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ステージ7
君が消えるまで
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「お帰りー、千里くん! 冬夜くんがそれはへこんじゃって大変だったよ」
「はい、ご迷惑かけまして」
ニコニコ笑っていた真美さんが急に怪訝な顔をして、真山くんに顔を近づけた。
「……あの、何か?」
「なんか、少し様子変わったね。海外に染まってきたー?」
まだ挨拶しただけだぞ。鋭いってレベルじゃない。さすが真美さんだ。
遊びに来ていた香織さんもユカも、興味津々に真山くんを見ている。
「そういえば少し男前が上がったカンジ?」
「真山さんが帰ってきてよかったですね、森下さん」
この顔ぶれだと、嫌でもあの日を思い出してつらい。最高で、最悪の日。
今は傍に真山くんがいるし、みんなの前だ。もう、つらい顔はできない。喜んでなきゃいけないんだ。
「また夜勤に入るから、よろしくお願いします」
「ん、オッケー」
「いいな、アタシもバイトしようかな……」
「この辺りは治安があまりよくないから、女の子の夜勤はオススメしないよ。土日だけならいいけど」
ユカと香織による、真美さんへの静かなアプローチが続く。
ちなみに、真美さんはそれを華麗に受け流している。
「今日はさ、冬夜くん、休んでいいよ」
「えっ? な、なんでですか!?」
「なんとなく。今から新人バイトの指導して、夜は真美が送っていくから、今日は二人で帰りなよ」
確かに、凄く……嬉しいけど。
最後のほうはシフトの関係で、一緒に帰ることなんてあまりなかったし。
「じゃ、新人バイトさん、頑張る?」
真美さんはそう言って、香織さんとユカにニコッと笑ってみせた。敵わないな、この人には。
「あー、あと、帰国祝いねっ。外寒いから中華まん一つずつ奢ってあげる」
「ずいぶんと安い帰国祝いですね」
「親友同士を帰らせてあげるのがメインだもん」
……なんか、どこまで気づいてるんだろ。
「冬夜くんは?」
「じゃ、俺肉まん」
「オレ、カレーまんがいい」
「……やっぱり俺も、カレーまんで」
「冬夜、なんだよ、真似っこだなー」
「うるさい」
がやがやしていたら、三人ににやにやと見られてた。恥ずかしい。
「じ、じゃあ今日は帰らせてもらいます」
「うん、また明日ねー、二人とも!」
貰った中華まん2個を抱えて、そそくさとコンビニを出る。
「うお、寒ッ! 早く1個寄越せ。カイロがわりだ!」
「了解」
前一緒にカレーまんを食べた時より、ずっと寒い。
確かあの時、真山くんは俺に……。
「今キスしたら、お互いカレー味だね」
「冬夜もそんなジョーク言うのな」
本当は、君が言った台詞だったけどな。
「じゃ、してみるか?」
「しないけど」
嘘。本当は凄くしたい。でも我慢する。
冗談のような軽いキスでさえ、俺の中では親友の範囲では済みそうにないから。
「あのさ、俺今日から真山くんの家に泊まっていいかな」
「ん? いつまで?」
「……君が消えるまで」
真山くんが黙り込む。少し間が開いて、真山くんは静かに頷いた。
「いいぜ。その代わり、オレのことは千里って呼べ」
「そのやり取り散々したけど、無理だったんだ……。その、呼ぶとイロイロ思い出すから、勘弁してよ」
「あー……、そう。イロイロ、ね」
なんとか通じたっぽい。俺がちゃんと呼べたの、アノ時だもんな。真山くんの部屋で名前呼びなんかしたら、嫌でも身体が盛り上がってしまいそうだ。
彼は彼じゃないのに、俺……最低だ。なんか浮気でもするような気分。
「人肌の気持ち良さ教えるくらいならしてやるけど」
「だから……そーゆーの、本当……」
真山くんはどこまでも、真山くんだった。
「はい、ご迷惑かけまして」
ニコニコ笑っていた真美さんが急に怪訝な顔をして、真山くんに顔を近づけた。
「……あの、何か?」
「なんか、少し様子変わったね。海外に染まってきたー?」
まだ挨拶しただけだぞ。鋭いってレベルじゃない。さすが真美さんだ。
遊びに来ていた香織さんもユカも、興味津々に真山くんを見ている。
「そういえば少し男前が上がったカンジ?」
「真山さんが帰ってきてよかったですね、森下さん」
この顔ぶれだと、嫌でもあの日を思い出してつらい。最高で、最悪の日。
今は傍に真山くんがいるし、みんなの前だ。もう、つらい顔はできない。喜んでなきゃいけないんだ。
「また夜勤に入るから、よろしくお願いします」
「ん、オッケー」
「いいな、アタシもバイトしようかな……」
「この辺りは治安があまりよくないから、女の子の夜勤はオススメしないよ。土日だけならいいけど」
ユカと香織による、真美さんへの静かなアプローチが続く。
ちなみに、真美さんはそれを華麗に受け流している。
「今日はさ、冬夜くん、休んでいいよ」
「えっ? な、なんでですか!?」
「なんとなく。今から新人バイトの指導して、夜は真美が送っていくから、今日は二人で帰りなよ」
確かに、凄く……嬉しいけど。
最後のほうはシフトの関係で、一緒に帰ることなんてあまりなかったし。
「じゃ、新人バイトさん、頑張る?」
真美さんはそう言って、香織さんとユカにニコッと笑ってみせた。敵わないな、この人には。
「あー、あと、帰国祝いねっ。外寒いから中華まん一つずつ奢ってあげる」
「ずいぶんと安い帰国祝いですね」
「親友同士を帰らせてあげるのがメインだもん」
……なんか、どこまで気づいてるんだろ。
「冬夜くんは?」
「じゃ、俺肉まん」
「オレ、カレーまんがいい」
「……やっぱり俺も、カレーまんで」
「冬夜、なんだよ、真似っこだなー」
「うるさい」
がやがやしていたら、三人ににやにやと見られてた。恥ずかしい。
「じ、じゃあ今日は帰らせてもらいます」
「うん、また明日ねー、二人とも!」
貰った中華まん2個を抱えて、そそくさとコンビニを出る。
「うお、寒ッ! 早く1個寄越せ。カイロがわりだ!」
「了解」
前一緒にカレーまんを食べた時より、ずっと寒い。
確かあの時、真山くんは俺に……。
「今キスしたら、お互いカレー味だね」
「冬夜もそんなジョーク言うのな」
本当は、君が言った台詞だったけどな。
「じゃ、してみるか?」
「しないけど」
嘘。本当は凄くしたい。でも我慢する。
冗談のような軽いキスでさえ、俺の中では親友の範囲では済みそうにないから。
「あのさ、俺今日から真山くんの家に泊まっていいかな」
「ん? いつまで?」
「……君が消えるまで」
真山くんが黙り込む。少し間が開いて、真山くんは静かに頷いた。
「いいぜ。その代わり、オレのことは千里って呼べ」
「そのやり取り散々したけど、無理だったんだ……。その、呼ぶとイロイロ思い出すから、勘弁してよ」
「あー……、そう。イロイロ、ね」
なんとか通じたっぽい。俺がちゃんと呼べたの、アノ時だもんな。真山くんの部屋で名前呼びなんかしたら、嫌でも身体が盛り上がってしまいそうだ。
彼は彼じゃないのに、俺……最低だ。なんか浮気でもするような気分。
「人肌の気持ち良さ教えるくらいならしてやるけど」
「だから……そーゆーの、本当……」
真山くんはどこまでも、真山くんだった。
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