異世界転生、アニオタオバサン令嬢

さちもん

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○げ◎かっ!

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ビルフラン公爵家の三男ハインリヒ10歳は小さい頃からバイオリンに似た楽器を習っていた。
公爵家を継ぐ長男とスペアの次男には成人後も爵位があるのは確定しているけど、三男である彼は何か秀でたものがなければ公爵家の持つ三番目の爵位は与えられない。勉強は文官を目指せるほどでもなく、騎士もまたしかり。色々与えてみたお母様は、彼がバイオリンに興味を示したことで宮廷音楽家か、寺院音楽家に成る道を示した。
先に述べたようにこの世界では楽器を扱える者は少なく、師匠探しにも苦慮したけどハインリヒは頑張った。奢ることなく真摯にバイオリンと向き合い、今やどんな楽器も使いこなす神童である。四年後には王立高等音楽学院にて学ぶことが決まっている。
そんなハインリヒは私の歌を楽譜に起こしてくれて、編曲すら手伝ってくれた天才だ。
ぽっと出の姉である私にも懐いてくれて本当に可愛い。
見た目も天使と言っていい。
オバハン、この笑顔、守りたい。

我が国の元首は、女王ミナマリア・フォース陛下だ。
美しく聡明な陛下には二人の王配がいて残念王子は第一王配クライス陛下との間に生まれた第二子だ。
クライス陛下は、普段“知”で陛下を支えている方だが、実子のヤラかしに文字通り倒れたそうだ。で、現在は妻である陛下の負担を少なくしようと外交に出掛けている。国外から滅多に出ることのなかったクライス陛下にとって、馬車移動は耐え難いものらしく、自らに与えた罰らしい。大丈夫か?車酔いって辛いと思うけど。
で、今回の歌会を企画したのは第二王配陛下ルーファス陛下だ。彼は女王陛下を“武”で支える方。
クライス陛下が外回りに行っているために苦手な会議に出ているらしい。王家の子供のヤラかしには家族で対応するらしい。
うー、緊張する。
目の前におられる女王陛下はにこやかにされているが目の下の隈が隠せていない。
王配陛下や成人した王女殿下や王子殿下も公務を手助けしてくれているが、女王陛下の体調不良は知られるわけにはいかないため、目立つ公務は変わらず陛下が成されている。


「今回は馬鹿息子のせいで辛い思いをさせた。」
もったいない言葉だった。
「ソナタとアレの婚約は白紙に戻した。ビルフラン公爵令嬢として、新たな縁を結べばよい。」
威厳のある美しい女王陛下。
「陛下は、ライルのことを直接、君に謝りたかったのだよ、けれど、表立って呼び出すには其なりの理由が必要だった。親として、息子の非礼を詫びる。」
第一王配陛下も謝罪してきた、もう、いいよぉ……。
困っているとお父様とお母様が間に入ってくれた。
「陛下、それ以上は、娘も恐縮してしまいます。それよりも娘の歌はいかがでしたか?三男ハインリヒの伴奏も花を添えてくれました。」
お父様が話題を変えてくれた。ほっとした。
「素晴らしかった。寺院の歌はいつか寺院の祭壇のところで聞かせてくれ。」
“美○◎星”は寺院預かりの歌となった。
私が自由に歌えるのは公爵邸のみと言われた。
「他の歌はないのか?そなたの生まれのことは聞いている異世界の歌だとか。」
そう言われると思って用意してましたとも!
俺tueee系で、勘違い、中○病拗らせの転生もの?
あんまりハーレム系には興味なかったんだけど、これは別。主人公がバカで真面目でカッコいい。妄想?のために自己鍛練を欠かさないストイックさん。
決め台詞の“I'm ○mi◎○”は最高やった。
従える女の子達もカッコいい。そのED、女の子の役をしている声優さんが毎回一人一人歌うんだよね、演じてる女の子のイラストがちょっとHで可愛いの。
サブスクとかの音源は皆のユニゾンとなっててそれもいい。
テンポはちょっとゆっくりになっちゃうけど、
“♪︎明けない夜なんて~”
ハインリヒと目を合わせ、歌い出す。
サビはメイドさん達とユニゾンだ。
“~ありがとう♪︎”
終わってハインリヒと礼をする。
「素敵な歌だな……。」
「感謝を述べられた相手は、嬉しいでしょうね。」
ふふん、だってこれ、“○げ◎つ”の主人公に救われた女の子達の気持ちを歌った歌なんだもん。
主人公の預かり知らぬところで物語が進んでいく、好転していくのが楽しいのよね~。バトル描写もカッコいいんだよね~。主人公の必殺技を言う時の口調とか最高にカッコいい。
因みに2ndシーズンのEDより、こっちが好みだったのでこれを歌ってやったさ。
2ndのEDはスカのリズムになっていてアニソンの可能性を感じたよね。
そっちのEDも歌詞が良かった。可愛かった。
愛する人、敬愛する人を北極星に準えているんだよねぇ。こっちの世界で北極星ってあるのかしら。
星空はあるし、月なんか2つあるけど、星座とかはなさそう。そもそもギリシャ神話がないからなぁ。
形なんかどうとでもとれるし。
もちのろん、ギリシャ神話大好きやった。小中学生時代にめっちゃ読んだ。
理不尽さと言うか、現代社会には受け入れられないコンプライアンス悪い神様達。気紛れで勝手なのは神様だからなんだろうけど、何人孕ませてんだとかね、幼心に思ったのは確かだ。その理不尽さが魅力だったんだろうか。

そう言えば、私が初めてジャズのリズムに触れたのもアニメだったなぁ。
“妖◎人間○ム!”あのOP、あれはジャズだよね。
子供の頃のインパクトが強いアニメで人毛鬘の回をなんか覚えてるわ。本放送か再放送かはわからんけど、そう言えば、リメイクされたな。
スタイリッシュに。
OPも椎◎○檎と○本◎綾っつー最強タッグのジャズ調でカッコよかった。
○本◎綾と言えば私的に思い出されるのは“tu○◎ the r◎○nbow”“雨◎降る”“奇◎○海”捨てがたいアニソン、名曲が多すぎる声優さんだ。
“プラ◎ナ”とか“ル◎プ”とかも懐かしいっ!
サブスクと言うものに出会ってプレイリスト作ったよ。あー!スマホが、アニソンが欲しい!
不思議と歌詞も曲も一部を思い出せば全部が甦るのは能力かしら?ラップのは、許容範囲越えてて無理だったけど……。よし!名曲を思い出すぞ!

伏せ字だらけ。
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