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その後のお話
初夢の話
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※葉月視点
「葉月、初夢どうだった?」
「富士山、鷹、なすびと、当然のようにフィーバー状態だったな。迷信とはいえ、おめでたい頭をしてるみたいだ」
「いやそれ、普通に縁起がいいだろ……」
「お前は?」
旭が顔を曇らせた。
「富士と鷹は出たんだ……」
「なんだ。いいじゃないか」
「それが、葉月が富士の樹海に行くって家を出ていって俺はそれを追いかけるんだけど、見つけたと思ったら今度は大きな鷹にさらわれて……」
「ふっ……。なんだよ、その小学生みてーな夢は」
「うるさいな。俺だってガキみたいだと思ってて、だからあまり言いたくなかったんだ」
こういう夢だったら嫌だという想いと、縁起のいい夢を見たいという思いがごちゃ混ぜになったのか?
相変わらず期待を裏切らない男だ。面白い。たかだか初夢ごときでやたらへこんでる姿が大きな犬に見えて甘やかしてやりたくなる。
おれはお前に言われなきゃ初夢なんて見たか見ないかわからないうちに正月が過ぎ去っていただろうよ。年齢を重ねていけば、まあだいたいがそんなもんだろう。
「なら、おれがここにいるってこと、確かめるか? ほら」
旭の手をとって、両頬をさわらせる。ごくりと、喉を鳴らしたのがわかった。
「これくらいじゃ、安心できない」
「やらしいヤツだな」
「えーっ。誘ったのは葉月だろ、酷い!」
「ハハハ」
じゃれるように、ベッドへ倒れ込む。
誘った自覚はある。だから、そのつもりはなかったとは言ってない。
なのにこの男、おれが許可を出すまでは手を出そうとしない。犬のようにじゃれついてくるだけ。ゲイは嫌だとか掘られるのはごめんだとか散々言ってきたから、今でも気を遣っているようだ。そんなのはお前に惚れた時点でどうでもよくなってるんだがな。
……いや、まあ。尻の穴を拡げられるのに抵抗がないとは言わないが。
キスやハグなら散々してくるし、一度許可を出したが最後やめろと言っても止まらないんだから、まったく中途半端な男だ。
「葉月……」
とけるような声色がおれの名前を呼ぶ。
軽いキスから始まって舌を甘く吸われ、おれからも応えて首に腕を回す。既にギンギンになってる股間を膝で刺激してやると、ようやくお許しが出たとばかりに衣服へ手を差し入れてきた。
「ッ……旭」
「葉月が逃げないよう、俺の杭で身体の中心を打ち抜かせてくれ」
「ふ……、ふふっ。笑っちまってセックスになんねーから、そういう台詞はご遠慮してくれよ」
「えー! 決め台詞のつもりだったのに」
「これだから、なあ。お前といると飽きないぜ、本当。今年一年、期待してる」
「嬉しいけど……今は、別の期待をしてくれ!」
「あー。はいはい。そっちも頑張ってくれ。お前とすんの、嫌いじゃな……、いや、好き……だからさ?」
足を絡めて誘うように微笑んで、顎を舐めあげてやる。
押し付けられる熱い身体もぎこちない指先も、全部たまらない。ちょっと荒々しいのはご愛嬌だ。襲われている感が強くて、きっと前までなら蹴飛ばしていただろう。今ではそれすら愛おしい。お前に無茶されて足腰立たなくなるのも、悪くないと思ってる。
だから後は存分に、おれがここにいることを、確かめてくれ。
富士の樹海になんて行かないし、鷹にさらわれたってお前が奪い返してくれるんだろう? なあ、旭。
「葉月、初夢どうだった?」
「富士山、鷹、なすびと、当然のようにフィーバー状態だったな。迷信とはいえ、おめでたい頭をしてるみたいだ」
「いやそれ、普通に縁起がいいだろ……」
「お前は?」
旭が顔を曇らせた。
「富士と鷹は出たんだ……」
「なんだ。いいじゃないか」
「それが、葉月が富士の樹海に行くって家を出ていって俺はそれを追いかけるんだけど、見つけたと思ったら今度は大きな鷹にさらわれて……」
「ふっ……。なんだよ、その小学生みてーな夢は」
「うるさいな。俺だってガキみたいだと思ってて、だからあまり言いたくなかったんだ」
こういう夢だったら嫌だという想いと、縁起のいい夢を見たいという思いがごちゃ混ぜになったのか?
相変わらず期待を裏切らない男だ。面白い。たかだか初夢ごときでやたらへこんでる姿が大きな犬に見えて甘やかしてやりたくなる。
おれはお前に言われなきゃ初夢なんて見たか見ないかわからないうちに正月が過ぎ去っていただろうよ。年齢を重ねていけば、まあだいたいがそんなもんだろう。
「なら、おれがここにいるってこと、確かめるか? ほら」
旭の手をとって、両頬をさわらせる。ごくりと、喉を鳴らしたのがわかった。
「これくらいじゃ、安心できない」
「やらしいヤツだな」
「えーっ。誘ったのは葉月だろ、酷い!」
「ハハハ」
じゃれるように、ベッドへ倒れ込む。
誘った自覚はある。だから、そのつもりはなかったとは言ってない。
なのにこの男、おれが許可を出すまでは手を出そうとしない。犬のようにじゃれついてくるだけ。ゲイは嫌だとか掘られるのはごめんだとか散々言ってきたから、今でも気を遣っているようだ。そんなのはお前に惚れた時点でどうでもよくなってるんだがな。
……いや、まあ。尻の穴を拡げられるのに抵抗がないとは言わないが。
キスやハグなら散々してくるし、一度許可を出したが最後やめろと言っても止まらないんだから、まったく中途半端な男だ。
「葉月……」
とけるような声色がおれの名前を呼ぶ。
軽いキスから始まって舌を甘く吸われ、おれからも応えて首に腕を回す。既にギンギンになってる股間を膝で刺激してやると、ようやくお許しが出たとばかりに衣服へ手を差し入れてきた。
「ッ……旭」
「葉月が逃げないよう、俺の杭で身体の中心を打ち抜かせてくれ」
「ふ……、ふふっ。笑っちまってセックスになんねーから、そういう台詞はご遠慮してくれよ」
「えー! 決め台詞のつもりだったのに」
「これだから、なあ。お前といると飽きないぜ、本当。今年一年、期待してる」
「嬉しいけど……今は、別の期待をしてくれ!」
「あー。はいはい。そっちも頑張ってくれ。お前とすんの、嫌いじゃな……、いや、好き……だからさ?」
足を絡めて誘うように微笑んで、顎を舐めあげてやる。
押し付けられる熱い身体もぎこちない指先も、全部たまらない。ちょっと荒々しいのはご愛嬌だ。襲われている感が強くて、きっと前までなら蹴飛ばしていただろう。今ではそれすら愛おしい。お前に無茶されて足腰立たなくなるのも、悪くないと思ってる。
だから後は存分に、おれがここにいることを、確かめてくれ。
富士の樹海になんて行かないし、鷹にさらわれたってお前が奪い返してくれるんだろう? なあ、旭。
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