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「ユージン。本当の愛に目覚めると、他の女の子ことなど眼中にも入らないものだ。アリエスが好きだと言っておきながら、他の女にうつつを抜かしているところを見ると、お前のアリエスに対する愛はまがい物。数ある女のうちの一人としか見ていない証拠だ」
「そ、そんなことは……」
「そんなことがあるから他の女に手を出すんだ。本気なれば世界が変わる。お前も本気になれる女を探すのだな」
「だ、だから、私はアリエスを愛そうと考えているのです!」
「止めて下さい。あなたに愛されても迷惑でございます」
グレイ様と話し合いをしていたユージン様であったが、私の言葉を聞いて口を閉じる。
この間まで穏やかに接していただけの私が、こうして彼を否定したからだ。
グレイ様も私の言ったことに少し驚いている様子であったが……すぐにニコッと笑いかけてくれる。
「とにかく、これ以上アリエスに言い寄るのは止めろ。一方通行の感情はただの迷惑にすぎない」
「い、一方通行などではありません! 私はアリエスを愛し、アリエスは私を――」
「それが一方通行だと言っているのだ。いい加減にしろ。彼女は……」
何かを言おうとしたグレイ様は、私の方に視線を向け、ジッと見つめ続けている。
私は頬を染め、グレイ様を見つめ返していた。
本当に美しいお方。
髪も手入れをされていてサラサラで、健康と美を封じ込めた肌。
そして私を見つめる、その蒼い瞳。
まるで彼に溺れてしまうかのように、引き込まれるようだった。
グレイ様はコクンと一つ首を振ると、ユージン様の方を見て、宣言する。
「彼女は――私の妃となる女性なのだからな」
「「「「なっ……」」」」
ユージン様も、お父様も、お母様も。
そして私も驚きに言葉を失ってしまう。
妃……私が、グレイ様の?
「…………」
驚き、そして次に津波のように喜びが押し寄せる。
胸が一杯になる。
そんな幸福なことが……そんなことがあるのだろうか。
まだ唖然としたままの私に、グレイ様は膝まづいて下さる。
「アリエス。順番がおかしくなってしまったが、俺と結婚をしてほしい。俺は約束する。ユージンのようには――」
「約束などいりません。私はグレイ様を信じておりますから」
「……アリエス。俺と一緒なってくれるか?」
「はい。不束者ですが、よろしくお願いいたします」
グレイ様は立ち上がり、そして私の手を握る。
ユージン様たちは呆然と私たちを見ているだけだ。
「今から君を連れ去るつもりだが……いいかい?」
「はい。どこまでもお供します。たとえ地獄の果てへでも」
「君と向かうのならばどこでも天国になるだろう。そしてこれから君を連れ去るのは、俺たちの輝かしい未来だ」
グレイ様は私の手を引き、走り出す。
私は果てしない幸福感を覚え、抑えきれない興奮と共に彼と同じように走り出し、ユージン様にお別れを告げる。
「さようなら。悪いのは浮気をしたあなたですから」
「そ、そんなことは……」
「そんなことがあるから他の女に手を出すんだ。本気なれば世界が変わる。お前も本気になれる女を探すのだな」
「だ、だから、私はアリエスを愛そうと考えているのです!」
「止めて下さい。あなたに愛されても迷惑でございます」
グレイ様と話し合いをしていたユージン様であったが、私の言葉を聞いて口を閉じる。
この間まで穏やかに接していただけの私が、こうして彼を否定したからだ。
グレイ様も私の言ったことに少し驚いている様子であったが……すぐにニコッと笑いかけてくれる。
「とにかく、これ以上アリエスに言い寄るのは止めろ。一方通行の感情はただの迷惑にすぎない」
「い、一方通行などではありません! 私はアリエスを愛し、アリエスは私を――」
「それが一方通行だと言っているのだ。いい加減にしろ。彼女は……」
何かを言おうとしたグレイ様は、私の方に視線を向け、ジッと見つめ続けている。
私は頬を染め、グレイ様を見つめ返していた。
本当に美しいお方。
髪も手入れをされていてサラサラで、健康と美を封じ込めた肌。
そして私を見つめる、その蒼い瞳。
まるで彼に溺れてしまうかのように、引き込まれるようだった。
グレイ様はコクンと一つ首を振ると、ユージン様の方を見て、宣言する。
「彼女は――私の妃となる女性なのだからな」
「「「「なっ……」」」」
ユージン様も、お父様も、お母様も。
そして私も驚きに言葉を失ってしまう。
妃……私が、グレイ様の?
「…………」
驚き、そして次に津波のように喜びが押し寄せる。
胸が一杯になる。
そんな幸福なことが……そんなことがあるのだろうか。
まだ唖然としたままの私に、グレイ様は膝まづいて下さる。
「アリエス。順番がおかしくなってしまったが、俺と結婚をしてほしい。俺は約束する。ユージンのようには――」
「約束などいりません。私はグレイ様を信じておりますから」
「……アリエス。俺と一緒なってくれるか?」
「はい。不束者ですが、よろしくお願いいたします」
グレイ様は立ち上がり、そして私の手を握る。
ユージン様たちは呆然と私たちを見ているだけだ。
「今から君を連れ去るつもりだが……いいかい?」
「はい。どこまでもお供します。たとえ地獄の果てへでも」
「君と向かうのならばどこでも天国になるだろう。そしてこれから君を連れ去るのは、俺たちの輝かしい未来だ」
グレイ様は私の手を引き、走り出す。
私は果てしない幸福感を覚え、抑えきれない興奮と共に彼と同じように走り出し、ユージン様にお別れを告げる。
「さようなら。悪いのは浮気をしたあなたですから」
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