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第一章 サハル砂漠編
9 私自身の事
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創造主の薬鯨はかなりのおしゃべりだった。
悪い奴ではなさそうだと感じた。
「あの、一つ質問なんですが、
どこかで鯨が死んだと聞いたのですが、ご存じですか?」
俺は尋ねてみた。
「そんなこととっくに知っとるわい。
それよりも、お主はもっと重要な事を聞かなくて良いのか?」
「重要な事?」
「お主自身についてじゃよ。
お主はこの世界では異質な者じゃ、そういう扱いを受けた記憶はないか?」
そういえば、思い当たる節が……
ない!?
俺はこれまで優しく接しられてきた記憶しかない、みんな良い人ばかりだった。
「すいません。そういう扱いを受けた記憶はありません」
俺は正直に答えた。
「そうか、ならお主は運が良い」
「あ……」
「どうした? やはり、思い当たる節があったかのう?」
「いえ、そういう事ではないのですが、白髪で瞳の青い少女に出会った事があります。
あれがどこなのか、はっきりとは覚えていませんが、確実に出会いました」
「ほぉう~… 白髪の瞳の青い少女…
知らぬな! まぁそれはあれじゃろ、なんというか、まぁただの出会いじゃ!」
えぇーーーーー!!
あれだけ言っといて、結局知らないのかよ!
っと突っ込みを入れたくなった。
だが他にも思い当たることを話そうと思い、俺は続けた。
「そうですか。あはは、ですよね~
他には、ミぜさんとアインに会いました。
ミーゼロッテさんは、金髪でとても活気のある人でした。
アインは、そうですね、巨人の斧アトラスという神器を持っていた少年でしたね」
「何!? ミぜに会ったのか、お主」
「あっ…はい…」
「おぉ、そうかそうか! それはめでたいのう~」
「何か良い事でもあったんですか?」
「まぁあれじゃ、言いにくいのじゃが、ミぜはわしの嫁じゃ」
「はぁ!? あの人が薬鯨の嫁!?
どういうことですか?」
驚いた。この世界では種族の壁すら超えて、結婚できるのか。
「まぁ会ったことは一度もないがな」
「はい? それって、どういう…?」
「あやつはわしの巫女じゃ、つまり、契約を結んだ張本人がミーゼロッテという訳じゃ」
「契約?」
「何だお主、契約の事も知らんのか。
契約は、それぞれの鯨に対する生贄として捧げられた人物と交わす約束事みたいなものじゃな。
その契約者は契約した鯨の加護を得る。
契約の儀式はそれぞれの国で行われるからのう、わしらはその儀式が終わってからじゃないと
気が付かないのじゃ。
なんか力が奪われた感じがして、嫌いなんじゃよ、あれ。
そして、わしの契約者の相手がミぜという訳じゃ」
終わってからじゃないと気が付かないなんて、
意外と鯨って鈍感なんだなと思う。
「なるほど……
そんなことが出来るんですね、教えてくださり、ありがとうございます」
俺はこの世界の契約という事を知った。
そして、ミぜが薬鯨の加護を契約によって得ていることも知った。
「そんなことより、さっきから巨人臭いと思うておったら、
巨人の斧アトラスと出会っておったのか。
あやつまだ生きておったんじゃな。
確か、何百年か前に、あやつ武具に封印されておったが、
今もあやつは武具の中におるのか?」
「あっ、僕は会ってはいないと思います。
はっきりとは覚えていませんが、アインは持っている斧の事をアトラスと言っていました。
神器とか言っていた気がします」
「あぁ! そうじゃそうじゃ、神器とかいう物があるんじゃったな。
それも一応契約の一種じゃぞ、どうやってするのか詳しくは知らぬが、
魔女の杖グローア・巨人の斧アトラス・精霊の槍エルフの三つじゃった気がするぞい」
「へー、そうなんですね。
ご丁寧にありがとうございます!」
俺はこの薬鯨からこの後も様々な事を教わった。
魔女の杖はとてもめんどくさく、創生術が使わせてもらえなくなることや、
精霊の槍は、四大精霊が宿っていて、四種の創生術が使えること。
他にも、古典術式をについても教えてもらった。
最後に、俺はもしかしたら鯨子シンガーの末裔かもしれないという事も言われた。
悪い奴ではなさそうだと感じた。
「あの、一つ質問なんですが、
どこかで鯨が死んだと聞いたのですが、ご存じですか?」
俺は尋ねてみた。
「そんなこととっくに知っとるわい。
それよりも、お主はもっと重要な事を聞かなくて良いのか?」
「重要な事?」
「お主自身についてじゃよ。
お主はこの世界では異質な者じゃ、そういう扱いを受けた記憶はないか?」
そういえば、思い当たる節が……
ない!?
俺はこれまで優しく接しられてきた記憶しかない、みんな良い人ばかりだった。
「すいません。そういう扱いを受けた記憶はありません」
俺は正直に答えた。
「そうか、ならお主は運が良い」
「あ……」
「どうした? やはり、思い当たる節があったかのう?」
「いえ、そういう事ではないのですが、白髪で瞳の青い少女に出会った事があります。
あれがどこなのか、はっきりとは覚えていませんが、確実に出会いました」
「ほぉう~… 白髪の瞳の青い少女…
知らぬな! まぁそれはあれじゃろ、なんというか、まぁただの出会いじゃ!」
えぇーーーーー!!
あれだけ言っといて、結局知らないのかよ!
っと突っ込みを入れたくなった。
だが他にも思い当たることを話そうと思い、俺は続けた。
「そうですか。あはは、ですよね~
他には、ミぜさんとアインに会いました。
ミーゼロッテさんは、金髪でとても活気のある人でした。
アインは、そうですね、巨人の斧アトラスという神器を持っていた少年でしたね」
「何!? ミぜに会ったのか、お主」
「あっ…はい…」
「おぉ、そうかそうか! それはめでたいのう~」
「何か良い事でもあったんですか?」
「まぁあれじゃ、言いにくいのじゃが、ミぜはわしの嫁じゃ」
「はぁ!? あの人が薬鯨の嫁!?
どういうことですか?」
驚いた。この世界では種族の壁すら超えて、結婚できるのか。
「まぁ会ったことは一度もないがな」
「はい? それって、どういう…?」
「あやつはわしの巫女じゃ、つまり、契約を結んだ張本人がミーゼロッテという訳じゃ」
「契約?」
「何だお主、契約の事も知らんのか。
契約は、それぞれの鯨に対する生贄として捧げられた人物と交わす約束事みたいなものじゃな。
その契約者は契約した鯨の加護を得る。
契約の儀式はそれぞれの国で行われるからのう、わしらはその儀式が終わってからじゃないと
気が付かないのじゃ。
なんか力が奪われた感じがして、嫌いなんじゃよ、あれ。
そして、わしの契約者の相手がミぜという訳じゃ」
終わってからじゃないと気が付かないなんて、
意外と鯨って鈍感なんだなと思う。
「なるほど……
そんなことが出来るんですね、教えてくださり、ありがとうございます」
俺はこの世界の契約という事を知った。
そして、ミぜが薬鯨の加護を契約によって得ていることも知った。
「そんなことより、さっきから巨人臭いと思うておったら、
巨人の斧アトラスと出会っておったのか。
あやつまだ生きておったんじゃな。
確か、何百年か前に、あやつ武具に封印されておったが、
今もあやつは武具の中におるのか?」
「あっ、僕は会ってはいないと思います。
はっきりとは覚えていませんが、アインは持っている斧の事をアトラスと言っていました。
神器とか言っていた気がします」
「あぁ! そうじゃそうじゃ、神器とかいう物があるんじゃったな。
それも一応契約の一種じゃぞ、どうやってするのか詳しくは知らぬが、
魔女の杖グローア・巨人の斧アトラス・精霊の槍エルフの三つじゃった気がするぞい」
「へー、そうなんですね。
ご丁寧にありがとうございます!」
俺はこの薬鯨からこの後も様々な事を教わった。
魔女の杖はとてもめんどくさく、創生術が使わせてもらえなくなることや、
精霊の槍は、四大精霊が宿っていて、四種の創生術が使えること。
他にも、古典術式をについても教えてもらった。
最後に、俺はもしかしたら鯨子シンガーの末裔かもしれないという事も言われた。
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