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ご褒美追加
イタズラさせたい
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今日はハロウィン。もちろんお菓子なんて用意してない。
うふふ。僕たちみたいなサドマゾカップルにとって、こんなに美味しい日はないもんね。
直人さんはいったい僕に、どんなイタズラをしてくれるんだろう。
ムチ? ロウソク? 拘束? 宙吊り? スパンキング? 言葉責め?
貴方がしてくれるなら、僕どんなことだって耐えてみせます、ハァハァ……。むしろやってほしい……。
そんな期待をしていたら、想像以上のイタズラが、僕を待ち受けていた……。
「どうした? ほら、好きにしていいんだぞ?」
ベッドの上で僕を誘う直人さん。ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。
「そ、そんなこと、言われても……」
言われたら、むしろ丁寧に奉仕して突っ込むくらいしか、僕にできることはないんだけど。
それをしようとしたら怒られるし。直人さんの罵声は好きだけど、奴隷、いや恋人として期待に応えたい気持ちもある。
「今日は俺じゃなく、お前が俺にイタズラをするんだ。さあ、どんなことをしてくれる、望」
「羽ペンで身体全部をくすぐるとか」
「ぬるいな」
「腕を縛って、バイブ挿れたまま放置します!」
「それで耐えられるのか、お前が。すでにここをこんなにして」
爪先が僕の熱を辿る。堅い爪の感触と誘うような視線に、先走りがこぼれ落ちる。
大体僕だけ素っ裸で直人さん着衣とか、この時点で僕がイタズラされているような感じじゃないか。燃えるけども!
「じ、じゃあ、こうやって足をがばっと開かせて」
開かせて、ゆっくりとベルトを外す。ズボンを脱がせる。少しずつ肌が見えていく様がたとえようもなくやらしい。足を開かせているから、大事な部分が丸見えになるし。
あ……。直人さんの、もう勃ってる……。
もしかして直人さんも、僕に見られて興奮してる?
「開かせて、それからどうするんだ」
「こんなに凝視されて、恥ずかしかったり……しませんか?」
「別に」
サドなプレイなんてできない僕に、無理矢理イタズラさせるとか、この時点で充分なイタズラ。
困る僕を見て嘲笑する直人さんの視線がもう……!
「……という夢を昨日見たんですよ」
「ほう」
「だって直人さん、何もしてくれなかったし」
直人さんが、読んでいた朝刊をダイニングテーブルにバサリと広げた。
「望」
指先でこいこいされて、近寄る。指された部分を見て、何が載っているのかと思ったら今日の日付だった。
「ハロウィンは、一か月も前だ」
「だってぇ……。直人さんが、ちょっと遅れたけどイタズラしちゃうぞ! と言ってくれるのを、ずっと待ってたんですよ」
「一か月も」
「だから夢にまで見てしまった……」
「どうにも最近静かだと思ったら、俺がアクションを起こすのを待っていたのか……」
直人さんは大きな溜息をついて、僕の足を思いきり踏んだ。
「いっ……」
そのままグリグリと押しつぶしてくる。痛気持ちいい。
「お菓子など用意せず、イタズラされるのを待ちわびている奴にイタズラするぞと言ったところで、どうしようもないだろう」
見抜かれてる。でも、わかっていても恋人同士なら、少しはイチャイチャビシバシしてもいいと思うんだ。
「それに俺は、そういうイベントにはまったく興味がない」
「直人さんが好きそうじゃないのはわかってましたけど。だからいい子で、期待だけして待ってたんですよ。ご褒美ください」
「これはご褒美にならないか?」
踏まれた足に、更に体重をかけられた。
「ん、んんっ……。き、気持ちいいですけど、もうちょっと、もうちょっと、なんかぁ……」
「ククッ……。逆にお前が例の台詞を言っていたら、夢のような展開になっていたかもな」
「えっ……!」
声をあげた僕の唇に、掠めるようなキス。
胸ポケットに何かを入れられて、ポンポンとそこをはたかれる。
「やるよ。貰い物だけどな」
そう言って、直人さんは朝刊を持ってマンションを出ていった。
僕はその背中と自分の胸ポケットを交互に見比べて、入れられた物を取り出す。
「あ、タバコ……?」
じゃない。これ、タバコチョコだ。
イタズラされてくれる気なんて、全然ないじゃないですか。
そう思いながらも、僕はどこか晴れやかな気分だった。
タバコチョコは直人さんの……だと思いながら一本一本丁寧に舐め尽くした。
会社には遅刻した。
うふふ。僕たちみたいなサドマゾカップルにとって、こんなに美味しい日はないもんね。
直人さんはいったい僕に、どんなイタズラをしてくれるんだろう。
ムチ? ロウソク? 拘束? 宙吊り? スパンキング? 言葉責め?
貴方がしてくれるなら、僕どんなことだって耐えてみせます、ハァハァ……。むしろやってほしい……。
そんな期待をしていたら、想像以上のイタズラが、僕を待ち受けていた……。
「どうした? ほら、好きにしていいんだぞ?」
ベッドの上で僕を誘う直人さん。ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。
「そ、そんなこと、言われても……」
言われたら、むしろ丁寧に奉仕して突っ込むくらいしか、僕にできることはないんだけど。
それをしようとしたら怒られるし。直人さんの罵声は好きだけど、奴隷、いや恋人として期待に応えたい気持ちもある。
「今日は俺じゃなく、お前が俺にイタズラをするんだ。さあ、どんなことをしてくれる、望」
「羽ペンで身体全部をくすぐるとか」
「ぬるいな」
「腕を縛って、バイブ挿れたまま放置します!」
「それで耐えられるのか、お前が。すでにここをこんなにして」
爪先が僕の熱を辿る。堅い爪の感触と誘うような視線に、先走りがこぼれ落ちる。
大体僕だけ素っ裸で直人さん着衣とか、この時点で僕がイタズラされているような感じじゃないか。燃えるけども!
「じ、じゃあ、こうやって足をがばっと開かせて」
開かせて、ゆっくりとベルトを外す。ズボンを脱がせる。少しずつ肌が見えていく様がたとえようもなくやらしい。足を開かせているから、大事な部分が丸見えになるし。
あ……。直人さんの、もう勃ってる……。
もしかして直人さんも、僕に見られて興奮してる?
「開かせて、それからどうするんだ」
「こんなに凝視されて、恥ずかしかったり……しませんか?」
「別に」
サドなプレイなんてできない僕に、無理矢理イタズラさせるとか、この時点で充分なイタズラ。
困る僕を見て嘲笑する直人さんの視線がもう……!
「……という夢を昨日見たんですよ」
「ほう」
「だって直人さん、何もしてくれなかったし」
直人さんが、読んでいた朝刊をダイニングテーブルにバサリと広げた。
「望」
指先でこいこいされて、近寄る。指された部分を見て、何が載っているのかと思ったら今日の日付だった。
「ハロウィンは、一か月も前だ」
「だってぇ……。直人さんが、ちょっと遅れたけどイタズラしちゃうぞ! と言ってくれるのを、ずっと待ってたんですよ」
「一か月も」
「だから夢にまで見てしまった……」
「どうにも最近静かだと思ったら、俺がアクションを起こすのを待っていたのか……」
直人さんは大きな溜息をついて、僕の足を思いきり踏んだ。
「いっ……」
そのままグリグリと押しつぶしてくる。痛気持ちいい。
「お菓子など用意せず、イタズラされるのを待ちわびている奴にイタズラするぞと言ったところで、どうしようもないだろう」
見抜かれてる。でも、わかっていても恋人同士なら、少しはイチャイチャビシバシしてもいいと思うんだ。
「それに俺は、そういうイベントにはまったく興味がない」
「直人さんが好きそうじゃないのはわかってましたけど。だからいい子で、期待だけして待ってたんですよ。ご褒美ください」
「これはご褒美にならないか?」
踏まれた足に、更に体重をかけられた。
「ん、んんっ……。き、気持ちいいですけど、もうちょっと、もうちょっと、なんかぁ……」
「ククッ……。逆にお前が例の台詞を言っていたら、夢のような展開になっていたかもな」
「えっ……!」
声をあげた僕の唇に、掠めるようなキス。
胸ポケットに何かを入れられて、ポンポンとそこをはたかれる。
「やるよ。貰い物だけどな」
そう言って、直人さんは朝刊を持ってマンションを出ていった。
僕はその背中と自分の胸ポケットを交互に見比べて、入れられた物を取り出す。
「あ、タバコ……?」
じゃない。これ、タバコチョコだ。
イタズラされてくれる気なんて、全然ないじゃないですか。
そう思いながらも、僕はどこか晴れやかな気分だった。
タバコチョコは直人さんの……だと思いながら一本一本丁寧に舐め尽くした。
会社には遅刻した。
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