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プロローグ
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簡単な用語集(飛ばしてもかまいません)
二次元:漫画やゲームなど画面の向こうの世界
三次元:貴方のいる世界
ギャルゲー:画面の向こうにいる可愛い女の子を恋人にするゲーム
(Hがあるものはエロゲと呼ばれたりもする
◆
現実なんてくそくらえだ。俺を癒してくれるのは、画面の中の可愛い女の子たちだけ。
これだけ愛でているんだから、俺の嫁も一人くらいは画面からでてきてくれてもいいんじゃないか。
そんな痛いことを考える日々。
本当に出てきてしまうなんて、誰が想像するだろう。
「初めまして。オレは真山千里(まやまちさと)。お前の親友だ」
ただし、画面から飛び出してきたのは、嫁ではなく親友でした。
俺は深夜コンビニの帰り道、ゴミ袋からCDROMが出ているのを見て、興味本位で持ち帰った。
二次エロ画像が入ってたりしないかなとか、コピーされたエロゲーだったりしないかなとか、そんな期待をしつつ。
趣味が悪いという自覚はあるが、隠された人のプライベートに興味がなかったと言えば嘘になる。
ウィルスが怖いので、捨てる予定のノートパソコンに入れて起動。中身はゲームだった。ギャルゲーだ。女の子がたくさんいた。タイトルはなかった。
プレイしてみようかと、いつも通り主人公の名前を入力。
そして今現在、俺の親友と名乗る男が目の前にいる訳だ。
昔の子供向けアニメでこういう展開よくあったよなー……。やっぱり夢オチかな?
「現実逃避気味だな、森下冬夜(もりしたとうや)くん」
「なっ、何で俺の名前……」
「そんなの、オレが出てきた場所を考えればわかるだろう。でもギャルゲーの主人公に本名つけるのはさすがに寒いな」
もしこれが夢でなく現実なのだとしたら、あんまりじゃないか。出てきたのは男な上、プレイスタイルにまでケチをつけられた。
「どうせ夢なら、女の子が出てきてくれよ……」
「お前さ、画面から嫁が出てこないかなーとか思いつつ、実は出てきたらどうしていいかわからないとか、女の子と接するのは怖いとか思うタイプだろ」
「そ、それは……」
図星だ。実を言えば、目の前にいるこの青年も怖い。
画面から出てきたからとかそういうオカルト的なことじゃなくって、チャラチャラした感じのイケメンだからだ。
こういう男とかギャルとかは怖いと思ってしまう、オタクのサガ。視線も上手くあわせられなくて、さっきからキョドッてる。
ただ、俺じゃなかったとしても、今のこの事態には挙動不審にならざるをえないと思う。
「しかしまいったな。オレも画面から出てしまうのは想定外だ。とりあえず……」
真山と名乗った青年は、俺の肩を抱いてニーッと笑った。
「お前にもオレを、親友だと思ってもらわないと」
「え……? 何故そうなる! 意味がわからない」
「そういうポジションだからだ。オレは、お前の親友役なんだよ」
そういうポジション。親友役。
ああ、そうか。きっとそれがこいつの、ゲーム内での役割なんだ。
だからって突然、今日から親友ですなんて、それはない。俺にだってそれくらいはわかる。
親友ってそういうふうになるもんじゃない。親友っていうのは……。
「まずはお友達からお願いします」
あまりにもテンパりすぎて、俺は訳のわからないことを口走っていた。
二次元:漫画やゲームなど画面の向こうの世界
三次元:貴方のいる世界
ギャルゲー:画面の向こうにいる可愛い女の子を恋人にするゲーム
(Hがあるものはエロゲと呼ばれたりもする
◆
現実なんてくそくらえだ。俺を癒してくれるのは、画面の中の可愛い女の子たちだけ。
これだけ愛でているんだから、俺の嫁も一人くらいは画面からでてきてくれてもいいんじゃないか。
そんな痛いことを考える日々。
本当に出てきてしまうなんて、誰が想像するだろう。
「初めまして。オレは真山千里(まやまちさと)。お前の親友だ」
ただし、画面から飛び出してきたのは、嫁ではなく親友でした。
俺は深夜コンビニの帰り道、ゴミ袋からCDROMが出ているのを見て、興味本位で持ち帰った。
二次エロ画像が入ってたりしないかなとか、コピーされたエロゲーだったりしないかなとか、そんな期待をしつつ。
趣味が悪いという自覚はあるが、隠された人のプライベートに興味がなかったと言えば嘘になる。
ウィルスが怖いので、捨てる予定のノートパソコンに入れて起動。中身はゲームだった。ギャルゲーだ。女の子がたくさんいた。タイトルはなかった。
プレイしてみようかと、いつも通り主人公の名前を入力。
そして今現在、俺の親友と名乗る男が目の前にいる訳だ。
昔の子供向けアニメでこういう展開よくあったよなー……。やっぱり夢オチかな?
「現実逃避気味だな、森下冬夜(もりしたとうや)くん」
「なっ、何で俺の名前……」
「そんなの、オレが出てきた場所を考えればわかるだろう。でもギャルゲーの主人公に本名つけるのはさすがに寒いな」
もしこれが夢でなく現実なのだとしたら、あんまりじゃないか。出てきたのは男な上、プレイスタイルにまでケチをつけられた。
「どうせ夢なら、女の子が出てきてくれよ……」
「お前さ、画面から嫁が出てこないかなーとか思いつつ、実は出てきたらどうしていいかわからないとか、女の子と接するのは怖いとか思うタイプだろ」
「そ、それは……」
図星だ。実を言えば、目の前にいるこの青年も怖い。
画面から出てきたからとかそういうオカルト的なことじゃなくって、チャラチャラした感じのイケメンだからだ。
こういう男とかギャルとかは怖いと思ってしまう、オタクのサガ。視線も上手くあわせられなくて、さっきからキョドッてる。
ただ、俺じゃなかったとしても、今のこの事態には挙動不審にならざるをえないと思う。
「しかしまいったな。オレも画面から出てしまうのは想定外だ。とりあえず……」
真山と名乗った青年は、俺の肩を抱いてニーッと笑った。
「お前にもオレを、親友だと思ってもらわないと」
「え……? 何故そうなる! 意味がわからない」
「そういうポジションだからだ。オレは、お前の親友役なんだよ」
そういうポジション。親友役。
ああ、そうか。きっとそれがこいつの、ゲーム内での役割なんだ。
だからって突然、今日から親友ですなんて、それはない。俺にだってそれくらいはわかる。
親友ってそういうふうになるもんじゃない。親友っていうのは……。
「まずはお友達からお願いします」
あまりにもテンパりすぎて、俺は訳のわからないことを口走っていた。
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