捨てられた者同士でくっ付いたら最高のパートナーになりました。捨てた奴らは今更よりを戻そうなんて言ってきますが絶対にごめんです。

亜綺羅もも

文字の大きさ
5 / 15

5

しおりを挟む
 私は気が付くと、自分の部屋でボーっとしていた。
 ニコライド様に婚約破棄を言い渡されたのは一週間も前のこと。
 あれから一週間も経つというのに、もぬけの殻状態。

 彼に依存していたわけではないが、何か大きな物を失ってしまったような感覚。
 婚約者を失ってしまった私。
 そんな私に価値などあるのだろうか?

 不安と絶望が胸に押しかかる。
 こんな私に……生きている価値などあるのだろうか。

「アニエル様。お客様がいらっしゃっておりますが……」
「……お客様?」

 誰だろう?
 友人は何人か来てくれたが……また誰か私の様子を見に来てくれたのだろうか。
 最近ずっとこんな調子だから。

 私はトボトボと玄関の方へと歩いていく。

「……あ」
「やぁ。久しぶりだね」

 なんと玄関にいたのは、お客様というのはレオニード様であった。

「レオニード様……どうしてこちらに?」
「ああ……君とニコライド様の婚約関係が解消されたという話を聞いてね」
 
 彼の言葉に、私は胸に痛みを覚える。
 そんな酷いことを言いにここにきたのですか?
 私は衝動的にそう言ってしまいそうになっていた。

 しかしレオニード様は悲しそうな笑みを浮かべ、私に言う。

「僕もレイチェルに婚約破棄をされてね」
「あ……」

 そうだ。
 ニコライド様はレイチェル様と新しく婚約をした。
 となれば、レイチェル様の婚約者であるレオニード様との関係を解消していなければおかしいのだ。
 
 そうだったんだ。
 レオニード様も私と同じで、婚約破棄をされた側だったのか。
 私と同じ……捨てられた側。

「なんだか、似た者同士のようですね」
「みたいだね」

 私たちは顔を合わせて笑い合う。
 なんだか急に、レオニード様との距離が縮まったような気がする。
 似た者同士。
 境遇が同じだから。

「君はこれからどうするつもりだい?」
「どうすると言っても……ニコライド様が決めたことだからどうしようもないので」
「あはは。僕も同じだ。レイチェルは昔から言い出したら聞かない性格だから……今回も自分勝手に話を決めて、自分勝手に婚約を破棄した」
「……本当に似た者同士でございますね」
「うん」

 レオニード様は大きくため息をつき、そして私の顔をジッと見つめてきた。
 その端正な顔立ちに、私はドキッとする。
 そしてレオニード様は信じられないようなことを言い出した。

「似た者同士……捨てれらた者同士で仲良くするのはどうかな?」
「え?」
「お互いにもうパートナーはいない。だったら僕らがパートナーになるというのはどうだろう? 傷のなめ合いになるかもだけれど……なんだか君となら上手くいくような気がするんだ」
「はぁ……」

 その時私はハッキリと断ることも受け入れることもできなかった。
 だけどレオニード様の優しい表情を見て、この方なら私を丁重に扱ってくれる。
 そんな風に考えていた。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

聖女だけど婚約破棄されたので、「ざまぁリスト」片手に隣国へ行きます

もちもちのごはん
恋愛
セレフィア王国の伯爵令嬢クラリスは、王太子との婚約を突然破棄され、社交界の嘲笑の的に。だが彼女は静かに微笑む――「ざまぁリスト、更新完了」。実は聖女の血を引くクラリスは、隣国の第二王子ユリウスに見出され、溺愛と共に新たな人生を歩み始める。

婚約破棄されたので、自由に生きたら王太子が失脚しましたあ

鍛高譚
恋愛
名門アーデン公爵家の令嬢 ロザリー・フォン・アーデン は、王太子 エドワード・カミル・レグノード の婚約者として誰もが認める完璧な貴族令嬢だった。 しかしある日、王太子は突如 “聖女” を名乗る平民の少女 セシリア・ブランシュ に夢中になり、ロザリーに無情な婚約破棄を言い渡す。 「これは神の導きだ! 私の本当の運命の相手はセシリアなんだ!」 「ロザリー様、あなたは王太子妃にふさわしくありませんわ」 ──ふたりの言葉を前に、ロザリーは静かに微笑んだ。 「……そうですか。では、私も自由に生きさせていただきますわね?」 だが、これがロザリーの “ざまぁ” 逆転劇の幕開けだった! 神託と称して王太子を操る “聖女” の正体は、なんと偽者!? さらに王室財政を私物化する 汚職貴族との黒い繋がり も発覚!? 次々と暴かれる陰謀の数々に、王宮は大混乱。 そして、すべての証拠が王の手に渡ったとき──王太子 エドワードは王太子の地位を剥奪され、偽の聖女と共に国外追放 となる! 「ロザリー様を捨てた王太子は大馬鹿者だ!」 「やっぱり王妃にふさわしかったのはロザリー様だったのよ!」 社交界ではロザリーへの称賛が止まらない。 そしてそんな彼女のもとに、なんと隣国の 若き王クラウス・アレクサンドル から正式な求婚が──!? 「私はあなたの聡明さと誇り高き心に惹かれました。私の王妃になっていただけませんか?」 かつての婚約破棄が嘘のように、今度は 本物の愛と自由を手にするチャンス が巡ってくる。 しかし、ロザリーはすぐに頷かない。 「私はもう、誰かに振り回されるだけの人生は選びません」 王妃となる道を選ぶのか、それとも公爵家の令嬢として新たな未来を切り開くのか──?

婚約破棄ですか?はい喜んで。だって僕は姉の代わりですから。

ルーシャオ
恋愛
「女が乗馬をするなどはしたない! しかも何だこの服は、どう見ても男装だろう! 性倒錯甚だしい、不愉快だ!」 タランティオン侯爵家令嬢メラニーは、婚約者のユルヴェール公爵家のドミニクからきつく叱責された。しかしメラニーは涼しい顔で、婚約破棄をチラつかせたドミニクの言葉をすんなり受け入れて帰る。 それもそのはず、彼女はメラニーではなく双子の弟メルヴィンで、もっと言うなら婚約は目眩しだ。祖父であり帝国宰相ランベルトの企みの一端に過ぎなかった。メルヴィンはため息を吐きながらも、メラニーのふりをして次の婚約者のもとへ向かう。すると——?

【完結】わたくしと婚約破棄して妹と新たに婚約する? いいですけど、ほんとうにその子でいいんですか?

井上 佳
恋愛
ある日突然、婚約破棄を言い渡されるイエリ。 その場には、何故か従姉妹が一緒になって並んでいた。 「お前との婚約は破棄してシュナと婚約する!」 「私が新しい婚約者ですわっ」 ほんとうに、それでいいんですか? ※よくある設定ですが完全オリジナルです。 ※カムバック短編です。 ※他サイトでは+苗字で掲載中

異母妹に婚約者を奪われ、義母に帝国方伯家に売られましたが、若き方伯閣下に溺愛されました。しかも帝国守護神の聖女にまで選ばれました。

克全
恋愛
『私を溺愛する方伯閣下は猛き英雄でした』 ネルソン子爵家の令嬢ソフィアは婚約者トラヴィスと踊るために王家主催の舞踏会にきていた。だがこの舞踏会は、ソフィアに大恥をかかせるために異母妹ロージーがしかけた罠だった。ネルソン子爵家に後妻に入ったロージーの母親ナタリアは国王の姪で王族なのだ。ネルソン子爵家に王族に血を入れたい国王は卑怯にも一旦認めたソフィアとトラヴィスの婚約を王侯貴族が集まる舞踏会の場で破棄させた。それだけではなく義母ナタリアはアストリア帝国のテンプル方伯家の侍女として働きに出させたのだった。国王、ナタリア、ロージーは同じ家格の家に侍女働きに出してソフィアを貶めて嘲笑う気だった。だがそれは方伯や辺境伯という爵位の存在しない小国の王と貴族の無知からきた誤解だった。確かに国によっては城伯や副伯と言った子爵と同格の爵位はある。だが方伯は辺境伯同様独立裁量権が強い公爵に匹敵する権限を持つ爵位だった。しかもソフィアの母系は遠い昔にアストリア帝室から別れた一族で、帝国守護神の聖女に選ばれたのだった。 「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。

私、今から婚約破棄されるらしいですよ!舞踏会で噂の的です

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
デビュタント以来久しぶりに舞踏会に参加しています。久しぶりだからか私の顔を知っている方は少ないようです。何故なら、今から私が婚約破棄されるとの噂で持ちきりなんです。 私は婚約破棄大歓迎です、でも不利になるのはいただけませんわ。婚約破棄の流れは皆様が教えてくれたし、さて、どうしましょうね?

天使のように愛らしい妹に婚約者を奪われましたが…彼女の悪行を、神様は見ていました。

coco
恋愛
我儘だけど、皆に愛される天使の様に愛らしい妹。 そんな彼女に、ついに婚約者まで奪われてしまった私は、神に祈りを捧げた─。

追放された古代神の巫女は規格外

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 「今代の守護神の聖女はアランデル公爵家令嬢ビクトリアと神託が下った。  これにより次期王妃はビクトリアとなる。  今日まで王太子殿下の婚約者であったアメリ嬢は、聖女候補の役目を解かれることになるので、王太子殿下との婚約を解消され、元の身分に戻ることになる。  これはアメリ嬢にあてはめられる事ではなく、全ての聖女候補も同様である。  元の身分に戻り、それぞれの実家に帰ってもらう」 アメリは捨て子と結婚を嫌った王太子と、王妃になりたい公爵家令嬢の罠にはまり、元の孤児の身分にされ、神殿まで追放になってしまった。  だがそれが、国と神殿の滅びの序曲だった。

処理中です...