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第一章 サハル砂漠編
13 厄災
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俺は、巨大都市エルローシャへと向かっていた。
「あぁ! もう! いつになったら出られるんだよ、この迷宮は!」
俺は多少の苛立ちと、嫌悪から叫んだ。
薬鯨の加護を得てからというもの、それを使う毎日が続いた。
天使の指輪があっても、俺は倒れるように眠る日々が多かった。
そんなある時、また、薬鯨に出会った時と同じようにウタが聞こえてきた事があった。
「♪~~♪♪~~」
「いいウタ」
俺は咄嗟に口ずさんでしまった。
「やはりか。
お主には聞こえておるんじゃな、このウタが。
わしも長い間生きてきたが、ウタを聞こえるという人間はここ最近は、
全くと言っていいほど見ておらん。
そのことは外の世界に出たら、黙っていた方が良いぞ」
俺は薬鯨に言われたことを思いだした。
ウタが聞こえるというのは、多分、よくない事なのだろう。
「わかりました」
「お主もそろそろここを出ていった方が、よいじゃろう。
これは空鯨の死へ向かう歌じゃ」
「それじゃあ、もう……空鯨は助からないんですか……?」
「そうじゃな、また世界の均衡が崩れる」
そこから先の事は俺も詳しく聞けなかった。
もう早く行かないと、街が壊滅するかもしれんぞ、と催促されて、
俺は薬鯨の場所を離れることになった。
また、薬鯨は、古典術式については教えられないと言っていた。
そもそも、鯨とそれ以外では、創生術の使う根本がどうやら違うらしい。
教えられないというよりは分からないといった感じだった。
薬鯨は、創生術を身に着け、加護や武具に頼らない強さを得たいのであれば、
巨大都市エルローシャへ向かえ、と言っていた。
そこには、創生術を教えている学院があるらしい。
古典術式が学べるかどうかは分からないが、創生術の基本とその応用なら学べるだろう、
と言っていた。
確かに、俺はこの世界に来てからは武具の使い方も、マナを操作した創生術の使い方も
分からないままだった。
「お!そうじゃったそうじゃった。
ずっと言い忘れておったんじゃがな、契約の際にお主に名を与えておいたぞ。
アベル・リストリア、それがお主の名じゃ。」
最後に薬鯨は俺に向かってそう言った。
「え? 名前を? ありがとうございます!」
「小さな契約の一種じゃ、名前くらいくれてやるわい。
それに、これから学院に行くのじゃろ?
ならば、名がなければ何かと不便じゃろう」
「アベル・リストリア……
これからはそう名乗ります。今までありがとうございました!」
俺は薬鯨に言われるがまま、転移陣でサハル砂漠の下層のところへと追いやられた。
そして、歩いている今に至る。
だが、一向に先が見えない。
どうしたものか。
日が暮れてきたので、俺は砂漠の端っこに見えた、洞窟の中に入った。
この洞窟をまた、辿って行けば、また薬鯨の元にたどり着けるのだろうか?
そんなことを考えていると、かすかだが、遠くから人間の足音がする。
「誰だ……?」
俺は身を構える。
カツ、カツ、と杖を突く音が一定のリズムで聞こえ、確実にこちらに近づいてくる。
「……ッ!!」
俺は身を引くと、
「おぉ、こんなところに人がいるなんて珍しい、どうしたんだ?」
と、尋ねられた。
そこには、がたいの良い男性が暗闇の中から現れた。
「あぁ! もう! いつになったら出られるんだよ、この迷宮は!」
俺は多少の苛立ちと、嫌悪から叫んだ。
薬鯨の加護を得てからというもの、それを使う毎日が続いた。
天使の指輪があっても、俺は倒れるように眠る日々が多かった。
そんなある時、また、薬鯨に出会った時と同じようにウタが聞こえてきた事があった。
「♪~~♪♪~~」
「いいウタ」
俺は咄嗟に口ずさんでしまった。
「やはりか。
お主には聞こえておるんじゃな、このウタが。
わしも長い間生きてきたが、ウタを聞こえるという人間はここ最近は、
全くと言っていいほど見ておらん。
そのことは外の世界に出たら、黙っていた方が良いぞ」
俺は薬鯨に言われたことを思いだした。
ウタが聞こえるというのは、多分、よくない事なのだろう。
「わかりました」
「お主もそろそろここを出ていった方が、よいじゃろう。
これは空鯨の死へ向かう歌じゃ」
「それじゃあ、もう……空鯨は助からないんですか……?」
「そうじゃな、また世界の均衡が崩れる」
そこから先の事は俺も詳しく聞けなかった。
もう早く行かないと、街が壊滅するかもしれんぞ、と催促されて、
俺は薬鯨の場所を離れることになった。
また、薬鯨は、古典術式については教えられないと言っていた。
そもそも、鯨とそれ以外では、創生術の使う根本がどうやら違うらしい。
教えられないというよりは分からないといった感じだった。
薬鯨は、創生術を身に着け、加護や武具に頼らない強さを得たいのであれば、
巨大都市エルローシャへ向かえ、と言っていた。
そこには、創生術を教えている学院があるらしい。
古典術式が学べるかどうかは分からないが、創生術の基本とその応用なら学べるだろう、
と言っていた。
確かに、俺はこの世界に来てからは武具の使い方も、マナを操作した創生術の使い方も
分からないままだった。
「お!そうじゃったそうじゃった。
ずっと言い忘れておったんじゃがな、契約の際にお主に名を与えておいたぞ。
アベル・リストリア、それがお主の名じゃ。」
最後に薬鯨は俺に向かってそう言った。
「え? 名前を? ありがとうございます!」
「小さな契約の一種じゃ、名前くらいくれてやるわい。
それに、これから学院に行くのじゃろ?
ならば、名がなければ何かと不便じゃろう」
「アベル・リストリア……
これからはそう名乗ります。今までありがとうございました!」
俺は薬鯨に言われるがまま、転移陣でサハル砂漠の下層のところへと追いやられた。
そして、歩いている今に至る。
だが、一向に先が見えない。
どうしたものか。
日が暮れてきたので、俺は砂漠の端っこに見えた、洞窟の中に入った。
この洞窟をまた、辿って行けば、また薬鯨の元にたどり着けるのだろうか?
そんなことを考えていると、かすかだが、遠くから人間の足音がする。
「誰だ……?」
俺は身を構える。
カツ、カツ、と杖を突く音が一定のリズムで聞こえ、確実にこちらに近づいてくる。
「……ッ!!」
俺は身を引くと、
「おぉ、こんなところに人がいるなんて珍しい、どうしたんだ?」
と、尋ねられた。
そこには、がたいの良い男性が暗闇の中から現れた。
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