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その後の話
イケメンとクリスマス
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クリスマスなんてこの世からなくなればいいのにと思っていた俺が、今年は待ち詫びる側なんてな。まあ、一緒に過ごす相手は男なわけだが。
……ただ、俺にはもったいないレベルのイケメンだ。それが何故か、俺にベタ惚れ。
そんなイケメンがシャンパンにケーキ、薔薇の花束を抱えて家へやってきて、目眩がした。
「お前、なんだそれは……」
「隆弘が外でのクリスマスを嫌がるから」
「さすがに今日はカップルだらけで、男同士じゃ肩身が狭いだろ……」
しかも待ち合わせに薔薇の花束なんて持ってこられてみろ。目眩どこじゃない。卒倒する。
「まあ、いい。俺も浮かれて……いろいろ準備しちまったし、お前のことは笑えない」
俺はそう言って、支倉を部屋の中へ引き寄せた。
「へえ、何々。ローストチキンとかいろいろ買っておいてくれたとか?」
支倉は嬉しそうに部屋の中をきょろきょろ見回している。
狭いワンルーム、別段いつもと変わったところはない。用意っつっても、俺の場合は聖夜ではなく性夜用だ。
「なんだ。いつもと変わらないじゃないか。俺なんか作ろうか。冷蔵庫、材料ある?」
「いいや、用意してあるぜ、ちゃんと」
ベッドの上には新品のコンドームとローションと、香り付きのバスタオル。
指差せば、支倉の顔がひくりとひきつった。
「ばっ……お前、何考えてるんだ!」
「クリスマスって言ったら、ヤる日だろ」
「そりゃ、することはするけど、こんな……するだけとか普通ないって。ありえない」
「どのラブホテルも満室なんだろ。性夜なんだろ。ほら、さっさと服を脱いでベッドへ横になれよ」
「今日くらい、そのサドっぽい感じやめろよ。俺はお前ときちんと恋人同士っぽくクリスマス過ごすの、楽しみにしてたんだ」
「俺にとってクリスマスはこういう日なんだよ。ケーキもチキンもいらない。恋人とセックスしたい」
「隆弘……」
「それが、クリスマスプレゼントでいいからさ」
「プレゼントはもう買ってきてるぞ」
「じゃあ俺からお前へのプレゼントで」
「なら、一緒に恋人同士らしくケーキとか食べてから……」
欲しくないとは言わないあたり、支倉は本当に俺のことが好きすぎるよな。
「じゃあ、お前の身体にケーキ、飾ってやるよ。そんで、二時間くらいたっぷり気持ちよくして、おねだりさせてやる」
「た、隆ひ……んーっ」
濃いキスをかましてやると、手に持っていたケーキの箱と花束がぐしゃりと床に落ちた。
あー、ケーキ、完全に崩れちまったろうな……。
だが、今夜は性夜だ。今頃世の中でカップルがヤッてるんだろう爆発しろと毎年布団に潜っていたことを考えると、どうしても支倉とヤりたくてしかたなくなった。
普通の恋人らしいデートは来年までお預けだ。
明日はぐったりしたお前に、崩れたケーキを手ずから食わせてやるから、今夜は俺に付き合ってくれ。
「支倉……」
「こ、んな……性急なっ」
「涼佳。好きだ」
「隆弘っ……」
支倉が潤んだ瞳で俺を見上げる。ベッドへ押し倒して、クリスマスらしく愛の言葉大盤振る舞い。
「ど、どうしたんだよ、隆弘……っ」
「……毎年、クリスマスにはレストランでディナー、ワインで乾杯。指輪や薔薇の花束渡してブランドバッグや財布も? そのあとホテルのスイートってコースか?」
「まあ、定番……だな」
「そういうのもよかった。恋人がいる初めてのクリスマスだしな。でも……嫌だったんだよ。お前が付き合ってきた彼女たちと、同じよーなことされんのはさ」
支倉が、震える指先で俺の頬をたどってから、凄い勢いで背中をぎゅうっと抱きしめてきた。
「可愛い、隆弘ッ!」
「あー、うるさい、うるさい、うるさい。だから言うつもりなかったのに、お前があまりに酷い顔してっから」
「っ、俺、そんな不細工な顔してたか?」
「いーや。いつも通りのイケメンだよ」
鼻の頭にちゅっとキスをしてやると、支倉が拗ねたように唇を尖らせた。
「お前、そればっか。なあ、隆弘。もう一度名前で呼んで、それから愛してるって、言ってくれ」
ねだる支倉が可愛くて、それ以上何かを言う余裕もなくひたすらキスをした。
昨日はイブ。今日はクリスマス。ゴム一箱を使い切る勢いでがっつり致したから、支倉はベッドから起きあがれない。
俺は甲斐甲斐しくケーキを皿に乗せて、介抱中。ちなみに俺まで腰が痛い。挿れる側だったし主には奉仕してたから、支倉ほどじゃないが。
「やー……凄かったな。挿れただけでイクとか。お前マゾっぷりに磨きがかかってんな」
「い、言うなよ馬鹿……っ」
「可愛い可愛い。ほら、ケーキ」
「崩れてるし……。それに可愛いのはお前のほうだって、ん……む」
支倉は頬を染めたまま、むぐむぐと口を動かしている。
「愛してるぜ?」
「……それはもっと言ってください」
洒落たディナーもデートも要らない。男同士だしな。
俺は、お前がいればそれでいいよ。
……ただ、俺にはもったいないレベルのイケメンだ。それが何故か、俺にベタ惚れ。
そんなイケメンがシャンパンにケーキ、薔薇の花束を抱えて家へやってきて、目眩がした。
「お前、なんだそれは……」
「隆弘が外でのクリスマスを嫌がるから」
「さすがに今日はカップルだらけで、男同士じゃ肩身が狭いだろ……」
しかも待ち合わせに薔薇の花束なんて持ってこられてみろ。目眩どこじゃない。卒倒する。
「まあ、いい。俺も浮かれて……いろいろ準備しちまったし、お前のことは笑えない」
俺はそう言って、支倉を部屋の中へ引き寄せた。
「へえ、何々。ローストチキンとかいろいろ買っておいてくれたとか?」
支倉は嬉しそうに部屋の中をきょろきょろ見回している。
狭いワンルーム、別段いつもと変わったところはない。用意っつっても、俺の場合は聖夜ではなく性夜用だ。
「なんだ。いつもと変わらないじゃないか。俺なんか作ろうか。冷蔵庫、材料ある?」
「いいや、用意してあるぜ、ちゃんと」
ベッドの上には新品のコンドームとローションと、香り付きのバスタオル。
指差せば、支倉の顔がひくりとひきつった。
「ばっ……お前、何考えてるんだ!」
「クリスマスって言ったら、ヤる日だろ」
「そりゃ、することはするけど、こんな……するだけとか普通ないって。ありえない」
「どのラブホテルも満室なんだろ。性夜なんだろ。ほら、さっさと服を脱いでベッドへ横になれよ」
「今日くらい、そのサドっぽい感じやめろよ。俺はお前ときちんと恋人同士っぽくクリスマス過ごすの、楽しみにしてたんだ」
「俺にとってクリスマスはこういう日なんだよ。ケーキもチキンもいらない。恋人とセックスしたい」
「隆弘……」
「それが、クリスマスプレゼントでいいからさ」
「プレゼントはもう買ってきてるぞ」
「じゃあ俺からお前へのプレゼントで」
「なら、一緒に恋人同士らしくケーキとか食べてから……」
欲しくないとは言わないあたり、支倉は本当に俺のことが好きすぎるよな。
「じゃあ、お前の身体にケーキ、飾ってやるよ。そんで、二時間くらいたっぷり気持ちよくして、おねだりさせてやる」
「た、隆ひ……んーっ」
濃いキスをかましてやると、手に持っていたケーキの箱と花束がぐしゃりと床に落ちた。
あー、ケーキ、完全に崩れちまったろうな……。
だが、今夜は性夜だ。今頃世の中でカップルがヤッてるんだろう爆発しろと毎年布団に潜っていたことを考えると、どうしても支倉とヤりたくてしかたなくなった。
普通の恋人らしいデートは来年までお預けだ。
明日はぐったりしたお前に、崩れたケーキを手ずから食わせてやるから、今夜は俺に付き合ってくれ。
「支倉……」
「こ、んな……性急なっ」
「涼佳。好きだ」
「隆弘っ……」
支倉が潤んだ瞳で俺を見上げる。ベッドへ押し倒して、クリスマスらしく愛の言葉大盤振る舞い。
「ど、どうしたんだよ、隆弘……っ」
「……毎年、クリスマスにはレストランでディナー、ワインで乾杯。指輪や薔薇の花束渡してブランドバッグや財布も? そのあとホテルのスイートってコースか?」
「まあ、定番……だな」
「そういうのもよかった。恋人がいる初めてのクリスマスだしな。でも……嫌だったんだよ。お前が付き合ってきた彼女たちと、同じよーなことされんのはさ」
支倉が、震える指先で俺の頬をたどってから、凄い勢いで背中をぎゅうっと抱きしめてきた。
「可愛い、隆弘ッ!」
「あー、うるさい、うるさい、うるさい。だから言うつもりなかったのに、お前があまりに酷い顔してっから」
「っ、俺、そんな不細工な顔してたか?」
「いーや。いつも通りのイケメンだよ」
鼻の頭にちゅっとキスをしてやると、支倉が拗ねたように唇を尖らせた。
「お前、そればっか。なあ、隆弘。もう一度名前で呼んで、それから愛してるって、言ってくれ」
ねだる支倉が可愛くて、それ以上何かを言う余裕もなくひたすらキスをした。
昨日はイブ。今日はクリスマス。ゴム一箱を使い切る勢いでがっつり致したから、支倉はベッドから起きあがれない。
俺は甲斐甲斐しくケーキを皿に乗せて、介抱中。ちなみに俺まで腰が痛い。挿れる側だったし主には奉仕してたから、支倉ほどじゃないが。
「やー……凄かったな。挿れただけでイクとか。お前マゾっぷりに磨きがかかってんな」
「い、言うなよ馬鹿……っ」
「可愛い可愛い。ほら、ケーキ」
「崩れてるし……。それに可愛いのはお前のほうだって、ん……む」
支倉は頬を染めたまま、むぐむぐと口を動かしている。
「愛してるぜ?」
「……それはもっと言ってください」
洒落たディナーもデートも要らない。男同士だしな。
俺は、お前がいればそれでいいよ。
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