ヤるヤらない攻防

ヤるヤらない攻防

「ねえー、シよーよー」
「シないっ！」
「ええーいいじゃんべつにぃ、させてくれたってさあ」
「やーだ」
「俺はヤりたいの！」
「俺はヤりたくない」

ごねているのは俺の恋人だ。こいつの性欲は底知れず、毎日のように俺を求めてくる。求められるのはうれしいのだが、如何せん体がついてこない。俺はどちらかというと、というかこいつよりは相当淡白で、そんなに毎日セックスばかりしたいわけじゃない。

「お願いだからさあ、ねえ」

うわ、きた。こいつの上目遣い。こいつは毎日コレで俺をオトそうとしてくる。だがこれに引っかかる俺も俺だ。今日はもうそっちを見ない！これで俺のケツは守られる。ふん、俺は手強いんだ。

「ねーえー」

腰に抱きつかれた。これは初めてだ。どうしていいかわからない。正直そんなにも求められるのはうれしくて、こうやって上目遣いで抱きつかれるなんて可愛くて。俺から告白したんだ。恋人のことは好きに決まってる。ああ！


「あっあぁあ、やあっ、そんな、はげしいっ」
「あは、可愛いよ。もっとあげる」
「やぁあぁあんっ、うああっ、は、ああっ」
「ありがとね、きょうも付き合ってくれて」
「いやだってぇ、いっただろぉがよっ」
「最後にOKしたのは君じゃないか」
「っあ！いくぅうぅっ！！」


結局こうやって毎日俺はセックスに応じてしまう。
先に惚れたほうが負けなんて、よく言ったものだなあと思う。