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第2章 希望と憎悪
勝ちはすべてか否か
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――さっき、沢山の人と会った。
古都音さんがとびきりの美少女で、色々苦労した。
そんな、頭の回らない状況でアマツの病室に向かっている途中。
俺は前方に異変を感じて、臨戦態勢を取る。
「ファーヴニル君!」
――蒼穹城(そらしろ)進(しん)である。
目の前に復讐対象が、輝きださんばかりの笑顔で駆け寄ってきた。
嫌悪感以上の何も抱かない顔をひっさげて、やってきた彼は俺に何度も頭を下げている。
「昨日はありがとう! ありがとう!
――いやー、お陰で軽い火傷ですんだし、今日こうやって普通に歩けるようになったよ」
……正直な感想を言っていいだろうか。
俺は今、とてつもなく気持ちが悪い。
理由は簡単だ。
蒼穹城進が心底憎いからである。
「ああ、うん」
「本当に感謝しているんだよ! お父様も使いを出すって言ってたし、ファーヴニル家と良好な関係を結んでいきたいからね!」
ファーヴニル家だとおもって使いを送ったら、そこに冷躯さんがいた場合どうするんだろう。
俺は特に気にしないことにした。まあ、助けたのは事実だが。
蒼穹城のテンションの高いところ、誠に申し訳ない。
申し訳ないんだが、俺はお前と良好な関係を結んでいきたいだなんて、今はこれっぽっちも考えていない。
お前の為に助けたわけじゃない。
――別に、ツンデレとかでも全然無くて、本心だ。
あのまま火威アマツが蒼穹城を焼き尽くしていたら、俺の復讐のチャンスがなくなっていたし。
アマツが罪に問われてしまう。
試合中は怪我しようが死亡しようが、それは自己責任で良いらしいが。
試験官が一応ながらにも、「試験中止」を宣言してしまったからな。
……だから、仕方なく助けただけだ。
「これからもよろしくね? 出来れば、こっち側に着いてくれるとありがたいのだけど」
「安心しろ」
俺は笑顔を彼に見せることとした。
何を勘違いしたのか、蒼穹城もまた笑顔を返してくる。
「安心しろ、ないから」
「なんで?」
彼の笑顔は何処へやら、次は怪訝な顔に変わっていた。
まあ、まだ何も彼は知らないからな。
そっち側には誰にもまだ気づかれていないし、ゆっくり計画を進めることが出来そうだ。非常にありがたいことである。
「――んー。でも、やっぱりこの前が初対面じゃないと思うんだよね」
「うん、初めてじゃないよ」
「いや、そういう意味じゃ無いと思う」
そういう意味だよ。
蒼穹城は、俺が彼を傍から見ただけだとか、そういう物だと勘違いしているんだろうか。
「――ずっと前に、友人だったようなそんな感覚がするんだよね」
「その覚えは、ないな」
これは嘘だ。
昔は友人だったさ。
こんな、殆どの人を見下している人でさえ、刀眞家とは仲が良かったんだからな。
性格の共通点が沢山あるからね。
ただ、蒼穹城のまだマシな所は。
東雲と違って、まだ「助けられたから、礼を言う」程度のことは出来るということだ。
東雲は、それすら当然だと思っている。
「では俺は、これで」
「ちょっと待ってよ。――絶対、どこかで会ったことあるよね」
「……後々分かるとおもうよ」
善機寺のように俺と対峙したとき、分かるさ。
蒼穹城なら分かるよ。
――そしてその時が、俺の復讐の時だ。
「その目。何か、僕が君にしたかな」
「蒼穹城家の長男だろ。悪行の10や20、積み重ねてきてるだろう」
正直、自覚がありすぎて分からないや、と。
悪びれることもなく、蒼穹城が言う。
頭が痛くなってきた。
さっきからこの人を怒らせようとしているんだけど、テンションが高いのが原因か、全然怒りのボルテージが上がる気がしない。
「もしかしたら、他の人達からみたらそうなのかもしれないけど。悪行なんてないよ。力がある人がすべて、勝者がすべて。それが正義なんだ」
「それは、そうかもな」
だからこそ、俺は全力でお前を敗北者にしてやる。
そうすれば、蒼穹城進は。
「悪」
に、なるんだもんな?
古都音さんがとびきりの美少女で、色々苦労した。
そんな、頭の回らない状況でアマツの病室に向かっている途中。
俺は前方に異変を感じて、臨戦態勢を取る。
「ファーヴニル君!」
――蒼穹城(そらしろ)進(しん)である。
目の前に復讐対象が、輝きださんばかりの笑顔で駆け寄ってきた。
嫌悪感以上の何も抱かない顔をひっさげて、やってきた彼は俺に何度も頭を下げている。
「昨日はありがとう! ありがとう!
――いやー、お陰で軽い火傷ですんだし、今日こうやって普通に歩けるようになったよ」
……正直な感想を言っていいだろうか。
俺は今、とてつもなく気持ちが悪い。
理由は簡単だ。
蒼穹城進が心底憎いからである。
「ああ、うん」
「本当に感謝しているんだよ! お父様も使いを出すって言ってたし、ファーヴニル家と良好な関係を結んでいきたいからね!」
ファーヴニル家だとおもって使いを送ったら、そこに冷躯さんがいた場合どうするんだろう。
俺は特に気にしないことにした。まあ、助けたのは事実だが。
蒼穹城のテンションの高いところ、誠に申し訳ない。
申し訳ないんだが、俺はお前と良好な関係を結んでいきたいだなんて、今はこれっぽっちも考えていない。
お前の為に助けたわけじゃない。
――別に、ツンデレとかでも全然無くて、本心だ。
あのまま火威アマツが蒼穹城を焼き尽くしていたら、俺の復讐のチャンスがなくなっていたし。
アマツが罪に問われてしまう。
試合中は怪我しようが死亡しようが、それは自己責任で良いらしいが。
試験官が一応ながらにも、「試験中止」を宣言してしまったからな。
……だから、仕方なく助けただけだ。
「これからもよろしくね? 出来れば、こっち側に着いてくれるとありがたいのだけど」
「安心しろ」
俺は笑顔を彼に見せることとした。
何を勘違いしたのか、蒼穹城もまた笑顔を返してくる。
「安心しろ、ないから」
「なんで?」
彼の笑顔は何処へやら、次は怪訝な顔に変わっていた。
まあ、まだ何も彼は知らないからな。
そっち側には誰にもまだ気づかれていないし、ゆっくり計画を進めることが出来そうだ。非常にありがたいことである。
「――んー。でも、やっぱりこの前が初対面じゃないと思うんだよね」
「うん、初めてじゃないよ」
「いや、そういう意味じゃ無いと思う」
そういう意味だよ。
蒼穹城は、俺が彼を傍から見ただけだとか、そういう物だと勘違いしているんだろうか。
「――ずっと前に、友人だったようなそんな感覚がするんだよね」
「その覚えは、ないな」
これは嘘だ。
昔は友人だったさ。
こんな、殆どの人を見下している人でさえ、刀眞家とは仲が良かったんだからな。
性格の共通点が沢山あるからね。
ただ、蒼穹城のまだマシな所は。
東雲と違って、まだ「助けられたから、礼を言う」程度のことは出来るということだ。
東雲は、それすら当然だと思っている。
「では俺は、これで」
「ちょっと待ってよ。――絶対、どこかで会ったことあるよね」
「……後々分かるとおもうよ」
善機寺のように俺と対峙したとき、分かるさ。
蒼穹城なら分かるよ。
――そしてその時が、俺の復讐の時だ。
「その目。何か、僕が君にしたかな」
「蒼穹城家の長男だろ。悪行の10や20、積み重ねてきてるだろう」
正直、自覚がありすぎて分からないや、と。
悪びれることもなく、蒼穹城が言う。
頭が痛くなってきた。
さっきからこの人を怒らせようとしているんだけど、テンションが高いのが原因か、全然怒りのボルテージが上がる気がしない。
「もしかしたら、他の人達からみたらそうなのかもしれないけど。悪行なんてないよ。力がある人がすべて、勝者がすべて。それが正義なんだ」
「それは、そうかもな」
だからこそ、俺は全力でお前を敗北者にしてやる。
そうすれば、蒼穹城進は。
「悪」
に、なるんだもんな?
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