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プ○メ○◎○ムかっ!
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ある日のことだった。
アリーと本の作成をしているところにお母様がやって来て信じられないことを仰った。
「私がっ?いやいやいや、何考えてるの、お母様。」
あの歌の一件は、メイドさんから外に漏れた。と言うか信仰心篤いメイドさんが寺院の歌碑の前で口ずさんでしまったらしく、それを聞いた神官様達が事情を聞いて公爵家にやって来たのだ。
神官なのに寺院とかややこしいと思ったのは内緒。
メイドさんは真っ青だった。
詳しいことがわかるまで、歌のことは公爵家内で止めておくようにとの方針だったからだ。
メイドのヤスミンは公爵家の規律違反をしたと言うことで二ヶ月の無給と寺院への住み込みボランティアを命じられた。そのまま出家してもよいと言われたが彼女はメイドに戻ることを願った。
無意識に歌ってしまったのなら仕方ないと思うけど雇い主の命令に従えないと判断されたんだよね。
ヤスミンは、あの時居なかったけど屋敷の中では“美◎○星”を口ずさんでしまうメイドさんが後を絶たなかったからヤスミンは自然と覚えてしまったらしい。メイド長や家令からちゃんとした譜面にご家族がおこすまで屋敷外での歌うことは禁止。出入り業者、商人の前でも口ずさまぬようにとの命令が下されていた。
今までも馴染みのある歌詞に曲をつけた者は沢山いたがどれもしっくりこず、寺院としては勝手に曲をつけられるのは遺憾であるとお偉いさんからの言葉が数年前にされていたらしい。それなのにヤスミンは歌ってしまった、で、叱られると思ったら寺院の奥に連れていかれてこれ迄の中で最も相応しい、何処で知ったのか、つくったのか、など質問責めにあい今に至ったのである。
なんか、可哀想だな、ヤスミン。
“美◎○星”に曲が存在するとは思っていなかった寺院としては見過ごせる訳はなく、私は噴水に落ちて前世の記憶を思い出したこと、歌を歌うのが好きだったこと、アニオタは説明出来ないので割愛。私が好きだったジャンルがあって、寺院に残された歌碑の詩もそのジャンルの歌で聖女とか言われた人も私と同じ世界の記憶があったんだろうと説明した。
めっちゃ恥ずかしかったけど、寺院のお偉いさんが屋敷にやって来て、彼らや家族にのせられるうちに歌ってしまいましたよ。ええ、最後の方は自分に酔ってしまうほどにね……。
お偉いさん達は号泣ですよ、思い切り引きました。
自身の神聖魔法の貯蓄量が増えたとか何とか、お付きの人も全盛期の頃に戻った気がしたと言ってたけれども……気のせいでは?
そんな経緯が王家に伝わらないはずはなく、いやいやいや、お母様、無理ですって。
「女、女王陛下の前でなんて!む、無理です!」
元侯爵家に甘々の罰を与えた女王陛下。
実際は王配陛下達の実家が煩くて実父である王配陛下に任せていたら軽い罰になっていたようだった。
この件は我が公爵家への一つの借りとなった。
王配陛下曰く、
自身の御子であるライル殿下の処置に対してはもっと厳しくする予定だったのだが、ジジババが待ったを掛けてきた。謹慎中の殿下を許可は得ていたが連れ出し、自分達の元で謹慎させると言ってきたのだ。王配陛下のご実家の一族は嘆願書まで出してきたので、思っていたよりも軽い罰となってしまった。とのことで謝罪された。
相手にするのが面倒くさい相手なんだろうなって、王配陛下の顔を見て思ったと。いつか自分と切り離すつもりであるのは中枢の者達は分かっていて現在は泳がしている状態なのだとお父様から教えてもらった。
お父様やお母様、公爵家の情報でも王配陛下のご実家は農業方面に強い領地を持っていて王配陛下の知恵なくては数年前の大飢饉は乗り越えられなかったとか。その恩を返すつもりなら王家に便宜を、図ってもらおうなどとは思うなと厳命していたのだが、お気に入りの嫡男にライル殿下が似ていたことで、彼限定で孫バカになると言う困ったちゃん。常日頃から祖父母とは必要以上に交流をするなと指導していたが学園に通う従兄弟を通じて交流を持っていたようだった。
ライル殿下は普段はご両親や兄弟に厳しく接されていた反面、謹慎先では、ジジババや従兄弟一家に甘えることができ嬉しかったが、退屈なあまり、トイプーこと妹のサーサリィと内緒で連絡をこれまた従兄弟を通じてとっていた。
で、例の噴水事件に繋がった。
女王陛下はライル殿下にも王配陛下の実家にも激怒した。このところ辺境で魔物の出没と隣国のきな臭い動きに気を巡らせていた陛下。息子のヤラかしに倒れそうになったとか。
陛下はサーサリィに淑女教育のやり直しが出来ると言う修道院へ行くことを命じた。ライル殿下は王城の離れにある貴族牢に入れられ、何がいけなかったのか、どうすれば良かったのか、自分がすべきことはなんだったのかを再教育受けているらしい。
今回のことは、女王陛下にとって大きな心の負担となったようで、王配陛下や王子殿下、王女殿下は、女王陛下が、少しでも穏やかに過ごせるよう心配りをしたり、公務を代わったりしているらしい。
そんなおり、王城で働くお父様が新しく娘に迎えた私の歌声を閉じ込めた魔石を寄りによって会議中に誤って落とし作動させてしまったのだ。
何やってんのよ、お父様………。
ライル殿下の最終処分について揉めていた会議中に突如流れた“美○◎星”の歌声はお偉いさん達の心を落ち着かせたのだとか。うっそ~……。
何かね、殺伐とした心情でいる人ほど心に染みたみたいで別の意味で会議は紛糾した。
で、会議に出ていた王配陛下が女王陛下のために何か歌ってもらえないかと言ってきた。息子の失態を考えると頼める立場でないのは重々承知しているがと頭を下げてきた。
ひえ~、王族に頭下げさせるって、相当なことなんじゃ?お父様ってば自身の失態をお母様やお兄様に叱られていた。
そもそも私の声入りの魔石をいつ作ったんだとお母様に追及されておいででした。
そこで、娘を誉められて気分の上がったお父様だったけど、条件を王配陛下につけたのだ、やるぅ~。
「大っぴらなのは困ります。む、娘の心の傷は癒えていませんから。そ、それにライル殿下の婚約者候補から外れたと未だに公表して頂けておりません、娘の身を王城に連れてくるのは、王城の端とはいえ同じ空間にライル殿下がいるとなれば安心できません!」
とんだ不敬であるがお父様は気にせず言ってのけた。
で、王家のプライベート空間で王族のライル殿下以外の王族の前で歌うことになってしまった。もちろん、婚約は白紙になった。よっしゃ。
女王と言うことで、一番に思い出したのは、もちろん、松○◎士大先生の名作“○年◎王”。でもって、TV版ではなく、劇場版の主題歌の方。
内容は子供には難しくてあんまし覚えていない。先生の別作品とリンクしてたのは覚えている。
全編英語歌詞だけど単語自体は簡単だし、兎に角、○◎郎さんのシンセが美しい曲なんだけど、この世界にシンセがあるわけもなく、ピアノに似た鍵盤楽器での弾き語りだ。
歌詞は、女王陛下に失礼にと言うか、原曲だと少々大袈裟な愛の告白みたいにもとれる箇所があるから、ちょこっと変更した。リスペクトは、増し増しで。
私一人では恥ずかしいので家族にはコーラスで参加を強制した。ついでにアリーとかメイド達にも。
女王陛下の前でとなるとメイド達には酷なので魔石にコーラスを録音してもらった。
ビルフラン公爵家総出のコーラスは圧巻だ。いつかホールとかでしたいし、何なら、プロデュースしたいとか思った。
普通のオバハン、異世界に転生しましたけど、ご都合主義の能力もってました。
元々オーレリィはリズム感が良くてダンスが得意な令嬢だった。絶対音感的なものがあったんだと思う。けれど、この世界では、楽器を操れる人は限られていて、音楽も娯楽的な要素は少ない。歌詞のある歌は寺院での讃美歌や儀式に使われる独特の節回しのお経みたいなものしかない。庶民の間では其なりにあるらしいけどね。
異世界転生チートなのか、オーレリィの願望か前世では門外漢だった楽器演奏が得意な令嬢になってた。ありがたや。公爵家の合唱に関しても主に考えたのは私だ。楽器も鍵盤か弦楽器か悩んでこっちにした。
替え歌の歌詞は女王を敬愛する王配陛下方に案を貰った。女王の治世を讃えるだけではなく、原曲よりもデロアマな歌詞になっちゃって手直しした。そのデロアマな歌詞は後程女王に渡すつもりだ。
今回の歌会での公爵家の隠し玉は三男坊だ。
彼がいなくては引き受けなかったと言ってよいだろう。
アリーと本の作成をしているところにお母様がやって来て信じられないことを仰った。
「私がっ?いやいやいや、何考えてるの、お母様。」
あの歌の一件は、メイドさんから外に漏れた。と言うか信仰心篤いメイドさんが寺院の歌碑の前で口ずさんでしまったらしく、それを聞いた神官様達が事情を聞いて公爵家にやって来たのだ。
神官なのに寺院とかややこしいと思ったのは内緒。
メイドさんは真っ青だった。
詳しいことがわかるまで、歌のことは公爵家内で止めておくようにとの方針だったからだ。
メイドのヤスミンは公爵家の規律違反をしたと言うことで二ヶ月の無給と寺院への住み込みボランティアを命じられた。そのまま出家してもよいと言われたが彼女はメイドに戻ることを願った。
無意識に歌ってしまったのなら仕方ないと思うけど雇い主の命令に従えないと判断されたんだよね。
ヤスミンは、あの時居なかったけど屋敷の中では“美◎○星”を口ずさんでしまうメイドさんが後を絶たなかったからヤスミンは自然と覚えてしまったらしい。メイド長や家令からちゃんとした譜面にご家族がおこすまで屋敷外での歌うことは禁止。出入り業者、商人の前でも口ずさまぬようにとの命令が下されていた。
今までも馴染みのある歌詞に曲をつけた者は沢山いたがどれもしっくりこず、寺院としては勝手に曲をつけられるのは遺憾であるとお偉いさんからの言葉が数年前にされていたらしい。それなのにヤスミンは歌ってしまった、で、叱られると思ったら寺院の奥に連れていかれてこれ迄の中で最も相応しい、何処で知ったのか、つくったのか、など質問責めにあい今に至ったのである。
なんか、可哀想だな、ヤスミン。
“美◎○星”に曲が存在するとは思っていなかった寺院としては見過ごせる訳はなく、私は噴水に落ちて前世の記憶を思い出したこと、歌を歌うのが好きだったこと、アニオタは説明出来ないので割愛。私が好きだったジャンルがあって、寺院に残された歌碑の詩もそのジャンルの歌で聖女とか言われた人も私と同じ世界の記憶があったんだろうと説明した。
めっちゃ恥ずかしかったけど、寺院のお偉いさんが屋敷にやって来て、彼らや家族にのせられるうちに歌ってしまいましたよ。ええ、最後の方は自分に酔ってしまうほどにね……。
お偉いさん達は号泣ですよ、思い切り引きました。
自身の神聖魔法の貯蓄量が増えたとか何とか、お付きの人も全盛期の頃に戻った気がしたと言ってたけれども……気のせいでは?
そんな経緯が王家に伝わらないはずはなく、いやいやいや、お母様、無理ですって。
「女、女王陛下の前でなんて!む、無理です!」
元侯爵家に甘々の罰を与えた女王陛下。
実際は王配陛下達の実家が煩くて実父である王配陛下に任せていたら軽い罰になっていたようだった。
この件は我が公爵家への一つの借りとなった。
王配陛下曰く、
自身の御子であるライル殿下の処置に対してはもっと厳しくする予定だったのだが、ジジババが待ったを掛けてきた。謹慎中の殿下を許可は得ていたが連れ出し、自分達の元で謹慎させると言ってきたのだ。王配陛下のご実家の一族は嘆願書まで出してきたので、思っていたよりも軽い罰となってしまった。とのことで謝罪された。
相手にするのが面倒くさい相手なんだろうなって、王配陛下の顔を見て思ったと。いつか自分と切り離すつもりであるのは中枢の者達は分かっていて現在は泳がしている状態なのだとお父様から教えてもらった。
お父様やお母様、公爵家の情報でも王配陛下のご実家は農業方面に強い領地を持っていて王配陛下の知恵なくては数年前の大飢饉は乗り越えられなかったとか。その恩を返すつもりなら王家に便宜を、図ってもらおうなどとは思うなと厳命していたのだが、お気に入りの嫡男にライル殿下が似ていたことで、彼限定で孫バカになると言う困ったちゃん。常日頃から祖父母とは必要以上に交流をするなと指導していたが学園に通う従兄弟を通じて交流を持っていたようだった。
ライル殿下は普段はご両親や兄弟に厳しく接されていた反面、謹慎先では、ジジババや従兄弟一家に甘えることができ嬉しかったが、退屈なあまり、トイプーこと妹のサーサリィと内緒で連絡をこれまた従兄弟を通じてとっていた。
で、例の噴水事件に繋がった。
女王陛下はライル殿下にも王配陛下の実家にも激怒した。このところ辺境で魔物の出没と隣国のきな臭い動きに気を巡らせていた陛下。息子のヤラかしに倒れそうになったとか。
陛下はサーサリィに淑女教育のやり直しが出来ると言う修道院へ行くことを命じた。ライル殿下は王城の離れにある貴族牢に入れられ、何がいけなかったのか、どうすれば良かったのか、自分がすべきことはなんだったのかを再教育受けているらしい。
今回のことは、女王陛下にとって大きな心の負担となったようで、王配陛下や王子殿下、王女殿下は、女王陛下が、少しでも穏やかに過ごせるよう心配りをしたり、公務を代わったりしているらしい。
そんなおり、王城で働くお父様が新しく娘に迎えた私の歌声を閉じ込めた魔石を寄りによって会議中に誤って落とし作動させてしまったのだ。
何やってんのよ、お父様………。
ライル殿下の最終処分について揉めていた会議中に突如流れた“美○◎星”の歌声はお偉いさん達の心を落ち着かせたのだとか。うっそ~……。
何かね、殺伐とした心情でいる人ほど心に染みたみたいで別の意味で会議は紛糾した。
で、会議に出ていた王配陛下が女王陛下のために何か歌ってもらえないかと言ってきた。息子の失態を考えると頼める立場でないのは重々承知しているがと頭を下げてきた。
ひえ~、王族に頭下げさせるって、相当なことなんじゃ?お父様ってば自身の失態をお母様やお兄様に叱られていた。
そもそも私の声入りの魔石をいつ作ったんだとお母様に追及されておいででした。
そこで、娘を誉められて気分の上がったお父様だったけど、条件を王配陛下につけたのだ、やるぅ~。
「大っぴらなのは困ります。む、娘の心の傷は癒えていませんから。そ、それにライル殿下の婚約者候補から外れたと未だに公表して頂けておりません、娘の身を王城に連れてくるのは、王城の端とはいえ同じ空間にライル殿下がいるとなれば安心できません!」
とんだ不敬であるがお父様は気にせず言ってのけた。
で、王家のプライベート空間で王族のライル殿下以外の王族の前で歌うことになってしまった。もちろん、婚約は白紙になった。よっしゃ。
女王と言うことで、一番に思い出したのは、もちろん、松○◎士大先生の名作“○年◎王”。でもって、TV版ではなく、劇場版の主題歌の方。
内容は子供には難しくてあんまし覚えていない。先生の別作品とリンクしてたのは覚えている。
全編英語歌詞だけど単語自体は簡単だし、兎に角、○◎郎さんのシンセが美しい曲なんだけど、この世界にシンセがあるわけもなく、ピアノに似た鍵盤楽器での弾き語りだ。
歌詞は、女王陛下に失礼にと言うか、原曲だと少々大袈裟な愛の告白みたいにもとれる箇所があるから、ちょこっと変更した。リスペクトは、増し増しで。
私一人では恥ずかしいので家族にはコーラスで参加を強制した。ついでにアリーとかメイド達にも。
女王陛下の前でとなるとメイド達には酷なので魔石にコーラスを録音してもらった。
ビルフラン公爵家総出のコーラスは圧巻だ。いつかホールとかでしたいし、何なら、プロデュースしたいとか思った。
普通のオバハン、異世界に転生しましたけど、ご都合主義の能力もってました。
元々オーレリィはリズム感が良くてダンスが得意な令嬢だった。絶対音感的なものがあったんだと思う。けれど、この世界では、楽器を操れる人は限られていて、音楽も娯楽的な要素は少ない。歌詞のある歌は寺院での讃美歌や儀式に使われる独特の節回しのお経みたいなものしかない。庶民の間では其なりにあるらしいけどね。
異世界転生チートなのか、オーレリィの願望か前世では門外漢だった楽器演奏が得意な令嬢になってた。ありがたや。公爵家の合唱に関しても主に考えたのは私だ。楽器も鍵盤か弦楽器か悩んでこっちにした。
替え歌の歌詞は女王を敬愛する王配陛下方に案を貰った。女王の治世を讃えるだけではなく、原曲よりもデロアマな歌詞になっちゃって手直しした。そのデロアマな歌詞は後程女王に渡すつもりだ。
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