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第二幕

3踏目(R18

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 照明が軽く落とされた寝室の中、直人さんがベッドに腰かけて足を組んで座っている。
 バスローブからすらりと伸びた足が色っぽい。ああ、足にむしゃぶりついて舐め回したい。
 僕だけ素っ裸……。襲うことは許されてない状況。興奮で身体が熱くなる。
 
「望、タバコ」
 
 えっ……。えっと。この姿で買ってこいってことかな……。
 また捕まる。

 直人さんが視線をやった方を見ると寝室の隅に収納つきの小さなテーブル。
 その上に灰皿とタバコとジッポが置いてあった。
 タバコを一本抜いてジッポを持って直人さんの元へ戻る。
 くわえさせてそっと火をつけた。
 
「ん……」
 
 目を細めて気持ち良さそうにそれを吸う。カッコ良すぎて壮絶に悶える。
 僕はそんな直人さんの前に正座をし、待ての体勢を取る。直人さんは足置きにでもするように、僕の肩に踵を片方乗せた。
 
「タバコ……吸うんですね」
「こんな気分の日は特に吸いたくなるな」
 
 心からの恋人ができた、みたいな気分の時かな。
 
「灰皿」
「どうぞ!」
 
 僕はそう言って手の平を差し出す。
 これやってみたかったー! やばい想像するだけで興奮しすぎて勃起しそう。
 ご主人様の命令もなしに節操なく勃てるなんて、なんてだらしない犬なんだ僕は。
 
「くくっ……。馬鹿、確かにこれは嬉しいがな、お前は一応社会人だろう?」
「そ、そうですけど」
「こういうのはあくまでプレイの範囲で楽しむものだ。日常に支障をきたしちゃいけない」
 
 通報はするのにか。

 ああ、でも奴隷にもお優しい。直人さぁん……。それともきちんと恋人になれたからですか?
 あんなに容赦なく足腰立たなくなるほど殴ったり蹴ったりしても、外側に傷が見えるのは気を遣ってくれるんだなぁ。見える位置は殴ってなかったし。

 冷静に考えて、確かに根性焼きはまずいか。
 
「だからここを使わせてもらう」
「っあ……」
 
 肩からじゅっと音がする。ダメだ、イキそう……。
 
「痛みも感じずに興奮するのか?」
「痛いですよ。でもそれが、うぅッ……」
 
 屹立をぐりぐりと足先でなぶられて、先走りがどろりと漏れた。
 直人さんの足、汚しちゃった。さっきは夢中でできなかったけど、舐めて綺麗にしないと。
 
「望」
「え……」
 
 唇の端にキスが落ちる。下唇を噛んで、それは離れていった。
 目の前でバスローブがはだけられ、直人さんの前が僕の眼前に晒される。
 ……拝みたい勢いだ。
 
「さっき途中だったからな。奉仕しろ。ただし、ベッドには乗り上げるな」
 
 はいっ、喜んでー! 
 膝立ちになって、直人さんの股間に顔を埋める。僕はそれこそ犬のようにぴちゃぴちゃと熱心に舐めしゃぶった。
 少しでも気持ち良くなれるように、感じるように、気に入って貰えるように。
 直人さんの指先が僕の髪を撫で、差し込まれる。
 頭を押さえ付けられ、屹立が喉の奥まで入り込んでくる。
 苦しいけど吐いたりできない。生理的な涙が滲むのをこらえながら、それでも舌を絡める。
 舐めてないとこなんてないってくらいに頑張った。
 
「ッ……やっぱり上手いな、お前」
 
 熱い息がもれて俄然やる気になる。しかも褒められた!
 やっぱりってことは、今までも感じてたってことだよね。興奮しちゃう。ハァハァ……。
 飲みたい。直人さんの熱いの、口の中いっぱいに吐き出して欲しい。
 そう思って強く吸い上げた途端、直人さんは低く呻いて僕の頭を股間から引きはがした。
 
「あ……」
 
 顔面にどろりと液体がかかり、顎をつたっておちる。
 顔射されちゃった。凄い。凄い熱くて、いっぱい。
 
「くくっ、良かったぞ」
 
 足の裏で精液まみれになった顔面を擦られる。
 塗り付けるように広げてから足の指を口の中に入れて来た。
 
「今度は舐めて綺麗にしな」
「ふ、ふぁい……」
 
 入れられたままだから上手く発音できない。
 ハァ……。あの綺麗な足が僕の口の中に……。これもいっぱい舐めていいんだ。精液と体臭が混じった味ならもっといいのに、シャワーで多少薄くなってる。残念。
 
「そう、いい子だ。一本一本丁寧にな」
 
 低く優しい、けれど抗うことが許されない声と、髪の毛に触れる指先がたまらない。
 僕の、もうギンギンだ。扱きたい。でも命令もなしにそんなことしたらダメだ。
 
「はぁ、はふ……。な、直人さ……」
「自分の、擦りたいのか?」
「はい……」
「ダメだ。これは勝手に盛ったお仕置きだからな。イキたいなら手を使わずに、俺のを舐めるだけでイッてみせろ」
 
 貴方にそんな台詞を吐かれたら、きっとそれくらいはたやすい。
 声が愛撫のように肌を撫でて、僕はその刺激で果てることができる。
 
「でも、この位置だと直人さんの身体にかかります」
「そうしたら、飛んだ精液を全部舐めとってもらう」
 
 どれだけエロイ光景。イキたい。見たい。僕の汁まみれになる直人さん。
 
「ん、ぅ……」
 
 足を膝の辺りまで舐めて、上目遣いで懇願する。
 
「もっと、もっと詰ってください。その爪で、さっきの傷痕強く引っ掻いて」
「おねだりははしたないぞ。この変態」
「あぁ……」
「俺の身体を舐めるだけでひくひくさせやがって。イッてるみたいに先走りが垂れまくってるじゃないか」
 
 僕は直人さんの腿に口付けながら射精した。
 足の裏で飛び散りを妨害され、直人さんの身体は綺麗なまま。足裏だけがまたべたべたになる。今度はフローリングにも少し散った。
 
「もう一度舐め直しだぞ。綺麗にしろ、お前が出したものだ」
「はい」
「綺麗になったら俺は寝るから、床の精液も綺麗に舐め取っておけ」
「そのあと、僕はどうしたら……」
「同じ部屋で寝ることを許可してやるから、そのまま床で寝ろ」
 
 裸のままで寝ろとか。直人さんの鬼。興奮しちゃう……。
 でも同じ部屋で同じ空気を吸えるだけで僕は……。
 って、奴隷扱い嬉しいけど、恋人としてはなんかアレじゃない? 嬉しいけど! 
 でも、さっきからしゃぶったり、今だって自分の精液まで舐めさせられてるから、どのみちキスはさせてもらえないだろうなあ。
 
 一本一本舌を這わせ、裏も丁寧に舐めた。少しもべたつかないくらいに。
 綺麗になると、直人さんは僕の肩を蹴った。
 
「次は床を綺麗にしておけよ」
「はい」
「俺は寝るから指一本触れるなよ」
 
 うっ、それは辛い……。それに、折角恋人同士になれたんだからぎゅーとかほっぺちゅーとかしたいのに。
 
「返事は?」
「わんっ!」
 
 直人さんがニッと笑う。ああん、カッコイイ……。
 
「よろしい」
「!」
 
 額にちゅっとキスをされた。
 
「指一本触れるなって……」
「当たり前だが、俺が触れる分には構わない。だろう?」
「もちろんです!」
 
 直人さんは僕の髪を優しく撫でてさっさと寝てしまった。
 マジ寝してる。さすが僕のご主人様。素敵だ、かっこいい、最高。ハァハァ。飴と鞭がたまりません!
 
 さあ、僕は床を綺麗に舐めておかないと。
 明日の朝にはピカピカになるくらい。全部の床を舐める勢いで!
 
 
 
 
 ……次の日具合が悪くなって入院しました。
 直人さんは一回も見舞いに来てくれませんでした。
 ああ、愛が痛い……。 
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