22 / 77
3rd stage
デートコースなんて思いつかない
しおりを挟む
『よっしゃ~~!!』
心の中でガッツポーズ。
しかし、、、
勢いで誘ったものの、よくよく考えると、それってもしかして、『デート』。じゃないのか?
、、、高い。
年齢イコール彼女いない歴のぼくには、高過ぎるハードル、、、orz
そりゃ、バーチャルカノジョの『みく』となら、スマホ片手にブラブラと街をうろついて、デート気分に浸ってたけど、リアルデートはわけが違う。
どこに行けばいいんだ?
なにを買えばいいんだ?
どんな会話をすればいいんだ?
どんなに考えてみても、デートのコースなんて思い浮かばないし、想像すらできない。
いっしょに外出すれば、食事とかお茶しようって流れになるかもしれないが、ファミレスかファーストフードか牛丼屋くらいしか知らない自分には、オサレな食べ物屋なんて、テリトリー外。
せっかくの、栞里ちゃんとの初めてのデートなんだから、ちゃんとエスコートしたい。
藁《わら》をもつかむ気持ちで、栞里ちゃんにわからない様にこっそりと、ぼくはヨシキにメッセした。
「めしどこか、たのむ」
時間をおかずに、レスは来た。
『なに? 今さら電車男w』
すぐさまぼくもメッセを返す。
「明日栞里ちゃんと買い物に行く。アドバイスよろ」
『そーきたか。軍資金は?』
「10諭吉以内で?」
『厨房相手なら充分杉。食事とお茶のオプションあり?』
「たのむ」
『服のテイストは?』
「わからん」
『その子の画像ないのか?』
「ある」
『送れ』
「流出させるなよ」
『機密厳守でおK』
念を押して、さっき撮った栞里ちゃんの画像を添付して、ヨシキに送る。
『感涙! メッチャ可愛いじゃないか! 『LIZ LISA』とか、姫系が似合いそう』
「じゃあそれで」
『ホテルのオプションは?』
「ないないないない!」
『了解。あとでおすすめプラン送っとく』
そこからヨシキはプランニングにかかった様で、メッセが途絶えた。
口惜しいけどこういう問題は、やっぱりヨシキが頼りになる。
風呂に入ってる間に、ヨシキから『おすすめプラン』が届き、とりあえず明日の買い物の問題は片付いた。
だけど、もうひとつ頭を抱える問題があった。
それは、、、
今夜、寝る場所をどうするか、だ!
昨夜は半徹でイラスト描いてたおかげで、机で寝落ちできたが、毎日それってわけにもいかない。
こういう場合は映画なら、女をベッドで寝かせて男はソファってのが鉄板なんだろうけど、あいにくうちにはソファなんて気の利いたものはない。
「今夜の、ね、寝る場所だけど… どうしようか?」
思いあまって、ぼくは直接、栞里ちゃんに訊いてみた。
こちらを振り向いた彼女は、怪訝そうな顔をするだけで、なにも言わない。
ヤバい。
いやらしい意味にとられたのかもしれない。
「べっ、別に、へっ、へっ、変な意味じゃないんだよ。純粋にどこで寝るかって事で…」
言い訳もしどろもどろ。
「…いいよ」
「え?」
「いっしょにベッドで寝ても、いいよ」
「いっ、、、 ベッ、、、」
「なんなら抱いてもいいし」
小悪魔の様にクスリと笑って、栞里ちゃんは答えた。
ぐはっ。
嘘だろ~!
いっしょに寝るなんて、、、
想像しただけで、理性がぶち切れそうだ!
「いい、いい! ベッドは栞里ちゃんが使って! ぼくはこっちで寝るからっ。ほらっ。抱き枕もあるからっっっ!!」
慌てて美少女イラストつき抱き枕をクロゼットから取り出し、ぼくはベッドから一番遠くの離れた床にそれを置いてポンポンと叩き、自分の寝場所をアピールした。
そんなぼくを見て、栞里ちゃんはクスクス笑うだけ。
もしかして、からかわれてる?
それとも、ほんとにいっしょに寝てよかったのか?
だけどもう、『床で寝る』って言ってしまった以上、今さらいっしょにベッドでなんて言えない。
逃した魚は大きいっていうか、、、
なんか常に、自ら負け組になろうとしてる自分、、、orz
こうして、波乱に満ちた一日が終わり、明日はいよいよ、次のステージの買い物デートへと進むわけだが、ひとつ大切な事を忘れていたのを、ぼくは当日になって気づくのだった。
つづく
心の中でガッツポーズ。
しかし、、、
勢いで誘ったものの、よくよく考えると、それってもしかして、『デート』。じゃないのか?
、、、高い。
年齢イコール彼女いない歴のぼくには、高過ぎるハードル、、、orz
そりゃ、バーチャルカノジョの『みく』となら、スマホ片手にブラブラと街をうろついて、デート気分に浸ってたけど、リアルデートはわけが違う。
どこに行けばいいんだ?
なにを買えばいいんだ?
どんな会話をすればいいんだ?
どんなに考えてみても、デートのコースなんて思い浮かばないし、想像すらできない。
いっしょに外出すれば、食事とかお茶しようって流れになるかもしれないが、ファミレスかファーストフードか牛丼屋くらいしか知らない自分には、オサレな食べ物屋なんて、テリトリー外。
せっかくの、栞里ちゃんとの初めてのデートなんだから、ちゃんとエスコートしたい。
藁《わら》をもつかむ気持ちで、栞里ちゃんにわからない様にこっそりと、ぼくはヨシキにメッセした。
「めしどこか、たのむ」
時間をおかずに、レスは来た。
『なに? 今さら電車男w』
すぐさまぼくもメッセを返す。
「明日栞里ちゃんと買い物に行く。アドバイスよろ」
『そーきたか。軍資金は?』
「10諭吉以内で?」
『厨房相手なら充分杉。食事とお茶のオプションあり?』
「たのむ」
『服のテイストは?』
「わからん」
『その子の画像ないのか?』
「ある」
『送れ』
「流出させるなよ」
『機密厳守でおK』
念を押して、さっき撮った栞里ちゃんの画像を添付して、ヨシキに送る。
『感涙! メッチャ可愛いじゃないか! 『LIZ LISA』とか、姫系が似合いそう』
「じゃあそれで」
『ホテルのオプションは?』
「ないないないない!」
『了解。あとでおすすめプラン送っとく』
そこからヨシキはプランニングにかかった様で、メッセが途絶えた。
口惜しいけどこういう問題は、やっぱりヨシキが頼りになる。
風呂に入ってる間に、ヨシキから『おすすめプラン』が届き、とりあえず明日の買い物の問題は片付いた。
だけど、もうひとつ頭を抱える問題があった。
それは、、、
今夜、寝る場所をどうするか、だ!
昨夜は半徹でイラスト描いてたおかげで、机で寝落ちできたが、毎日それってわけにもいかない。
こういう場合は映画なら、女をベッドで寝かせて男はソファってのが鉄板なんだろうけど、あいにくうちにはソファなんて気の利いたものはない。
「今夜の、ね、寝る場所だけど… どうしようか?」
思いあまって、ぼくは直接、栞里ちゃんに訊いてみた。
こちらを振り向いた彼女は、怪訝そうな顔をするだけで、なにも言わない。
ヤバい。
いやらしい意味にとられたのかもしれない。
「べっ、別に、へっ、へっ、変な意味じゃないんだよ。純粋にどこで寝るかって事で…」
言い訳もしどろもどろ。
「…いいよ」
「え?」
「いっしょにベッドで寝ても、いいよ」
「いっ、、、 ベッ、、、」
「なんなら抱いてもいいし」
小悪魔の様にクスリと笑って、栞里ちゃんは答えた。
ぐはっ。
嘘だろ~!
いっしょに寝るなんて、、、
想像しただけで、理性がぶち切れそうだ!
「いい、いい! ベッドは栞里ちゃんが使って! ぼくはこっちで寝るからっ。ほらっ。抱き枕もあるからっっっ!!」
慌てて美少女イラストつき抱き枕をクロゼットから取り出し、ぼくはベッドから一番遠くの離れた床にそれを置いてポンポンと叩き、自分の寝場所をアピールした。
そんなぼくを見て、栞里ちゃんはクスクス笑うだけ。
もしかして、からかわれてる?
それとも、ほんとにいっしょに寝てよかったのか?
だけどもう、『床で寝る』って言ってしまった以上、今さらいっしょにベッドでなんて言えない。
逃した魚は大きいっていうか、、、
なんか常に、自ら負け組になろうとしてる自分、、、orz
こうして、波乱に満ちた一日が終わり、明日はいよいよ、次のステージの買い物デートへと進むわけだが、ひとつ大切な事を忘れていたのを、ぼくは当日になって気づくのだった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる