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婚約編
【閑話:ルーク】譲るんじゃなかった
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シャリオン達の婚約に祝言を伝えるため、兄上をつれていく。
その時はさほど、ショックを受けた様子はなかったように見えてきた。
それはそれで腹も立ったが、今回ライガーを連れて二人を呼んだのは、事前にガリウスからライガーのシャリオン関係の行動に注視して欲しいと言われていたからだ。
なんのことかわからなかったが、完全にわからないわけでもなかった。
ただの元婚約者で幼馴染への心配には度を行き過ぎているし、かと思えば自分で信頼のおける貴族を当てがうなどの親切心の無さ。
いや、親切心ではないな。誠意のなさだ。
好きではなくなったと、婚約破棄をしたくせに、元婚約者が心配だとあれこれ手を焼いてるのだ。
本来、破棄してきた男が新たな婚約者を勧めるなど、失礼極まりないが今のライガーであれば許される範囲だ。
シャリオンのことだとネジ外れるからなぁこの人は。一体何してくれたの??
兄上は大切だ。
だが、ガリウスもまた、有能なこの国の次期宰相である。自分が王となるときには右腕となってもらう存在。
種類は異なるがどちらも大切で、ことを正しくみる必要があった。
それに、シャリオンとガリウスの仲も気になる。
宰相の執務室での2人はそれほど仲がよさそうには見えいなかったし、むしろシャリオンは避けているかのように見えていた。だから、友人として気になったから、2人揃って伯爵主宰の夜会に出席した。
その伯爵に場所を借りて、シャリオンとガリウスを呼んだ。
彼等の仲は心配していたが余計な事だったようで、
なんだかんだ良くやっているように見えた。
なによりもガリウスがシャリオンのサポートをよくしている。
執務室で見たことのある、貴族特有の表面上の笑みではなく素面で話せていることに、ルークはひとまず安心した。
そんな彼等と話し、大丈夫だと確信すると、ライガーをつれて2人とわかれた。
ライガーを残しておくのはガリウスを刺激してしまう。
誘った時はなんともなかったが、2人と話した後に落ち込んでる兄を見ると少し腹が立つ。
「本当にシャリオンを諦めたんだね」
普段よりも声に怒気が含まれている。
「婚約破棄した時からそうだ」
「その割には今も落ち込んでる」
「っ」
「今日のはね。お祝いもあったけど、ガリウスに言われたからだよ」
「!」
「正式な抗議ではないと前置きをしながらも、シャリオンへの行動を注視して欲しいと」
「そ、それで」
「それで?違うでしょ兄上。そこは肯定しかない。そうでしょ?」
ジロリと見れば息を飲んだ。
ただの幼馴染ではない。
元婚約者ではたから見たら未練があるようにしか見えない二人だ。
「彼は言わなかったけど、もし次何かあったら接触禁止もあり得るからね」
それは弟としても、シャリオンの幼馴染としても避けたい。
ガリウスもきっとシャリオンを思っての行動だ。
「!・・・わかった」
「そもそも、なんで2人で会ったの?というか、シャリオン驚いてたけど私の名前でも使ったの?」
「王命と。・・・だが、本当に何もしていない」
深いため息を一度つき目元に手を置いた。
改めてシャリオンのことになるとポンコツになるなぁと思う。
でもだったらなんで手放したのか。
ポンコツになるのはいまだに好きだからだろう?
ライガーはシャリオン以外のことに関しては完ぺきだった。
だからこそあきれてしまう。
「そんなの、不義をする人の常套句だよ」
「本当に!」
兄の反応を見れば真実なのだろう。
だが、世間は違う。
というか、シャリオンのことを考えればやってはいけないことだった。
ルークですら婚約破棄した相手と2人きりであったという事実は、腹立たしく思う。
「兄上。密室で2人で会ってたことを、例え2人がしてないと言っても証明するのは難しいのは、兄上だってわかるでしょ。
今回のことガリウスの子爵家の方から正式な抗議があったらどうするの?
慰謝料のことはどうでもいいけど、それよりも最悪シャリオンの婚約が白紙になったかもしれないんだよ」
「っ」
「他の男に取られそうなって判断が狂った?」
ライガーは何もいえなかった。
全て事実だからだ。
だが、その言葉で歪んだライガーの表情を見ているルークは腹がたつ。
こんなのことなら、兄上にシャリオンを譲るんじゃ無かった
ライガーとルーク、そしてシャリオンの初めての出会いは同時だった。
同じ年頃と言うこともあり、3人はいつも一緒。
なのに、ライガー殿下とシャリオンはいつの間にか惹かれあっていた。
隣にいたルークはすぐに分かった。
本当は自分の相手にと、シャリオンを選びたかった。
実際そういう臣下もいたと聞く。
けど、なんでも譲る兄に、ルークが遠慮したのだ。
早々に上位の貴族に適当な相手を探し婚約をする。
そして、陛下には兄達のことを進言した。
もちろんそれだけでは2人が婚約することはいから、両家話し合いの元で決まったことだ
だが、婚約が決まりしばらくすると、兄の周りに亡くなった王妃の生家の人間がうろつくようになった。
陛下やルークがいる間は近寄らないが、その目を掻い潜り接触する。
なるべく兄の近くにいるようにしていたが、それだけでは足りなかった。
気づいたら2人は婚約破棄をしていた。
兄は何も言わないし、シャリオンは今にも泣きそうな表情で微笑むだけだった。
陛下は兄のことの真相を聞き、それから責めなくなった。
一体何があったのか、ルークにも知らされていない。
きっとなにか問題があると言うのはわかる。
わかるのだが。
「もう邪魔するような、・・・未練を見せるようなことするな。これは、弟やシャリオンの親友として言葉じゃない。王太子としての言葉だ」
「っ・・・はい」
初めて命令口調で、話したかもしれない。
婚約の決まった家の者に手出しするなんて醜聞もそうだし、王家の信用問題だ。
その時のライガー殿下の顔は青白く、辛そうな表情だった。
兄上の大バカ者・・・
手に入れられたはずなのに、手放したのはライガー。
本当に大切なら身を引いて守ることよりも、ルークなり陛下なりを使えば良かったのだ。
そしたら、今度こそ王妃の生家のファングス家を潰せたかもしれない。
ガリウスは虎視眈々とシャリオンを逃げられないようにしているように見える。
それでも、あまり嫌悪されてないところは流石なのだろう。
なにがなんでも手に入れたいと足掻けなかったライガーに、ガリウスの本気が勝てるわけがなかったのだ。
だが、兄を叱責しつつも自分も同じだと後悔する。
それは私にも言えるな・・・
兄の為にとルークもまた、譲れたのだから。
その時はさほど、ショックを受けた様子はなかったように見えてきた。
それはそれで腹も立ったが、今回ライガーを連れて二人を呼んだのは、事前にガリウスからライガーのシャリオン関係の行動に注視して欲しいと言われていたからだ。
なんのことかわからなかったが、完全にわからないわけでもなかった。
ただの元婚約者で幼馴染への心配には度を行き過ぎているし、かと思えば自分で信頼のおける貴族を当てがうなどの親切心の無さ。
いや、親切心ではないな。誠意のなさだ。
好きではなくなったと、婚約破棄をしたくせに、元婚約者が心配だとあれこれ手を焼いてるのだ。
本来、破棄してきた男が新たな婚約者を勧めるなど、失礼極まりないが今のライガーであれば許される範囲だ。
シャリオンのことだとネジ外れるからなぁこの人は。一体何してくれたの??
兄上は大切だ。
だが、ガリウスもまた、有能なこの国の次期宰相である。自分が王となるときには右腕となってもらう存在。
種類は異なるがどちらも大切で、ことを正しくみる必要があった。
それに、シャリオンとガリウスの仲も気になる。
宰相の執務室での2人はそれほど仲がよさそうには見えいなかったし、むしろシャリオンは避けているかのように見えていた。だから、友人として気になったから、2人揃って伯爵主宰の夜会に出席した。
その伯爵に場所を借りて、シャリオンとガリウスを呼んだ。
彼等の仲は心配していたが余計な事だったようで、
なんだかんだ良くやっているように見えた。
なによりもガリウスがシャリオンのサポートをよくしている。
執務室で見たことのある、貴族特有の表面上の笑みではなく素面で話せていることに、ルークはひとまず安心した。
そんな彼等と話し、大丈夫だと確信すると、ライガーをつれて2人とわかれた。
ライガーを残しておくのはガリウスを刺激してしまう。
誘った時はなんともなかったが、2人と話した後に落ち込んでる兄を見ると少し腹が立つ。
「本当にシャリオンを諦めたんだね」
普段よりも声に怒気が含まれている。
「婚約破棄した時からそうだ」
「その割には今も落ち込んでる」
「っ」
「今日のはね。お祝いもあったけど、ガリウスに言われたからだよ」
「!」
「正式な抗議ではないと前置きをしながらも、シャリオンへの行動を注視して欲しいと」
「そ、それで」
「それで?違うでしょ兄上。そこは肯定しかない。そうでしょ?」
ジロリと見れば息を飲んだ。
ただの幼馴染ではない。
元婚約者ではたから見たら未練があるようにしか見えない二人だ。
「彼は言わなかったけど、もし次何かあったら接触禁止もあり得るからね」
それは弟としても、シャリオンの幼馴染としても避けたい。
ガリウスもきっとシャリオンを思っての行動だ。
「!・・・わかった」
「そもそも、なんで2人で会ったの?というか、シャリオン驚いてたけど私の名前でも使ったの?」
「王命と。・・・だが、本当に何もしていない」
深いため息を一度つき目元に手を置いた。
改めてシャリオンのことになるとポンコツになるなぁと思う。
でもだったらなんで手放したのか。
ポンコツになるのはいまだに好きだからだろう?
ライガーはシャリオン以外のことに関しては完ぺきだった。
だからこそあきれてしまう。
「そんなの、不義をする人の常套句だよ」
「本当に!」
兄の反応を見れば真実なのだろう。
だが、世間は違う。
というか、シャリオンのことを考えればやってはいけないことだった。
ルークですら婚約破棄した相手と2人きりであったという事実は、腹立たしく思う。
「兄上。密室で2人で会ってたことを、例え2人がしてないと言っても証明するのは難しいのは、兄上だってわかるでしょ。
今回のことガリウスの子爵家の方から正式な抗議があったらどうするの?
慰謝料のことはどうでもいいけど、それよりも最悪シャリオンの婚約が白紙になったかもしれないんだよ」
「っ」
「他の男に取られそうなって判断が狂った?」
ライガーは何もいえなかった。
全て事実だからだ。
だが、その言葉で歪んだライガーの表情を見ているルークは腹がたつ。
こんなのことなら、兄上にシャリオンを譲るんじゃ無かった
ライガーとルーク、そしてシャリオンの初めての出会いは同時だった。
同じ年頃と言うこともあり、3人はいつも一緒。
なのに、ライガー殿下とシャリオンはいつの間にか惹かれあっていた。
隣にいたルークはすぐに分かった。
本当は自分の相手にと、シャリオンを選びたかった。
実際そういう臣下もいたと聞く。
けど、なんでも譲る兄に、ルークが遠慮したのだ。
早々に上位の貴族に適当な相手を探し婚約をする。
そして、陛下には兄達のことを進言した。
もちろんそれだけでは2人が婚約することはいから、両家話し合いの元で決まったことだ
だが、婚約が決まりしばらくすると、兄の周りに亡くなった王妃の生家の人間がうろつくようになった。
陛下やルークがいる間は近寄らないが、その目を掻い潜り接触する。
なるべく兄の近くにいるようにしていたが、それだけでは足りなかった。
気づいたら2人は婚約破棄をしていた。
兄は何も言わないし、シャリオンは今にも泣きそうな表情で微笑むだけだった。
陛下は兄のことの真相を聞き、それから責めなくなった。
一体何があったのか、ルークにも知らされていない。
きっとなにか問題があると言うのはわかる。
わかるのだが。
「もう邪魔するような、・・・未練を見せるようなことするな。これは、弟やシャリオンの親友として言葉じゃない。王太子としての言葉だ」
「っ・・・はい」
初めて命令口調で、話したかもしれない。
婚約の決まった家の者に手出しするなんて醜聞もそうだし、王家の信用問題だ。
その時のライガー殿下の顔は青白く、辛そうな表情だった。
兄上の大バカ者・・・
手に入れられたはずなのに、手放したのはライガー。
本当に大切なら身を引いて守ることよりも、ルークなり陛下なりを使えば良かったのだ。
そしたら、今度こそ王妃の生家のファングス家を潰せたかもしれない。
ガリウスは虎視眈々とシャリオンを逃げられないようにしているように見える。
それでも、あまり嫌悪されてないところは流石なのだろう。
なにがなんでも手に入れたいと足掻けなかったライガーに、ガリウスの本気が勝てるわけがなかったのだ。
だが、兄を叱責しつつも自分も同じだと後悔する。
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