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2章
2章 6話
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「どうした。顔が死にかけているぞ」
「そ、そうですか・・・」
走り込みから帰り、夕飯を食べながら疲れを取ろうとしていたが、まるで疲れが取れずに空を眺めている晃也。そこに黄竜が話しかけに来ていた。黄竜は茶碗を持って晃也の隣に座る。
「お前に話したいこと、というよりこれから先、こういう相手と戦うかもしれないということを伝えに来た、と言った方が正しいか」
「どういうことですか?」
「まあ、話したいことというのは冠の事だ。これについて何か知っているか?」
「いえ・・・聞いたことも」
「そうか、少し長くなるが話そうか」
そういって黄竜は、持っている茶碗の事など忘れて話し始めた。
「冠とは、ごく普通の一般人とは違い、名前自体に能力がある者のことを指す。具体的には・・・そうだな、お前が日本で初めに出会ったのは老人か?それとも大男か?」
「老人ですね」
「そうか、そいつの名は朱雀と言うんだ。奴の名前、朱雀自体に能力があって、それを持っている朱雀自身のことを冠というんだ」
「そうだったんですね・・・でもどうして名前にその能力とかがある人がいるんですか?」
「この世界は能力によって優劣が決まることがある。それは政権においてもだ。そこで、冠がいることによって政権確保において血で争う必要が無くなるからな」
「どうしてですか?その冠とかいう人を倒せばその人が次の政権を取れるんじゃ」
「冠は皆、武力的な面で一般の者よりも圧倒的に強い傾向がある。その為、現時点で挑もうとした奴は少なくないが、それにより政権が傾いたことはほぼ無い」
「なるほど」
「それに、日本の政権は四人体制だ。間違っても政権が変わることは無いと思うぞ」
するといきなり、黄竜は顔色を変え、
「だがな、そんな冠にも欠点がある」
「欠点?」
「それはな、本能的に戦いを求めてしまう事だ」
「戦いを・・・求める・・・?」
「普通、戦って死ぬなら逃げるよな。それに冠を持っている大半のやつは皆不老だ。寿命やら病気やらじゃ死なねえ。でも冠の中には死んだ奴もいる。じゃあ何で死ぬか、戦いだよ」
「戦いからは逃げることが出来ない?」
「ああ、売られた喧嘩は買うことしか出来ない。それがダメなところだ。だから国同士は絶対に戦いは起こさないことを各国々が決めて、宣言している」
「じゃあ、冠と戦う必要なんか無いんじゃ・・・」
「そうだといいんだがな・・・っと、そろそろ食べないと本当に冷たくなるな。冷めてるのは好きなんだが冷たいのは嫌いなんだよな・・・」
と、ぶつぶついいながら話をやめる合図も出さずに黄竜は帰っていってしまった。
「そ、そうですか・・・」
走り込みから帰り、夕飯を食べながら疲れを取ろうとしていたが、まるで疲れが取れずに空を眺めている晃也。そこに黄竜が話しかけに来ていた。黄竜は茶碗を持って晃也の隣に座る。
「お前に話したいこと、というよりこれから先、こういう相手と戦うかもしれないということを伝えに来た、と言った方が正しいか」
「どういうことですか?」
「まあ、話したいことというのは冠の事だ。これについて何か知っているか?」
「いえ・・・聞いたことも」
「そうか、少し長くなるが話そうか」
そういって黄竜は、持っている茶碗の事など忘れて話し始めた。
「冠とは、ごく普通の一般人とは違い、名前自体に能力がある者のことを指す。具体的には・・・そうだな、お前が日本で初めに出会ったのは老人か?それとも大男か?」
「老人ですね」
「そうか、そいつの名は朱雀と言うんだ。奴の名前、朱雀自体に能力があって、それを持っている朱雀自身のことを冠というんだ」
「そうだったんですね・・・でもどうして名前にその能力とかがある人がいるんですか?」
「この世界は能力によって優劣が決まることがある。それは政権においてもだ。そこで、冠がいることによって政権確保において血で争う必要が無くなるからな」
「どうしてですか?その冠とかいう人を倒せばその人が次の政権を取れるんじゃ」
「冠は皆、武力的な面で一般の者よりも圧倒的に強い傾向がある。その為、現時点で挑もうとした奴は少なくないが、それにより政権が傾いたことはほぼ無い」
「なるほど」
「それに、日本の政権は四人体制だ。間違っても政権が変わることは無いと思うぞ」
するといきなり、黄竜は顔色を変え、
「だがな、そんな冠にも欠点がある」
「欠点?」
「それはな、本能的に戦いを求めてしまう事だ」
「戦いを・・・求める・・・?」
「普通、戦って死ぬなら逃げるよな。それに冠を持っている大半のやつは皆不老だ。寿命やら病気やらじゃ死なねえ。でも冠の中には死んだ奴もいる。じゃあ何で死ぬか、戦いだよ」
「戦いからは逃げることが出来ない?」
「ああ、売られた喧嘩は買うことしか出来ない。それがダメなところだ。だから国同士は絶対に戦いは起こさないことを各国々が決めて、宣言している」
「じゃあ、冠と戦う必要なんか無いんじゃ・・・」
「そうだといいんだがな・・・っと、そろそろ食べないと本当に冷たくなるな。冷めてるのは好きなんだが冷たいのは嫌いなんだよな・・・」
と、ぶつぶついいながら話をやめる合図も出さずに黄竜は帰っていってしまった。
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