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第一章 サハル砂漠編
14 探索家との出会い
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「あなたは誰ですか?」
俺は尋ねた。
この男が敵だったら、まずい。薬鯨の存在を教えるわけにはいかない。
「実はのう、わしら鯨を殺そうと狙っている奴らがいるそうなのじゃ」
薬鯨が分かれ間際に言っていたことを思い出す。
「わしらの死=この世界の消滅を意味しておる。
それを空鯨が教えてくれたのじゃ」
「先ほどのウタですか?」
「そうじゃ、あれはわしらのコミュニケーションの一部じゃからな」
俺は最後に薬鯨が言っていたことが脳裏に浮かんだ。
絶対に彼らは守らなければならない。
もう何も失いたくはない。諦めたくはない。
「俺は探索家のロイド・フェンネス、よろしく頼むよ。
ここら辺はただでさえ、人間の出入りがないから、同じ探索家に会えて嬉しいよ」
「あなたは何を探し求めて、この場所にいるのですか?」
「いや、それは探索家は皆同じだろ。
鯨の鱗を探して奴がほとんどだと思うが、違うのか?」
「そうですか、分かりました」
この人に悪意はなさそうだ。大丈夫そうだ。
薬鯨から聞いた話だが、ここに来る人間の大体は探索家らしい。
そして、彼らは皆平等に鯨を鱗を探していると言っていた。
その鱗は、実際のところ、あの薬鯨の鱗なのだが、その鱗を煎じて、飲むと、
不治の病でも治るという伝説があるらしい。
それはとても微小な力だが、人間の病を治すには十分すぎると薬鯨は言っていた。
さらに言えば、生命力を伸ばすことや、マナの回復にも重宝するらしい。
移動している時に、鱗が落ちてしまうのはどうにかならないのかと聞いてみたが、
それはしょうがない事だと言っていた。
探索家は、世界中からその鱗を求め、やってくるのだが、半数以上は諦めて生きることに専念するか、
死んでしまうと言っていた。
「お前、名前は何て言うんだ?」
ロイドが尋ねてきた。
「アベル・リストリアです。
ロイドさん、このサハル砂漠からエルローシャへの道は分かりますか?」
「アベルか、よろしくな! ロイドでいいぞ!
エルローシャ?? そこは今、戦争中だぞ?」
「戦争中!? どういうことですか??」
俺はこの何の起伏もない場所で安心していたのかもしれない。
自分が加護を得て、強くなることに必死で、この世界に起きている現実を甘く見ていたのだ。
鯨が一頭死んだという事は、もうすでにこの世界の均衡は崩れ始めているという事だ。
エルローシャは空鯨を祀る国、
つまり、空鯨を良く思わない国と戦争している最中という事だろうか?
「すまんな。俺も詳しくは知らないんだ」
「そうですか……」
今は一旦そのことを考えるのをやめよう。
ここから出て、エルローシャを見に行く事が幸先として重要だ。
「そんな事より、今日はもう日が昇らないから、ここで段を取らないか?」
ロイドはそう言った。
「はい、そうしましょう」
俺もこれから先の予定を立てたり、エルローシャに向けての道を尋ねたりしたい。
こうして俺はロイドと出会い、これから先を共にする事になった。
俺は尋ねた。
この男が敵だったら、まずい。薬鯨の存在を教えるわけにはいかない。
「実はのう、わしら鯨を殺そうと狙っている奴らがいるそうなのじゃ」
薬鯨が分かれ間際に言っていたことを思い出す。
「わしらの死=この世界の消滅を意味しておる。
それを空鯨が教えてくれたのじゃ」
「先ほどのウタですか?」
「そうじゃ、あれはわしらのコミュニケーションの一部じゃからな」
俺は最後に薬鯨が言っていたことが脳裏に浮かんだ。
絶対に彼らは守らなければならない。
もう何も失いたくはない。諦めたくはない。
「俺は探索家のロイド・フェンネス、よろしく頼むよ。
ここら辺はただでさえ、人間の出入りがないから、同じ探索家に会えて嬉しいよ」
「あなたは何を探し求めて、この場所にいるのですか?」
「いや、それは探索家は皆同じだろ。
鯨の鱗を探して奴がほとんどだと思うが、違うのか?」
「そうですか、分かりました」
この人に悪意はなさそうだ。大丈夫そうだ。
薬鯨から聞いた話だが、ここに来る人間の大体は探索家らしい。
そして、彼らは皆平等に鯨を鱗を探していると言っていた。
その鱗は、実際のところ、あの薬鯨の鱗なのだが、その鱗を煎じて、飲むと、
不治の病でも治るという伝説があるらしい。
それはとても微小な力だが、人間の病を治すには十分すぎると薬鯨は言っていた。
さらに言えば、生命力を伸ばすことや、マナの回復にも重宝するらしい。
移動している時に、鱗が落ちてしまうのはどうにかならないのかと聞いてみたが、
それはしょうがない事だと言っていた。
探索家は、世界中からその鱗を求め、やってくるのだが、半数以上は諦めて生きることに専念するか、
死んでしまうと言っていた。
「お前、名前は何て言うんだ?」
ロイドが尋ねてきた。
「アベル・リストリアです。
ロイドさん、このサハル砂漠からエルローシャへの道は分かりますか?」
「アベルか、よろしくな! ロイドでいいぞ!
エルローシャ?? そこは今、戦争中だぞ?」
「戦争中!? どういうことですか??」
俺はこの何の起伏もない場所で安心していたのかもしれない。
自分が加護を得て、強くなることに必死で、この世界に起きている現実を甘く見ていたのだ。
鯨が一頭死んだという事は、もうすでにこの世界の均衡は崩れ始めているという事だ。
エルローシャは空鯨を祀る国、
つまり、空鯨を良く思わない国と戦争している最中という事だろうか?
「すまんな。俺も詳しくは知らないんだ」
「そうですか……」
今は一旦そのことを考えるのをやめよう。
ここから出て、エルローシャを見に行く事が幸先として重要だ。
「そんな事より、今日はもう日が昇らないから、ここで段を取らないか?」
ロイドはそう言った。
「はい、そうしましょう」
俺もこれから先の予定を立てたり、エルローシャに向けての道を尋ねたりしたい。
こうして俺はロイドと出会い、これから先を共にする事になった。
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