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ウィ○◎リ○かっ!
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私とトイプー令嬢は、私が納得するまで顔を合わせることはないはずだった。転校した理由も高位貴族になればなるほど知っているけれどオーランド侯爵家の世代交代や私がビルフラン公爵家の養女となったことはあらゆる憶測を生んだ。婚約者のライル殿下も休んでるしね。
まぁ、意識の中に私がいればトイプーなんて怖くもなんともなかったけど、私が目覚める前にオーレリィはトイプーに再会してしまった。
彼女は第三王子に頼み込んで王城でのお茶会に主催者である王妃陛下にも内緒で潜入。たぶん、オーレリィに謝りたいとか何とか言ったのだろう。でも、オーレリィにとってトイプーはトラウマだった。
王弟夫妻や、義兄、義弟からの愛情に漸く慣れてきて初めてのお茶会。痩せ細った体も肉が付いてきて、家族の前以外の目に触れても問題ないレベルまでになったオーレリィは貴族令嬢として義両親に恥じぬ存在になりたいと少々無理をしての参加だった。
トイプーは、第三王子と言う味方を得て、侯爵夫妻の悪行が広まっていないことをいいことにオーレリィに涙ながらに訴えた。
「酷いわ!お姉様!お姉様を愛すればこそでしたのに!お父様とお母様、お兄様を責めるなんて!」
成人に達していないトイプーはまだ王都にいて転校はしたかど学園に通うことを許されていて、祖父母と長兄の付けた家庭教師からマナーを一から学び直しているのだと聞いていた。世間一般には侯爵夫妻が隠居した理由はハッキリと伝えられていない。侯爵がでっぷりと太っていたこともあり、大抵の者は健康上の理由だろう、夫人はそんな夫のために社交界から身を引くことにしたのだろうと思われているようだとお母様から教わった。
美談のようになっていたことに王家は呆れ、新しい家族は憤ったが、オーレリィは関わってこなければ好きにすればよいと考えていた。
好き放題言うトイプーは硬直するオーレリィをほんの軽く小突いてしまった。
で、慣れないヒールにバランスを崩したオーレリィは噴水にドボンとなったと。
ローリーから大抵の状況を聞いて第三王子もトイプーも今度こそきつい罰を与えると義父と義母が息巻いている。
暫く一人にしてもらっていたら、義母が訪ねてきた。
「調子はどう?」
王弟に見初められた隣国の公爵令嬢だった義母は緩やかな金色に近い豊かな髪を横に流していた。在宅中なので一人でも着られそうなドレスを身に纏っている。
「ご心配おかけしました。大丈夫です。」
義母と共に入ってきたメイドがお茶を用意していく。手際がよいな。
「実はね、」
向い合わせの小さなテーブルセットに二人で向き合うと義母が話し始めた。
トイプーの話かなと思ったら違った。
「オーレリィが聞いたこともない歌を歌っていたとローリーから聞いたのよ。」
チラリと見た彼女は澄まし顔だ。
「はぁ、突然、思い出しまして……。」
「思い出す?」
「あ、いや、なんか、記憶の奥底にあった……みたいな?」
しどろもどろになってしまった。
「オーレリィ、この詩に見覚えはない?」
すっと差し出されたのは一枚の紙に書かれた詩。
どっかで見たような?
「寺院の壁に刻まれた詩でございます。」
ローリーが答えて、逃げ込んだ寺院を思い出す。
「あぁ、こんな文言だったのですね、詳しく読んだことはありませんでした。この歌がどうしたのですか?」
讃美歌みたいなものかな?
「昔から伝わる詩でね、大きな戦争の折りに戦場に響き戦争を止めたと言われる伝説の聖女が歌った歌の歌詞なの。」
へぇ、ファンタジーだなとばかりに覗き込む。
「余りに昔だから曲調は分からないままで、詩だけが残っているのよ。その歌は誰もきいたことのないような美しい旋律だと言われていて、」
幼い頃に聞かされた伝説のことはオーレリィも知っていた。んー、どれどれ?
「………!」
私は歌詞に釘付けになっていた。
こ、これは、い○ま○◎つみ先生がキャラデザをした名作アニメ“ウィ◎ダリ○”のテーマ“美○◎星”じゃないか!な、なんで、ここに!あぁ!あの悲劇!思い出すと涙がっ!
戦争に翻弄される一組の夫婦の物語。愛する妻のために夫は敵国のスパイになるんだけど、報酬に目が眩んで妻のいる国に対して、決してやってはいけない禁忌を犯してしまうんだよ。夫は本来の目的を忘れ敵国でどんちゃん騒ぎするんだけど、結局は多くを知りすぎた者として始末されるそうになる。そんなピンチで漸く妻のことを思い出すんだよ、自分をいつまでも待っていると言ってくれていた妻を。遅いんじゃ!と叫んだな。
夫は必死の思いで故郷に帰って酷い状態の国に唖然とする、けれど、妻は生きていると信じて家をめざすの、そして!くぅ~!幼心……いや、そんな幼くなかったけど、男の不甲斐なさに腹を立て、戦争って馬鹿のすることなんだと思ったわ。たしか、こんな感じの歌い出しだった。
♪~悪い夢を~
そうそうあー、竪琴とか欲しいな。
習うか。頭の中に甦る美しい作画(先生のイラスト)
私の脳裏に再現される“ウィ◎ダリ○”
死んだ人は赤い鳥になって、空を飛ぶ船へと旅立つんだよね……その描写が美しくて切なくて、
♪~ために~♪
あー、気持ちよく歌っ………た。
しまったっ!
目の前にいる義母が、メイドのローリーが、義母付きメイドが泣いていた。
ハッすると扉の向こうで咽び泣きも聞こえる。
ええっ~??
どうしようってか、この詩が伝説なの?もしかして、私みたいなアニソン好きが、かつてここに?
でも戦争を止めたって、んな馬鹿な。
で、伝説になってる戦争って、歴史の教科書で習った記憶がオーレリィにはあるし、何となく歌のことは知っていたけど、オーレリィは助かる手段に寺院を選んだけど信心深いわけやなかったからなぁ。
でも、ウィ◎ダリ○って、私が高校生かそれくらいの時のアニメだったはず。こちらに伝説に成る程、昔じゃないと思うんだけど。転生したか、転移してきたアニソン好きさんは、時空を越えたか?
恐らく感動の涙を流していた義母が素の笑顔を私に向けた。
「私の娘は誇らしいわね、」
そんな風に言われたことのないオーレリィの心臓がとくんと高鳴った。やだっ、オーレリィまで泣かないでよ。
私は義母(此れからはお母様と呼ぶ)に自分のことを話した。オーレリィであるが、私は違う世界で生きてきた一人の一般人の記憶を持っていると。
「お母様より確実に年上の女でした。」
たぶん、10歳以上年上だと思う。
「でも、オーレリィとしての思考や感覚も残ってます。噴水に落ちるなんてショッキングなことがなければ思い出したりしなかったと思います。」
家族の誰にも似て折らず、優しかった祖父母と長兄が領地にて暮らすと聞いた時はあんなに辛い日々が繰り返されるとは思ったもいなかった。
今、オーレリィは、私と言うオバハンの記憶を得たことで生まれ変わったんだ。
もう泣かせたりしないんだ。
まぁ、意識の中に私がいればトイプーなんて怖くもなんともなかったけど、私が目覚める前にオーレリィはトイプーに再会してしまった。
彼女は第三王子に頼み込んで王城でのお茶会に主催者である王妃陛下にも内緒で潜入。たぶん、オーレリィに謝りたいとか何とか言ったのだろう。でも、オーレリィにとってトイプーはトラウマだった。
王弟夫妻や、義兄、義弟からの愛情に漸く慣れてきて初めてのお茶会。痩せ細った体も肉が付いてきて、家族の前以外の目に触れても問題ないレベルまでになったオーレリィは貴族令嬢として義両親に恥じぬ存在になりたいと少々無理をしての参加だった。
トイプーは、第三王子と言う味方を得て、侯爵夫妻の悪行が広まっていないことをいいことにオーレリィに涙ながらに訴えた。
「酷いわ!お姉様!お姉様を愛すればこそでしたのに!お父様とお母様、お兄様を責めるなんて!」
成人に達していないトイプーはまだ王都にいて転校はしたかど学園に通うことを許されていて、祖父母と長兄の付けた家庭教師からマナーを一から学び直しているのだと聞いていた。世間一般には侯爵夫妻が隠居した理由はハッキリと伝えられていない。侯爵がでっぷりと太っていたこともあり、大抵の者は健康上の理由だろう、夫人はそんな夫のために社交界から身を引くことにしたのだろうと思われているようだとお母様から教わった。
美談のようになっていたことに王家は呆れ、新しい家族は憤ったが、オーレリィは関わってこなければ好きにすればよいと考えていた。
好き放題言うトイプーは硬直するオーレリィをほんの軽く小突いてしまった。
で、慣れないヒールにバランスを崩したオーレリィは噴水にドボンとなったと。
ローリーから大抵の状況を聞いて第三王子もトイプーも今度こそきつい罰を与えると義父と義母が息巻いている。
暫く一人にしてもらっていたら、義母が訪ねてきた。
「調子はどう?」
王弟に見初められた隣国の公爵令嬢だった義母は緩やかな金色に近い豊かな髪を横に流していた。在宅中なので一人でも着られそうなドレスを身に纏っている。
「ご心配おかけしました。大丈夫です。」
義母と共に入ってきたメイドがお茶を用意していく。手際がよいな。
「実はね、」
向い合わせの小さなテーブルセットに二人で向き合うと義母が話し始めた。
トイプーの話かなと思ったら違った。
「オーレリィが聞いたこともない歌を歌っていたとローリーから聞いたのよ。」
チラリと見た彼女は澄まし顔だ。
「はぁ、突然、思い出しまして……。」
「思い出す?」
「あ、いや、なんか、記憶の奥底にあった……みたいな?」
しどろもどろになってしまった。
「オーレリィ、この詩に見覚えはない?」
すっと差し出されたのは一枚の紙に書かれた詩。
どっかで見たような?
「寺院の壁に刻まれた詩でございます。」
ローリーが答えて、逃げ込んだ寺院を思い出す。
「あぁ、こんな文言だったのですね、詳しく読んだことはありませんでした。この歌がどうしたのですか?」
讃美歌みたいなものかな?
「昔から伝わる詩でね、大きな戦争の折りに戦場に響き戦争を止めたと言われる伝説の聖女が歌った歌の歌詞なの。」
へぇ、ファンタジーだなとばかりに覗き込む。
「余りに昔だから曲調は分からないままで、詩だけが残っているのよ。その歌は誰もきいたことのないような美しい旋律だと言われていて、」
幼い頃に聞かされた伝説のことはオーレリィも知っていた。んー、どれどれ?
「………!」
私は歌詞に釘付けになっていた。
こ、これは、い○ま○◎つみ先生がキャラデザをした名作アニメ“ウィ◎ダリ○”のテーマ“美○◎星”じゃないか!な、なんで、ここに!あぁ!あの悲劇!思い出すと涙がっ!
戦争に翻弄される一組の夫婦の物語。愛する妻のために夫は敵国のスパイになるんだけど、報酬に目が眩んで妻のいる国に対して、決してやってはいけない禁忌を犯してしまうんだよ。夫は本来の目的を忘れ敵国でどんちゃん騒ぎするんだけど、結局は多くを知りすぎた者として始末されるそうになる。そんなピンチで漸く妻のことを思い出すんだよ、自分をいつまでも待っていると言ってくれていた妻を。遅いんじゃ!と叫んだな。
夫は必死の思いで故郷に帰って酷い状態の国に唖然とする、けれど、妻は生きていると信じて家をめざすの、そして!くぅ~!幼心……いや、そんな幼くなかったけど、男の不甲斐なさに腹を立て、戦争って馬鹿のすることなんだと思ったわ。たしか、こんな感じの歌い出しだった。
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そうそうあー、竪琴とか欲しいな。
習うか。頭の中に甦る美しい作画(先生のイラスト)
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死んだ人は赤い鳥になって、空を飛ぶ船へと旅立つんだよね……その描写が美しくて切なくて、
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あー、気持ちよく歌っ………た。
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目の前にいる義母が、メイドのローリーが、義母付きメイドが泣いていた。
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ええっ~??
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でも戦争を止めたって、んな馬鹿な。
で、伝説になってる戦争って、歴史の教科書で習った記憶がオーレリィにはあるし、何となく歌のことは知っていたけど、オーレリィは助かる手段に寺院を選んだけど信心深いわけやなかったからなぁ。
でも、ウィ◎ダリ○って、私が高校生かそれくらいの時のアニメだったはず。こちらに伝説に成る程、昔じゃないと思うんだけど。転生したか、転移してきたアニソン好きさんは、時空を越えたか?
恐らく感動の涙を流していた義母が素の笑顔を私に向けた。
「私の娘は誇らしいわね、」
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私は義母(此れからはお母様と呼ぶ)に自分のことを話した。オーレリィであるが、私は違う世界で生きてきた一人の一般人の記憶を持っていると。
「お母様より確実に年上の女でした。」
たぶん、10歳以上年上だと思う。
「でも、オーレリィとしての思考や感覚も残ってます。噴水に落ちるなんてショッキングなことがなければ思い出したりしなかったと思います。」
家族の誰にも似て折らず、優しかった祖父母と長兄が領地にて暮らすと聞いた時はあんなに辛い日々が繰り返されるとは思ったもいなかった。
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