イケメンと五月病

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その後の話

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※旅行編は同人誌で書きましたので、こちらは旅行後の話となります




 支倉の機嫌が珍しく悪い。
 俺が遊びにきた時はいつも気味悪いほどニヤニヤしてんのに、今日はテーブルに突っ伏して、綺麗な顔を歪ませている。
 
「どうしたんだよ、なんかあったか?」
「ストラップ、からかわれた」
 
 支倉がつけているストラップは夏休み北海道の水族館へ行った時、俺が買ってやったものだ。
 こんなの可愛すぎる似合わないとブツブツ言いながらも外さない支倉が可愛い。
 まあ、つまりだな、結局は自分でつけることを選択しているんだから自己責任てこった。
 俺に謝る筋合いもないので、便乗してからかってやることにした。
 
「ちゃんと、彼女からのプレゼントだって言ったか?」
「ん……」
 
 急に赤くなってもじもじし始める。
 なんだ? マジで可愛いぞ……。
 
「隆弘。もしかしてさ、ストラップ、女除けだった?」
「あー……今頃気づいたのか。案外鈍いよな、お前」
 
 俺が独占欲強めなことはもうわかっているだろうし、もっと早く気づくかと思った。
 会話の流れ的に、支倉にそれを指摘した奴がいて、そこで初めて気付いたんだろう。
 どんなことを言われたのか想像するとにやけてしまいそうだ。
 
「問題はそこじゃない。お前、これはなんだよ」
 
 支倉が白いうなじを晒してみせる。そこにはくっきりと歯型がついていた。
 覚えてない。でも昨夜バックからした時、支倉が嫌がるからつい興奮してその時に噛み付いたかもしれない。
 
「悪い、これはさすがにフォローきかないよな」
「え」
「え?」
 
 素直に謝ったら何故か驚かれた。失礼な奴め。
 
「俺が謝ったらおかしいかよ」
「いや、そうじゃなく……。こっちは牽制って訳じゃなかったのかと」
 
 ああ、ストラップを指摘された時に、独占欲が強い彼女だとかなんだとか、一緒にからかわれでもしたのか。
 支倉は男だから、歯型をつけた相手を女性と想定するなら、女除けの牽制と思うほうが妥当だろうし。
 セックスの最中、興奮して見境つかなくなった男の恋人に噛まれたなんて真実があるとは思うまい。
 
「お前今、襟足そこそこ長いから、角度によってはあまり見えないな。よかった」
 
 指先で歯型をなぞると、びくりと支倉の身体が震える。
 やべ、ムラムラしてきた……。
 
「からかわれて機嫌の悪い支倉くんの機嫌を直すにはどうしたらいいですか?」
 
 ちゅっとうなじにキスをして、後ろから手をまわし、シャツの上から胸をまさぐる。
 
「んっ……。べ、別に機嫌、悪くないぞ」
「嘘。じゃーなんで、そんなしかめっつらしてんだよ」
「……お前の独占欲が嬉しくて、にやつきそうなのこらえてた」
「恥ずかしい奴」
「自分でもそう思うから、こらえてたんだろ!」
 
 ああ、やばい。可愛い。
 にやけそうなの、会社でも相当我慢してたんだろうな。
 
「じゃ、首筋のコレが牽制じゃなくて、がっかりしたか?」
「そんなことは……」
「安心しろよ。今から身体いっぱい噛んでやるからな」
「あ、よせって、隆弘」
「口ではそんなこと言いながら、もう乳首立ってんじゃん。ほら、シャツの上からでもすげーよ、これ」
「馬鹿ッ、それはお前がいじるから!」
 
 さすがに見える位置に歯形はまずかった。反省してる。
 でもそんな可愛い反応されると、興奮してまた見境なくガブッといっちまいそうだ。
 だからそれを抑えるためにも今日は見えないとこ、あますところなく噛んでおこう。
 お前はそれを見て、にやつくか……怒るか、どっちだろうな。とりあえず、明日の俺はにやけ顔だ。
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