
ぐちゅ、とあてがわれた熱棒は私の体を最大限気遣いゆっくりと挿いってきた。
「痛く、ない?」
「ん、わか⋯、わからな⋯っ」
はっはっと浅い呼吸をしながら返事をする。
初めて男性を受け入れる私のソコは、当然痛みを伴っているのは間違いない、が。
「バルフ、バルフ⋯っ、キスして⋯っ」
「ん、可愛い、けどあんま可愛いことばっか言わないで⋯」
交わされる甘いやり取りに胸が震え、またしっかり解されていた為か痛みの中にも僅かながら快感もあって。
「ーーーッッ!!」
かなりの時間をかけコツ、と最奥まで彼のモノが到達する頃には、痛みよりも快感が占める割合が多くなっていた。
「ー⋯そろそろ、動いてもいい?」
暫くじっと動かず、私が落ち着くのを待ってくれていたバルフにそう聞かれ、私が迷わず頷くと様子を窺いながら彼がゆっくり腰を動かしはじめて。
「ーーぁ、あっ、はぁん」
溢れる嬌声を止められず、必死に彼の体にしがみつく。
そんな私の様子すら愛おしいと言うように熱を孕んだ彼の瞳が、私から痛みも理性も全て奪って。
「や、やぁ⋯っ、気持ちい、きもち⋯の!」
「ん、ほんと?いたく、ない?」
「わかんな、わかんないぃ⋯っ、でももっと、もっと欲し⋯くてっ、ひゃぁあん!」
私の言葉を聞いていたバルフが、最後まで聞かずに思い切り腰を打ち付ける。
ぱちゅんと奥まで貫かれ、また引き抜かれたと思ったら私の蜜がくぷりと溢れるようにまた奥まで突かれた。
「あ、はぁん、ぁ、あぁ⋯ッ」
ズンズンと奥を何度も刺激され、絡み付くような水音を部屋に響かせて。
肌がぶつかる音に合わせて私の瞳の奥もパチパチと星が散る。
獣のように求め合い貪り合った私達は、互いの愛に飢えていて。
「ー⋯ん、そろそろ⋯っ」
「ぁん、きて、バルフ⋯っ」
子宮口を抉じ開けるように深く貫かれ、じわりと熱が広がり彼の精が放たれたのを全身で感じる。
ガクガクと腰が震えるのは、彼から与えられた快感で絶頂を促されたからで――
「⋯愛してる、シエラ」
「私も⋯」
重ねるだけのキスをし、心地好い倦怠感に身を任せそのまま目を閉じた。
「ん⋯」
ふと目を覚ます。
カーテンから入る光の加減から、まだ明け方近くだと知った。
“服、しっかり着てる⋯”
一瞬全て夢だったのでは?と不安になるが、確かに残る下腹部の異物感に安堵する。
ほっと息を吐くと、彼を起こしてしまったようで。
「ん⋯、シエラ?」
「あ、ごめんなさいバルフ。まだ寝てていい時間よ」
「んー⋯、体は、だいじょぶ?」
まだ寝惚けているのかいつもより舌足らずな物言いが可愛く、そっと頭を撫でる。
相変わらず見た目に反して柔らかな髪が気持ち良く、その指通りを楽しんでいると――
「ひ、ひゃぁあっ!?」
ぐっと腰に腕を回されたと思ったら、そのまま引き摺り込まれるように気付けば彼の腕の中にすっぽり抱き寄せられていて。
「⋯余裕そうなら遠慮しないって言ったはずだけど?」
「え⋯、ば、バルフ⋯?」
ニッと笑った彼の顔がどこか劣情を孕んでいる事に気付き私はゴクリと唾を呑み込んだ。
初夜の時とは完全に形勢逆転しているが、それが何よりも嬉しくて。
「か、かかってきなさい⋯!」
「んー、なんか違う気がするけどまぁいいか」
意を決して両腕を広げると、そのまま強く抱き締められる。
最初は掠めるように、次に唇で唇を軽く挟むように。
少しずつ深くなるその口付けに、その甘さに。
全てを委ね、私はそっと目を閉じた――
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる