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1章
1章 8話
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「・・・はい?」
「だから、話し合い!聞こえなかった?」
先程まで構えていた短刀をしまった。僕に戦う気が無いことが彼女をきっと呆れさせたのだろう。
「僕は軍人だ。でも君の事は捕まえない。だから訳を聞かせてくれないか?なんで軍人を襲うのか」
「昨日も言ったでしょう。あなた方に話す必要は無いと」
「僕には他の国の女の子は分かんないよ。でも村の人達は口を揃えて言ったんだ。女の子は皆で守らないと。そんなことを嫌ほど聞いた。だから普通だと思ってた。でも違った。君を見て、今初めて見てこんな子もいるんだって思った」
「は・・・何を言って、昨日あの場にいたでしょ」
「僕は今日初めて君の目を見た!君の目は、その、とても綺麗だけど今にも壊れて粒がこぼれ落ちそうだ」
彼女の目は確かに綺麗だった。けれどもその目は銀色に輝いていて、でもその目線の先はずっと虚ろだった。目はキラキラと光り輝いているのに、目線の先だけ何故か死んだようにひとつの方向しか見ていない。
「・・・いや、何をどう言われても私は言う気はさらさらない。例え捕まっても、言わない」
「そっか。そこまで決意が固まってるならいいよ、分かった」
聞きたかったことではあったが、女の子に無理強いをしてまで聞くことではないし、そろそろ帰らないと流石に明に怒られてしまう。
「それじゃあ帰るか・・・な?」
ドスンと何かにぶつかった。
「前向いて歩けやおい」
そこには2mはある大男が佇んでいた。電灯が近くにあってしっかりとその大男の顔を見ることが出来た。右目上辺りから左の唇まで大きな切り傷があって頭はスキンヘッドだった。
すると後ろから、
「あっ、ああ、あああ」
と、声が漏れるような音がした。すかさず彼女の方を見ると彼女は頭を抱えて呻いていた。
「ああああ、ああああああああああ!」
彼女は絶叫した。それに僕もその大男も驚愕していた。それから数秒後、ようやく落ち着いたのかと思いきや、今度は必死に震える手を抑えながら短刀を握りしめ、
「殺してやる、殺してやる、お前は絶対に殺してやる・・・」
と、ずっと呟いていた。そして、彼女はこの裏道を駆けながら重々しく叫んだ。
「・・・お姉ちゃんの仇!」
「だから、話し合い!聞こえなかった?」
先程まで構えていた短刀をしまった。僕に戦う気が無いことが彼女をきっと呆れさせたのだろう。
「僕は軍人だ。でも君の事は捕まえない。だから訳を聞かせてくれないか?なんで軍人を襲うのか」
「昨日も言ったでしょう。あなた方に話す必要は無いと」
「僕には他の国の女の子は分かんないよ。でも村の人達は口を揃えて言ったんだ。女の子は皆で守らないと。そんなことを嫌ほど聞いた。だから普通だと思ってた。でも違った。君を見て、今初めて見てこんな子もいるんだって思った」
「は・・・何を言って、昨日あの場にいたでしょ」
「僕は今日初めて君の目を見た!君の目は、その、とても綺麗だけど今にも壊れて粒がこぼれ落ちそうだ」
彼女の目は確かに綺麗だった。けれどもその目は銀色に輝いていて、でもその目線の先はずっと虚ろだった。目はキラキラと光り輝いているのに、目線の先だけ何故か死んだようにひとつの方向しか見ていない。
「・・・いや、何をどう言われても私は言う気はさらさらない。例え捕まっても、言わない」
「そっか。そこまで決意が固まってるならいいよ、分かった」
聞きたかったことではあったが、女の子に無理強いをしてまで聞くことではないし、そろそろ帰らないと流石に明に怒られてしまう。
「それじゃあ帰るか・・・な?」
ドスンと何かにぶつかった。
「前向いて歩けやおい」
そこには2mはある大男が佇んでいた。電灯が近くにあってしっかりとその大男の顔を見ることが出来た。右目上辺りから左の唇まで大きな切り傷があって頭はスキンヘッドだった。
すると後ろから、
「あっ、ああ、あああ」
と、声が漏れるような音がした。すかさず彼女の方を見ると彼女は頭を抱えて呻いていた。
「ああああ、ああああああああああ!」
彼女は絶叫した。それに僕もその大男も驚愕していた。それから数秒後、ようやく落ち着いたのかと思いきや、今度は必死に震える手を抑えながら短刀を握りしめ、
「殺してやる、殺してやる、お前は絶対に殺してやる・・・」
と、ずっと呟いていた。そして、彼女はこの裏道を駆けながら重々しく叫んだ。
「・・・お姉ちゃんの仇!」
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