あいつに惚れるわけがない

茉莉 佳

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「これ以上騒音をまき散らさないでください」

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「家出少女なのよ」
「ほええっ? い、家出少女、ですか?(´⊙ω⊙`)!!」

信じられないという顔で、桃李さんは聞き返す。

「実はね、あの子今、ヨシキの相方のミノルんに転がり込んでるのよ」
「ほわわっ?? まさかのミノルさんですか?! ((◎д◎ ))ゝ」
「でしょでしょ。
あんなデブサのヲタ絵師が宿主だなんて、笑っちゃうよね」
「うーん( ̄~ ̄;) ミノルさんは凄腕の神絵師で、ヨシキさんの大の親友なんですよ。
描く絵は鬼畜でエロいですけど、それをリアルで実行できる方とは思えないですぅ。きっとなにか深~い事情があるんだと、桃李は思うんです (*`・ω)b」
「部外者のあなたと違って、わたしはふたりから直接話を聞いてるのよ。だからあの子のこともわかるの。
優しくしてもらえるのなら、相手がだれでも脚開くような子なのよ。
ミノルだって、可愛いくておっぱいの大きな子に、ちょっと色じかけで迫られただけで、すぐに手を出しちゃういい加減男なんだから」
「むむむ~ん ( -_-) それはわたしも、拒否れる自信ないですぅ~ (´・ω・`)」
「だいたい、売りとかして小遣い稼いでるような子が、高瀬みくみたいな清純派キャラだなんて、全然似合わないのよ」
「ふえ~。あんなに楚々として可愛いのに~… なんだか信じられないですぅ~ ~( ノ´θ`)ノ」

なんだか、気分が悪くなってきた。
美咲さんの話が本当かどうかはわからないけど、こんな風に人の噂話を聞くのは、好きではない。
得意げに口元を上げて、美咲さんが言った。

「だから、『高瀬みく』はあたしの方がふさわしいって。それに、あたしならカメコにヨシキ呼べるわよ。ヨシキはあたしの頼みなら、なんだってきいてくれるしね」
「でも『高瀬みく』って、あんたみたいなビッチ巨乳じゃないわよ。キャラ違いすぎるじゃん」

恋子さんが、横から強烈なカウンターパンチを入れてきた。
たちまち、美咲さんの表情が険しくなる。

「ふん。『島戸京子』なんて雑魚キャラじゃん。やる意味ないわよ」
「え~? 『リア恋plus』キャラのなかじゃ、結構人気なの知らないの?
サバサバしたアネゴ肌でスポーツ万能でカッコいいし、女子の憧れナンバー1キャラじゃん。そんなことも知らないでよく『リア恋plus』コスやりたいなんて言うわよね。まさか美咲さんって、『撮られた』ちゃん?」
「失礼ね! だいたいあなたみたいなポッと出の底辺レイヤーが、『リア恋』合わせやるなんて、100年早いのよ!」
「あら~。乳揺らして『撮ってぇ~』ってキモカメに媚びるしか能がない『乳だけレイヤー』が、よく言うわ」
「貧乳のあなたなんか、そのキモカメにさえ振り向かれないじゃない」
「うるさいっ。『撮られた』のくせに、偉そうにしてるんじゃないわよ!」
「個撮にも誘われない女の僻みなんか、醜いわよ!」

ふたりとも、今にも取っ組みあいそうな勢いで、睨み合っている。

「ふえ~ん。おふたりとも、もっと仲良くしましょうよぅ~ Y(>_<、)Y
美月姫~。なんとか言って下さい~ (((o≧▽≦)o」

桃李さんはオロオロとうろたえ、今にも泣き出しそう。
まったく…
どうしてこんな騒ぎになったのよ。
それでなくてもわたしは、さっきの件で落ち込んでいるというのに、これ以上イラつくような騒音を、みんなでまき散らさないで!

「ちょっとそれ、貸して下さい」

そう言ってわたしは、桃李さんが手にしていた武具を手にとると、美咲麗奈と恋子さんの間を遮るように、キリっと矛先を向けた。

つづく
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