君の声は蜜の味

いちご

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倭京雨音SIDE

3.

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目を覚ましたら病院だった。
「大丈夫?」
久々に見た心配そうな母の顔。
気が付くと俺は病院のベッドの上で点滴をされて寝かされていた。

寝ている間に検査は終わっていたから楽だったが、どうやら俺は体調不良と空腹による貧血で倒れたらしい。

朝は胃が起きてなかったから抜いた。
昼は担任と校長に呼び出されて説教されて、そのまま退学を言い渡された後だったから何か全部どうでも良くなって食べなかった。
体調は悪かったのか?
そういや朝熱っぽかったな。
怠かったし。

どうやら母は退学になったショックで倒れたって思ってるらしいが、母よ、俺はそんなに柔じゃない。
他に原因があるのではなかろうか。
医師を見詰めると
「大事な話があります」
医師は口を開いた。


医師の話によると、俺はΩらしい。
倒れた直接的な原因は、初めての発情の予兆に身体が対応出来なかった為。

男女の性別以外にα・β・Ωがある事は知っている。
だがαやΩは少なく人口の殆どはβだ。
面倒臭くて今迄血液検査は受けなかった。
学校の診断もサボった。
どうせβだろうと思っていたから、親にもβだって言った。

Ωは発情するし妊娠もする。
俺が妊娠?
幸せになる権利なんてないだろ?俺に。
つうか、妊娠とか想像も付かないな。男だしさ。

これからは定期的に発情抑制剤の服用をしなきゃならないが、校則さえ守れなかった俺がそんな規則なんて守れる筈ない。
適当に
「分かったよ、飲めば良いんだろ?」
薬をその場で飲んだが、多分母の目が届く範囲外では絶対に飲まないと思う。
つか、飲むの忘れる絶対に。

で、結局飲み忘れたまま外出したら、来てしまいましたよ初発情期ってヤツが。
お~お~、スゲェスゲェ。
メッチャ身体熱い。
ドックンドックン心臓なるし、ガクガク身体震えるし、汗スッゲェ出る。
(取り敢えず帰るか)
思い歩きだしたら
「イッテ」
何かにぶつかった。

顔を上げると
「スッゲェな、お前」
有り得ない位のイケメンが目の前に居た。

どうせ番になるならこんなんが良いな。
美形が顔を歪ませるんのスッゲェ萌えそう。
綺麗だろうな、コイツの顔。
想像しただけでイケそうだ。
って、あれ?
なんだ、コレ。
ヤッベェ、意識おかしい。
頭真っ白で何も考えられねぇ。

「オイッ、大丈夫か?」
遠くで何か聞こえるが、全く耳に入って来ない。
薄れる意識の中
(見付けた)
俺の中の何かがそう言った様な気がした。
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